日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年12月8日木曜日

◆FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016 第1ラウンド(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51932

FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016 第1ラウンド

赤崎と金崎のゴールで逆転!鹿島、クラブワールドカップ初戦突破!

ついに、世界での戦いが始まった。FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016、開幕戦。ニュージーランドの雄、オークランド・シティーFCと対戦した鹿島は、後半立ち上がりに先制ゴールを許したものの、67分に赤崎、88分に金崎と、途中出場のアタッカー2人がゴールネットを揺らして逆転に成功し、2-1と勝利を収めた。

鹿島は5日前、魂の90分間を経て、埼玉で歓喜の夜を迎えた。J1チャンピオンシップ決勝第2戦、浦和レッズ戦。「2点以上を奪って勝つ」というミッションを課された選手たちは、7分に奪われた先制点の後も動じることはなかった。40分に金崎のダイビングヘッドで同点に追い付くと、77分には鈴木がPKを獲得。金崎がゴール左隅へ突き刺し、逆転に成功した。2-1。会心の勝利で、7年ぶり8回目となるJ1制覇の瞬間を迎えた。

あれから2日後。選手たちは次なる目標へ向けて走り始めていた。歓喜のホイッスルは、世界への切符を掴み取った瞬間でもあったのだ。FIFクラブワールドカップ ジャパン 2016出場権、獲得。開催国王者としての誇りを胸に、チームは横浜でトレーニングを積んだ。厳しいスケジュールに身を置いても、世界大会に臨む高揚感が選手たちを突き動かす。山本は「とにかく楽しみ」と、期待感を語っていた。 



指揮官は浦和戦から先発メンバーを1名変更。痛みを抱えながらも2ゴールを挙げて優勝の立役者となった金崎をベンチに置き、ファブリシオを前線に起用する。コンビを組むのは土居、2列目には柴崎と遠藤。ボランチは永木と小笠原のペアで、最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。そして最後尾には曽ケ端が立ちはだかる。今大会は23名が登録されており、残り12選手全員がベンチ入り。GKの櫛引と川俣、ブエノ、植田、伊東、中村、三竿、杉本、金崎、平戸、赤崎、鈴木が控える。 



横浜国際総合競技場は穏やかな青空に包まれ、ワールドカップの開幕を待っていた。開催国王者のサポーターは、平日夜のゴール裏スタンドをアントラーズレッドで染めた。この舞台に立つ喜びと誇りを歌い上げる背番号12に鼓舞された選手たちが、身体に熱を送り込んでいく。

19時30分、キックオフ。立ち上がりから鹿島がボールキープ率を高め、相手を押し込んでいく展開とあった。オークランド・シティーFCは全選手が自陣に引いてブロックを形成し、守備を固める。鹿島は主に右サイドでの細かいパス交換で打開を図っていった。

ただ、なかなか効果的な縦パスを供給できない時間が続いた。相手にボールを奪われても出足の速いプレスでセカンドボールを確保し、ポゼッション率こそ高まったものの、シュートまで持ち込めない。13分には西がスルーパスを繰り出し、ペナルティーエリア内の土居が反応したが、わずかに合わずに相手GKにキャッチされた。25分には左サイドからのパスに遠藤が反応。ペナルティーエリア右側で右足シュートを放ったが、コースを消しに出てきた相手GKに阻まれた。35分には左サイドを駆け上がった山本が柴崎からのパスを受け、中央へクロス。ペナルティーエリア内で待っていた土居が左足ダイレクトで狙ったが、相手DFにブロックされた。

決定機を作るに至らない鹿島。オークランド・シティーFCは機を見たカウンターとセットプレーで反撃に出る。38分以降は相手のセットプレーが続く時間帯もあったが、しっかりと集中力を保って跳ね返した。

前半最後のチャンスは42分、中盤で持ち前のキレを見せた土居がトラップでマークを剥がし、前を向いてドリブル。コースを作り出して左足で放ったミドルシュートは相手GKに阻まれた。0-0。前半はスコアレスで終了した。 

















後半に入っても、どこか重苦しい雰囲気の中で試合が進んでいく。立ち上がりに圧力を強めたオークランド・シティーFCに押し込まれ、セットプレーのチャンスを続けて作られてしまった。そして50分、均衡を破られてしまった。ペナルティーエリア外からのFKをゴール前へ上げられると、キム デウクにヘディングシュートを決められた。

浦和戦に続いて1点を追う形となった鹿島は、ここから攻撃のギアを上げていく。石井監督は54分、ファブリシオに代えて赤崎を投入。「良い形でのシュートを見せていて、必ず結果につながると思っていた」と、石井監督は交代の意図を明かしている。指揮官の狙い、そして願いはのちに結実することとなる。

攻勢をかけ始めた鹿島は、63分に金崎をピッチへ送り出す。小笠原がベンチへ退き、柴崎がボランチの位置に下がった。この配置転換とオークランド・シティーFCの運動量が低下したことで、鹿島のパス交換はより速度を上げていった。 



そして67分、待望のゴールは背番号18がもたらした。ペナルティーエリア右手前から縦パスを入れ、遠藤とのワンツーで抜け出した永木が折り返す。待っていた赤崎は迷うことなく右足を一閃。強烈なグラウンダーのシュートがゴール左隅へと決まった。1年間、苦しいシーズンを過ごしてきたストライカーが、この舞台で輝いた。1-1。赤崎のゴールで、鹿島が同点に追い付いた。 





勢いに乗る鹿島は同点ゴール後も波状攻撃を仕掛け、永木のボレーや赤崎のドリブルシュートでゴールを脅かす。いずれも枠を捉えるには至らなかったが、オークランド・シティーFCを押し込む時間が続いた。 







1-1のまま、試合は終盤へ。石井監督は84分、3枚目の交代カードとして中村をピッチへ送り出し、攻撃陣を活性化させて逆転ゴールを目指した。守備を固めるオークランド・シティーFCのブロックを打開できない時間が続いたが、選手たちは慌てることなくチャンスを窺い続けた。

88分、ついに2点目が決まった。中盤左サイドでボールを持った柴崎がスピードを上げて縦へボールを持ち出し、タッチライン際の山本へ預ける。山本はドリブル突破を図り、左足でクロス。ファーサイドへ飛んだボールを土居が渾身の力で叩きつけると、最後はゴール前で待っていた金崎が頭で押し込んだ。途中出場のエースが値千金の一撃を決め、鹿島が2-1と逆転に成功した。 












ようやくリードを奪った鹿島は、パワープレーを敢行したオークランド・シティーFCに反撃を許さず、試合終了のホイッスルを聞いた。2-1。逆転でクラブワールドカップ開幕戦を制し、2回戦へと駒を進めた。 





2回戦は11日、市立吹田サッカースタジアムでアフリカ王者のマメロディ・サンダウンズと対戦。大阪へ移動して迎える中2日での一戦へ、選手たちは準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・FIFAクラブワールドカップ初出場で、初戦突破を決めた。
・鹿島の大会初ゴールは赤崎が決めた。
・金崎が2試合連続ゴールを決めた。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


オークランド・シティーFC:ラモン トゥリブリエッチ


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
Q.なかなかギアが上がらないような展開だったが、初戦の難しさか?

A.前半は全体的に身体が重たかったように感じた。後半になったらもう少し動くと思っていた。相手陣内でボールを回していても最終的にシュートまで持ち込む形が少なかった。駆け引きも兼ねて、シュートの意識をもう少し持ったほうが良かった。1点を失ってからギアが上がった形になった。この戦い方を続けていたら、この先で負けてしまう。チームとして修正しながらやっていきたいと思う。

Q.後半の選手交代、金崎選手の投入は予定通りだったか?

A.予定通りではない。足の状態はまずまずといったところ。どのタイミングで投入するか考えていたが、点を取りに行くしかない状況になったので、思っていたよりも早い投入になった。内容を見ながら彼を使うタイミングを計っていた。

Q.チャンピオンシップの疲れが相当残っていたと思うが、コンディショニングは?

A.身体が少し重たそうに見えた。コンディショニングにも少し問題があったかなと思う。この大会に懸ける選手の思いはすごく大きいものがある。気持ちの切り替えはできていたと思うが、身体の部分に少し、影響が出てしまったのかなと感じる。

Q.逆転勝利の手応えと、次戦の相手のイメージについては?

A.勝負強さという部分は、今日も逆転勝利という形で見せられたとは思うが、こういう試合はあまり良くない形。やはり、しっかりと先制をして優位な形で試合を進めることがベストだと思う。そこは納得していない部分はあるが、まずは1試合1試合勝っていかないと先に進めない。自分たちの目標は4試合をやること。次の試合に向けては、期間は2日しかない。なかなか相手チームの試合を分析できていない状況だが、まずは自分たちがやるべきことをしっかりやっていけば勝利に近付けると思う。前半の入り方に注意しながら次の試合に向かっていきたい。

Q.何人かのFWを送り出して勝とうとしたが、延長戦やPK戦の心配は?

A.3人プラス、延長戦になったらもう1人投入できるので、落ち着いて考えていた。ストライカーを投入したのは、点を取る形、特にシュートの意識を持たせること(が狙いだった)。2人はシュートの意識が高いし、赤崎選手は最近のトレーニングで良い形でのシュートを見せていて、必ず結果につながると思っていたので、彼を投入した。

Q.重い試合展開で、どのようにスイッチを入れればゴールに結びつくと考えていたのか?

A.まずはシュートの意識を持たせること。相手をどう引き出すか、裏のスペースをどのように突いていくか、という意識を持たせる話をした。相手の前でボールを動かすことが多かったが、最終的にはDFの背後に動いていかないとゴールに近づけない。そういう部分の話をハーフタイムにして、選手たちがしっかりとやってくれた。

Q.次の試合の相手はスピードの速いクラブだが?

A.立ち上がりの5分、10分への入り方が重要になる。前からプレスに行くのか、相手にスペースを与えないように引いてブロックを作るのか、コーチ陣と考えながら作戦を練っていきたい。前線の選手にスピードがあることはわかっている。前線とボールの出しどころをどう抑えるかがポイントになってくると思う。

オークランド・シティーFC:ラモン トゥリブリエッチ
先制した後)守備的な戦いをするという考えはなかった。鹿島は日本一のチームで、非常に手強かった。できるだけボールポゼッションをしようとしていたが、なかなかうまくいかなかった。人間なので、1点を取った後に少し集中力を欠くということもある。残念ながら敗者となったが、チームの戦い方は良かった。誇りに思う。接戦だったと思う。


選手コメント

[試合後]

【永木 亮太】
後半が始まってセットプレーで失点をしてしまって、点を取りに行くしかないという形になった。前半からボールを回せてはいたけれど、チャンスを作れていなかった。ボランチの位置からでも、自分が攻撃参加しようと思っていた。それをより強く意識した結果、同点ゴールに結びついて良かった。

【曽ケ端 準】
相手のプレースタイルはある程度は事前の情報通りだった。失点の場面はギリギリのところにボールを入れられてしまった。なかなかシュートまで行ける形が少なかったけど、秀平が良い形で決めてくれた。試合をひっくり返すことができて良かった。

【西 大伍】
チャンピオンシップが終わって間もない中、試合の入りの部分でなかなかリズムに乗れなかった。試合展開はやってみないとわからない部分もある。終盤まで1-1だったけど、延長戦に入るとは思わなかった。2点目が入ると思っていた。

【金崎 夢生】
聖真の折り返しが良かった。今日みたいな試合をしていてはダメだと思う。立ち上がりからしっかりとプレーしていきたい。開催国代表として責任を持ってプレーしたいと思っていた。

【遠藤 康】
アントラーズらしくない試合だった。どこかで縦パスを入れて勝負しなくてはいけなかった。前半は横パスが多かった。ミスしないようにという気持ちが出てしまった。ボールを失っても取り返すだけの選手がいる。先制されてしまうとパワーを普段より使わなくてはいけない。チームが勝って良かった。もっと良いサッカーができる。良い試合ではなかったけど、良い経験になった。

【赤崎 秀平】
亮太くんから良いパスが来た。折り返しが来るだろうと思って、GKとDFの動きを見てしっかり決めた。ハーフタイムに石井さんから行くと言われていた。前半、シュートが少なかったので自分が入ったら打とうと思っていた。試合前々日の紅白戦でサブ組が良いプレーをしていた。誰が出場しても決めていたと思う。点が入らないので、夏頃から柳沢コーチと良い練習を続けてきた。ゴールの練習だったり動き出しだったり、いろいろと教えていただいた。得点を決められない時の支えになった。

【昌子 源】
ミドルシュートをもっと打って良かったし、シュートを打って終わって欲しいと話した。情けない試合をしてしまった。不用意なファウルを与えてしまったのは反省点。シュートで終われば勢いに乗れるし、自分たちのリズムを作れる。

【土居 聖真】
アントラーズらしくボールを回すというより、相手に合わせてしまった。先手を取って攻撃的にやれれば良かった。横パスが多くてダラダラした感じになった。失点はいらなかったけど、そこからギアが入った。失点前からギアを上げないといけない。失点しても時間があったので焦りはなかった。アシストのところは、本当は力を込めてシュートを打ったら、力が入り過ぎて叩きつけたみたいになった。それが結果や勝利につながって良かった。ゴール前にたくさん顔を出して仕事をしないといけない。今はチームとして得点できている。今日はアシストをしたので次はゴール。ゴールは常に狙っている。

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