日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年9月10日日曜日

◆2017明治安田生命J1リーグ 第25節(オフィシャル)


明治安田J1 第25節

金崎の今季10点目が決勝弾!鹿島が大宮を完封で撃破、リーグ戦3連勝!

鹿島が聖地で再スタートを切った。ルヴァンカップ敗退から1週間、J1再開を告げる第25節で大宮アルディージャを迎え撃つと、33分に金崎が決めた1点を守り切って1-0と完封勝利。J1では3連勝で、勝ち点を55に伸ばして首位の座をガッチリとキープした。

1週間前、カシマスタジアムは沈黙に包まれた。ルヴァンカップ準々決勝第2戦、3-2。大逆転で収めた意地の勝利はしかし、大会からの敗退を意味するものだった。2試合で喫した5失点を挽回するためには、あと2つのゴールが必要だった。国内三冠への道を早くも絶たれ、土居は「それぞれに悔しさがあると思う。それを今後にぶつけないといけない。練習や試合で、自分のプレーにぶつけないといけない」と、逆襲への決意を語った。山本も「個の悔しさをぶつけたい」と静かに奮起を期している。不甲斐なさと悔しさから目を逸らすことなく、選手たちは残り2つのタイトルへと照準を合わせた。

9月5日、チームは練習を再開した。仙台との2試合で復帰を果たしたクォン スンテや永木、安部も精力的に汗を流し、自身の状態をより高めるべくトレーニングに打ち込んでいく。紅白戦を実施した7日には、日本代表に招集されていた昌子と植田も鹿嶋に帰ってきた。充実の時を過ごした背番号3と、「出場できなかった悔しさをぶつける」と、進化への決意を胸に宿した背番号5。負傷離脱者の復活に加えて、不動のセンターバックコンビが合流したことで、競争意識はさらに高い水準へと引き上げられた。切磋琢磨の日々が終わることはない。

試合前日のトレーニングを終え、大岩監督は「攻撃もそうだが、守備のアグレッシブさも全体で共有しなければいけない。リーグ戦が再開するタイミングで、いろいろな感情があると思う。それを試合にぶつけるという気持ちで臨めればいい」と語った。タイトルを失った悔しさを燃料とし、再び勝利の道のりを突き進まなければならない。

再出発の90分へ、大岩監督は1週間前から先発メンバー3名を入れ替えた。昌子と植田のセンターバックコンビを復帰させ、右サイドバックには伊東を指名。そして前線の一角には金森を抜擢。今季のJ1で2試合目の先発入りとなった背番号14へ、指揮官は「周囲のサポートを受けながら、良いところを思い切って出してもらいたい」と期待を託している。その他、左サイドバックは山本、ボランチには三竿健斗とレオ シルバが並び、2列目は土居と遠藤、前線は金森とともに金崎が務める。そしてベンチには、GKのクォン スンテとブエノ、永木、中村、小笠原、安部、鈴木という面々が座る。

J1再開を迎えるカシマスタジアムは、心地良い青空に恵まれた。ともに戦い続けるサポーターが続々と聖地へ足を運び、ボルテージを高めていく。1週間前、失意の選手たちを大きなコールと悲痛にも似た叫びとともに出迎えた背番号12が、スタンドを埋め尽くしていった。アントラーズレッドの情熱が、常緑のピッチへと降り注がれる。ウォーミングアップへ向かう選手たちは、勝利への決意とともにサポーターの愛情を全身で受け止めた。そして、身体に熱を送り込んでいった。

前々節の仙台戦でJ1通算200試合出場を果たした山本、100試合出場達成の中村が表彰された後、両チームの主将がフェアプレーの誓いを述べた。キャプテンマークを巻いた遠藤は「誰もが愛することのできるJリーグを」と、リスペクトの精神を聖地に響かせた。そして18時35分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。



立ち上がり、鹿島は大宮にボールポゼッションを許して押し込まれてしまう。なかなか起点を作ることができず、両サイドを広く使ったアウェイチームの攻撃を受けて自陣でのプレータイムが長くなった。それでも選手たちはしっかりと応戦。代表帰りのセンターバックコンビ、昌子が安定感抜群のカバーリングでピンチの芽を摘めば、植田も対人の強さを見せ付けてボールを奪っていく。10分を経過し、鹿島は少しずつペースを掴んでいった。





ただ、12分に大ピンチを迎えてしまった。左サイドからクロスを上げられると、フリーでヘディングシュートを許す。至近距離から枠を捉えられたが、軌道を見極めた曽ケ端が足で阻んでみせた。百戦錬磨の守護神が起死回生のビッグセーブを見せ、鹿島を救った。



背番号21のシュートストップで勇気を得た鹿島は15分、カウンターから土居がペナルティーエリア手前まで持ち込み、右足を一閃。グラウンダーのシュートは相手GKに阻まれたが、ゴールへの意欲を示してみせた。「試合の入りが不安定になることもあるけど、良い入りができなかった時、いかに修正するかが重要」と語っていた背番号8が、チームを上昇気流に乗せる積極的なプレーを示してみせた。



20分以降、鹿島は敵陣でのパス交換からゴールを狙い続けた。時にカウンターを受けても、センターバックコンビが鉄壁の対人守備でチャンスを作らせない。ボールを奪うと、両サイドを広く使った攻撃で大宮陣内へと押し込んでいく。先発に抜擢された金森が積極的にスペースを突き、果敢な突破で推進力となった。伊東と山本の両翼もオーバーラップを繰り返し、幾度となくクロスを繰り出して突破口を見出していた。







そして33分、待望の先制ゴールはエースの右足によってもたらされた。ドリブルでペナルティーエリア左手前まで持ち込むと、左前方を走っていた金森へ預ける。背番号14は迷わず縦へ突破。フェイントを交えて相手のマークを外し、グラウンダーで折り返す。待っていたのは金崎だった。2トップのパス交換が成功し、背番号33は右足で丁寧にインパクト。ダイレクトで放たれたシュートがゴール左隅へ決まり、鹿島が均衡を破った。金崎は今季のJ1で10得点目。早くも昨季の自己記録に並んだ。







勢いに乗る鹿島は36分にも、金崎が強烈なミドルシュートで大宮ゴールを脅かす。追加点は奪えなかったが、1-0とリードを保ったままハーフタイムを迎えた。







1点リードを得て、残り45分が始まった。大岩監督は遠藤に代えて安部をピッチへ送り出し、躍動を続ける若き才能に次なるゴールへの期待と信頼を託した。鹿島は48分、右サイドから鮮やかなパス交換でペナルティーエリア手前へ進出し、最後は金森が左足を一閃。「自分にしかない良さを出したい」と語っていた背番号14のチャレンジは、わずかに枠の右へ逸れた。続いてのチャンスは55分、ハーフウェーラインを少し越えた左サイドでボールを持った金崎が、意表を突いたロングシュート。決まっていればクラブ史に残るスーパーゴールだったが、惜しくも相手GKに弾き出されてしまった。









2つ目のゴールは奪えなくとも、順調に時計の針を進めていた鹿島。しかし、60分以降は大宮に押し込まれる時間が続いた。選手交代とシステム変更で突破口を見出そうと腐心したアウェイチームにボールポゼッションを許し、前線で起点を作れずにセカンドボールを拾われ続けてしまった。















ただ、鹿島の集中力が切れることはなかった。曽ケ端が盤石の安定感でゴールマウスに立ちはだかり、健斗はバイタルエリアで身体を張ってボール奪取を繰り返す。昌子は抜群の対人能力でカバーリングを繰り返し、植田は空中戦で圧倒的な存在感を示した。85分には強烈なミドルシュートで枠を捉えられたが、守護神がビッグセーブ。終盤はロングスローを繰り出した大宮とペナルティーエリア内での競り合いを繰り返すこととなったが、最後の一線はしっかりと守り切ってみせた。



「レオが『残り10節、全てを決勝戦のつもりで戦わないといけない』と話してくれた」と、昌子が試合前のやり取りを明かした。その一歩目は、聖地でのウノゼロ。鹿島が完封勝利を収め、首位の座をガッチリと守ってみせた。勝ち点は55となり、2位以下との差は6ポイントに開いている。次なる戦いは1週間後、9月16日のJ1第26節だ。新潟とのアウェイゲームを制し、連勝街道を突き進まなければならない。一戦必勝で臨むシーズン終盤、鹿島の歩みが止まることはない。









【この試合のトピックス】
・今季のJ1での大宮戦は2戦2勝。ホームでの勝利は2013年以来だった。
・金崎が今季のJ1で10得点目を記録。昨季に記録した自己ベストに並んだ。
・今季のJ1で4度目となる3連勝を記録した。
・伊東が8月5日に行われた第20節の仙台戦以来、J1で5試合ぶりの先発復帰を果たした。
・金森が今季のJ1で2試合目となる先発出場を果たした。前回は5月19日の第12節川崎F戦だった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・後半も前からの連動した守備を続け、リスクマネジメントを忘れないこと。
・セットプレーの攻撃の時、慌てないで入っていくタイミングを見極め、中でボールを呼び込もう。
・ボールを奪ったあとのファーストプレーで、シンプルにボールを動かしていくこと。


大宮アルディージャ:伊藤 彰
・ボールを動かしながら前へのパワーを掛けよう。
・前線でサポートを早くしよう。
・ここからが勝負だ。最後まで全員で戦おう。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
非常に難しいゲームだった。相手が大宮ということで、やりにくかった。選手たちが攻守において、コンパクトに連動してプレーしてくれた90分だった。

Q. 相手のプレッシャーを受けずにボールを回せたと思うが、どう感じているか?
A. 試合前から、自分たちが狙うところを意識させた。選手たちは、そこを突いていこうという意識が非常に高かった。最後のところでアイデアをなかなか出すことができなかったが、そこは次に生かしたい。選手たちが積極的にウィークポイントを突いてくれた結果だった。

Q. 後半、守備と攻撃の選手に意識の違いが感じられたが、修正を考えているか?
A. ハーフタイムにも言ったが、意識の違いというよりも、ボールを奪った後のファーストプレーで意思の疎通が合わなかった。ボールを奪ったのに奪い返されてしまう場面が非常に多かった。そういったところをしっかり合わせていきたい。後半は相手にボールを持たれる時間もあったが、しっかり連動してコンパクトにする守備ができていたことは評価していいと思う。


大宮アルディージャ:伊藤 彰
カシマまでファン・サポーターが来てくれたが勝ち点3が取れず、非常に申し訳なく思う。前半はパワーを持って試合に入ることができたが、15分から30分にかけては少し相手にペースを握られてしまい、押し返せずに失点してしまった。反省が必要。後半はオーガナイズを変え、しっかりした守備から攻撃に移ることを目指した。交代カードを使いながらゴールを目指したが、詰めが甘かった。厳しい状況だが、選手には下を向かず1つ1つ戦っていくことを伝えた。次に向けてしっかりやっていきたい。


選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
勝つという気持ちでプレーしていた。良いボールが来たので、合わせるだけだった。チームとして、後半ももっと良い内容でできるようにしたい。次も厳しい戦いになると思うけど、チーム全員で戦いたい。

【曽ケ端 準】
大きなピンチは、最初のヘディングシュートくらいだった。他の場面では、ドリブルで仕掛けられてもみんなが最後までついていって、カバーできていた。前線からうまく守備をすることができていた。だからこそ、後半は相手がシステムを変えてきた中でもうまく対応できていた。

【山本 脩斗】
難しい試合になったけど、最後まで集中力を切らさずにやれた。このような展開になった中、集中してプレーできたことが良かった。1試合ずつ、3ポイントを重ねていけるように準備をしていきたい。

【土居 聖真】
全員の意識が引き締まっているのを感じたし、久々にアントラーズらしい戦い方と勝ち方ができたと思う。全員で守って全員で戦って、よく戦えたと思う。

【金森 健志】
得点に絡んだプレー以外のところで、質を高めていかないといけない。ハードワークや最後まで走り切るという部分を、もっともっとやらないといけない。もっとドリブルで仕掛ける場面を増やしたかった。物足りなく思っている。

【植田 直通】
個人的には納得していない部分が多い。思っていたよりは動けたけど、しっかりと練習をしてコンディションを上げていきたい。完封は全員で戦って守った結果。これを続けていきたい。

【昌子 源】
しんどい試合だった。特に最後のロングスローの守備はキツかった。レオが「残り10節、全てが決勝戦だ」と言ってくれて、その思いを示すことができた試合だったと思う。次も決勝のつもりで、立ち上がりから全力で戦う。


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