日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年8月19日日曜日

◆完全復活を遂げた仕事人。山本脩斗が見せるプロフェッショナルとしての真骨頂【J1第23節・鹿島vs横浜FM】(GOAL)



山本脩斗 Shuto.Yamamoto


明治安田生命J1リーグ第23節が8月19日(日)に開催。7位・鹿島アントラーズはホームに14位の横浜F・マリノスを迎える。前節、4カ月ぶりに先発出場した仕事人・山本脩斗が見せるプロフェッショナルとしての真骨頂とは。

■4カ月ぶりの先発。久々に果たした任務遂行

「コンディションはまだまだですけどね。今できる中で、やれることはしっかりとできたんじゃないかと思います。チームのために」

実直なプロフェッショナルはいつものように、淡々と言葉を連ねていた。名古屋グランパス戦で喫した4失点、断行された4名の先発変更。4カ月ぶりの先発復帰、その舞台には幾多もの困難が散りばめられていたに違いない。

それでも、まとわりつく湿気とコントラストを描くかのように、山本脩斗は冷静沈着だった。

「後半は押し込まれる時間が長くなってしまいましたけど、こういう暑さと連戦の中で『全員で勝とう』と話していましたから」

走り抜いた90分を描き出し、「勝ててよかったです」と続ける。久々に果たした任務遂行、その意味を噛み締めているかのようだった。

「アクシデントもありましたけど、守備の部分でやることは変わりませんからね。しっかりと前の選手を動かしながら、声を掛け合いながらプレーできたと思います」

アントラーズを襲ったのは、じめじめとした暑さだけではなかった。3ポイントへ到達するまでに、思いがけない事態が二度も発生。ハードタックルを受けた安部裕葵、そして安西幸輝が苦悶の表情でピッチを後にした。左サイドハーフを務めた若武者たちの相次ぐ負傷は、山本にとっては“相棒”の変更に他ならなかった。

安部、安西、そして永木。いずれも高い能力を備え、特長や傾向も異なる3人のパートナーとともに、秩序と組織を保ち続ける。

「誰が出ても、同じサッカーができるように」。誠実なプロフェッショナルの姿が、そこにはあった。

「これだけ長い期間、試合に出ないというのは経験したことがないですね」


■ケガを乗り越え戻ってきた仕事人





過去4年で165試合に出場した山本にとって、アントラーズ加入5年目は思いもよらない道のりとなってしまった。4月11日、突然襲いかかってきた悪夢。FC東京戦、開始早々にピッチへ倒れ込む。左膝後十字靭帯損傷で全治まで約3~4カ月。どんなに過酷な連戦でもプレータイムを刻み続け、時に陥る負傷者続出の苦境にあってもチームを支え続けてきた背番号16が、ピッチから遠ざかることとなってしまった。

そこから3カ月で実戦に復帰。W杯中断明け後最初のゲームとなったジュビロ磐田戦で途中出場を果たし、復帰を果たすと、15日の長崎戦ではFC東京戦以来、15試合ぶりの先発メンバーに名を連ねた。

「先に失点してしまいましたけど、チームとして落ち着いてプレーして、前半のうちに勝ち越せましたからね。練習で合わせた回数は多くはないですけど、マークの受け渡しやスライドのところを意識していました。しっかりとやれたと思います」

長崎との90分で背番号16が刻んだ走路は11.36kmとチーム最長だった。果敢なオーバーラップを繰り返して2つのスコアを演出した右の翼・伊東幸敏と比べれば、そのパフォーマンスが帯びる色彩は鮮やかとは言えなかっただろう。

だが、それこそがプロフェッショナルの真骨頂だ。激しいタックル、鋭いパスカット、冷静かつ堅実なカバーリング。「行く時は行くし、バランスを見ながらプレーしていました」。絶えず状況を把握し、仲間を活かし、そして献身を体現してみせた。誰もが思ったはずだ。“さすが、脩斗だ”と。

「どの試合も勝つことを必要とされているのがアントラーズですから。チームとして、しっかりと勝てるように」

真夏の連戦は後半戦を迎え、ここからは県立カシマサッカースタジアムでの戦いが続いていくこととなる。まずは今夜、トリコロールとの90分。歓喜と失意を繰り返す日々に終止符を打ち、勝利とともに突き進んでいくために――。完全復活を遂げた仕事人が、聖地のピッチを駆け抜ける。

◆完全復活を遂げた仕事人。山本脩斗が見せるプロフェッショナルとしての真骨頂【J1第23節・鹿島vs横浜FM】(GOAL)

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