日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年10月26日金曜日

◆【原博実の超現場日記2018/第10回】水原の死闘。鹿島ACL決勝進出!3-1から同点に。流れを変えたのは西(GOAL)






Jリーグの原博実副理事長がスタジアムや視察先で見たもの、感じたことを率直な言葉で綴る『超現場日記』。10月24日には、AFCチャンピオンズリーグ準決勝第2戦の水原三星vs鹿島アントラーズを視察した。


■予想以上に厳しかった敵地での第2戦


今年2度目となる韓国・水原ワールドカップスタジアム。日本からも鹿島アントラーズサポーターがたくさん来ている。

厳しい試合になるだろうと予想はしていた。

10月3日のACL準決勝第1戦、県立カシマサッカースタジアムでの結果は3-2だった。開始直後から水原の勢いに押されて6分までに2失点。オウンゴールで1点を返すも、追加点を奪えない。終盤84分にセルジーニョのゴールで同点に追いつき、アディショナルタイムに内田篤人の劇的なゴールで勝ち越した。





アウェイに乗り込んだ鹿島。今回の試合の入りは悪くない。

先週末リーグ戦で出場がなかったレオ・シルバと三竿健斗のダブルボランチがやはり効いている。そして、両サイドハーフの土居聖真、安西幸輝。この2人は運動量が多い。センターバックには、けがから復帰した昌子源とチョン・スンヒョン。第1戦で水原の選手と一悶着あったGKクォン・スンテへのブーイングが凄まじい。クォン・スンテはKリーグでは全北現代に所属していた。水原とはライバルチームの関係にある。

ではハイライトをどうぞ。





鹿島が25分、セルジーニョのフリーキックに山本脩斗が頭で合わせて先制に成功する。得点を奪わなくてはならなくなった水原は守備的な選手チェ・ソングンに代えて後半からFW9番のパク・キドンを投入。これで水原の最前線は完全な2トップとなった。前半の3トップ気味の布陣から4トップに近い形となる。すると、鹿島の対応が少しずつ遅れ始める。

52、53分に連続失点。経験のある鹿島でもなかなか悪い流れを止められない。60分には、水原のエース、デヤン・ダムヤノビッチに3点目を決められてしまう。瞬間の水原スタジアムはまさに割れんばかりの歓声に包まれた。スコアは3-1。鹿島は2戦合計4-5とされ万事休す。

そのとき、鹿島の選手全員がピッチ中央に集まった。





1点返せば3-2。つまり延長戦になる。「まずは慌てず落ち着いて冷静に。1点を返すことに集中しよう――」。そんなことでも話しているのか。

そのミーティング効果なのか、64分に左からのクロス。鈴木優磨がつぶれたところに西大伍。難しいボールだったが、うまくトラップするとそのまま抑えてボレーシュート。かなりの高度なテクニックだ。ボールは逆サイドのポストに当たってゴールイン。その流れはスローモーションのようで、まるで時が止まったかのような同点弾だった。

ダムヤノビッチが3点目を決めたとき、まるで勝利を確信したようだった水原が動揺しているのが分かる。選手たち、ベンチ、そしてサポーターも。一方、鹿島ベンチは冷静に冷静にと指示を送る。

82分。セルジーニョの同点ゴールが決まる。またしても西。セルジーニョの得点は、西の機転の効いたスローインが起点だった。濡れているピッチをうまく利用したワンバウンドのボールはペナルティーエリア内、ゴールライン近くにいた鈴木優磨へ。優磨がうまくキープしてセルジーニョへ送る。そして、セルジーニョの一振り。ゴールに吸い込まれるボール。

この3点目で勝負あり。水原が勝つためには、アウェイゴールを考えるとあと2点取らなくてはならなくなった。試合最終盤、うまく時間を使う鹿島の選手たち。





■強い気持ち、チーム一丸となった強さ

後半3点目を取られた時、「これは苦しい」と正直思った。そこから鹿島は追いついた。JリーグYBCルヴァンカップは準決勝で敗退。4日前に行われたリーグ戦第30節では、浦和に1-3で敗れていた鹿島。しかし、彼らはさすがにたくましい。「ACL決勝になんとしてでも行くんだ」という強い気持ち、チーム一丸となった強さを感じさせた。

そして、個も強かった。極限の状態の中での西の2点目のゴール。冷静に選択したあのプレー。3点目の引き金となったスローイン。西が流れを変えた一戦でもあった。





そしてGKクォン・スンテ。あれだけのブーイングをされながら、強気なファインプレーを何度も見せた。もしかするとJリーグよりKリーグのリズムに慣れていたのかもしれない。

勝利をつかみ取った選手たちが、現地に駆け付けたサポーターの前で喜びを爆発させる。





試合後、村井さんと一緒に鹿島スタッフに挨拶した。ジーコさんや鈴木満さん、コーチ陣も大喜び。あまりにも喜び過ぎて写真を撮るのを忘れてしまった。

一夜明けた今朝の金浦空港では、朝早くから荷物を預けるスタッフたちがいた。JFA・Jリーグ職員のACLサポートメンバーも朝3時起きで仕事をしている。





搭乗を待つ間にコーヒーを飲んでいると、鹿島サポーターのみなさんから声をかけられた。「仕事休むの大変です〜。でもテヘランにも行きます」。と明るい表情で話してくれた。本当にありがとう。





11月3日、カシマスタジアムでACL決勝第1戦が行われる。チームにとっては、リーグ戦もありハードな日程が続く。

第1戦に向けて、良い準備をしてほしい。まだまだ本調子ではなかった昌子。決勝までには必ずコンディションを上げてくるはず。総力戦でACLタイトルを!鹿島ならやってくれる。

【追伸】

韓国のパンは大きい?

これ本当に1人分? こちらは固いフランスパンにハムとチーズ。と思ったらあんことバターだった。



やっぱり韓国の人はよく食べる。私ももちろん韓国料理も食べた。それが良かったのかもしれない。




◆【原博実の超現場日記2018/第10回】水原の死闘。鹿島ACL決勝進出!3-1から同点に。流れを変えたのは西(GOAL)

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