日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2020年1月1日水曜日

◆【天皇杯決勝展望】神戸×鹿島|ビジャ、有終の美を飾るか? 常勝軍団、21冠目のタイトルか?(サッカーダイジェスト)






第99回天皇杯全日本サッカー選手権決勝
ヴィッセル神戸 - 鹿島アントラーズ
2020年1月1日(水)/14:35/国立競技場


神戸――“負けられない”を超えた良いマインドで初の元日決勝へ


【決勝までの戦績】
2回戦/4-0 ギラヴァンツ北九州
3回戦/4-0 大宮アルディージャ
4回戦/3-2 川崎フロンターレ
準々決勝/1-0 大分トリニータ
準決勝/3-1 清水エスパルス

 常勝軍団・鹿島と新興勢力・神戸という構図になった天皇杯決勝。マインド(精神)的には神戸がやや有利かもしれない。

 天皇杯準決勝で神戸は3-1で清水を下した。だが、清水に決定機を何度か作られ、スコア以上に苦戦を強いられた。この試合を前に数人の選手が口にしたのは「負けられない」という言葉。今季限りで現役引退を表明したビジャと那須大亮とともに決勝へ行きたいという思いが、負のマインドを呼び起こし、ミスを誘発した。

 清水戦後、ミックスゾーンで多くの選手たちが見せたのは歓喜ではなく安堵の表情。酒井高徳も小川慶治朗も「まずは勝てて良かったです」と肩をなでおろしていた。「負けられない」から解放された瞬間だったと考えられる。

 この視点で元日決勝を見ると、「負けられない」という負のマインドが強いのは鹿島だろう。J1第33節で鹿島は神戸に敗れてタイトルレースから脱落しており、今度こそは負けられない。無冠でシーズンを終えないために、この天皇杯は絶対に負けられない……。

 一方の神戸は、決勝進出に大きく貢献したGK飯倉大樹が「元日に新しい国立でサッカーできるのは神戸と鹿島だけ。ここまで来たら楽しんで勝ちたい」と話すように、いい精神状態で臨めそうだ。準決勝を欠場したビジャも決勝戦はおそらく出場可。クラブ初タイトルへの風向きは上々と言えそうだ。

 予想フォーメーションは超攻撃的な3-4-2-1。ダンクレー、大﨑玲央、フェルマーレンの3センターバックに、ウイングバックは右が古巣対決となる西大伍、左が酒井。ボランチはイニエスタと山口蛍。2シャドーの左にポドルスキ、右に古橋亨梧、そして中央がビジャ。ベンチには天皇杯4ゴールの田中順也が控えるといった具合か。

 J1第33節の対戦では、ビジャとイニエスタを温存しながら鹿島から3ゴール(藤本憲明、郷家友太、小川)を奪った。さらに強力布陣で挑む今回もゴールは奪えるはず。ポイントは無駄な失点をしないこと。元凶となる負のマインドが抜けた神戸に死角はない。

文●白井邦彦(フリーライター)


鹿島――苦手気味の3バックを相手にプレスが機能するか?


【決勝までの戦績】
2回戦/3-1 北陸大
3回戦/4-0 栃木SC
4回戦/4-1 横浜F・マリノス
準々決勝/1-0 HondaFC
準決勝/3-2 V・ファーレン長崎


【担当記者の視点】
 鹿島アントラーズが、無冠のままシーズンを終えるわけにはいけない。リーグ3位、ACLベスト8、ルヴァン杯ベスト4という数字は、鹿島にとってすべて「V逸」を意味する。残されたタイトルは天皇杯のみ。2017年大会以来となる優勝に向け、今季限りでの退任が決まっている大岩剛監督は「決勝戦ですので、どんな形でも勝利を手にすること。アントラーズの哲学でもある『目の前の試合に全力を尽くす』という気持ちで臨みたい」と力を込める。

 ヴィッセル神戸とは11月30日のJ1リーグ33節で対戦し、1対3で敗れたばかり。この試合では俗に言う「鹿島らしさ」は微塵も感じられず、ボール支配率38%とディフェンスラインからのつなぎに苦戦。一部の主力を温存した相手に主導権を握られた。3対2で辛勝した12月21日の天皇杯準決勝・長崎戦を含め、ここ数か月は3バックの相手に連動したプレスができず、ボールの取りどころがはっきりしないままの戦いが続いてきた。神戸は3バックの布陣が予想される。大岩監督が口癖のように繰り返す「継続と改善」で共有事項を整理し、チームとして立て直しを期す。

 1月のU-23アジア選手権に臨む日本代表に選出された上田綺世、相馬勇紀は前所属チームで大会に出場しているため登録外となる。120分での戦いも視野に入れなければならない状況で、その類い希な個性で流れを変えられる2人の欠場は痛い。先発の11人だけでなく、ベンチメンバー7人枠の選考・起用法も勝敗のカギを握るだろう。

 11月以降の試合で気を吐き、安定したプレーを続けている選手はブエノや三竿健斗ら数えるほど。負傷や過密日程によるコンディション不良などが影響し、精彩を欠いているメンバーが多い。それでも今季の公式戦55試合目、最後の1試合は、のどから手が出るほどに渇望する「タイトル」が懸かった大一番。今季味わった悔しさを力に変え、新国立のピッチで国内クラブ最多21冠目を掴み取る。

文●岡島智哉(報知新聞社)


◆【天皇杯決勝展望】神戸×鹿島|ビジャ、有終の美を飾るか? 常勝軍団、21冠目のタイトルか?(サッカーダイジェスト)




Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事