日刊鹿島アントラーズニュース

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2015年2月26日木曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2015 グループステージ 第1節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51523

AFCチャンピオンズリーグ2015 グループステージ 第1節 vsウェスタン・シドニー・ワンダラーズ

土居が同点弾も、ホームで3失点。鹿島、4年ぶりのACLは黒星スタート。

4年ぶりとなるアジアでの戦いが、ついに始まった。AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節で、鹿島がウェスタン・シドニー・ワンダラーズとホームで対戦。前回王者を相手にスコアレスで迎えた後半、先制を許した後に土居のゴールで一時は追いついたものの、その後に2失点を喫して1-3で敗れた。



プレシーズンマッチで3連勝を果たし、選手たちは満を持してACL初戦に臨んだ。熾烈を極めるポジション争いの中、トニーニョ セレーゾ監督は最終ラインに西と昌子、植田、山本の4人を起用。中盤では小笠原と柴崎がボランチに入り、2列目には遠藤と土居、そしてカイオが名を連ねた。プレシーズンマッチで出場がなかった植田とカイオが先発に指名され、1トップには高崎、最後尾には曽ヶ端が立ちはだかった。





2月の夜らしく厳しい冷え込みの中、カシマスタジアムでキックオフの笛が鳴った。サポーターの声援を背に、鹿島は立ち上がりから積極的に攻勢をかけていく。まずは3分、ペナルティーエリア左手前での競り合いから柴崎がセカンドボールを拾い、横で待っていた土居にパス。土居は右側に流れながらバウンドするボールに合わせ、思い切りよくダイレクトボレーを放ったが、強烈なシュートは惜しくも枠の右へ外れた。

「どこが相手でも勝つだけ」と語っていた土居の決意にみなぎるシュートで勢いに乗った鹿島は7分、右サイドのFKを小笠原が蹴り込むと、低い軌道のボールに高崎が反応して背後へ逸らす。ペナルティーエリア中央へ走り込んでいた昌子が身体ごと押し込もうとしたが、シュートはゴールライン上ぎりぎりのところで相手GKにセーブされてしまった。







10分以降は一進一退の展開となり、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズにゴール前への進入を許す時間帯もあったが、鹿島の選手たちは大柄な相手に対して身体を張った守備で応戦し、均衡を破らせない。ボールをキープされても集中力を切らさず、サイドのスペースを突いたカウンターでチャンスを作って押し込んでいった。





26分には、小笠原と柴崎を起点に縦へ速い攻撃を見せ、右サイドの背後へ抜け出した遠藤が中央へ折り返すと、最後は高崎が飛び込んだものの、相手にクリアされてしまった。さらに29分には、中盤左サイドで縦へと突破したカイオがスルーパスを出し、高崎が反応してペナルティーエリア内へ。角度のないところから左足を振り抜いたが、相手GKにセーブされてしまった。



そして前半最大の決定機は45分、ペナルティーエリア内で相手DFとGKの連係ミスを突き、こぼれ球を拾った山本がGK不在のゴールへシュートを放ったものの、枠の左へ外れてしまった。前半はスコアレスで終了した。






チャンスを作りながらも均衡を破れず、迎えた後半。鹿島は前半同様、立ち上がりから攻勢をかけた。しかし、先制点はウェスタン・シドニー・ワンダラーズのものだった。54分、左サイドからのロングスローでゴール前での混戦状態を作られ、最後はクリアを試みた昌子が触れたボールが無情にもゴールへ吸い込まれてしまった。





思わぬ形で先制を許した鹿島は、セレーゾ監督が65分に本山を投入して反撃の合図を送る。そして、この交代によって右サイドにポジションを移したカイオから、待望の同点弾が生まれた。68分、右サイド深くでフィジカルの強さを見せ、相手のマークを振り切ったカイオが狙いすましたクロスを送ると、最後は土居が強烈なボレーを突き刺した。



同点弾を決めた土居は、直後にボールを拾いに行き、逆転への意志を示した。鹿島は勢いに乗ってサイド攻撃を仕掛け、カイオを中心にチャンスを演出していく。しかし、次の1点を奪えないまま試合は終盤へ。セレーゾ監督は76分に赤崎、81分に中村を投入して、逆転弾への希望を託した。







しかし86分、右サイド深くへ進入を許すと、最後は中央での縦パスから高萩に押し込まれて勝ち越されてしまう。さらに後半アディショナルタイムには、自陣でのボールロストから3失点目を喫した。










鹿島は1-3でウェスタン・シドニー・ワンダラーズに敗れ、ACL黒星スタートとなった。ホームで厳しい結果に終わり、一歩目を踏み出すことはできなかった。次戦は1週間後、3月4日のグループステージ第2節FCソウル戦となる。アウェイでの戦いとなるが、初戦を落とした以上、勝ち点3を奪いに行かなければならない。今日味わった悔しさをバネに、チーム全員で這い上がるしかない。



【この試合のトピックス】
・ACLの試合をカシマスタジアムで開催したのは、2010年5月12日の決勝トーナメント1回戦、浦項スティーラーズ戦以来、1750日ぶり。
・ACLのグループステージ初戦で黒星を喫したのは2009年以来、2回目。前回はアウェイで水原三星に1-4で敗れたが、その後に4勝1分と持ち直して決勝トーナメント進出を決めている。
・ACLでオーストラリアのクラブと対戦したのは今回で5回目。今日の敗戦で、戦績は2勝1分2敗となった。2008年に対戦したアデレード・ユナイテッドとは1分1敗、2011年に対戦したシドニーFCには2勝を挙げている。
・先発11名のうち、半数以上となる、植田、昌子、山本、土居、カイオ、高崎の6選手がACL初出場だった。また、途中出場の中村もACLで初めてピッチに立った。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ


ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ:(代行)イアン クルーク


[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・私は60年間、サッカーの世界で過ごしているが、いつもサッカーの試合には驚かされる。いくら内容が良くても、1-3というスコアで負けてしまうこともある。正直、1-3というスコアを見てコメントしてほしいと言われても、私から言えることはあまりない。なぜなら、みんなが魂を込めて、自分たちのサッカーをしっかりと表現してくれていたから。しかし、サッカーの難しいところは、いくら良い試合運びをしていても、負けてしまうことがある。次から次へと過密日程が待っているので、現実を受け止めて試合をこなしていかなくてはいけない。1つの試合に負けたからといって、下を向くわけにはいかない。良いサッカーをしていたわけだから、次の試合でもしっかりやるだけ。
・今日はホームゲームということでたくさんのサポーターが駆けつけてくれた。勝利という結果を届けることができず、とても残念で、申し訳なく思う。
・今日の前半に関しては、私たちのサッカーの出来が想像していたよりも良く、皆さんも少し驚かれたのではないかと思う。後半に同じサッカーを持続して出来なかった、今後の課題。ポゼッション、ボックス内でのシュートの回数などはすべて相手より上回っていたはず。修正するところは修正して、次の試合に向けてしっかり準備していきたい。
・今は試合直後で、体の中のアドレナリンが出ていて、熱さが残っている状態なので試合の内容を語ることはできない。冷静に判断できる状態になったときに、しっかり分析して評価したいと思う。次の試合まで1週間あるので、有効に使っていきたい。まだ公式戦が始まって1試合目。チームは結束力が高く、1つにまとまっているので、誰かについて評価するよりも全体で改善していくことを考えなくてはいけない。若いチームだが、自分で犯した失敗は自分が一番よくわかっているはず。言うべき時がきたら一つ一つ課題を伝えていきたいと思う。まだACLのグループステージが突破できなくなったわけではない。サッカーの基本的な哲学である、戦う気持ち、強いスピリットを持って、次の試合を戦っていきたい。

ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ:(代行)イアン クルーク
・非常にタフな試合だったが、タイトルを守るという意味ではとても良いスタートをきることができた。結果には非常に満足している。
・アントラーズは素晴らしい歴史を積み上げてきたクラブ。今日は我々の強さ、良さを出すことができたことが大きかった。私たちはいつも通りのプレーができたが、アントラーズはそうではなかったのではないかと思う。
・もう少しポゼッションを上げたいという意図があって、残り10分のところで選手交代をした。高萩選手は自動的にひとつ前のポジションに上がってプレーをすることで、もう3点ぐらい取ってくれるのではないかと期待していた。彼はそれに値するぐらいの良い仕事をしてくれたと思う。
・今日の試合は良い結果だった。これまでも良いプレーをしていたと思うが、時には勝利というものが自分たちの自信に繋がる。今週末に控えているシドニーFCとの大きな大きなダービーマッチへ、良い状態で繋げていきたい。


選手コメント

[試合後]

【本山 雅志】
0-1で負けている状態で入ったから、どうにかして追いついて逆転することを考えていた。ホームだから勝ちに行っていた。1点を取ってから前掛かりになるのは仕方ない面もあるけど、チャンスも多く作っていたから残念。追いついたところまでは良かったし、リスクを負わずにやっていこうと思っていたけど、カウンターからやられてしまった。アウェイで勝ちに行く状況になる。しっかり調整して、次は絶対に勝たないと。

【遠藤 康】
結果は結果なので、次の試合に切り替えてやるしかない。前半にチャンスを多く作った中で点を取れないと、後ろの選手も厳しくなってしまう。セットプレーは相手の得意な形だし、そういうプレーをやらせないように、という話もしていたけど、このような結果になってしまった。切り替えてやるしかない。ミスをチーム全体でカバーしなければいけないし、それがサッカーだと思う。切り替えの部分をもっと早くしないといけない。

【高崎 寛之】
前半からチャンスはあって、それを決めきれなかった自分のせいでもある。しっかりチャンスをモノにしないと、厳しい試合になってしまう。そこをしっかり反省して、次に生かさないといけない。試合を支配したのは自分たちで、うまくサイドを変えながら攻撃できたと思う。最後のフィニッシュの部分が課題だと思うから、そこを改善すればもっと楽な試合になると思う。もう少し攻撃のバリエーションも増やせたらいいし、真ん中にボールが入らない場面もあったので、そこでもっとボールを引き出せればサイドが空くだろうから、そういう面をやっていきたい。次、頑張ります。

昌子選手、土居選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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