日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年5月11日木曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2017 グループステージ 第6節(オフィシャル)


ACLグループステージ 第6節

優磨の2ゴールでムアントンを撃破!鹿島、グループEの首位でラウンド16へ!

鹿島がカシマスタジアムでゴールラッシュを見せた。AFCチャンピオンズリーグのグループステージ最終節、タイのムアントン・ユナイテッドを迎え撃つと、19分に鈴木が先制ゴールを記録。前半終了間際に同点に追い付かれてものの、60分に再び鈴木がゴールネットを揺らした。2-1。苦しみながらもしっかりと勝ち切り、鹿島が公式戦4連勝を飾った。グループステージは4勝2敗、勝ち点12。グループEの首位通過を決めた。

鹿島は4月26日のグループステージ第5節で蔚山現代FCに4-0と快勝し、1試合を残してラウンド16進出を決めた。韓国から帰国し、休む間もなく迎えた鳥栖戦では2-1と逆転勝利。そして4日のJ1第10節では浦和を1-0で破った。難敵続きのゴールデンウィーク3連戦で3連勝を果たし、リーグ戦では首位に浮上した。

満員の埼玉スタジアムを沈黙させた、会心の勝利。選手たちを称えた石井監督は試合直後の会見で「次戦まで少し間が空く。しっかりとリフレッシュをして、グループを首位で突破できるように準備をしていきたい」と、早くも次なる戦いを見据えていた。ホームで迎えるACLグループステージ最終節は、同じく突破を決めたムアントンとの一戦だ。2月28日の第2節、アウェイで敗れた悔しさは選手たちの胸に強く刻まれている。グループEを首位で通過するために、聖地で必ず勝利を収める――。指揮官は強い思いを言葉に託し、連勝街道を突き進む決意を示した。

試合翌日につかの間のオフを挟み、6日にトレーニングを再開した選手たち。ゴールデンウィークということもあってクラブハウスへ駆け付けた数多くのサポーターの前で、次なる戦いへの準備を進めていく。試合前日の公式会見では、石井監督と永木が勝利への抱負を語った。3日間のトレーニングで、集中力を高めていった。

そして迎えた、5月10日。鹿嶋は曇り空に覆われ、冷たい雨も降っていた。それでも勝利を渇望する背番号12は、情熱をピッチへと降り注ぎ続ける。ウォーミングアップへと現れた選手たちを出迎えたのは、レオ シルバや小笠原への大きなコールだった。グループ首位通過へ、チーム一丸で臨む90分だ。

石井監督は浦和戦から先発メンバーを3名入れ替えた。左サイドバックに2月末以来の先発となる三竿雄斗を指名し、ボランチの一角には永木が復帰。そして前線の一角には鈴木が入った。その他、GKはクォン スンテ、最終ラインは右から西、植田、昌子、雄斗が並ぶ。ボランチは永木とともにレオが務め、2列目は遠藤と土居の組み合わせ。前線では鈴木とともにペドロ ジュニオールがゴールを狙う。そしてベンチには、GKの曽ケ端、伊東、レアンドロ、三竿健斗、小笠原、金森、今季の公式戦初のメンバー入りとなった田中が並んだ。



19時、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は立ち上がりからボールポゼッション率を高め、敵陣へと押し込んでいく。最初のチャンスは4分、右サイドで前を向いた西が斜めのパスを入れると、グラウンダーのボールをレオがスルー。背後で待っていた遠藤がラストパスを通す。すると鈴木もボールをまたぎ、後方の土居へ。5人が鮮やかな連係を見せ、背番号8が右足でゴールを狙った。枠を捉えることはできなかったが、流れるような攻撃で上々の滑り出しを見せた。









以降も敵陣でのプレー時間を増やしていく鹿島だが、機を見たカウンターを狙うムアントンにゴールを脅かされる場面もあった。10分、ペナルティーエリア内まで入られてしまったが、強烈なシュートをスンテが阻止。背番号1がビッグセーブを見せ、チームを救った。

鹿島はなかなか決定機を作れずにいたが、17分にはレオが強烈なミドルシュートでムアントンを脅かす。得点の予感を漂わせると、2分後にこの日最初の歓喜が待っていた。敵陣に少し入った右サイドでボールを持った遠藤が、得意の左足で狙い済ましたスルーパス。アウトサイドを使って繰り出されたグラウンダーのボールが最終ラインの背後へ出ると、走り込んでいた鈴木が完全にフリーの状態で抜け出した。得点から遠ざかる日々に「溜まっていた思いがあった」という背番号9は、コースを消しに飛び出してきた相手GKをあざ笑うかのように、右足シュートを股下に通す。グラウンダーのボールはゴール左隅へ吸い込まれた。1-0。前回の対戦でPKを失敗し、「ムアントンには貸しがある」と話していた若武者の一撃で、鹿島がリードを奪った。





「先制点がポイント」と語っていた指揮官の展望通り、鹿島はしっかりと先手を取ってみせた。23分には鈴木がペナルティーエリア左角から左足を一閃。強烈なシュートはわずかに枠を越えたが、追加点への意欲を示してみせた。31分には雄斗の正確なクロスからペドロがヘディングシュート。枠を捉えたものの、相手GKに阻まれてしまった。

ただ、永木が「自分たちのミスでリズムを失ってしまった」と反省の弁を述べたように、鹿島が安定した試合運びを見せていたわけではなかった。30分以降、ボールロストからショートカウンターを受け、ムアントンに攻め込まれる場面が増え始めた。











そして、ハーフタイムを目前に落とし穴が待っていた。45分、空いてしまったバイタルエリアを突破され、ペナルティーエリア手前から強烈なミドルシュートを打たれる。ムアントンの10番、ティーラシル ダンダにゴールネットを揺らされ、1-1で前半を終えることとなった。

同点に追い付かれて迎えた後半。鹿島は前半同様、開始早々から積極的にゴールを目指していく。46分、左サイドからドリブルで切り込んだ土居が右足ミドルシュート。55分には右サイドからのパスを受けたペドロがトラップの瞬間に相手と入れ替わり、ペナルティーエリア手前から左足で狙う。シュートは相手GKに阻まれてしまった。

ボールポゼッション率を高めながら、決定機を作り出せない時間が続く。閉塞感も漂い始めたが、この日2度目の歓喜をもたらしたのは、またも背番号9だった。右サイドから遠藤が供給したピンポイントの右足クロスに反応し、しっかりと押し込んでゴールネットを揺らす。60分、鈴木優磨。苦しんでいた鹿島が勝ち越しに成功した。









それでも、平坦な道のりは用意されていない。勝ち越し直後の61分、最終ラインの背後を取られて打たれたシュートはスンテが弾いたが、右ポストに当たってゴール前へ。相手の折り返しに対応した昌子が身体に当てたボールは左ポストを直撃し、最後は何とかクリアした。ピンチは脱したものの、一連のプレーで昌子とスンテが痛めて倒れ込む。聖地が緊張に包まれたが、2人はピッチへ戻ってきた。残りは30分。勝利を目指す道のりは続く。





次のチャンスは67分、雄斗のクロスから鈴木が打点の高いヘディングシュート。わずかに枠を越え、背番号9は大声で叫んで悔しさを露わにしていた。以降は決定機を作るに至らず、試合は1点差のまま推移。指揮官は88分に健斗を投入し、リードを守り切るタスクを託した。背番号20はクローザーとしての役割を遂行し、強烈なミドルシュートでゴールを脅かす場面も作ってみせた。



2-1。鈴木の2ゴールで勝ち切った鹿島が、グループEの首位通過を決めた。ノックアウトステージの初戦、ラウンド16は広州恒大との対戦が決定。2年前にグループステージで同居し、激闘を繰り広げた難敵と再び激突する。アウェイでの第1戦は23日、そしてホームでの第2戦は30日だ。







アジア制覇への歩みを進める前に、鹿島はリーグ戦でホームでの連戦を控えている。まずは14日、J1第11節で神戸をカシマスタジアムに迎え撃つ。中3日で迎える一戦へ、チームは準備を進めていく。

【この試合のトピックス】
・今大会のグループステージは4勝2敗で終了。ホームでは全勝だった。
・ムアントンを相手に初勝利を収めた。
・鈴木が今季の公式戦で初の2ゴールを挙げた。
・三竿雄斗が2月28日のACLグループステージ第2節以来の先発出場。そして鹿島加入後初めて公式戦でフル出場を果たし、勝利に貢献した。


監督コメント[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


ムアントン・ユナイテッド:トチタワン シーパーン


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
グループステージの首位通過、ホームで勝ち続けることを目標にやってきた。達成できて本当によかった。前半、得点した後、緩くなってしまったのか、相手が楽に守れるような攻撃しかできなくなり、同点に追いつかれてしまった。苦しい展開になったが、後半はしっかり戦って勝ち越すことができた。細かいところの修正は必要だが、まずは1位で突破できたことは喜ばしい。悪天候のなか、たくさんのサポーターとともに勝利を分かち合えてよかった。

Q. 交代枠を1人しか使わなかったが、当初の予定通りか、ゲーム展開の影響か?
A. ゲーム展開のなかで判断して、最終的に1人だけの交代になった。

Q.後半動きがよくなったが、ハーフタイムでどのような指示をしたか?
A.前半、相手の背後に出る動きがほとんどなかった。まずそこを修正しようと指示した。後は、戦う姿勢をもっと見せなくてはいけないと話した。勝ってグループステージ首位突破を目指すなかで、口だけではなく、プレーで示そうと話した。

Q.決勝トーナメントを戦う上で、チーム全体の力を上げていくための課題は?
A.この先ACLの戦いはホーム&アウェイの戦いになる。アウェイでの戦いをしっかりやっていかなくてはいけない。メンバーや戦い方、そういうところで工夫が必要。ある程度固定しているメンバーのなかに、選手の特長を生かせるような選手を何人か入れ替えたりということになると考えている。今後は大きくメンバーを入れ替えることは少なくなると思う。

Q.ムアントンとの初戦を踏まえて、攻撃面でどんなプランで戦おうと考えたか? そのなかで鈴木選手にどのような役割を求めたか?
A.ムアントンと戦うにあたって、ボールをシンプルに動かすことが重要だと考えていた。点を取るためには、相手の背後を取らなくてはいけない。シンプルに、味方を信じてやっていこうと話した。それによって攻撃の形ができたと思う。優磨(鈴木選手)とペドロには、相手の前でプレーするだけでなく、背後に流れる動きで起点を作ることを求めた。

Q.大きく2チームが作れる戦力があるとシーズン当初は話していたが、選手を入れ替えながらやれる手応えをつかんでいるか?
A.大きく2チームができているとはいえない。選手を強化しながら、何人かの選手を入れ替えながら戦っていく必要があると、現時点では感じている。

Q.グループステージを戦って、改めてアジアを戦い抜くために必要と感じたことは何か?
A.ACLの戦い方は、やりながら体感している。そのなかで、アウェイでの戦い方をある程度安定させることが重要だと考えている。少し守備的に戦うか、もう少しプレッシャーをかけるか、相手にもよるが、アウェイでの戦い方をさらに安定させたい。アウェイで2試合負けて、蔚山の試合は勝つことができたが、少し前日のトレーニングのアプローチを変えたことがいい結果につながったかもしれない。探りながらやっているところ。そこでしっかり成績を残せないと、この先勝ち抜いていけないと感じている。


ムアントン・ユナイテッド:トチタワン シーパーン
アントラーズ、ムアントン、ともに次のステージへの進出が決まっている状態だったが、100%の力を出して戦ってくれた。出場停止の選手もいたが、チーム全員で一生懸命頑張った。1点取れたことはよかった。感謝している。


選手コメント[試合後]

【鈴木 優磨】
勝てて良かった。チャンスがあったので、ハットトリックができなかったことは悔しい。1ヶ月くらい点を取っていなかったので、自分の中で溜まっていた思いもあった。

【永木 亮太】
つまらないミスで試合を難しくしてしまった。もう少し余裕をもって試合を終えたかったけど、最低限の結果を出せてグループステージを首位で通過できたことは良かったと思う。

【レオ シルバ】
今日の目標はホームで勝ってグループステージ首位で突破することだった。それだけにフォーカスして集中して取り組むことができた。(ラウンド16を)今までに突破できなかったかどうかよりも、持っていないタイトルを獲りに行くという気持ちや信念を持つことが大事だと思う。

【遠藤 康】
優磨が決めてくれて良かった。優磨はクロスを上げればゴール前で勝てる選手。(2点目のアシストは)右足で練習していたし、自信もあった。いつも練習でやっていることを試合で出せた。1点を取ってからトーンダウンしたことは課題。もっと流れを読んで試合運びができるようにしたい。すぐにリーグ戦があるので、切り替えたい。

【三竿 雄斗】
細かい修正点はたくさんあるけど、90分間試合に出て勝ったのは久しぶりなので、第一歩にはなったと思う。前回の対戦で負けている相手だし、2度は負けないということを意識していた。移籍してきてから自分のプレーができずにいた時間が長かった中、どんな形であれ、チームの勝利に貢献できたのは大事なことだと思う。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/52076

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