日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年3月8日木曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2018 グループステージ 第3節(オフィシャル)




ACLグループステージ 第3節

シドニーの地で、土居と植田が決めた!鹿島がアウェイで完封、連勝でグループ首位キープ!

リーグ戦初勝利から中3日、鹿島がかけがえのない価値を持つ3ポイントを掴んだ。AFCチャンピオンズリーグ グループステージ第3節、シドニーFCとのアウェイゲームに臨むと、40分に土居、87分には植田がゴールネットを揺らした。2-0。アウェイでの連勝を果たし、3試合を終えて2勝1分の勝ち点7でグループHの首位をキープした。

4日前、鹿島は聖地で久々に味わう歓喜の瞬間を迎えた。J1第2節、G大阪戦。アントラーズレッドの情熱とともにホーム開幕戦に臨むと、攻守にアグレッシブな姿勢を貫いて主導権を掌握。前半のシュートがわずか1本にとどまった清水戦の反省を活かし、しっかりと修正して試合を進めた。前半途中に遠藤が負傷交代を強いられるアクシデントはあったが、ピッチに送り出された安部が躍動してチャンスを作り出す。なかなか決定機を活かせずにいたものの、78分に待望のスコアが刻まれた。鈴木のクロスに飛び込んだ金崎がスライディングで合わせ、1-0。カシマスタジアムで勝ち点3を掴み取った。

フットボールの神様がこの世に生を受けた3月3日、聖地で初めて戦った90分。ジーコ、の誕生日を祝う勝利を収め、鹿嶋の夜空にアントラーズレッドの歌声が響き渡った。背番号10を継承したエースが試合を決めるスコアを刻んだこともまた、クラブの歴史に残る1ページ。受け継がれていく思いとともに、鹿島が力強く歩みを進めた。鉄壁の守備を披露した昌子は「ホームで絶対に勝ちたかった」と、カシマスタジアムでの任務遂行を穏やかな表情で振り返っていた。だが、勝利の余韻に浸る間もなく、戦いは続く。土居は「連戦が続くので総力戦になる。準備で決まると言っても過言ではないと思う。みんなでしっかりとやって勝つだけ」と、全員で戦い抜くことを誓っている。

翌日のリカバリートレーニングを経て、チームはオーストラリアへと発った。大岩監督が招集したメンバーリストに、昌子や小笠原、金崎の名前はない。「試合に出ていないメンバーも含めて、皆のコンディションが良い。良い意味で迷わせてくれる」と明かしていた指揮官は、チーム全員への信頼を形にしてみせた。16日間での5連戦、その第2章。大胆なターンオーバーを敢行し、総力戦で勝利を積み重ねていく――。揺るぎない決意とともに、シドニーへと向かった。

長時間の飛行機移動を経て、現地時間の5日早朝に到着。つかの間の休息を終えると、選手たちは夕方からさっそくトレーニングを実施した。準備期間はわずかだが、出場機会に飢えた面々に疲労の色などない。己の存在をアピールする絶好のチャンスを前に、誰もが胸に宿る闘志に火をつけた。前日練習に先駆けて実施された公式会見に臨んだ金森は「勝つためにここに来た。チーム全員の力で勝てればいい」と勝利への抱負を述べた。

新鮮な顔ぶれの遠征メンバーから、いかなる先発リストが告げられるのか。指揮官が指名した11人は果たして、G大阪戦から実に8名が入れ替わる形となった。GKに曽ケ端、右サイドバックに伊東、センターバックの一角には犬飼、ボランチは永木とレオ シルバのペアで、2列目には中村。そして前線は鈴木と金森の若き2トップとなった。その他、センターバックにはフル出場を続ける植田、左サイドバックに山本、そして2列目には土居が入る。さらにベンチには、GKのクォン スンテ、安西、三竿健斗に加え、今季初の試合メンバー入りとなった4選手、町田と小田、久保田、そしてルーキーの山口が控える。





穏やかな天候に恵まれたシドニー・フットボールスタジアム。オーストラリアまで駆け付けた背番号12が勝利への誓いを歌い上げる中、現地時間19時30分にキックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は開始早々に右サイドから攻め込まれ、シドニーFCにCKを与えたものの、ゴール前での競り合いでしっかりとマークを掴み、失点を許さない。立ち上がりはホームチームに押し込まれる展開が続いたものの、鹿島での公式戦デビューを果たした犬飼がファウルをも辞さないタイトなボディコンタクトで相手に自由を与えず、伊東や植田、山本も身体を張った守備でチームを支えていた。





鹿島は10分過ぎから次第にボールポゼッション率を高めていき、最終ラインでの落ち着いたパス交換からチャンスを窺っていく。永木やレオが低い位置まで下りてビルドアップに加わり、土居と中村はパスの中継点として攻撃のリズム構築に貢献した。最初のチャンスは24分、鈴木がペナルティーエリア手前から左足で狙う。ミドルシュートは枠を越えたが、ゴールへの意欲を隠そうとしない背番号9の姿勢は、確実にシドニーFCの脅威となっていた。さらに28分にも、敵陣右サイド深くから伊東がクロスを上げ、鈴木がヘディングシュート。惜しくも枠の右へ逸れたが、両サイドを深く広く使った攻撃で、シドニーFCを押し込んでいった。





前半から中盤にスペースが目立つ展開となったが、鹿島はリスクマネージメントを徹底しながら攻撃を仕掛けていく。最終ラインの犬飼も果敢に縦パスを蹴り込み、リズムにアクセントをつけていた。オーバーラップを繰り返した伊東、ハードタックルで中盤に君臨した永木など、定位置奪取へ懸ける思いがシドニーのピッチに満ちあふれていた。





そして40分、待望のスコアが刻まれた。永木が蹴った右CKに犬飼が反応し、複数の相手と競り合いながらニアサイドでコースを変えると、ファーサイドで待っていたのは鈴木。狙いすました左足シュートがゴール方向へ飛ぶと、オフサイドにならない位置で待っていた土居が巧みにコースを変える。右足アウトサイドから放たれたボールがゴールネットを揺らし、鹿島がアウェイで先制に成功した。1-0。前半は1点リードで終了した。





シドニーでの戦い、残りは45分。南半球まで駆け付けたアントラーズレッドとともに、鹿島が勝負の時間に挑む。前半同様、両サイドを広く使った攻撃を仕掛けていくと、53分には山本の低いクロスから金森が左足ボレーで狙う。枠を捉えることはできなかったが、背番号14はピッチを縦横無尽に駆けて己の存在をアピールした。さらに60分には土居が持ち前の動き出しで山本からのパスを受け、ペナルティーエリア内へ。シュートへ持ち込むことはできなかったが、2列目からの飛び出しでチャンスを作ってみせた。







残り30分というタイミングで、ホームチームが攻撃の圧力を高めてきた。エースのボボーを投入すると、鹿島は押し込まれる時間が続く。62分、ペナルティーエリア右奥からの折り返しにフリーで合わせられたが、曽ケ端が渾身のファインセーブ。続く65分にもエリア内からシュートを打たれたものの、百戦錬磨の守護神が立ちはだかった。今季2試合目の出場となった背番号21とともに、鹿島がクリーンシートをキープする。



次第にボディコンタクトが激しさを増す中、大岩監督は72分に安西を投入。躍動を続ける背番号32を2列目に配し、運動量と推進力を加えた。中盤に広大なスペースが空く、打ち合いに傾斜する中、鹿島は永木が大車輪の活躍を披露。鋭いスライディングでボールを奪い、出足の速いカバーリングで幾度となく突破を阻んでいた。84分には山口がピッチへ送り出され、公式戦デビュー。登場から2分後にミドルシュートを放つなど、持ち味を随所に見せた。





1点リードのまま、試合は終盤へ。そして87分、次のスコアも鹿島のものだった。永木の左CKをニアサイドで山本が逸らし、フリーで待っていた植田がヘディングシュートを突き刺す。2-0。勝利を確信したアントラーズレッドの歓喜がシドニーの夜空に轟いた。





8名もの先発メンバー変更を断行し、そして掴み取った敵地での勝ち点3。計り知れない価値を持つ勝利で、鹿島はグループ首位を守った。競争意識がさらに高まる中、チームは5連戦の第3章へと向かう。次戦は3日後、J1第3節の広島戦だ。長距離移動を経て鹿嶋へ帰還するチームが全体練習を行えるのは前日のみ。だからこそ今この瞬間から、次なる勝利に向けた準備を進めていく。



【この試合のトピックス】
・シドニーFCとの対戦は2011年5月10日以来、通算3回目で、3連勝を果たした。
・土居と植田が今季初得点を挙げた。
・伊東と永木、中村、金森が今季の公式戦初先発を果たした。伊東は初出場だった。
・犬飼がフル出場し、鹿島での公式戦デビューを飾った。
・山口が84分から途中出場。鹿島での公式戦デビューを果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


シドニーFC:グラハム アーノルド


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
今日、試合に出た選手たちが非常に良い状況判断とプレーの強度、インテンシティーを含めてプレーしてくれた。90分間、試合をコントロールできたと思う。

Q.G大阪戦からメンバーを大幅に入れ替えたが?

A.過密日程ということ、移動距離の長さ、週末の試合に関するコントロールが必要な中、フレッシュで意欲のあるメンバーを選んだ。非常に良い試合をしてくれたので、今日出場した選手全員を高く評価している。

Q.シドニーFCをどのようなチームであると予測していたのか?その予測に対して、試合開始後に微調整したことは?

A.前線に外国籍選手のアタッカーが多く、ストロングポイントだと分析していた。そこを抑えつつ、高い位置を突いてくるサイドバックの背後を狙っていけば、チャンスが生まれるのではないかと分析していた。選手たちが状況判断やプレー強度によってしっかりと試合をコントロールしてくれたので、試合中に微調整した部分はない。

Q.「微調整」という言葉があったが、守備ブロックが低い印象だった。選手の判断ということで、具体的な指示は特になかったのか?

A.「ゲームに入ればいろいろな状況があるので、判断をしていこう」という話はしている。選択肢を与えたうえで、自分たちで判断していこうと。 今日は前線に背の高い、ターゲットとなる18番の選手がいた。それに対応したライン設定だったと思う。セカンドボールも我々が拾えていたので、 全体が低い位置でコンパクトになっていたと分析している。

シドニーFC:グラハム アーノルド



選手コメント

[試合後]

【山口 一真】
緊張はしなかった。シュートは得意のコースで、もっと落ちてくれると思った。守備から入って、走って攻撃に繋げるように指示されていた。今日の勝利はリーグ戦で出場できていない選手がしっかり準備していた結果だと思う。チーム一丸となって勝利のためにプレーできた。

【安西 幸輝】
アップをしていて試合をあまり観ることはできなかったけど、自分が出ることをイメージしていた。相手が高い位置にいたので、前でやるのだろうと思っていた。

【犬飼 智也】
自分の出場云々よりも勝てたことが一番良かった。前からガツガツ行けていたし、戦術の中で自分のやれることをしっかりやれていた。周りに助けられたと思う。前半は前から行けていて、ハーフコートゲームのようだった。後半に行けなくなるのはわかっていたし、苦しい時間を耐えることができたのが結果につながった。

【山本 脩斗】
アウェイでしっかり勝てたことが良かった。出場機会があまりないメンバーで戦って、いろいろな気持ちがある中で「チームのために勝とう」と話していた。しっかり無失点で抑えられたし、大きな勝利だと思う。これを継続していかないといけない。

【永木 亮太】
試合に向けて調整していたので、コンディションは良かった。内容も引き締まっていたけど、一番良かったのは勝てたことだと思う。試合前は「勝って帰ろう」と話していた。出場した選手が結果を残すことで、チームの力が上がってくる。

【土居 聖真】
いいところにいて、いいボールが来た。互角以上にやれていたし、試合に出場した選手が結果を残せたのは良かった。1試合だけでなく、これを続けてやらないといけない。チームの士気も高かったと思う。ゲームをコントロールすることができていた。

【植田 直通】
いろいろな思いがある中で、この試合に挑んだ。一人ひとりがいいところを出せたから、こういうゲームになった。みんなの気持ちがすごかったし、どこが相手でも勝てたと思う。


AFCチャンピオンズリーグ2018 グループステージ 第3節

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