日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年8月2日木曜日

◆2018明治安田生命J1リーグ 第19節(オフィシャル)



犬飼智也 Tomoya.Inukai

明治安田J1 第19節

鹿島、ホームで逆転負け。FC東京に敗れる。

3試合ぶりに帰還した聖地で、鹿島が不甲斐ない逆転負けを喫した。J1第19節、FC東京戦。2位につける青赤を猛暑のカシマスタジアムに迎え撃つと、安西のゴールで先制に成功したものの、6分後に同点ゴールを許す。1-1で迎えた終盤、77分にミスを突かれて逆転弾を奪われた。1-2。暫定9位転落となった。

熱帯夜の大阪2連戦、結果は1勝1分。長居で気迫の完封勝利を収めたものの、吹田では悔しいドローに終わった。7日間での3試合目、苦しみながらもスコアレスのまま時計の針を進め、前半終了間際に町田のプロ初得点で先制。セットプレーで均衡を破る、理想的な展開で前半を終えた。だが70分、クロスボールがゴールへと吸い込まれ、痛恨の失点。疲労が色濃く残るピッチで、選手たちは必死に反撃を目指した。大阪まで駆け付けた背番号12が待つゴールへ、体を突き動かして迫っていく。だが勝ち越しには至らず。ホイッスルが鳴り響き、勝ち点1を得るにとどまった。

「体が重い中、スイッチを入れ直して状況を変えることができなかった」と、指揮官は苦しい90分を振り返った。内田は「アウェイでも3ポイントを持って帰らないといけない」と悔しさを隠そうとせず、ミックスゾーンを後にしている。中断明けのリーグ戦4試合、2勝2分。若き才能が躍動と奮闘を続ける中、勝利を着実に積み重ねていくこと。それが、6試合が組まれた8月の至上命題だ。

吹田の試合後、大阪は台風の影響で大荒れの天候だった。それでも明け方には嵐が過ぎ去り、チームは無事に移動。鹿嶋へ帰還し、次なる戦いへと準備を進めていく。連日の猛暑ももはや日常であり、与えられたコンディションで最善の対策を積み重ねるのみだ。大阪でチームに合流したチョン スンヒョンも、時間を経るごとに溶け込んでいった。試合前日には、セットプレー練習やレクリエーションゲームに加えてシュート練習も敢行。中2日での試合が続いた中、今節に向けた準備期間は3日間。フル稼働を続ける土居は「攻撃のいい流れを、継続して出していきたい」と決意を語っていた。

「試合の流れや分析を踏まえて選手起用をしなければならない。しっかりと準備ができている選手を使っていく」。クラブハウスでの前日練習を終え、指揮官は3試合ぶりのホームゲームを展望した。大阪でトレーニングを重ねる変則日程を走り抜き、カシマで戦う8月の初戦。対峙するFC東京との差は、8ポイントだ。極めて重要な意味を持つ、90分が始まる。町田が「上位にいるチームなので、しっかり叩きたい」と勝利を誓えば、中村も「上位に食らいつくための大事な試合」と、その重要性を強調していた。



「静岡キャンプでやってきたことを、選手たちが表現してくれている。平均年齢が下がっている中、継続することが大事。できていることの割合を増やし、確率を高めていくこと。そう伝え続けている」という大岩監督は、先発変更を2名にとどめた。右サイドバックに西を復帰させ、ボランチの一角にはレオ シルバを指名。その他、GKにクォン スンテ、最終ラインは西とともに犬飼、町田、安西が並ぶ。ボランチはレオとともに三竿健斗が並び、2列目は中村と安部。そして前線では土居と鈴木が今夜もゴールを狙う。さらにベンチにはGKの曽ケ端、スンヒョン、三竿雄斗、永木、小笠原、田中、金森が座る。

3試合ぶりに迎える、聖地での90分。水曜日のナイトゲームだが、カシマスタジアムには背番号12が続々と足を運んで行った。大阪での連戦を戦い終えたチームを鼓舞し、ともに加速していくために――。大きなチームコールが聖地の空に響き渡り、選手たちはボルテージを高めていった。時間を追うごとに増えていく仲間、埋め尽くされていくスタンド。舞台は整った。19時3分、戦いの火蓋が切って落とされた。

19時を過ぎても蒸し暑い鹿嶋で、立ち上がりは拮抗した展開で推移した。鹿島はなかなか前線で起点を作れず、ロングボールからペナルティーエリアへの進入を許す場面も。それでも体を張った守備で応戦し、開始10分を経過する。互いにパスミスも多く、ルーズボールの奪い合いが繰り返された。レオや健斗のインターセプトからカウンターを仕掛けても、シュートまで持ち込めないプレーが続いた。









だが、一瞬の隙を突いた若武者が待望のスコアを刻んだ。13分、安西幸輝。敵陣左サイドでパスを受けると、対面する相手との駆け引きから縦へ突破する。ペナルティーエリア左角へ差し掛かると、右足から鋭いボールを蹴り込む。シュート性のボールは相手GKの頭上を越え、そしてファーサイドのネットを揺らした。1-0。躍動を続ける背番号32が、ホームゲーム2戦連発となる一撃で鹿島に勇気をもたらした。



苦しい展開ながらも、先制に成功した鹿島。勢いに乗ってビジターチームを凌駕したいところだったが、わずか6分後に同点弾を許してしまう。19分、ペナルティーエリア手前でポストプレーを許すと、左サイドからのクロスを富樫に押し込まれてしまった。1-1。2試合連続の失点で、戦いは振り出しに戻った。

鹿島は以後も、もどかしい時間を過ごすこととなる。相手の2トップにボールを収められるプレーが続き、自陣深くへ押し込まれてしまった。25分には直接FKでゴールを脅かされたが、スンテが起死回生のシュートストップ。弾いたボールは左ポストに当たり、こぼれ球には土居が反応して体を投げ出す。スライディングを受けながらも鹿島を守り、逆転は免れた。背番号8が勝利への決意と献身の意味を体現してみせた。





鹿島のチャンスは29分。自陣からのカウンターで縦パスを受けた土居が反転し、スピードを上げて敵陣を切り裂く。ペナルティーエリア左側の鈴木へパスが通ると、狙い済ましたグラウンダーのクロスがゴール前へ。土居がリターンを受ける形で反応したが、わずかに合わなかった。鹿島の推進力となるべく、8番と9番は腐心を続けていた。















前半の残り15分も、停滞感が漂う時間だった。決定機を迎えることなく、ハーフタイムのホイッスル。結果的に、45分間で放ったシュートは2本のみだった。



アントラーズレッドのスタンドへと攻める後半も、ゴール前まで迫れない時間が続く。50分、ショートカウンターから鈴木が気迫の突進。イエローカードを誘発したが、ペナルティーエリアに進出することはできなかった。大岩監督は61分、永木を投入してミドルゾーンに活力を加える。交代直後の62分にはレオがボール奪取から攻撃参加。迫力満点のドリブルでエリア手前まで差し掛かると、ファウルを受けてFKを獲得した。リスタートを試みた





健斗はボールごとなぎ倒されたが、チャレンジは無効に。プレー再開、キッカーはレオ。右足で狙い済ました一撃はしかし、枠の右へ逸れてしまった。



以後も一進一退の展開となった。ペナルティーエリアに進入される場面も増えたが、町田と犬飼が必死のタックルを繰り返して応戦。試合は残り15分を切った。大岩監督は金森をピッチへ送り出し、勝ち越し点への希望を託した。





だが、歓喜は青赤のものだった。77分、鹿島陣内左サイドで犬飼がスライディングでのクリアを試みたが、ルーズボールを奪われてしまう。ゴール前へのラストパス。スンテが飛び出したものの、及ばない。リンスに押し込まれてしまった。

残り20分弱、鹿島は必死にゴールを目指した。83分には右CKから金森がボレーを枠に飛ばしたが、相手GK正面へ。89分にはJ1デビューの田中がピッチに解き放たれ、果敢なチャレンジを見せる。後半アディショナルタイムにはセットプレーのこぼれ球から永木が左足で狙ったが、相手GKに弾かれた。熱帯夜のカシマで、失意のホイッスルが鳴り響いた。





1-2.2位との対峙に敗れ、9位に転落してしまった。次戦は4日後、5日の清水戦だ。再び迎える聖地での90分、死に物狂いで勝利を収めなければならない。這い上がらなければならない。





【この試合のトピックス】
・安西が今季のJ1で2得点目を挙げた。
・トップチーム昇格3年目の田中がJ1デビューを果たした。


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監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・両サイドの選手は積極的に高い位置をとっていくこと。
・ビルドアップを正確に組み立てていこう。
・攻守の切り替えをもっと早く、もう1回攻撃のスイッチを入れよう!

FC東京:長谷川 健太
・奪ったボールをていねいにつなぐこと。
・次の1点が大事になる。集中して後半に入ること。


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
いい形で先制したが、後半、相手に勢いを与えてしまうような失点をしてから、なかなか押し返すことができなかった。選手はアグレッシブな姿勢は見せてくれた。そこは評価して、次に臨みたい。

Q. FC東京と比べて厳しい日程だったが、コンディションの差を感じたか?

A. コンディションの差が出たとは思っていない。相手のアグレッシブさ、ボールへの寄せの速さがあった。そこをいかにかいくぐるかだったが、なかなかできなかった。そこが悔やまれる。もっと自分たちでボールを持ち、精度を上げていかなくてはいけない。

Q. 中盤が間延びしているように感じたが、どうか?

A. さっきも言ったように、ボールへの寄せの速さ、アプローチの一つ一つに相手の勢いがあり、こちらは少し欠けていたのかなと感じている。そこをかいくぐり、ボールの動かし方をもっともっと高めていかなくてはいけない。


FC東京:長谷川 健太
選手が前節の敗戦から立ち直って、しっかりと戦ってくれた。たくさんのサポーターに勝利を届けることができた。立ち上がり寄せが甘かったが、失点した後スイッチが入った。アントラーズも連戦で疲労があったと思うが、したたかにボールを動かして、なかなかボールが奪えなかった。スイッチが入ってからは大きなピンチはなかったが、一発のあるチームだし、どこかで仕掛けなくてはいけないと考えていた。そういう意味では交代で入った永井とリンスがしっかり仕事をしてくれた。


選手コメント

[試合後]

【安西 幸輝】
負けてはいけない試合を落としてしまった。室屋選手や東選手を意識してプレーしていた。攻撃に参加する回数が後半に極端に減ってしまった。もっとできるように、次の試合に向けて体のケアをして準備をしないといけない。

【田中 稔也】
呼ばれた時にいいプレーをすることだけを考えていた。短い時間の中でゴールやアシストという結果を残せれば、信頼を得られるのだと思う。悔しいです。

【土居 聖真】
ワンチャンスでやられてしまった。攻撃の流動性を出すことがなかなかできなかった。ボールを追い越して走っていける選手がほとんどいなかった。全員が苦しくなると厳しいので、助け合うということをもっと考えないといけない。

【犬飼 智也】
2失点目の場面は、相手のスピードはわかっていたので、シンプルに外へ出そうとした。自分のミス。責任を感じている。

【町田 浩樹】
相手の2トップに自由にやられ過ぎてしまった。叩いておかないといけない相手だった。本当に悔しい。







2018明治安田生命J1リーグ 第19節



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