日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年11月4日水曜日

◆【鹿島】遠藤康、芸術Vボレー連敗阻止弾 チーム一筋14年ベテラン鮮やか今季1号(報知)






◆明治安田生命J1リーグ第31節 横浜M2-3鹿島(3日・日産スタジアム)

 鹿島は3―2で横浜Mに逆転勝ちした。2点を先行されながら、FW上田綺世(22)、FWエベラウド(29)の得点で追いつくと、後半39分に途中出場のMF遠藤康(32)が芸術的なボレーで勝ち越しの今季初ゴールを決めた。連敗を阻止し、2位争いに踏みとどまった。

 プレスの応酬が続いた試合でその瞬間だけ、周囲の足が止まり、時も止まった。後半39分、右サイドから送られたクロスはゴール前ではなく、エリア外に向かった。MF遠藤が軌道に合わせるようにサイドステップを踏み、左足を振り抜いた。「力を入れても良いことはない。合わせるだけ」。ダイレクトボレーは、ゴール右に飛び込む決勝点。逆転劇を完結させた。

 鹿島一筋14年のベテラン。これまで多くのチームメートの移籍を見送ってきた。成長を求めて離れる後輩、出場機会を得るために去る先輩。いつの時代も群雄割拠の中盤に身を置き、試合に出られない時間を過ごした回数は、両手では収まらない。ただ、自身が日本代表候補として招集され、ベテランに立場が変わったとしても「移籍しない」と貫いてきた。

 一つは、目の前の戦いから逃げたくないという思い。「試合に出られないのは自分の責任。はっきりしている」。そして「よそでプレーする意味が見いだせない」という信念がある。出番が減った時には、必ずJ1クラブから獲得調査が入ったが、応じなかった。そう長くはない現役生活。移籍することも立派な選択肢だが、遠藤はずっと踏ん張ってきた。

 川崎一筋18年の中村憲剛が現役引退を発表した。試合後「憲剛さんと同じ立場では言えない」と線を引き、「難しいよね」と本音を漏らした。監督交代で序列が変わる。モチベーションの問題も出てくる。それらを実感として理解した上で「(中村は)止めて、蹴る、が日本一うまい選手(だからやれた)」と明かした。

 2位のG大阪が4位・C大阪と引き分け、天皇杯(リーグ2位以内)、ACL(同3位以内など)の出場権争いに踏みとどまった。勝利に導いた遠藤もまた、止めて、蹴るが、絶品である。(内田 知宏)

 ◆遠藤 康(えんどう・やすし)1988年4月7日、仙台市生まれ。32歳。塩釜FCユースから2007年に鹿島入り。左足で独特なリズムを刻むドリブルとキープ力を武器とするMF。元日本代表DFの内田篤人氏が最も守備がしにくい選手として挙げた。15年にはハリルジャパンの代表候補合宿にも招集された。J1通算275試合45得点。168センチ、69キロ。


◆【鹿島】遠藤康、芸術Vボレー連敗阻止弾 チーム一筋14年ベテラン鮮やか今季1号(報知)





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