日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年3月10日金曜日

◆J1鹿島戦に臨む福岡の小田逸稀「削る」に込められた意味(西日本スポーツ)



小田逸稀


 J1福岡の小田逸稀(24)が12日、古巣の鹿島戦に臨む。3位鹿島と4位福岡の上位対決。舞台は茨城県立カシマサッカースタジアム。「もう第4節で鹿島と当たるのか~、と思うんですけど、絶好のタイミングで当たるんじゃないかな」。小田が複雑な胸中を明かした。

 それもそのはず、小田は1月17日から始まったキャンプは鹿島の選手として宮崎市内にいた。26日に完全移籍が決まると、同市内でキャンプをしていた福岡の宿舎にタクシーで移動。本人にとっても電撃移籍だった。

 東福岡高2年時にレギュラーとして全国高校選手権制覇に貢献。3年になり、その進路は地元・福岡で注目されていた。選んだのは鹿島。当時の会見で「若手育成がしっかりしている鹿島で可能性を広げたい」と話していた。





 2017年に加入し、20年はJ2町田、21年はJ2千葉に期限付き移籍。鹿島でのリーグ戦出場は4年間で10試合にとどまった。

 アントラーズで学んだものは何か。「一つ一つのプレーへのこだわり。J2にレンタルに行って感じましたし、(鹿島に)戻ってきても感じました。アビスパに来た時も感じました。ワンプレーに対する質、要求は練習からすごいものがありました」と明かす。

 その魂を小田は福岡で最大限に発揮している。開幕節はベンチから外れたが、ホーム開幕戦の第2節C大阪戦にスタメン出場。左サイドで昨季まで福岡にいたクルークスとマッチアップすると、相手の左足の正確なクロス、シュートを封殺した。試合も金森健志が決勝ゴールを決め、2-1で勝利。クルークスの力を知る福岡サポーターだけに、小田は1試合で絶大な信頼を得た。





 それだけでは終わらない。3節のホーム柏戦でマテウスサビオを止め、1-0の白星に貢献。2試合で「エースキラー」の役割をこなした。

 鹿島戦でも小田が任されると思われる左サイドで、マッチアップが予想されるのが、藤井智也と常本佳吾だ。ともに同学年で「一番、仲がいい2人でした」。藤井は今季新加入。一緒に汗を流した期間は1カ月もなかったが、「初めて会った時から仲良くなるなと思いましたし、いろんな話をしました。キャンプでは一緒に走って宿舎まで帰りました。(自分が)移籍することになって寂しがってましたね」と笑った。

 サイドで激しくやり合う“再会”。「藤井は縦のスピード、常本の1対1の守備対応は参考にしていました。お互い、やりやすさもあれば、やりづらさもあります」と胸の内を明かす。そして、「削る…」と、自分で言い出した小田が少し考え込んだ。

 「うーん、やっぱ、削る、ですかね」。もちろん、本当に「削る」わけではないが、それぐらい激しく、ワンプレーにこだわる。私情を捨てた愛のある決意を込めて古巣戦に挑む。(向吉三郎)





◆J1鹿島戦に臨む福岡の小田逸稀「削る」に込められた意味(西日本スポーツ)



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