日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年10月8日日曜日

◆元鹿島戦士の監督が創部2年で結果 日本経済大の女子サッカー部が福岡県選手権初V 昨年は部員11人(西スポ)



賀谷英司




 創部2年目の日本経済大女子サッカー部が皇后杯全日本女子選手権出場への挑戦権を手に入れた。昨春、Jリーグ鹿島などでプレーした賀谷英司監督と部員11人で立ち上がったチームは、今年8月に福岡県女子選手権を初制覇するなど急成長。7日に開幕する皇后杯の予選を兼ねた九州女子選手権の出場権を手にした。

 賀谷監督が創部に向けて動き出したのは2021年。九州を中心に全国の高校やクラブチームを回って女子選手に入学を呼びかけた。「集まるのだろうか」という不安の中で、ちょうど11人が入学。大阪学芸高から入った主将の三好華乃(2年)は「人と違うこと、新しい挑戦がしたかった」と話す。

 卒業後のプロを志すFWの鎌田くるみ(同)は青森県出身でマイナビ仙台レディースユース出身。「これまで、どちらかと言えば私は人についていくタイプだった。創設メンバーとなって、自分が中心になって引っ張って成長したかった」と明かした。

 福岡・明光学園高時代も部員不足に悩まされていたという稲田早恵(同)は「大学で思い切りサッカーがしたかった。(昨年)11人集まったと聞いた時はうれしかった」と笑顔で話した。けが人が出て10人、9人で試合をしたこともあったというが、三好主将は「11人で頑張ってきたことが実を結んだ」と実感を込めた。

 鹿島のサイドバックとしてジーコらともに1993年のJリーグ初代ステージ王者の一員となった賀谷監督は北海道出身。横浜M、京都、仙台でもプレーし、01年限りで現役を引退した。仙台のコーチ、札幌や鹿島の下部組織などで指導。根本には93年の鹿島の監督、宮本征勝氏の選手に寄り添う指導があるという。一方で「部員が自分たちで考え、いろいろなことを模索してほしい」と主体性を重視して選手たちと接している。

 今春に新入生が入り、部員は1、2年生の25人になった。三好主将は「部内で意見を言い合うようになった」と昨年との違いを振り返る。

 GKとしてJリーグ川崎などでプレーし、現在は福岡を拠点にする吉原慎也さんが社長の改修工事専門会社「グローバル・エージェンシー・コーポレーション(GAC)」がスポンサーになるなど周囲もバックアップ。福岡県女子選手権では決勝で山田心優(1年)の先制ゴール、鎌田の1ゴール1アシストの活躍で3―0と九州共立大に快勝した。

 各県予選を勝ち抜いたチームと九州なでしこリーグ上位8チームも参加し、2枠の皇后杯出場を争う九州女子選手権に向け、山田は「緊張するだろうけど、自分らしくプレーできたら」と決意を口にする。三好主将は「全国の舞台に出たい」と意欲を見せた。


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