日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年7月20日日曜日

◆2014Jリーグ ディビジョン1 第15節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51173

J1 第15節 FC東京戦

途中出場の豊川が同点弾。鹿島、アウェイでFC東京と痛み分け

先週末、天皇杯2回戦でソニー仙台にPK戦の末に屈し、20年ぶりの初戦敗退が決まった鹿島が、リーグ戦再開を告げる一戦に臨んだ。味の素スタジアムで行われたJ1第15節でFC東京と対戦すると、60分に先制されたものの86分に豊川が同点弾を挙げ、1-1で引き分けた。

鹿島はセンターバックに昌子が入り、中断明け初出場で公式戦2試合ぶりの先発復帰を果たした。前半は拮抗した展開となり、互いに決定機を作ることなく時間が推移。次第に雨足が強まる中、14分にカイオが左サイドから中央へカットインしてシュートを放ったが、相手DFにブロックされた。16分には、縦パスを受けた土居が巧みな反転を見せ、前を向いてカイオへスルーパスを送ったものの、相手DFにカバーされてチャンスを生み出せなかった。

鹿島は17分、FC東京の米本にミドルシュートを許したが、DFに当たってコースを変えたボールに曽ヶ端が冷静に反応し、弾き出した。30分には左サイドの背後を取られたものの、山本が落ち着いてカバーに入り、ペナルティーエリア内でボールを奪ってピンチを脱した。さらに33分には、右サイドを崩されて中央へグラウンダーのクロスを蹴り込まれ、フリーのエドゥーにシュートを打たれたが、枠の上へ外れて肝を冷やした。

45分、鹿島はペナルティーエリア手前でボールを持った土居がドリブルで中央へ切り込み、左足を一閃。鋭いミドルシュートが飛んだが、惜しくも枠の左へ外れた。前半終了間際に得点の可能性を感じさせるチャンスを作り、スコアレスでハーフタイムを迎えた。

先制を目指す鹿島は47分、左サイドで得た小笠原がFKを蹴り込むと、ボールは相手の最終ラインとGKの間に飛び、複数の選手が飛び込んだが、合わせることはできなかった。52分には、ゴール正面やや右側でのFKを柴崎が直接狙ったものの、枠の右上へ外れた。少しずつ得点の予感が漂い始めた鹿島は59分、左サイドからのクロスにファーサイドのダヴィが飛び込むと、こぼれ球がゴール前に浮き上がり、最後は相手DFがゴールラインの外にヘディングでクリア。CKを得たかに思われたが、判定はFC東京ボール。直後に前方へ蹴り出されて自陣に進入されると、カウンターを受ける格好となる。一度は攻撃を遅らせたものの、植田のクリアを三田に拾われ、左足シュートを決められてしまった。

1点ビハインドとなった鹿島は64分、ペナルティーエリア手前でこぼれ球に反応した柴崎が狙いすました右足シュートを放ったが、ボールはクロスバーを直撃し、枠を越えた。トニーニョ セレーゾ監督は69分に野沢を投入し、攻撃の活性化を図る。交代後に最初のプレーで野沢が放った直接FKは枠を外れたが、77分に豊川を投入してさらに攻勢をかけていった。78分に中盤のスペースを突かれて曽ヶ端と武藤が一対一となるピンチを迎えたものの、守護神が冷静にシュートを弾き出し、追加点を許さない。80分には、小笠原が出した浮き球のパスに豊川が反応し、前へ出てきた相手GKとともにボールへ飛び込む。混戦の中からこぼれたボールがゴールに転がり込んだが、豊川のハンドを取られて得点は認められなかった。

攻勢をかけながら、同点に追いつけないまま終盤へ。残り5分を切った86分、待望の同点弾が記録された。左サイドからのフィードをダヴィが落とし、豊川が右足で放ったシュートは相手DFにブロックされたが、こぼれ球を拾った西が右サイドからクロス。中央で混戦となり、相手のクリアに反応した豊川が左足を振り抜くと、ボレーシュートがゴールに吸い込まれた。

終盤の同点弾で勢いづく鹿島は、途中出場のルイス アルベルトが95分に一発退場となる場面もあったものの、アディショナルタイムにもカウンターからゴールを脅かすなど、逆転弾を目指した。しかし、次の1点は生まれなかった。試合は1-1で終了し、勝点1を得る結果に終わった。鹿島は今季の公式戦初の引き分けで、リーグ戦の成績は8勝1分6敗。15試合を終え、勝点は25となっている。次戦は中3日で行われるJ1第16節、大宮アルディージャ戦だ。ホーム・カシマスタジアムでの一戦を制し、上位進出のために勝点を伸ばしていきたい。



【この試合のトピックス】
・今季の公式戦で初めて引き分けた。リーグ戦では、2013年7月31日の第18節名古屋戦(1-3で敗戦)から31試合連続で勝敗が決しており、今節が32試合ぶりの引き分けだった。
・リーグでのFC東京戦は、2008年10月26日の第30節以来9試合負けなし。
・途中出場の豊川は、6月1日のヤマザキナビスコカップA組第7節清水戦以来、公式戦2試合ぶりにピッチに立ち、リーグ戦2得点目を挙げた。
・昌子が公式戦2試合ぶりに先発復帰。フル出場を果たした。
・野沢がリーグ戦では3試合ぶりの出場を果たした。
・西が今季のリーグ戦3試合目の先発となり、フル出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・後半の入り方をしっかり。自分たちのサッカーを表現し続けよう。
・ワンタッチ、ツータッチでシンプルかつリズミカルにボールを動かそう。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
・しっかり後ろからビルドアップして、背後を狙おう。
・斜めの動きで得点を狙おう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・非常にすばらしい試合だったと思う。特に、FC東京とやる時は毎回良い試合になる。その良い感触があって、すばらしい試合になったのではないかと思う。相手は4-3-3、あるいは4-4-2のダイヤモンド型という形でやってきて、徹底された指導が見受けられた。我々のチームのボランチを選手がアグレッシブに掴みながら、ボランチの両脇の選手がビルドアップを防ぐという作業も徹底してやってきていた。逆に(F東京の)守備の部分で言えば、ダイヤモンド型の中盤を見てもらえばわかるように、我々がコンパクトに保って両サイドの横のスペースを有効に使うことは当たり前なので、サイドチェンジをしながら、少しずつ相手陣内にボールを運べたのではないかと思う。サイドチェンジからスピードアップをして、ペナルティーエリア内に入るが、前半は特にクロスの精度という部分が非常に低かった。相手の守備を崩せるほどのクロスの質や中央の選手のタイミングを示せなかった。
・後半の方がだいぶ形を作れるようにはなったと思うが、残念ながら相手の技術の高さ、キーパーが止められないコースにシュートを打たれて、0-1のビハインドになった。まだ盛り返せる時間だったので、チームを落ち着かせることを考えた。落ち着いたところで、チャンスを作り出すことができた。交代もよくできたと思うし、後半はFC東京の中盤の3枚が、ピッチの横幅をカバーし続けることはどんな選手であろうと難しいわけであって、消耗度は高かったと思う。その中で中盤が空くようになって。チャンスを作ることができるようになった。1-1の同点に追いついたが、2-1で終わってもおかしくない内容だったと思う。
・柴崎選手が中盤で試合をコントロールしたり、飛び出すタイミングやボールを散らすということだったり、守備のリスクマネージメントをするというところも非常に良かったと思う。チームとしてやろうとしたのは、どんな状況を与えられたとしても、最後まで諦めずにやるということ。それを示した選手たちを称えたいと思う。FC東京の選手たちも称えたい。非常にすばらしい試合で、スペクタクルを示そうとした部分は評価されるべきだと思う。
・FC東京は得点後に4-1-4-1の形を考えていたが、我々は落ち着いて、サイドチェンジを頻繁にすればスライドの部分で遅れたりしてバイタルやライン間のスペースで引き出すことができる。同点や逆転をするためには、称えなければいけないのは若いセンターバック2人。彼らが踏ん張って最少失点にしなければ、いくら攻撃ががんばっても努力が無駄になってしまう。その部分では、彼らのがんばりをしっかり称えたいと思う。
・両チームともコンパクトにしていたし、F東京は新しくイタリア人の監督になって、どの試合を観ていても、選手たちがピッチの中で何をすべきかが徹底されていることが見受けられる。お互いがコンパクトに帰陣を速くする作業をやり続ければ、チャンスは少なくなると思うが、カウンターや1つのミスから生まれることはあると思う。うちはパスワーク主体のチームで、若い選手が多いので勢いでやっている部分もありつつ、ベテランが要所要所でチームの微調整をしていく形でやっている。両チームとも、サッカーの面白さを示すという部分では良かったと思う。堅い守備を両チームが示せば、得点はなかなか生まれないと思う。

FC東京:マッシモ フィッカデンティ
長い中断期間を終えて、試合の内容は良かったと思っている。鹿島に関しては先週に大事な試合を落としているので、高いモチベーションで臨んでくることはわかっていた。選手にも言ったが、1-0で終わらせるつもりではなく、2点目を取らなければいけない。1-0の状態で試合が終わるまで相手にチャンスを与えないのは不可能なので、しっかりと2点目を取って試合を締めること。あれだけ決定機があった中で決めきれなかったのはチームの課題だと思う。


選手コメント

[試合後]

【豊川 雄太】
ケガでやってなかった中で、監督が使ってくれた。結果を出さないといけないと思って、点を取ることを意識してピッチに立った。下がりながらのボレーだったけど、ミートを心がけて意識して打った。入って良かった。天皇杯で負けて情けないところを見せてしまったので、若手が底上げしてがんばっているところを見せたかった。時間も短かったし、結果を意識していた。

【土居 聖真】
みんなが戦っていたし、勝利に値するゲームだと思う。諦めない姿勢が出ていた。最後は色々とあったけど、勝ちきる事が出来なかった。もっと上に行けると思う。試合の入り方も悪くなかった。ナビスコでは早い時間に2失点していたので、そこは修正出来たと思う。ディフェンスラインを含め、バランス良く出来た。攻められている時間帯も守れていたし、攻撃もシュートまでいけていた。先制していれば違うゲーム展開になっていたと思う。

【植田 直通】
自分たちはリーグ戦しか残っていないので、今日の試合はやってやろうという気持ちだった。サポーターもいつもとは違うと感じたし、自分もチームに貢献しようと考えていた。みんなの動きが止まっている時でも、そういう時に対する対応力がつけられればと思う。

昌子選手、小笠原選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。

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