およそ1年3ヶ月ぶりに先発の機会が巡ってきた。
「コンディションは問題ない。練習からしっかりやれている。特に問題ない」
久しぶりのチャンスに、三竿雄斗(写真)は気負う様子もなく、平常心を保っていた。
昨季、湘南から加入して以降、期待を裏切り続けてきた。それはサポーターや起用した監督、獲得したクラブだけでなく、三竿本人も含まれている。自分の実力を示せないことにいら立ちを隠せず、さらに怪我が追い討ちをかける。ピッチで実力を示すどころか、そのピッチに立つことさえままならない日々。臥薪嘗胆とは、まさにこの日々のことを指すのだろう。
ワールドカップによる中断期間でも、三竿はまだリハビリに励んでいた。それでも復帰を目指して努力し続けたことが報われる。昨季11節浦和戦以来となる先発のチャンスを掴んだ。
とはいえ、まだ本当の意味で報われた訳ではない。チームの勝利に貢献してこそ、である。
「しっかり上下動して、中に合わせられる選手がいるので、自分のクロスから得点を狙いたい。あとは守備で相手の右サイドをしっかり抑えたい。いいときの自分はむちゃくちゃ気合いを入れる訳でもない。いつも通りやりたい」
13連戦を戦うチームにとって、代わりに出る選手が活躍することは大きなプラスとなる。久しぶりのチャンスに三竿雄斗が、平常心で臨む。
文:田中滋(鹿島担当)
明治安田生命J1リーグ 第24節
8月24日(金)19:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs ジュビロ磐田
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