日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年3月30日日曜日

◆2014Jリーグ ディビジョン1 第5節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51082

J1 第5節 横浜F・マリノス戦

アウェイで鮮やかな逆転勝利!鹿島が横浜FMとの上位対決を制し、首位をキープ!

先週末アウェイで鮮やかな逆転勝利!鹿島が横浜FMとの上位対決を制し、首位をキープ!

先週末のC大阪戦で0-2と敗れ、リーグ戦初黒星を喫した鹿島が、2週連続の上位対決に臨んだ。日産スタジアムに乗り込み、横浜F・マリノスと激突すると、前半を1点ビハインドで終えたものの、3-1で逆転勝利を収めた。

鹿島は、左サイドハーフの中村が今季初先発を果たし、アウェイでの一戦に臨んだ。積極的な動きを見せる中村は、9分と11分にシュートを放ち、横浜FMゴールを脅かしたものの、ペナルティーエリア左側からの2本のシュートはいずれも枠を外れた。横浜FMにボールを持たれる時間が長かったが、鹿島はしっかりと守備ブロックを作って対応。効果的な縦パスを供給させず、試合はスコアレスのまま推移した。時折、土居が中盤でボールを奪い、ショートカウンターを仕掛けたものの、決定機を作るには至らなかった。

拮抗した展開が続く中、先制点を奪ったのは横浜FMだった。42分、中村に左CKを蹴り込まれると、中央の栗原に打点の高いヘディングシュートを決められた。警戒していたセットプレーから均衡を破られ、1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。

公式戦3試合連続で先手を取られた鹿島だが、この日は鮮やかな巻き返しを見せた。54分、土居が伊東からのパスを受けると、中澤と栗原の間を割って入り、スピードに乗ったドリブルでセンターバック2人を置き去りに。土居はペナルティーエリアまで持ち込むと、冷静に左足シュートを沈めた。

同点に追いついた鹿島は、59分に野沢、71分にカイオをピッチへ送り出し、逆転弾を狙う。待望のゴールは、その野沢から生まれた。80分、ペナルティーエリア手前でボールを持った柴崎が、浮き球のパスを最終ラインの背後へ蹴り込むと、絶妙のタイミングで抜け出した野沢が右足を一閃。後方からのボールをダイレクトで合わせる、難易度の高い芸術的なボレーを突き刺した。

逆転に成功した鹿島は87分、ダメ押しの3点目を奪う。スコアを刻んだのは、ルイス アルベルトの投入で2列目に位置を上げていた柴崎だった。カイオがドリブルで持ち込み、相手DFを引きつけると、最終ラインの背後へスルーパスを供給。柴崎が裏を取り、左足シュートをゴール右隅に流し込んだ。

試合は3-1で終了し、鹿島が鮮やかな逆転勝利を収めた。公式戦の連敗は2で止まり、リーグ首位をキープ。リーグ開幕5試合を4勝1敗で乗り切り、勝点を12に伸ばした。次戦は、ヤマザキナビスコカップAグループ第2節のサガン鳥栖戦だ。中3日での連戦だが、逆転勝利の勢いに乗って、しっかりと勝点3を獲得したい。





【この試合のトピックス】
・リーグでの対戦で、日産スタジアムで勝利を収めるのは2010年4月24日以来、約4年ぶり。前回の勝利は、マルキーニョスが自身のJ1通算100得点目を記録した一戦で、スコアは3-1だった。
・リーグでの横浜FM戦は、昨年8月24日の第22節に続いて、2試合連続の逆転勝利となった。
・中村が今季初の先発出場を果たした。
・柴崎が今季初得点を挙げた。
・ルイス アルベルトが84分に途中出場。第3節の鳥栖戦以来、3試合ぶりにピッチに立った。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・ボール、ゴール、そして勝利への執着心をしっかり表現していこう。
・各エリアでの戦いを制して、大きな結果につなげよう!
・ボールスピードを上げていくこと。攻守の切り替えをより素早く。

横浜F・マリノス:樋口 靖洋
・ボールを簡単に下げないこと。
・前への意識を強く持つこと。
・最後まで集中力を切らさないで戦いきろう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(記者に対して)勝ったので、ましては逆転なので、大喜びしている。何でも聞いてください。

・僕にとっては、横浜FMとの対戦はダービーに値する試合ではないかなと思う。特に、彼らが抱えている選手個人の能力は高いし、昨シーズンのパフォーマンスを見れば、非常にタフな、厳しい試合になるだろうと思っていた。非常に見応えのある、ダービーのような形になるのではないかと。対戦相手には、試合中にいろいろなポジションチェンジをできる、高い能力を持った選手がいる。セットプレーの質と精度は非常に高いものを持っている。彼(中村選手)と10人、質の高い選手が共に戦っている。

・立ち上がりの15分、20分の中で、我々が慌てずに3本、4本のパス交換をしたところで、必ず相手のゴール前までたどり着ける、あるいは危険な状況を作ることができていた。そこから、どのような理由かわからないが、自陣深くにチーム全体が下がってしまって、クリアしたボールのセカンドボールを拾えなくなって、彼らのリズムになっていった。その状況を自分たちから作り出してしまった。

・サッカーというのは面白いもの。試合に臨むにあたってリハーサルをするが、セットプレーの守備の部分で、すばらしい中村選手というプレースキッカーがいるので、質は違うとはいえ、イメージを体で覚えるために48本くらい(練習を)やった。そういった練習に取り組んで、この試合に向かっていった。ハーフタイムで最も強く感じたことは、自分たちから試合を放棄しているということ。サッカーをする、自分たちの能力を一生懸命、積極的に出す、という姿勢が低下しているということ。僕が言ったのは、運動量には文句がないが、ボールを持った時に積極的にやるということ。自分たちのサッカーをしっかりやるという部分を要求した。そして(後半は)チームの姿勢が変わった。

・長いシーズンの中で、90分間を戦ううえで、積極性は非常に重要。時にはリスクを負わないといけない。例えば、ドリブルはリスクを負うものだが、失敗を恐れてネガティブな考えになってしまったら、何も生まれない。トライすることに関しては問題ないという考えを持っている。長いシーズンの中で、怖がったり、消極的になってはいけない。

・前半は自分たちのサッカーをしていなかった。それは認めるし、後半はアントラーズがしっかりとサッカーをやったということを、記者の皆さんも言えるのではないかと思う。ディフェンス陣に対しては、セットプレーでのタイトなマークを要求した。前半は、センターバックがボールを持てる状況になっていたところで、慌ててしまったり、急いでしまったり、ボールを受けないようなポジショニングを取っていたので、それだけは改善してほしい、許せないと言った。(後半は)選手たちが一生懸命やったというところが、感じ取れたのではないかと思う。

・あとは、停滞したところでスピードアップをしたいというところもあった。最初の交代は、遠藤選手がイエローカードをもらったということもあり、相手の左サイドバックがかなり攻撃的に出ていったので、そこを抑えると同時に、その背後にスペースができるので、野沢選手を入れて、そこで起点を作ろうと。当然ながら、野沢選手の能力、視野の広さ、技術、サッカーの質やセンスというものを発揮してほしいという部分があった。ただ、野沢選手がもっと理解しなければいけないのは、昔は彼1人が攻撃だけに専念していても、問題はなかった。その分、他の選手がカバーできていた。今のアントラーズは、全員がチームのために走り続けなければいけない。守備をしなければいけない。自分の最大の能力を発揮するためには、守備をおろそかにすると、残りの10人に負担がかかる。体力、筋力を身につけて、長い時間、あの高い能力を発揮してもらえればと思う。

・あとは反対側の左サイドハーフにカイオ選手を入れて、非常に良い試合への入り方をした。イエローカードが相手の右サイドバックの選手に出ていたあったので、何らかの形で仕掛けることを願っていたし、守から攻への切り替えの時にスピードを活かせればという狙いがあった。ビルドアップ、ボール保持をした時に、技術の高い野沢選手とスピードのあるカイオ選手を入れて、前の方でボールを収めたいと思っていた。また、柴崎選手を(1列前に)入れた。彼は非常に状態が良いので、うまく活用する方法を考えて、やっていた。彼は能力とセンスが非常に高い。テンポが遅いという一般的な見方もあるが、彼にしかない間がある。早くする、ワンタッチ、ツータッチ、ターンを入れる、といった彼独特の間があって、言葉では表現しにくいが。攻撃の時に前線でタメを作るという表現をするが、彼の場合は中盤のところでも、あるいは1.5列目のところでもタメを作って、FWが動き直したりとか、飛び出したりといったタイミングを作ってくれる。非常に良かったと思う。

・小笠原選手は、毎回彼のプレーを見るのが楽しくなってくるくらいのすばらしい試合を見せてくれた。チーム全体として、1点ビハインドの状況から、同点に追いつき、逆転できたことは、率直に言ってうれしい。選手たちを称えたい。

・チームとしても非常に良かったが、前半で(横浜FMの)中村選手がボールに20回触れたとしたら、後半はその頻度が減ったので、多少そういった部分、相手が前半で飛ばした部分が後半に負担になって、我々のやり方がうまくいったというところもある。ただ、中村選手の視野の広さ、能力の高さは非常に、非常に高いものであって、今後も日本サッカーにいろいろな意味で貢献できる選手だと思う。絶賛したい。

・ピッチの中に入ったら、若いから叱らなければいけない、若いからベテランには言ってはいけない、というようなことはスポーツの世界には存在しない。全員がアントラーズの代表としてピッチに立っている以上、クラブが掲げる目的があり、チームも各試合で目的と戦法がある。任務を果たすために、全員がやらなければいけない。選手が若いかベテランどうかで、やることに線引きがされてはいけないと思う。この人をリーダーにしようと思って育てようとしても、それはできない。選手の人間として成長、成熟度の中でできるようになる。もう少し時間がかかると思うが、11人がリーダーシップを取れる選手になってくれればという思いでいる。昨シーズンに比べると平均年齢がかなり下がった。ベテランの経験やリーダーシップがかなり重要な時期にある。もし梅鉢選手と植田選手を入れたら、おそらく平均年齢が20歳か21歳くらいになる。そうなると、なおさらリーダーシップが必要になってくる。チームが最も強くなるのは、フロントや監督、スタッフが厳しい要求をする時ではなく、選手同士で言い合える仲、良い意味での敬意を持ったうえでの言い合いができるようになった
時。それができない時は、まだ未熟だということ。文句を言えば良いのではなく、建設的な言い方ができれば良いので、それができればという思いで、日々取り組んでいる。

・皆さんも選手と接することがあると思うが、高校生や大学生がプロに入ってきたら、彼らはずっと話さないと思う。ジェスチャーで話さなければいけないのか、と思うくらいに。去年からそうだが、若手のロッカーでシャワーを浴びたりしている。我々は緊迫した状況の中でやらなければいけない。時にはリラックスすることも大事。彼らが少しでも慣れる環境を作るために、片言の日本語も織り交ぜながら、僕や周りとコミュニケーションを取れるように、そんな環境作りをしている。時には、僕の一方的な冗談もあるが、彼らが笑顔で、気楽に練習に取り組めるような環境を作っている。

横浜F・マリノス:樋口 靖洋
春休みで子供たちにも多く駆けつけてもらって、大勢のサポーターにスタジアムへ足を運んでもらった中で、勝ち点3を取れなかったことは非常に悔しく、申し訳なく思う。前節、非常に不甲斐ない、受け入れがたい負け方をした。自分たちが勇気を持って仕掛けることができなかった。その試合から1週間、とにかく前でプレーすることを強調して、アグレッシブさを取り戻そうということで臨んだ。前への姿勢は示してくれたと思う。その結果としての逆転負けは、現実として受け止めなければいけない。力負けだと感じている。序盤で連敗となったが、まだ5試合しか終わっていないと捉えて、しっかり切り替えてきっかけを掴んで、勝っていきたいと思う


選手コメント

[試合後]

【土居 聖真】
常に試合が終わった後、自分に何が足りなかったのかを考えている。最近はバックパスやショートパスばかりで、良さが出ていなかった。今日は前を向いたらドリブルで仕掛けようと単純なプレーをしたのが良かったと思う。(ゴールシーンは)一人抜ければ良いと思ったが、ワンタッチで良いところに置けたので、2人を置き去りに出来た。打つ瞬間、GKは見えていた。

【野沢 拓也】
彼(柴崎選手)が持っているものを皆さんも知っていると思う。良く見ていたと思う。シュートは、イメージ通り。中澤選手の後ろはGKしかいなかった。フリーだったので、決めるだけの普通のシュート。負けている状態で入ったので、勝ちに行くと言われて入った。攻撃的な選手なので、チームを活性化しようと思っていた。

【柴崎 岳】
(アシストの場面は)ロングシュートを狙おうと思ったが、タイミングが合わなかったのと望みが薄いと感じたのでやめた。タクさんが抜けだしているのが見えていたので、そこにパスを出した。彼らしいゴールだったと思う。(ゴールは)中澤さんの右に抜けようと思ったが、相手の間に抜けた方がオフサイドになりぬくいと思った。そこにカイオが上手くボールを出してくれた。コースは肌で感じたプレーで、頭で考えてはいなかった。ボランチでも抜け出すプレーはしているが、トップ下になってやりやすくなった。

遠藤選手、小笠原選手、カイオ選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。

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