日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2017年3月1日水曜日

◆AFCチャンピオンズリーグ2017 グループステージ 第2節(オフィシャル)


ACL第2節 vsムアントン・ユナイテッド

後半ATに痛恨の失点。鹿島、ムアントンに競り負けて公式戦2連敗。

鹿島がタイでの一戦で痛恨の黒星を喫した。AFCチャンピオンズリーグ グループステージ第2節でムアントン・ユナイテッドと激突すると、後半開始早々にペドロが鹿島での公式戦初ゴールを決めて1-1と同点に追い付いたものの、終了間際に勝ち越しゴールを許して1-2と敗れた。

鹿島は3日前、FC東京とのJ1開幕戦で0-1と完封負けを喫した。リーグ連覇を目指す道のりは、聖地での黒星という悔しい結果での幕開けとなった。それでも、ピッチを引き揚げる選手たちの背中には、大きなチームコールが降り注がれた。下を向く時間はない。次なる戦いへ、チームは敗戦の翌朝に鹿嶋を出発。タイ遠征へと向かった。

中2日で迎えるタイでのアウェイゲーム。到着直後、選手たちはさっそくグラウンドでトレーニングを行った。1月に実施したタイキャンプの経験を活かしながら、コンディションを急ピッチで整えていく。試合会場のスパチャラサイ国立スタジアムで行った前日練習を経て、昌子は「勝って帰りたい。この日程を乗り越えないとチームは強くならない」と、強い決意を言葉に託した。





今月18日の浦和戦から、11日で4試合目となった。石井監督が指名した先発メンバー11人は今回も大幅な変更が加えられた。FC東京戦から入れ替わったのは半数以上の6選手。両サイドバックの伊東と三竿雄斗、ボランチの永木、2列目の中村とレアンドロ、そして前線の一角には、今季の公式戦初先発となる赤崎が名を連ねた。GKはスンテ、センターバックは植田と昌子のペア、永木のパートナーはレオ シルバ、そして前線では赤崎とともにペドロがゴールを狙う。ベンチ入りメンバーは、GKの曽ケ端、町田、山本、土居、三竿健斗、遠藤、鈴木が並んだ。



現地時間19時30分、夜空に覆われても暑さの残るスパチャラサイ国立スタジアムで、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は現地まで駆け付けた背番号12が叫び続けるチャントとともに、ムアントンのゴールを目指す。しかし、立ち上がりから攻勢をかける相手に対して受けに回る場面が目立ち、パスミスも頻発してリズムを掴めない。両サイドにパスを通してシンプルな攻撃を仕掛けてくるムアントンが、鹿島ゴールへ迫る場面が増えていった。



そして12分、この日最初のスコアを刻んだのはムアントンだった。右サイドからドリブル突破を許し、ペナルティーエリア手前でタックルを仕掛けた永木がファウル。危険な位置でFKを与えると、ティーラトンに左足シュートを直接決められてしまった。注意していたセットプレーからゴールネットを揺らされ、アウェイでビハインドを負う展開となった。





鹿島はなおも劣勢を強いられ、前線でなかなか起点を作れない。15分にはミドルシュートでゴールを脅かされる。スンテは一度は弾いたものの、こぼれ球に反応してしっかりとキャッチした。

最初のチャンスは18分、左CKからファーサイドへ流れたボールにレアンドロが反応し、胸トラップから右足シュート。枠を捉えたものの、相手GKにキャッチされた。20分以降は伊東が何度も右サイドのスペースへオーバーラップを敢行し、クロスを上げてチャンスを作り出す。しかし、決定機を迎えるには至らなかった。24分にはペナルティーエリア内でポストプレーを許し、至近距離からシュートを打たれてピンチを迎えたものの、昌子が渾身のブロックを見せてチームを救った。

















0-1のまま、前半は残り5分を切った。鹿島は42分、レアンドロが敵陣右サイドからドリブルで持ち込み、ペナルティーエリア手前から右前方の赤崎へパスを通す。レアンドロは赤崎からのリターンを受ける形でクロスに飛び込んだものの、わずかに合わなかった。惜しいチャンスを作り出した鹿島は直後の43分、中央突破から赤崎がペナルティーエリア内でチャンスを迎える。シュートは相手GKに弾かれ、こぼれ球に詰めて再び左足で狙った。至近距離から同点ゴールを決める絶好機となったが、サイドネットへ逸れてしまった。0-1。前半は1点ビハインドで終了した。







同点、そして逆転を目指して迎えた後半。歓喜の時はすぐに訪れた。46分、右サイドでボールを持ったレアンドロがピンポイントのクロスを上げると、走り込んだペドロが一度では合わせられなかったが、そのこぼれ球を豪快に蹴り込んでゴールネットを揺らした。1-1。ペドロが鹿島での公式戦初ゴールを決め、同点に追い付いた。





勢いに乗る鹿島は48分、左サイドをオーバーラップした雄斗がペナルティーエリア左角から強烈なシュート。枠を捉えた一撃は、相手GKに阻まれた。53分にはレオがペナルティーエリア左手前からのFKを直接狙ったが、枠を越えてしまった。



60分以降はスペースが空き始め、互いにゴール前へ迫る、オープンな展開となっていった。鹿島は両サイドからの攻撃で突破口を見出したが、カウンターを受ける場面も増えていった。昌子が冷静かつ力強いマッチアップでボールを奪い、レオや永木も対人の強さを見せてピンチの芽を摘もうと腐心していた。



勝負の残り15分を目前に、石井監督は2選手の交代を決断。74分、赤崎と中村に代えて遠藤と鈴木をピッチへ送り出した。右サイドハーフに入った遠藤は出場直後に強烈なシュートを放つなど、持ち前のキープ力と左足のキックで存在感を示した。



そして82分、逆転ゴールの決定機が訪れる。フィードに反応した伊東が頭で落としたところに、走り込んだ鈴木が反応。ペナルティーエリア内で相手に倒され、PKを獲得する。ボールを手にして離さない背番号9がスポットへ向かい、歓喜の瞬間が訪れるはずだった。しかし、助走でワンフェイクを入れてから放たれた右足シュートは、わずかに枠の左へと逸れてしまった。スコアは1-1のまま。鹿島は逆転の絶好機を活かすことができなかった。



下を向くことなく、選手たちはムアントンゴールを目指した。4分と表示されたアディショナルタイム、逆転を狙って必死に攻勢をかけた。しかし、落とし穴が待っていた。自陣左サイド深くまで突破され、シュート性のクロスを上げられると、最後はファーサイドのシスコに押し込まれてしまった。終了間際、痛恨の失点。反撃に残された時間はなく、1-2で試合終了を迎えた。鹿島がタイの地で黒星を喫した。



ACLは2試合を終え、1勝1敗。グループEの首位を明け渡すこととなった。鹿島の次戦は3月4日、J2第2節で甲府と対戦する。明日、タイから帰国するチームは、中3日で迎えるアウェイゲームに向けて準備を進めていく。遠征先で勝ち点を掴むことができず、不甲斐なさと悔しさを胸に抱えて帰路につくこととなった。公式戦2連敗という結果をしっかりと受け止め、再び立ち上がらなくてはいけない。

【この試合のトピックス】
・今大会初黒星、公式戦2連敗を喫した。
・ペドロが鹿島加入後公式戦初となるゴールを決めた。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


ムアントン・ユナイテッド:Totchtawan Sripan


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
今日の試合はアウェイでの一戦だったが、勝ち点3を取りに行くつもりで選手たちをピッチに送り出した。残念な結果に終わったが、グループステージはまだ2試合なので、切り替えて次に向かいたい。今日は日本からタイまでサポーターの方々が応援に来てくれたし、テレビの前でも多くの方がこの試合に注目してくれたと思う。その人たちのためにも勝ちたかったが、非常に残念に思う。

Q.ムアントンの中で印象に残った選手は?

A.一番印象に残った選手が誰かというよりも、非常に攻撃的なチームだった。カウンターの勢いが非常にあって、引いた時にもブロックを作って、堅い守備をしてきた印象だった。

Q.18番のチャナティップが夏から日本でプレーすることが決まっているが?

A.テクニックがあって身体のキレがある選手という印象だった。

Q.試合全体はプランどおりに進めたという感覚だったのか、苦戦したという手応えだったのか

A.前半はかなり、ロングボールが多くなってしまった。パスをしっかりとつなぐ自分たちのサッカーができなかった。自分たちからそのようなサッカーを選択してしまった。プラン通りではなかったということ。後半はある程度修正できて、パスをつないで崩す形もチャンスも多くできていたとは思うが、全体として、プラン通りに試合を進めることはできなかった。

Q.なかなかパスをつなげなかったと言っていたが、中盤が間延びしたのは疲労や暑さの影響か?消耗が激しい戦いが続いていると思うが、チーム状態は?

A.プレー環境に適応しないとグループステージ突破や優勝を狙えない。自分たちのミスだったと思う。昨季に成果を上げたことによっていろいろな大会に出場していて、タイトなスケジュールで強豪と対戦している。そこを勝ち抜いていかないと上には行けない。選手たちのコンディションを見て、メンバーをやりくりしながら結果を残したい。

ムアントン・ユナイテッド:Totchtawan Sripan



選手コメント

[試合後]

【永木 亮太】
前半、相手の勢いに負けてしまった。セカンドボールを拾えず、距離感が悪くペースを握られた。後半の戦いを前半からやらないといけない。非常に残念。FKを与えたファウルも余計だった。反省しないといけない。後半、チャンスがあって点を取れないと、あのような展開になる。

【三竿 雄斗】
後半、すぐに追いつけたし、最悪、引き分けで終わらないといけなかった。もったいない試合だった。タイ遠征で慣れていたはずだが、難しかった。後半、相手の足は止まったし、走力なら自分たちは負けない自信があった。最後の精度を上げていかないといけない。まだ2試合しか終わってない。残り4試合あると話をした。切り替えたい。

【鈴木 優磨】
試合に負けたのは自分の責任なので、次の試合で取り返す。自分のミスで負けるのは初めての経験。チームを救えるようにしたい。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/52078

Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事