日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年11月23日水曜日

◆鹿島小笠原、震度4に覚悟新た 被災地にタイトルを(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741883.html



 J1年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)の準決勝が今日23日、神奈川・等々力陸上競技場で行われる。今季で最後の下克上制度を生かし、年間勝ち点3位の鹿島が同2位の川崎Fに挑戦。鹿島は22日朝に発生した地震と津波で被災地クラブの使命を再確認し、通算18冠へ逆転突破を狙う。

 CS準決勝を翌日に控えた22日朝5時59分、鹿島イレブンは強い揺れで目を覚ました。東日本大震災の余震。かつて津波に襲われたクラブハウスや、選手寮がある茨城・鹿嶋市の震度は4。午前9時からの練習に変更はなく、施設の被害もなかったものの、長い揺れに、あの日を思い出した。

 岩手県出身で、Jリーガーで最も震災復興支援に力を注ぐMF小笠原は「ビックリして跳び起きた」。テレビをつけると、日本地図の太平洋側に赤と黄色のラインが点滅していた。「避難指示が出ている地域もある。複雑な思い」で練習を全うした。DF昌子も地震で目を覚まし、街に響く防災無線で津波注意報を知った。決戦前日。ものものしい雰囲気で最終調整した。

 東日本大震災から5年8カ月。「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人となって、支援を重ねてきた小笠原は覚悟を新たにした。毎年末のオフ。被災地でサッカー教室を開くたび「タイトルを取れば『おめでとう』だけど、無冠だと『大丈夫?』と聞かれる。被災地の方に余計な心配はさせられない」と思う。昨季はナビスコ杯(現ルヴァン杯)を制して3年ぶりのタイトルを持ち帰ったが、リーグ戦は09年が最後。震災後は1度も優勝できていない。

 今年こそ頂点に返り咲くため、クラブの伝統を前面に押し出す。相手の川崎Fは2位が計7回の“シルバーコレクター”。その始まりは00年ナビスコ杯で、決勝で夢を砕いたのが鹿島だった。今季の第1ステージを含め、鹿島が1位で川崎Fが2位のリーグ戦も計3度。天皇杯も加えれば、過去の川崎Fとの一発勝負は4戦全勝だ。すべてを知る小笠原は「鹿島はタイトルを取ることで強くなってきた。取った者にしか分からない。さらに強くなるために、また勝ちに行く」。昌子も「相手の動き、自分たちの状態、会場の雰囲気に応じて状況を判断し、勝てるのが百戦錬磨の鹿島」。通算18冠へ、また川崎Fを踏み台にする。【木下淳】

 ◆16年のCS大会方式 年間勝ち点1位チームは常に決勝へシードされる。3クラブ出場の今季は、まず年間2位の川崎Fと年間3位の鹿島が準決勝。準決勝は1試合制(年間2位のホーム)で、90分で勝敗が決しない場合、延長戦は行わず、年間上位の川崎Fが勝者。年間1位で浦和の進出が決まっている決勝はホームアンドアウェーの2試合制で、90分で勝敗が決しない場合は引き分け。2試合が終了した時点で勝利数が多いチームが年間王者。2戦終了時で勝利数が同じ場合は(1)2試合の得失点差(2)2試合におけるアウェーゴール数(3)年間1位チームの順で決定。

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