7年ぶりのカシマスタジアムで古巣と対戦も0-1で敗戦「眠れない夜もあった」
J1浦和レッズのオズワルド・オリヴェイラ監督は、古巣対決となった5日の鹿島アントラーズ戦で0-1と敗戦を喫した。悔しい結果となったなか、試合後には和やかな雰囲気で記者会見に臨み、鹿島時代の教え子である敵将・大岩剛監督をエスコートする一幕もあった。
前半25分に鹿島FW金崎夢生に与えたPKの1点を守り切られた浦和だが、オリヴェイラ監督は「はっきりその場面は見ていない」と言及。「選手があれだけ抗議するのだから、厳しいジャッジだったのだろう。(前節の)川崎フロンターレ戦では、我々にPKが与えられていいいくつかの場面で笛はなかった。基準が一定していないのではないだろうか」と、リーグ全体の判定基準に疑問を呈した。
また、7年ぶりとなったかつての本拠地カシマスタジアムでのゲームにも、感慨深いものがあったようだ。
「このスタジアムで鹿島と対戦すると考えれば、眠れない夜もあった。ただ、私は20クラブ以上で指揮して、どのクラブとも対戦した。いつかは、過去に指揮したクラブとの対戦は訪れるものだから、プロとして戦った」
「オズとの関係は、近くにいても、遠くにいても、大きなものがある」
会見が終わると、オリヴェイラ監督は旧知の記者に握手を求め、「私の本を書いてくださった方もいますね」などと話しながら、なかなか会見場を後にしなかった。ホームチームの監督会見が控えていた状況に、鹿島のスタッフが苦慮していると「私がゴウ(大岩監督)を呼んできましょう」と廊下に出てエスコートする一幕も。そして「素晴らしい選手であり、素晴らしい監督であり、素晴らしい人間です」と、大岩監督をアピールして笑顔で去っていった。
大岩監督は戸惑いつつも笑顔で握手を交わし、オリヴェイラ監督について「恩人であり、尊敬する人物であり、全てに影響を受けた。今日という日があって、いろいろな感情があるのは幸せ。オズ(オリヴェイラ監督)にも感謝したい。彼との関係は、近くにいても、遠くにいても、大きなものがある」とこちらも感慨が深そうに話していた。
鹿島のホームで実現した名将の古巣対決は、ピッチ上では非常に白熱した激しい戦いが繰り広げられた一方で、試合後は互いを称え合うものになった。両監督にとって、キャリアの中でも思い出深い一日になったのは間違いのない。