日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年12月7日日曜日

◆2014Jリーグ ディビジョン1 第34節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51341

J1 第34節 サガン鳥栖戦

鳥栖に、痛恨の完封負け。鹿島、ホーム最終戦で奇跡を起こせず。

11月29日のC大阪戦で4-1と快勝し、今季4回目の3連勝を果たした鹿島が逆転優勝の可能性を残して今季最終戦に臨んだ。ホーム・カシマスタジアムでのJ1第34節でサガン鳥栖と対戦するが、前半早々に先制されると最後まで取り返すことができずに、0-1と完封負けを喫した。

奇跡の逆転優勝のため、最低でも4連勝を狙う鹿島は、出場停止のカイオに代わって豊川が左サイドハーフに入り、3試合ぶりに先発復帰。赤崎や土居、遠藤と攻撃陣を構成してゴールを狙う。真っ赤に染まったサポーターの応援が響き渡る中、先にゴールネットを揺らしたい鹿島だったが、開始早々、まさかの先制点を奪われる。6分、右サイドから中央へパスを入れられると、ポストプレーから高橋にミドルシュートを決められてしまった。

鳥栖お得意の形にまんまと嵌められ、3試合ぶりに先制を許し1点を追う立場となった鹿島。鳥栖の激しいプレスとスペースを埋める守備の前に、なかなかチャンスを生み出せない。13分、最終ラインの植田がロングボールを蹴り込むと、1本のパスでペナルティーエリアを陥れた赤崎が背後からのボールに右足ダイレクトボレーを試みたが、うまくミートせずに相手GKにキャッチされた。以降も赤崎は最終ラインの背後を狙い、柴崎や土居がスルーパスを繰り出したものの、シュートまで結びつけない場面が続いた。

何とか同点に追いつきたい鹿島は、31分に植田が得意のロングシュートで枠を捉えたが、相手GKがキャッチ。45分に赤崎が放った右足ミドルシュートも相手GKの正面に飛び、決定機を作れないまま1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。

後半、もどかしい状況を打開すべく、トニーニョ セレーゾ監督は53分と早い段階で豊川に代わり、中村をピッチへ送り出す。中村がトップ下に入り、土居がサイドへポジション変更すると、それまでなかなか連動が見られなかった前線で中村を中心に遠藤、土居がボールをつなぎ出す。何人かの選手が足をつるなど前半のハイスパートなペースから若干疲れが見える鳥栖を相手に、試合を支配する時間帯も多くなりはじめた。

しかしこの日の鹿島にとって、ゴールは遠かった。57分のセットプレーでは植田が得意のヘディングシュートを見せるが、これはクロスバーのわずか上。そして61分には中村とのワンツーで抜け出した遠藤が得意の左足でシュートを狙うが、これは枠に飛ばなかった。

その後、63分に小笠原に代わりルイス アルベルト、74分には赤崎に代わり本山が入り、再び鳥栖ゴールへ迫るが、勝利への執念を見せる鳥栖に粘られ、逆にカウンターを食らう場面も目立ち始める。結局、試合の流れは後半アディショナルタイムに入っても変わらず、残り僅かのところで土居が決めたと思われたシーンもオフサイドと、最後まで後一歩が足りないゲームとなった。

浦和が名古屋に1-2と負け、G大阪が徳島相手にスコアレスドローと奇跡の逆転優勝へ条件はそろった最終節。最後の最後は、やはり自分たちの力が全てだった。しかしその大事な試合で1失点しての完封負け。若手選手の躍進は目立ったものの、まだまだ鹿島本来の勝負強さが感じられない今シーズンを象徴するような幕切れとなった。

「自分たちは勝つしかない」。試合前、選手たちは口々にそう言った。それが実現できなかった今、言いようもない悔しさをずっと忘れないものだけが、次のステージに進める。中田浩二という大きな存在がピッチを去った2014シーズンが終わり、鹿島は新たな時代を迎える。





【この試合のトピックス】
・今季のJ1で最多の64得点でシーズンを終えた。最多得点は1997年以来17年ぶりの記録。
・豊川が11月2日の第31節新潟戦以来、3試合ぶりの先発出場を果たした。
・中村が11月22日の第32節川崎F戦以来、2試合ぶりに途中出場した。
・ルイス アルベルトが戦列復帰後3試合連続で途中出場した。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・残り45分、走り続けること。運動量を落とさず戦い続けろ。
・不用意にポゼッションを失いすぎている。気持ちを落ち着かせてビルドアップしよう。
・ボールスピードと判断の速度をあげて、相手を自分たちのリズムに巻き込め。


サガン鳥栖:吉田 恵
・今のリズムを継続すること。
・守備の時、相手の飛び出しに気を付けてディフェンスラインをコントロールすること。
・攻撃はもっと相手ラインの背後を狙うこと。


[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・サガン鳥栖は競争力が高いチーム。フィジカル、運動量、スピード、献身的な犠牲心など、Jリーグでもトップレベルなので、タフな試合になると思っていた。マンマークがついて、パスワークを封じられた。前半20分までシュートを打つことができなかったが、相手はそれだけ守備をしっかり整えて戦っていた。
・ハーフタイムでは焦る必要ないと伝えた。同点、逆転する時間はあったが我々の攻撃ができなかった。後半は落ち着いてやれたところもあり、さらに交代で勢いおいをもたらすこともできた。しかし、組織として我々がやってきたことを徹底できなくなり、バランスを崩してしまった。
・最後の最後まで優勝争いをしたこと、しかも2年連続で優勝争いできたことは、我々の歩んでいる道が間違っていないことの1つの証明だと思う。しかし、優勝争いまでいってタイトルが獲れなければ失望しか残らない。昨年よりは優勝に近づくことができて、あと少しのところまでは来ていると思う。若い選手が成長してきている。彼らは向上心を持ち続けているので、チームにとっては明るい未来といえるだろう。当然、いい時期、悪い時期があったが、それを経験することも大事だった。チームとしては、いい結果につなげることはできなかったが、個人としてはいい経験となったはず。しかし、結果を残さなくてはいけないのは、この世界の鉄則。こういった敗戦の後で、10カ月をすぐに振り返ることは難しい。
・(ACLは?)ACLは非常に重要な大会。若い選手にとってはいいモチベーションとなるだろう。同時に結果も求められるので、結果を出すよう準備していきたい。若い選手たちが意欲をもって臨んでいけば、必ず成し遂げられるはず。


サガン鳥栖:吉田 恵
毎回、アウェイの地まで足を運んでくださったサポーターに勝利を届けることができた。それを成し遂げた選手にも感謝。鳥栖らしくない試合展開で早い時間に先制したが、ゲームを落ち着かせてコントロールできたことが勝利につながった要因。相手のストロングポイントを消して、自分たちのいい攻撃につなげることができた。前節から4人の選手が代わったが、選手が代わってもサガン鳥栖として同じサッカーで戦うことができた。選手たちには本当にお疲れ様と言いたい。


選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
最後にこういう結果に終わったのは、力が足りないシーズンだったということだと思う。悔しい試合だった。チャンスは何回か作れたけど、鳥栖は良いチームであれだけ身体を張って戦えるのは鳥栖くらいだと思う。日本で一番だと思う。だからこそ勝ちたかった。今回は完敗だった。鹿島は毎年タイトルを獲らなければいけない。今年は本当に悔しいシーズンだった。

【土居 聖真】
振り返ると1点目が痛手になってしまった。点を取られて、どうしても勝たなければいけないという状況で焦りもあって、慌てたところもあった。慌てずにボールをつないで相手を引き出して点を取りに行くのが理想だったが、気持ちが前に出たのがマイナスになってしまった。ただ慌ててしまった。ACLの可能性もあるし、来年は負けないようにしたい。

【昌子 源】
他の結果を気にせず、浩二さんを勝っておくり出すことを意識していた。試合前の円陣で満男さんから「ミヤと浩二を勝って送り出そう」という話もあったし、そういう意気込みで臨んだ。勝っておくり出したかった。浩二さんは常に目を配ってくれてアドバイスをしてくれて、試合に出た時は途中からでもすごく頼りになる存在。もう少し一緒にやっていたかったというのが、正直な思い。

西選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。

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