ACL準々決勝第2戦 鹿島3―0天津権健 ( 2018年9月18日 マカオ )
鹿島は代替地のマカオで天津権健(中国)との準々決勝第2戦に臨み、3―0で勝利を収めて2戦合計5―0とし、クラブ史上初のベスト4入りを決めた。前半のうちにFWセルジーニョ(23)、MF安部裕葵(19)がアウェーゴールを決め、早々に勝負を決めた。準決勝は19日に行われる水原―全北(ともに韓国)の勝者と、来月3日にホームで第1戦、同24日に敵地で第2戦を戦う。
きらびやかな高層建築物に囲まれたマカオの街で、鹿島が新しい歴史を鮮やかに築いた。立ち上がりは劣勢。「我慢しよう」という声が飛び交った。しぶとく耐え続け、迎えた13分。DF内田とMF遠藤の連係から右CKを奪うと、FWセルジーニョの頭によるファーストシュートがゴールラッシュの口火となった。前半だけで2得点。あっさりと決着をつけた。
世界経済フォーラム「ダボス会議」の開催に伴い、警備が困難という理由で会場が2週間前に天津からマカオに変更された。一見さほど悪く見えないピッチの芝は「中に入ってみるとガタガタ」(クラブ関係者)だったが、悪条件を感じさせなかった。ジーコTDも予定を前倒ししてブラジルから駆けつける中、6度目の決勝トーナメントにしてついに準決勝進出を決めた。
19個の国内主要タイトルを獲りながら、唯一ないタイトルが、ACL。2点目のアシストとともに前半の2点に絡んだ内田は4強入りを受けて言う。「昔のチームと比べたら、今の11人のレベルが高いわけでもない。でも俺とか満男さん(小笠原)とかソガさん(曽ケ端)とかね、昔からやっている人もいるし、そこには剛さん(大岩監督)含め、ハネさん(羽田コーチ)とかいろんな思いがある」。脈々と受け継がれた常勝軍団のDNAが敵地で流れを引き寄せた。
もちろん満足する選手はいない。「難しい試合になると思っていたが、皆が勝つために、上に行くために走り続けた結果」と胸を張った遠藤は、試合が始まる前から言っていた。「ベスト4になったから何かを得られるわけではない。僕らは優勝を目指している」。鹿島にとっては、4強も通過点にすぎない。
≪日本勢5チーム目の4強≫鹿島がクラブ史上初の準決勝進出を果たした。日本勢では浦和(07、08、17年)、G大阪(08、15年)名古屋(09年)、柏(13年)に次いで5チーム目。鹿島はホームでの1戦目も○2―0で勝利。準々決勝を連勝で通過したのは07年浦和、08年G大阪に次ぐ3チーム目で、過去2チームはいずれも優勝しているだけに鹿島もACL初制覇に期待が懸かる。
◆鹿島、6度目の決勝Tで扉開いた!敵地豪快3発でACL初4強(スポニチ)