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[4.5 J1第6節 鹿島2-1名古屋 カシマ]
10番の投入で劣勢の流れが一変した。2試合続けてベンチスタートだった鹿島アントラーズMF安部裕葵は1点ビハインドの後半16分、MFレアンドロと代わってピッチに登場。すると11分後、鋭いカットインからMF永木亮太にパスを通すと、そこからMF土居聖真の同点ゴールが生まれた。
「もうちょっと横の角度でカットインしたかったけど、相手の守備が警戒してきてマイナス気味に出すしかなかったので。パスを選択した時は…アイデアというか、ひらめきです」。この得点で勢いに乗った鹿島は、さらなる攻勢を開始。最後はMFレオ・シルバのスーパーゴールも決まり、首位名古屋を相手に見事な逆転劇を見せた。
今季から常勝軍団の10番を受け継いだ安部だが、序盤戦のパフォーマンスは満足いくものではない。開幕4試合でレギュラーポジションを確保していたが、昨季のような鋭いドリブルは鳴りを潜め、全試合で早い時間帯に途中交代。U-20日本代表遠征明けの前節磐田戦(△1-1)ではついに先発の座を外れた。
「身体づくりからいろんなものに挑戦している。コンディションを崩すのは良くないが、若いうちにいろいろと試すのは今後のキャリアにとっても大事。試合に出してもらっている身なので良いコンディションに戻せれば」。初めて迎える主力としてのシーズンイン。調整の難しさも前向きに捉えていたというが、変調は明らかだった。
またそれに加え、相手チームの対策も進んでいた。「守備では枚数をかけてきて嫌ですし、1対1はあまりなくて1対2になることがほとんど」と相手の警戒を認める中、「そういう中でもやれれば自信になるし、楽しみながらやれれば」とこちらもポジティブに受け入れているものの、壁にぶつかった印象を与えたのも確かだ。
それでも、この日は自身の持ち味をしっかり結果に結びつけた。「(どんなプレーを選択するかという)答えはない。ただ、もちろんマイナスではなかった。ゴールにつながったので良かったとは思います」。理想的なプレーではなかったが、これも一つの光明。鹿島の新10番は求める基準に近づきながら、果てなき成長意欲を持ち続ける。
(取材・文 竹内達也)
◆カットインから同点起点に…大外パス選んだ鹿島MF安部「アイデアというか、ひらめき」(ゲキサカ)