日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年4月13日火曜日

◆常勝軍団鹿島に今「らしさ」が見えない… 失った精神的支柱の影響力(ニッカン)






<明治安田生命J1:札幌2-2鹿島>◇第9節◇11日◇札幌ドーム

鹿島アントラーズが苦戦している。

11日のコンサドーレ札幌との試合は、一時は2-0でリードしていたが終わってみれば引き分け。開幕戦の清水エスパルス戦も1-0で先制したが逆転負けを喫した。

「先制すれば負けない」という勝者のメンタリティーで20冠を手にし、他クラブのサポーターからも「憎たらしいほど強い」と敬意を表された常勝軍団に今、「らしさ」が見えてこない。

18年に日本代表DF植田直通が海外に移籍し、常にチームを引き締めてきた小笠原満男氏が引退した。DF昌子源も海外へ移籍し、主力がチームを去った。逆に、世界と「鹿島イズム」を知り尽くす内田篤人氏が鹿島に復帰。19年シーズンに、鹿島と対戦したある選手がこう話していたのを思い出す。「ピッチの中で内田選手が締めていた。攻められていても、守りきればいいと割り切れる選手がいるだけで、安心感が違うように感じた。押し込まれても声をかけられる選手がいるのは大きい。そこを、チームとして覚えていくのが鹿島の伝統だと思う」。この言葉を聞き、鹿島の強さに納得したのを思い出す。

昨夏、ピッチで安心感を与えていた内田氏も引退した。果たして今、押し込まれる展開で「大丈夫。最後はやられなければいいから」とチームに落ち着きを与える精神的支柱がいるのだろうか。清水戦、札幌戦と得点した直後にバタバタし失点を喫するもろさは、精神的支柱を失った影響が大きいように感じる。

しかし、過去を振り返っていても仕方がない。チームは若返り、今季は出場選手の平均年齢が24・7歳と、J1の20クラブ中、最も若く、逆に大きなのびしろがあるチームとも言える。中堅のMF三竿健斗、鹿島ユースからの生え抜きの土居聖真らは、間違いなく小笠原氏や内田氏から「鹿島のDNA」を受け継いできている人材だ。GK沖悠哉(21)も、曽ケ端準氏から「チームを勝たせるGK」のメンタリティーを受け継ぎ、札幌戦では好セーブを連発した。鹿島の伝統の灯火は消えてはいない。

守備陣では、23歳のDF町田浩樹、20歳のDF関川郁万、攻撃陣では19歳のMF荒木遼太郎、22歳のFW上田綺世らが試合の出場を通じ経験を積んでいる。上田は札幌戦の試合後、得点直後の失点を猛省し「点を取った後、どういった振る舞いをするかが今後重要になってくると思います」と課題を掲げた。若いチームだからこそ、僅差を守りきって勝ち点3を手にする成功体験が続けば、一気に進化する可能性も大きい。生みの苦しみの先に、再び強い鹿島になることを期待したい。【岩田千代巳】




◆常勝軍団鹿島に今「らしさ」が見えない… 失った精神的支柱の影響力(ニッカン)





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