[5.28 W杯アジア2次予選 日本10-0ミャンマー フクアリ]
勝てばW杯アジア最終予選進出が決まる一戦で、フル出場のFW大迫勇也(ブレーメン)が5ゴールと爆発力を見せた。1-0とリードした前半22分、長友佑都の左クロスをヘディングで押し込むと、30分にはDF酒井宏樹が獲得したPKを決めた。36分には右足で3点目。後半もゴールの意欲に陰りを見せることなく、後半4分、43分と決めまくった。
「取れるだけ点を取りたいと考えていた」
そう振り返った大迫は、5点の中のベストゴールを聞かれると「長友さんからのクロスに合わせたヘディング。中央で駆け引きできて、イメージ通りだった」と22分のチーム2点目を挙げた。
国際Aマッチ2試合連続のハットトリックは1967、71、72年と3度記録している釜本邦茂、97年の高木琢也に続き、史上3人目。国際Aマッチ5得点は、72年の釜本、97年の三浦知良(現横浜FC)以来、こちらも3人目の快挙だった。また、A代表通算得点数は23となり、高原直泰(現沖縄SV)と並んだ。
1トップを務めることの多い日本代表ではポストプレーの比重が大きく、ゴール以外の仕事への評価も高い大迫だが、日本代表の偉大な先輩たちに数字で追いついた。
記録づくめとなったミャンマー戦だが、得点以外の部分でも明確な意図が見えたプレーがあった。前半の25分、中盤でボールを受けて即座にミドルシュートを試みたシーンだ。「チーム全体でゴールに向かうプレーを心がけようと入っていた。そうしないと何も生まれない。最終予選でも引いた相手にそれがしっかり出せるようにしたい」と、常に先を見据えていることを強調する。
ハーフタイムに吉田麻也が交代でベンチに下がるとキャプテンマークを巻いた。
「(3月の)韓国戦からずっと(鎌田)大地、(南野)拓実と良い関係ができていた。(伊東)純也もスピードのある選手なので、次のジャマイカ戦(6月3日)が楽しみ。これをもっと強い相手でもできるようにしていけばいい」。日本をけん引する頼もしいFWがここにいる。
(取材・文 矢内由美子)
◆史上3人目の連続ハット&1試合5発…日本FW史に数字を刻んだ大迫「取れるだけ取りたかった」(ゲキサカ)