日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年2月12日日曜日
◆ハリルも密着マーク。伝統の「9番」を 背負う鹿島の新エース、鈴木優磨(Sportiva)
中村俊輔(横浜F・マリノス→ジュビロ磐田)や、大久保嘉人(川崎フロンターレ→FC東京)らビッグネームがチームを移り、日本代表の清武弘嗣(セビージャ/スペイン→セレッソ大阪)や、元日本代表の高萩洋次郎(FCソウル/韓国→FC東京)といった海外組が国内復帰を果たすなど、過去に例を見ないほど選手移籍が活発だった今オフのJリーグ。
昨シーズンのJ1王者・鹿島アントラーズも大型補強を敢行し、磐石の陣容を固めつつある。とりわけ熱心だったのが、アタッカー陣の補強だ。
元ブラジル代表のレアンドロ(パルメイラス/ブラジル→)、昨季J1で11ゴールをマークしたペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸→)、リオ五輪代表候補だった金森健志(アビスパ福岡→)らを獲得。チームには昨季優勝の立役者である金崎夢生と土居聖真がいるうえ、赤崎秀平なども控えており、攻撃陣のポジション争いは熾烈を極めている。
その中で、開幕スタメンの座を勝ち取りそうな、新シーズンのブレイク候補生がいる。
1996年生まれで、プロ3年目を迎えたFW鈴木優磨だ。
1月のタイ遠征では、地元スパンブリー戦で2ゴールを含めて3点に絡む活躍を見せると、2月2日のJリーグDAZNニューイヤーカップのV・ファーレン長崎(J2)戦、6日の福岡(J2)戦でもゴールを奪取。疲労のピークを迎え、動きが重いチームの中でひとり気を吐いた。
そんな鈴木の姿に、2歳年上の先輩、DF植田直通も大いに刺激を受けている。
「(優磨からは)ポジションを取ってやる、という強い気持ちが伝わってくる。それを見て、俺らもゼロに抑えてやる、という気持ちで守っています。互いに、いい刺激を与え合っていると思います」
鈴木と言えば、昨年末のFIFAクラブワールドカップで、ゴールを決めたあとにクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード/スペイン)を真似たゴールパフォーマンス(反転して胸を張り、両手を広げるポーズ)を披露したり、浦和レッズとのチャンピオンシップ決勝で、PKのキッカーをめぐってチームメイトと揉(も)めたり、テレビの優勝特番でラップをお披露目したりして話題をさらったが、決して話題先行タイプではない。着実に力を伸ばし、常勝チームの中での地位を堅実に築いてきた。
プロ2年目の昨シーズン、前年は2ゴールだったにもかかわらず、「2桁得点」を目標にぶちあげると、Jリーグで8得点、天皇杯で2得点、クラブW杯で1得点を挙げ、公式戦トータルで2桁を記録した。
「俺が『2桁取る』と宣言したとき、周りは驚いたかもしれないけど、自分としては”取れる”と思っていた」(鈴木)と、有言実行を成し遂げた。
もっとも、リーグ戦31試合に出場したものの、22試合は途中出場だったため、今シーズンはスーパーサブからの脱却、開幕スタメンを含むレギュラー定着を目論んでいる。
鈴木の魅力は、そうした得点力や、決勝でPKキッカーを志願する強心臓だけでなく、ユーティリティー性や器用さも備えている点だ。本来は、ペナルティーエリア内で強さを発揮する大型ストライカーだが、突破力やダイアゴナルに走ってゴール前に飛び出せる機動力が買われ、昨シーズンはサイドでもプレーした。
DAZNニューイヤーカップの福岡戦でも、左サイドで先発。前半途中には、ピッチ内の判断で前線の土居とポジションを入れ替わって相手DFをかく乱した。「(ポジションチェンジは)相手が引いていたので、聖真くんと自分の特徴を考えて、ふたりで話をして決めた」(鈴木)と、状況判断や駆け引きも身についてきている。
背番号も「34番」から、元日本代表の黒崎久志や鈴木隆行、現日本代表の大迫勇也ら、歴代の大型ストライカーが背負ってきた「9番」に変更された。それは、クラブの期待の高さに他ならない。鈴木自身、それはわかっている。
「いろんなポジションができるのは、(自分の)強みだと思っている。今年もいっぱい点が取れるようにがんばりたい。シーズンに向けて、いい準備をしていきたいです」
ゴールという結果にこだわる生粋のストライカーにして、サイドでも存在感を発揮する攻撃のユーティリティー。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も密かにマークしているという、ブレイク必至の若き「背番号9」が、J1チャンピオンの攻撃陣をけん引する。
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2017/02/11/___split_21/
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