日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年2月12日日曜日

◆2017Jリーグプレシーズンマッチ いばらきサッカーフェスティバル2017(オフィシャル)


プレシーズン いばらきサッカーフェスティバル2017

遠藤、鈴木、レアンドロが決めた!鹿島、水戸とのダービーマッチで快勝!

シーズン開幕を告げる茨城ダービーで、鹿島が会心の勝利を収めた。いばらきサッカーフェスティバル2017、水戸ホーリーホックとの対戦は、遠藤と鈴木、そしてレアンドロのゴールで3-0と快勝。完封勝利でプレシーズン期間を締めくくった。

鹿島は1月22日から27日にタイキャンプ、そして31日から2月7日までは宮崎キャンプを実施し、すでに5試合を戦った。2冠を達成した昨季のメンバーをベースに、実績十分の新戦力が数多く加わった今季、石井監督は実戦をこなしながらコンディションと戦術理解度を高めていく試みを断行。キャンプでの計5試合は3勝2敗と思うような結果が出たわけではないが、新背番号“9”を背負う鈴木が4ゴールを挙げて強烈にアピールするなど、明るい材料も数多くあった。

課題と手応えをもって宮崎から鹿嶋へ帰還したチームは、つかの間のオフを終え、9日にクラブハウスに再集合した。厳しい寒さに見舞われたが、グラウンドは熱を帯びていく。クラブが敢行した積極補強の結果、選手層は格段に増した。実戦形式のトレーニングや紅白戦の水準は、かつてないほどに上がっている。プレシーズン期間の鈴木の活躍について「良い刺激を与え合っていると思う」と語っていた植田も、新たに纏う“5”を輝かせるべく、日々のトレーニングで存在感を示し続けている。

水戸戦前日、青空の下でセットプレー練習やレクリエーションゲームを実施した指揮官は「開幕に向けたメンバー構成はある程度、頭の中にある」と、新チームの輪郭を描きつつあることを明かした。「新加入選手と既存の選手をミックスして起用して、どのくらいコミュニケーションがうまくいくかを見たい。明日の試合と日曜日の練習試合で、ACLやJリーグのメンバーが決まってくると思う」。茨城ダービーは単なるプレシーズンマッチではない。レギュラーの座を懸けた、サバイバルマッチだ。

「公式戦に向けた最終チェックの場になる」と位置付けた一戦で、石井監督が指名した先発メンバー11人には、新加入4選手が名を連ねていた。GKのクォン スンテ、左サイドバックの三竿雄斗、ボランチのレオ シルバ、そして前線のペドロ ジュニオールが先発入り。最終ラインは雄斗のほか、西と植田、昌子が並ぶ。ボランチでレオとコンビを組むのは小笠原、そして2列目は中村と遠藤が務める。前線ではペドロとともに金崎がゴールを狙う。
またベンチには、GKの曽ケ端、伊東、ブエノ、三竿健斗、レアンドロ、鈴木、金森が並んだ。





青空に恵まれたケーズデンキスタジアム水戸には、朝早くから両チームのサポーターが足を運んでいた。5年ぶりに水戸で開催されるダービーマッチは、ホーム・アウェイともに自由席のチケットが完売となるなど、高い注目度の下で行われることとなった。11時からは筑波大学と流通経済大学の一戦も行われ、関東大学1部リーグに所属する両雄が熱い戦いを繰り広げた。まさに茨城が誇る4チームが集結した一日。アントラーズレッドで埋め尽くされたアウェイスタンドからは、フットボールシーズンの開幕を待ちわびた背番号12が大きな声でチームコールを降り注いだ。鹿島の赤、水戸の青。両者のコントラストが鮮やかに描かれ、ボルテージが高まっていく。そして14時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。

鹿島は前半、風下での戦いを強いられた。序盤はボールの軌道を見誤る場面もあったが、次第に順応。右サイドの西と遠藤がパス交換で起点となり、水戸を押し込んでいった。ペドロや金崎も前線でのポストプレーでボールを収め、労を惜しまないプレスでチームの推進力となった。



10分以降は互いに拮抗した展開となったが、鹿島がボールキープ率を高めていった。向かい風を利用し、ロングボールを相手の最終ラインの背後へ落としてペドロや金崎を走らせる場面も増え始め、水戸陣内でのプレー機会が増えていく。22分には攻撃参加でカットインした西がペナルティーエリア右手前でファウルを受け、FKを獲得。レオが直接狙ったが、枠の左へ逸れてしまった。



攻勢をかける鹿島は24分、この日最初の決定機を作り出す。小笠原の縦パスから右サイドを攻略し、西がクロス。飛び込んだ中村がヘディングシュートで枠を捉えたが、相手GKの正面を突いてしまう。こぼれ球へのプッシュも阻まれ、ゴールネットを揺らすことができなかった。

続いての決定機は29分。金崎のポストプレーから雄斗がマイナスのクロスを上げ、遠藤がシュートを放つ。グラウンダーのボールは枠を捉えたが、右ポストを直撃して得点とならなかった。



両サイドからの攻撃でチャンスを作りながら、鹿島はなかなか均衡を破れずにいた。それでも34分、アントラーズレッドのスタンドに歓喜の時が訪れる。ペナルティーエリア内での混戦、西が競り合った後のこぼれ球に反応した遠藤が左足を一閃。グラウンダーのシュートが、左ポストを叩いてゴールへ吸い込まれた。1-0。キャプテンマークを巻いてピッチに立った背番号25が、鹿島にリードをもたらした。前半は鹿島の1点リードで終了した。













後半に入っても、鹿島の攻勢は続いた。ペドロや金崎がオフサイドとなる場面も少なくなかったが、積極的に最終ラインの背後へ飛び出す動きで水戸に脅威を与えていく。51分にはペナルティーエリア左手前でボールを持った中村の技術とアイデアが鮮やかなスルーパスとなって描かれたが、反応したペドロはわずかにオフサイド。惜しくもチャンスを逃したものの、流れるような攻撃を見せた。





鹿島は55分、ふくらはぎに違和感を訴えた昌子が交代を申し出、ブエノがピッチへ。石井 監督は61分に伊東、そして70分には鈴木とレアンドロを投入し、様々な組み合わせを試しながらコンビネーションの熟成を図る。



そして73分、相手GKのパスが味方に当たったルーズボールを金崎が拾い、鈴木へラストパス。新背番号“9”は無人のゴールへ冷静に流し込み、鹿島がリードを広げた。鈴木にとってはプレシーズンマッチ5試合目の出場で、5ゴール目。勢いに乗る若武者が、またもゴールネットを揺らしてみせた。





2点リードとなった鹿島。石井監督は77分に三竿健斗を投入し、レオとのボランチコンビもテストした。レアンドロが左サイドハーフ、西が左サイドバックと、宮崎では試さなかった配置も採用し、バリエーションを模索していった。









勝利を決定付ける3点目は84分、右サイドをオーバーラップした伊東に金崎からパスが通り、スピードに乗った状態でクロスが上がる。ゴール前、フリーで待っていたのはレアンドロだった。右足ボレーをゴールに突き刺し、日本での初ゴールを記録した。





寒空の下、勝利を告げるホイッスルが鳴り響いた。3-0。鹿島が水戸との茨城ダービーを制し、今季6試合目のプレシーズンマッチを勝利で飾った。いばらきサッカーフェスティバルでの完封勝利は5年ぶり。様々な組み合わせを試しながら、しっかりと結果を残すことができた。





鹿島の次戦は18日、FUJI XEROX SUPER CUPで浦和と激突。日産スタジアムで、ライバルとの一戦に臨む。そして21日にはいよいよ、AFCチャンピオンズリーグの初戦・蔚山現代FCが待っている。25日はFC東京とのJ1開幕戦、28日はACLのムアントン・ユナイテッド戦で、タイへと遠征する。開幕と同時に立ち向かうこととなる過密スケジュール。難敵との連戦で、世界とクラブを「つなぐ」戦いがいよいよ始まる。

【この試合のトピックス】
・いばらきサッカーフェスティバルは通算12回目で、11勝1分けとなった。
・いばらきサッカーフェスティバルでの完封勝利は2012年以来5年ぶりとなった。
・鈴木が今季のプレシーズンマッチで5試合出場、5ゴールを記録した。
・レアンドロが日本での初ゴールを決めた。
・遠藤が今季初ゴールを決めた。
・クォン スンテが加入後初のフル出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・もっとボックス内で積極的にボールを受けよう
・足下にボールをつないでいこう
・競った後ろへのこぼれ球をしっかり拾おう

水戸ホーリーホック:西ヶ谷 隆之
・積極的にチャレンジしていこう
・ラインコントロールをまめにしていこう
・中盤のスペースを上手く使うこと
・プレーをはっきりしよう

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
鹿島アントラーズ:石井正忠監督
自分たちがボールを保持する時間が長くなった中、前半はなかなかペナルティーエリア内に入る形を作れなかった。後半も同じような流れだったが、ラッキーな形と良いクロスからのゴールが決まって良かった。守備面では、前半の終盤に少し押し込まれる時間があったので、そういう部分をなくしていきたい。今日は茨城ダービーということで、県内の皆さんが期待して観ていてくれた試合だと思う。アントラーズサポーターの皆さんに勝ち試合を見せることができたのは良かったと思う。

Q.昌子選手が交代を申し出たが

A.前半に痛めたふくらはぎの打撲だが、重傷ではない。ハーフタイムにも話をして「あまり良くなかったら交代しよう」ということになっていた。

Q.ペナルティーエリア内へ入る頻度の低さについて

A.ペナルティーエリア内で我慢できずに(ボールを受けに低い位置に)下りてしまっている場面があるので、エリア内にとどまる形や、エリアの外から中へ入っていく形をもっと作っていきたい。前半は、エリア内に1回入った後、外にパスを受けに出ていってしまう場面があったように思う。

Q.キャンプから、いろいろな選手がキャプテンマークを着けていることについて

A.チームの中心となる選手は何人かいる。チームキャプテンの小笠原以外でも、チームをサポートする選手にゲームキャプテンとしてプレーしてもらうという意図がある。このクラブはチームキャプテンが試合に出ていれば、基本的にその選手がキャプテンマークを着けることになっているが、いろいろな中心選手が着けることによってキャプテンシーを育て、つないでいきたいという思いで、この形にした。シーズンを通してやりたいと思っている。

Q.昨季が終わってから今季のプレシーズンが始まるまで、あまり時間がなかった。コンディション面など、心配している部分は?

A.心配よりも、どうやってコンディションを上げていくか、そして新加入選手に対してどのように戦術を浸透させていくかを考えている。思ったよりも良い状態にある。明日も水戸さんと練習試合をするので、そういった試合の中でコンディションをどんどん上げていかないといけない。

Q.18日に浦和との試合が控えているが、どのような位置付けで戦うか?

A.FUJI XEROX SUPER CUPという冠が付いた試合なので、タイトルの一つとして捉えて臨みたい。今年最初のタイトルだと思って戦いたい。

Q.鈴木選手がプレシーズン期間に結果を残しているが、どのように考えているか

A.優磨に関しては、スタメンで出したほうがいいのか、途中からのほうがいいのか、非常に迷うところがある。体力的な部分だけではなく、彼の強みをどのタイミングで出せばいいのかを悩んでいる。途中出場で起用する機会が多いが、先発が続いた時に同じようなパフォーマンスができるかどうかはシーズンを通して見てみないとわからないと思う。先発でも使いながら、今までのパフォーマンスを出せるかどうか探っていきたい。新加入選手とのコンビネーションもパフォーマンスに影響を与えると思うので、バランスを見ながら起用法を考えたい。

Q.タイと宮崎でのキャンプを経て、現段階のチーム状況やコンディションは当初、想定していたレベルにあるのか?

A.全体のコンディションについては、まだ足りない部分もあるとは思う。とはいえ、試合をこなしながら(コンディションを作る)というやり方は今年が初めてなので、ある程度は良い状態だと思う。このやり方が良かったか悪かったかはこの先の結果による。宮崎での最後の福岡戦よりも安定したプレーができている。スムーズにボールを動かすこともできていた。攻守ともに、さらに連係面を深めることが大事だと思う。今後は自分たちのコンディションや戦術理解度だけでなく、対戦相手の対策も必要になってくる。しっかりとやっていきたい。

水戸ホーリーホック:西ヶ谷 隆之
チームとしては全体的に、やろうとしていることにトライしてくれたと思う。あとはコンディション面や身体の重さという点で、まだまだベストの状態ではない。そういった部分でミスが多くなると、このような試合になってしまう。ミスを減らしていかないといけないし、相手のミスを突いて仕留める力が上のクラブにはある。あと2週間で修正していきながら、コンディションを良い状態に戻して開幕を迎えたい。


選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
キャプテンマークは巻いているだけで、やることは変わらない。一人一人が自覚を持ってプレーできているので、チームを引っ張るとか引っ張られるとか、そういう感覚はない。得点の場面は、狙って打ったら入るかどうか際どいところに飛んだけど、決まって良かった。

【鈴木 優磨】
まだ公式戦は始まっていないし、今は準備段階。もっともっとレベルを上げていって、連係を深めていきたい。今日は先発から外されたことがすごく悔しくて、その思いをぶつける気持ちでピッチに入った。

【伊東 幸敏】
(レアンドロが)良い時間に決めてくれて良かった。ペナルティーエリア内に入ってくる選手も、どこにクロスが飛んでくるかわかっている。アシストはどんな形でも嬉しい。もっと結果を出していきたい。

【西 大伍】
身体の状態は7割くらい。まだ上がると思う。ACLやリーグ戦が待っていることを考えると、今のチーム状態はまずまずだと思っている。

【クォン スンテ】
勝ったことには満足しているけど、コミュニケーションの部分については、全てに満足できるとは言えない。時間が経てば良くなると思う。

【レアンドロ】
得点を決めたことは嬉しく思う。ただ、勝って試合を終えられたことのほうが嬉しい。来週の大事な試合に向けて、ゆっくり休んで備えたい。選手を観察すれば特長はわかるし、話をするというよりも、感覚の部分でやっている。キャンプに最初から参加できたことも大きいと思う。

【昌子 源】
前半は予想以上に風が強くてボールが伸びてきたので、苦戦した部分があった。ACLでは1つの判断ミスで失点する可能性があるので、常に集中力を保っていきたい。浦和とのゼロックスカップでチームを完成形に近づけていきたい。

http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/52074

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