日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年12月14日金曜日

◆浦和の二の舞は許さない! 鹿島、2年ぶりのクラブW杯で「リベンジ」を期す【元川悦子】(AERAdot.)



昌子源 Gen.Shoji


 2018年の日本サッカー界にとってラストの国際大会となるFIFAクラブワールドカップ(FCWC)・UAE2018が12日(日本時間13日未明)に開幕した。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)を初制覇した鹿島アントラーズは2年ぶりの参戦を果たした。

 2016年日本大会は開催国枠だったが、今回はアジア王者としての出場。「日本で開催されるから出るわけじゃなくて、自分たちが勝ち取った出場権。アジアの人たちが『もうちょっとやってくれよ』という気持ちにならないようにしっかりやりたい」と同大会に初めて挑む元日本代表DF内田篤人が気を引き締めたように、彼らには見る者を納得させられる結果が求められるところだ。

 2年前にファイナルまで勝ち上がり、クリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)擁する欧州王者のレアル・マドリードをあと一歩というところまで追いつめながら、延長の末に2-4で敗れた鹿島にとって、目指すところはレアルとの再戦、そして優勝だ。

 15日に行われる北中米カリブ海王者・グアダラハラとの初戦(アルアイン)に勝てば、19日(日本時間20日未明)にレアルと戦うことになり、1つ目の目標が叶う。ただ、これが大きな落とし穴になりかねない。というのも、2017年UAE大会に同じくアジア王者としてのぞんだ浦和レッズが開催国枠のアル・ジャジーラに初戦でまさかの苦杯。レアルとの対戦機会を逃すという失態を演じているからだ。

「浦和は最初から『レアル、レアル』と言い過ぎていた」と語る関係者も多いが、その教訓を鹿島の選手たちはしっかりと生かそうとしている。2年前の準優勝を経験している2018年ロシアワールドカップ16強戦士・昌子源が「僕らはレアルにリベンジしに行くわけじゃない。レアルと当たればいいことだけど、まずは目の前のメキシコのチームとの試合に集中すること。グアダラハラも絶対に強いし、目の前の試合に1つずつ勝っていく事が大事」と語気を強めたように、初戦を確実に突破することが2年前を超える成果につながる。


 半年前の2018年ロシアワールドカップでも、日本代表は初戦・コロンビア戦(サランスク)に2-1で勝利して、ベスト16という結果を手にした。その場に立っていた昌子には、1戦目の重要性が誰よりもよく分かっているはずだ。

「1年間に2度ワールドカップに出られるとは思ってなかったですけど、泣いても笑っても今年最後の大会になるし、マックス3試合やりたい。2戦目で負けても3位決定戦はあるけど、そこには回りたくない。決勝の舞台に行けるようにしたい。今の鹿島には(小笠原)満男さんやソガ(曽ヶ端準)さん、篤人君や自分がいるし、GKのクォン・スンテも国際経験がある。そういう人たちがどっしり構えることが重要だと思います」

 昌子は自身の役割を認識しながら、今年2度目の世界舞台に挑むという。

 2度のワールドカップにUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)、ドイツ・ブンデスリーガなど数々の大舞台に参戦し、修羅場をくぐってきた内田が今季から鹿島に戻り、ケガを克服して、今大会までに戦える状態になったことも非常に大きなアドバンテージだ。

「FCWCって欧州のチームからしたら、正直言って『別に』という大会だと思う。シーズン中に中東に行って試合しなきゃいけないレアルの気持ちはいろいろあるかもしれない」

 彼は、足掛け9シーズンを欧州で過ごした選手らしい見解を示しているが、確かに今のレアルにとっては負担が重いはず。今季リーガ・エスパニョーラでバルセロナらライバルに水を空けられ、今夏就任したばかりのフレン・ロペテギ監督を10月末に更迭した。サンティアゴ・ソラーリ暫定監督が就任して間もないレアルにとってはFCWCどころではないというのが実情だろう。

 だからこそ、グアダラハラという最初の関門を突破すれば、鹿島には宿敵リベンジへの大きなチャンスが開けてくる。彼らも若きエース、FW鈴木優磨と日本代表ボランチ・三竿健斗が負傷離脱するという大きなアクシデントに見舞われているが、常勝軍団らしいタフさと粘り強さ、総合力を出し切れば、土台が揺らいでいる欧州王者を凌駕できる可能性はゼロではない。

「特に若い選手はスカウトがいっぱい見に来るんだから、頑張らなきゃいけない。もっと図々しくなっていい」と内田が語ったように、若い世代の台頭が苦境を乗り越える絶対条件になってくる。

 その筆頭が19歳の安部裕葵。U-19日本代表でエースナンバー10をつける男は本田圭佑(メルボルン)がプロデュースするソルティーログループのS.T.FC出身だ。本田譲りに強心臓と高度なテクニック、イマジネーションを武器にしている。2020年東京五輪の有力候補で、近未来の日本代表を担う逸材と注目を集めている。

 「僕は大舞台の方が自分を出しやすい。FCWCのような大会は好きですね」という堂々たる口ぶりも頼もしい。彼には鈴木優磨不在の攻撃陣をセルジーニョ、遠藤康らとともにけん引してもらう必要がある。

 2016年日本大会でもロシア16強戦士のボランチ・柴崎岳(ヘタフェ)がレアル相手に2ゴールを叩き出し、世界を震撼させたが、安部が同じようなインパクトを残してくれれば、間違いなくチームは盛り上がるだろうし、彼自身の評価も急上昇する。欧州移籍の道も開けてくる可能性が高い。そういう人材が他にも出てくれば、チームは勢いづく。大卒新人の山口一真や2016年リオデジャネイロ五輪世代の金森健志ら伏兵の活躍にも期待がかかるところだ。実際、年内国内最終戦となった5日の天皇杯準決勝・浦和戦を見ても、昌子らDF陣は手堅い堅守を見せたが、得点力不足が顕著だった。その課題をクリアすることが優勝への絶対条件。大岩剛監督筆頭に、いかにしてゴールを奪うかを考えることが肝要だ。

 いずれにしても、この大会の鹿島が総力戦を強いられるのは確かだ。内田や昌子ら看板選手たちが軸となり、常勝軍団の意地とプライドをUAEの地で示してほしい。(文・元川悦子)




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