日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年11月2日土曜日

◆2019明治安田生命J1リーグ 第30節(オフィシャル)



途中出場のセルジが値千金の決勝弾!健斗、レオ、伊藤も先発復帰!



明治安田J1第30節でアントラーズは浦和レッズと対戦した。前半から積極的に攻撃を仕掛けたアントラーズだったが、なかなか得点を奪えず、スコアレスでハーフタイムを迎える。後半に入ると、浦和に押し込まれる時間帯も長くなったが、途中出場のセルジーニョが72分に値千金の先制ゴールを決めた。最後までリードを守り切ったアントラーズが1-0で勝利した。


▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼



9日前の天皇杯準々決勝、アントラーズはHonda FCに1-0と辛くも勝利した。「難しい試合となることは想定していた」という指揮官は「スタジアムに来てくれたサポーターには感謝している。みなさんの声援が、次のラウンドに進む力になったと思っている」とサポーターへの感謝の気持ちの口にした。そして、「勝ち切れたことを評価して、次のラウンドに進むための準備をしていく」とポジティブに次の試合へ意識を切り替えていた。

天皇杯準々決勝から明治安田J1第30節まで中8日と、久々に試合間隔が空いた。そのため、チームは試合翌日から2日間のオフ、1日練習を挟んで、もう1日のオフをとり、心身ともに疲労の回復を図った。

そして、この準備期間で三竿健斗、レオ シルバ、セルジーニョ、伊藤翔など、負傷で戦線離脱していた選手たちが、続々と全体練習に復帰した。失っていた戦力を取り戻し、金曜日の決戦へ着々と準備を進めていった。




今シーズン、浦和とはすでに3度対戦している。明治安田J1第16節では1-1の引き分け、YBCルヴァンカップ準々決勝では、アウェイの第1戦で3-2と勝利、ホームの第2戦では2-2の引き分けに終わった。互いに手の内を知り尽くしたなかで、いかに相手を上回れるかの勝負となる。指揮官は「立ち上がりの入り方は注意していかなければいけない。しっかりと目の前の試合に対して集中して入っていく」と気を引き締めて試合に臨んだ。



迎えた試合当日、キックオフ2時間前に先発メンバーが発表された。GKはスンテ、最終ラインは右から永木、ブエノ、スンヒョン、町田が入る。ボランチは怪我から復帰を果たした三竿とレオがコンビを組んだ。サイドハーフは右に遠藤、左に白崎、前線は土居と伊藤が務める。ベンチには、曽ケ端、内田、小池、小泉、名古、セルジーニョ、上田が座った。



19時3分、戦いの火蓋が切られた。

立ち上がり、アントラーズはビルドアップで細かいミスが目立ち、思うように攻撃を仕掛けることが出来ない。ロングレンジから積極的にゴールを狙ってきた浦和にやや押し込まれる展開となった。



主導権を掴めずにいたアントラーズだったが、一本のロングパスで流れを変える。12分、ハーフウェーライン手前でボールを受けた三竿が、裏へ抜けた土居にロングパスを送る。背後からの浮き球のパスとなったが、土居はタイミングを上手く合わせてシュートした。枠をとらえたシュートだったが、これは相手GKの好セーブに阻まれ、得点には至らなかった。

ここからアントラーズは立て続けにチャンスをつくっていく。まずは15分、左サイドの高い位置を取った町田からクロスが入ると、ファーサイドでフリーとなった遠藤がヘディングシュートする。だが、これは枠をとらえられず、先制点にはならなかった。

20分にもアントラーズがチャンスをつくる。右からのコーナーキックは、一度クリアされたものの、三竿がボールを奪い返し、ペナルティエリア内右でフリーとなった遠藤へラストパスを送る。遠藤は左足でカーブをかけたシュートを放ったが、惜しくも相手GKの正面に飛んでしまい、得点は奪えなかった。




27分にもチャンスが訪れる。三竿からのスルーパスで左サイド深い位置をえぐった白崎がキックフェイントからシュートする。だが、シュートは相手GKの正面に飛び、得点は奪えなかった。



終始押し気味に試合を進めていたアントラーズだったが、29分にピンチが訪れる。ペナルティエリア手前、ゴール正面でブエノがエヴェルトンを倒してしまい、ファウルの判定となる。このフリーキックを柏木に直接狙われたが、シュートはゴール上に外れて、失点にはならなかった。



キックオフ直後から互いにゴール前まで攻め込む展開が続いたが、前半30分を経過すると、徐々に試合はこう着状態に陥った。両チームともに隙を見せず、強度の高い守備で相手の攻撃を封じる展開となる。















前半はこのまま終了し、スコアレスでハーフタイムを迎えた。





後半に入っても、こう着状態は続く。押し気味に試合を進めていた前半よりも、浦和に押し込まれる時間帯が長くなった。













均衡を打開すべく指揮官が動いた。65分、遠藤との交代でセルジーニョをピッチへ送る。セルジーニョは怪我からの復帰戦となった。

70分、浦和に自陣深くまで攻め込まれる。ボールを大きくクリアできず、波状攻撃を仕掛けられた。だが、チーム一丸となった守備でピンチを凌ぎ切った。



すると72分、ついに歓喜の瞬間が訪れる。永木からのパスを受けたセルジーニョがペナルティエリア内右からクロスを入れると、ファーサイドで白崎が胸トラップからシュートしようとする。相手に寄せられてシュートまで持ち込めなかったが、すぐにこぼれ球を町田が拾い、レオへパスする。レオが相手を剥がしてクロスを入れるも、これは再びファーサイドに流れてしまう。だが、永木がこぼれ球を拾い、ゴール前へクロスを入れると、ゴール前で混戦が生まれた。このこぼれ球を土居がシュートすると、相手GKが弾き、これをセルジーニョが詰めてゴールネットを揺らした。アントラーズが待ちに待った先制点を奪った。











リードを奪ったアントラーズは、得点直後の73分に2人目の選手交代を行う。伊藤に代えて上田を投入した。

試合時間の経過とともに、プレーの激しさは増していった。互いに球際の勝負で一歩も譲らず、息もつかせぬ白熱の展開が繰り広げられる。すると85分、浦和のベンチ前で永木が大槻監督に押し倒された。大槻監督にはレッドカードが提示され、退席処分が下された。







高い強度を保ったまま、5分間の後半アディショナルタイムに突入する。アントラーズは最後の交代枠を使い、白崎との交代で小泉を投入する。1点のリードを守るべく、チーム一丸となって守備を固めた。





そして、歓喜のホイッスルが鳴った。難しい時間帯もあったが、途中出場のセルジーニョが値千金の決勝弾を叩き出して、1-0と浦和に勝利を収めた。



次戦は中7日で明治安田J1第31節・ホーム川崎F戦だ。難しい戦いになることが予想されるが、カシマスタジアムで試合を行えるのはアントラーズにとって大きなアドバンテージとなる。聖地に駆けつける大勢のアントラーズファミリーとともに、次戦も勝利のみを目指して戦う。



【この試合のトピックス】
・白崎がJ1通算100試合出場
・三竿、レオ、セルジ―ニョ、伊藤が負傷から復帰
・セルジーニョが今季リーグ戦12ゴール目
・セルジーニョがLIXIL賞を受賞

入場者数 14,439人
天候 晴、無風 気温 17.4℃ / 湿度 80.0%
ピッチ 良芝、乾燥
主審 荒木 友輔
副審 山内 宏志 権田 智久
第4の審判員 小屋 幸栄

備考
90'+2 警告 鹿島 キム ヨンハ (通訳)
84' 退場 浦和 大槻 毅 (監督)


監督コメント
ハーフタイム

鹿島アントラーズ:大岩 剛
・ボールを持ったら、シンプルなプレーを心掛けること。
・ボックスのなかでは、ひとうひとつのプレーの判断を早くしよう。
・後半立ち上がりから集中し、前を向いて仕掛ける意識を忘れないこと。

浦和レッズ:大槻 毅
・相手のキーマンに、時間を作らせない。もっと厳しくいこう!
・ボールを握る時間を多く作ろう。
・相手のボックス付近はもっとチャレンジしよう。
・全員でもう1回入ろう。

試合後

鹿島アントラーズ:大岩 剛
この1週間準備してきたことを、選手たちがピッチの中で非常によく表現してくれた。結果は1-0だったが、今日の選手たちの姿勢は非常に評価している。平日のナイトゲームにもかかわらず、サポーターの皆さんが非常に大きな声援をくれて、一体となって戦うことが出来て嬉しく思う。

Q.選手たちが戻ってきた中で、少しミスも見受けられたが、その点はどのように評価しているか?

A.長い怪我の後だったので、その辺は想定していた。本調子でない中でも、献身的にプレーしてくれていた。そこは非常に評価している。次の試合までにしっかりと改善とリカバリーをしていく。今日は非常にいいゲームだったと思う。

Q.浦和がメンバーを入れ替えてきたが、どこまで想定していた?

A.浦和のメンバー選考に関しては、今日の試合においてのポイントではなかった。まずは自分たちがいかにいい準備をして臨むかという部分にフォーカスしていた。選手たちがいい準備をしてくれたという部分を評価している。

浦和レッズ:大槻 毅
※大槻監督が退席処分となったため、上野ヘッドコーチが代理で会見に出席しました。

【上野 優作】
勝ち点を取ることが出来なかったのは、非常に残念だった。選手たちの疲労もあった中だったが、現在の順位を考えると、正直、勝ち点が欲しかった。

選手コメント

試合前

【土居 聖真】
浦和は、クロスからの得点が多いイメージがある。まずはクロスを上げられないようにしていく。自分自身、攻撃ではディフェンスの間でボールを受けたり、ディフェンスの裏に抜ける動きを使い分けて、相手の嫌がる動きがたくさんできるようにプレーしていきたい。

【伊藤 翔】
浦和とは今シーズン何度も戦っているので、やってくることはイメージがついている。大事な試合が続いていく中で、セットプレーは重要なポイントになってくると思う。選手やスタッフ含め、色々試行錯誤しながらやっている。それをうまく結果へと結びつけることができるようにしていきたい。

【町田 浩樹】
前回アウェイで対戦した時に自分のところからゴールを決められている。浦和の攻撃陣はすごく流動的なので、ディフェンス陣でしっかり守っていきたい。そして、ボランチとのコミュニケーションもしっかり取りながらやっていかなければいけないと思う。

【レオ シルバ】
まずは、ホームでしっかりと勝ち切ることを意識してプレーしていかなければいけない。浦和とは今シーズン4度目の対戦となる。相手のストロングポイントもウィークポイントも分かっている。守備の部分の細かい修正をしながら試合を進めていきたい。

【白崎 凌兵】
興梠選手にやられているというイメージがある。浦和は興梠選手のところがストロングポイントだと思うので、そこをうまく消していきたい。浦和戦は、セットプレーも重要になってくる。プレーが切れた時は集中が切れやすくなるので、集中力が鍵になってくると思う。

【ブエノ】
浦和とは今シーズン何回もやっている。ホームなので、勝ちに行くしかない。相手には素晴らしい選手がそろっていて、難しい試合になるが、勝ち点3をとるために全員で戦っていきたい。浦和は前線の選手の動き出しがうまい。自分たちもその動きについていけるようにしっかりいい準備をして、無失点で抑えたい。

試合後

【セルジーニョ】
ホームでは、いかに勝ち切るかということが重要。チームメイトも自分も、そして、サポーターもゴールを期待していた。待ち遠しかったと思う。その喜びをサポーターとともに分かち合うことが出来た。自分自身、極力、チームの力になれるようにと思いながらピッチに立っている。自分がチームを代表してゴールを取ることが出来た。今日は、全員で勝利を掴みとれたことが一番大きいと思う。

【土居 聖真】
相手がいつもより後ろに重たく、相手ボランチもマンツーマンで、相手の3バックも上がってこなかった。自分たちに焦りはなかった。焦らずにプレーして、先制することが出来れば状況は変わると思っていた。(得点シーンは)3枚も4枚も相手DFがブロックに来ていたので、相手キーパーのブラインドになって入ったかと思ったけど、セルジがうまく詰めてくれた。

【伊藤 翔】
勝ち点3を取ることが出来たことがすべてだった。前半に点を取ることが出来ていれば、もっと楽に試合を運べたと思うが、あのまま進めていければ点は入ると思っていた。その通りに点が入ってよかった。

【町田 浩樹】
シラくんもサポートしてくれて、全員で守ることができた。これからの戦いに向けて、勢いづく勝利になった。ただ、まだ何も手に入れていない。ひとつひとつ戦っていきたい。

【レオ シルバ】
ホームでやる以上は、戦う姿勢というものを見せなければいけない。これからもキープして戦い続けていきたい。自分自身、いい状態でピッチへと戻ることが出来た。これからもチームに貢献していきたい。

【白崎 凌兵】
悪いボールの失い方もなかったし、攻撃もスムーズに出来ていた。自分もマチからいいポジションでボールを受けることが何度もあった。そこは、今日の試合の中で良かった部分だと思う。

【三竿 健斗】
チームとして、残りすべて決勝というつもりで臨んだ。緊張感のあるチャンスを決めきっていい試合になった。自分の中でプレスにいくところといかないところのメリハリを意識していた。(久しぶりの試合で)少しの不安があったけど、周りがサポートしてくれてうまくできた。ホームではサポーターが必ず後押しをしてくれる。ともにどんな試合も勝ちにいきたい。


◆2019明治安田生命J1リーグ 第30節(オフィシャル)


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