日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2019年12月2日月曜日

◆「鹿島らしさ」を見せずにV消滅。 満身創痍のツケが回ってきた(Sportiva)






血を繋げる。 勝利の本質を知る、アントラーズの神髄 [ 鈴木満 ]


 J1リーグ第33節。優勝の可能性を残す3位の鹿島アントラーズは、前節J1残留を決めたヴィッセル神戸をホームに迎えた。

 優勝に望みをつなぐには勝ち点3が必要な鹿島は、犬飼智也が5試合ぶりに復帰。一方の神戸は前節から先発7人を入れ替え、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャはベンチ外。日本代表の古橋享梧はベンチスタートとなった。

 鹿島は前半8分、内田篤人の右クロスにセルジーニョがヘディング・シュートを放つも左にそれる。先制点を奪ったのは神戸だった。前半14分、大崎玲央の縦パスに安井拓也が足を伸ばすと、そのこぼれ球に反応した藤本憲明が右足でゴール左に流し込み、大分から移籍後初ゴールを決める。さらに神戸は前半28分、山口蛍と藤本で左サイドを崩し、最後は藤本のクロスを郷家友太が決めて追加点を挙げた。

 勝ち点3が必要な鹿島も、前半40分、永木亮太の右フリーキックのこぼれ球を土居聖真が拾って決め、1点を返して前半を終了した。

 後半に入ると、鹿島が何度かチャンスを作るが、ゴールに結びつかない。後半18分には内田篤人、伊藤翔に代えてレアンドロ、上田綺世を投入して勝負に出る。しかし、大きく流れを変えることができず、後半29分には名古新太郎に代えて白崎凌兵を入れる。大岩剛監督は早めに手を打ったものの、決定機を作れないまま試合は終盤を迎える。

 すると後半43分、神戸は左サイドでボールを受けたルーカス・ポドルスキが絶妙なグランダーのクロスをゴール前に。これをファーサイドで小川慶治朗が押し込み、ダメ押しの3点目となった。試合は3-1で神戸が勝ち、鹿島の優勝の可能性は消えた。

 この試合に限って言えば、どちらが優勝を争っているのかわからないような内容だった。鹿島は早めに選手交代をして勝負に出たもののうまく機能せず、神戸をゴール前に釘付けにする時間帯さえなかった。”試合巧者”“勝ち方を知っているチーム”と言われる鹿島らしさは見られなかった。

 今季を振り返れば、開幕からケガ人が続出。それも何とかやり繰りしながら、Jリーグとアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を戦ってきた。

 さらに今夏にはチームの主力である鈴木優磨、安西幸輝、安部裕葵の3人が揃ってヨーロッパのクラブに移籍。その穴を埋めようと法政大学から上田、名古屋グランパスから相馬勇紀、柏レイソルから小泉慶を補強したが、その穴を完全に埋めることはできなかった。

 9月のACL準々決勝で広州恒大に敗れると、三竿健斗、レオ・シルバ、セルジーニョと主力選手が次々にケガで離脱。10月のルヴァンカップ準決勝で川崎フロンターレに敗れると、今度は犬飼がケガで離脱。8月末からのハードスケジュールのツケが一気に回ってきた形だ。

 11月に入るとケガ人が少しずつ戻ってきたとはいえ、いい時の鹿島には程遠く、勝ち点を落としていった。

 鹿島は結局、1シーズンをとおしてケガとの闘いだったといえる。おそらく「今季の鹿島のベストメンバーは?」と問われて、すぐにスラスラと名前が出る人は少ないだろう。それほど常にメンバーを入れ替えながら、満身創痍で戦ってきた。そんな状態でも終盤まで優勝を争ったのだから、それはこのチームの強さだろう。

 しかし、ACL、ルヴァンカップ、Jリーグとタイトルを獲れなかったのも事実。残るは天皇杯。このまま無冠に終わるのか、それとも名門の意地を見せるのか、注目したい。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
血を繋げる。 勝利の本質を知る、アントラーズの神髄 [ 鈴木満 ]
価格:1430円(税込、送料無料) (2019/12/1時点)


◆「鹿島らしさ」を見せずにV消滅。 満身創痍のツケが回ってきた(Sportiva)





Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事