
日刊鹿島アントラーズニュース
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2021年4月15日木曜日
◆鹿島の相馬直樹新監督とはどんな指揮官? 町田時代から紐解く“狂気のサッカー”の全貌(サッカーダイジェスト)

相馬監督の思考回路は「サッカーは陣取り合戦」
4月14日、鹿島のザーゴ監督が解任され、後任として白羽の矢が立った相馬直樹氏。コーチから昇格する相馬氏の監督復帰は、町田での2019年以来となるが、町田ではどんなサッカーを志向してきたのだろうか。
最高成績は2018年の4位。当時、クラブはまだJ1ライセンスを所有していなかった。そのため、J1参入プレーオフには参戦できなかったものの、18年は最も“相馬イズム”が結果につながったシーズンでもあった。最盛期の相馬サッカーを紐解くことで、今後の鹿島の戦い方の方針を探る手掛かりになるはずだ。
町田時代の相馬サッカーをひと言で表すならば、“相手が嫌がることを追求する”チームスタイル。もう少し噛み砕いて言えば、“攻守両面でボールに対してより多くの人数が関わる攻守表裏一体のサッカー”だ。相馬サッカーを形成してきた縦横圧縮型のコンパクトフィールドや、同サイドで攻め切るワンサイドアタックというキーワードは、枝葉の部分に過ぎない。
攻守のメカニズムは、いかに相手から精神的優位性を奪い、自チームが精神的優位に立つか。それを実践するために、組み立てられている。縦横圧縮型のコンパクトフィールドを構築し、ボールを中心とした密集地帯を作るのは、スムーズかつスピーディーな攻守転換を図ることが主な狙いだ。そうして密集地帯から生じる局面では、際の攻防を制することにもこだわり抜いた。球際や切り替えといったサッカーの本質で相手を上回ることは、相馬監督が選手たちに口酸っぱく求めてきたことだった。
もちろん、ボールサイドに人数を掛ければ、その分、相手がサイドチェンジをしてからの展開に脆さを見せてきた。しかし、当時の相馬監督は相手の攻略法を踏まえたうえで、チームの戦い方を選手たちに貫徹させることをブレずに追求してきた。
またボールを保持するという概念に固執しないことも特徴的だ。最終ラインの選手たちは、できるだけ素早く敵陣深くにロングボールを供給。敵陣深くで起点を作ることが奨励されてきた。その背景には「サッカーは陣取り合戦の側面がある」と言う相馬監督の思考回路に隠されている。最終ラインからのロングボールで蹴り合いになることもいとわず、敵陣に極力ボールを運ぶことで相手がはじき返したセカンドボールを回収し、そこから二次攻撃、三次攻撃につなげる。前から圧力を掛けることで相手を追い込み、自陣での守備機会も減らせるという副次的な効果も狙いとしていた。
なお、町田での基本システムは4−4−2。普段から相馬監督はシステム論をあまり好まなかったが、システム採用の意思決定については「システムありきではなく、あくまでもやりたいサッカーありき」と話していた。その意味で4−4−2は、「お互いがより近い距離を取りやすい配置だし、一番コンセプトを表現しやすいとシステム」として、町田では重宝してきた。
「言ってもオレと鬼木は鹿島(出身)だから」

また18年はセットプレーからの得点力も大きな武器だった。当時、鹿島からの期限付き移籍でプレーしていた平戸太貴は、プレースキッカーとして猛威を振るい、シーズン17アシストを記録。彼のキックを生かしたセットプレー、またスローインからの攻めを重要視してきた理由は「ゴールに直結するから」にほかならない。
現在、チーム不動の大黒柱に成長した平戸は、相馬監督についてこう話している。
「チームとしてどこを狙って、どうやって守るかという意思統一は、すごく細かくというか、こうしろ、という戦い方がハッキリしていました。当時はクラブとしての予算規模も大きくなかったですし、大型ストライカーとか、すごい選手がいたわけではないので、やり方をハッキリさせて、チームとしてまとまって戦うことで勝利を追求してきました。すべては勝利から逆算しての戦術や戦い方だったと思います」
バルセロナのチームスタイルに面白みを感じないと周囲に話していた事実が物語るように、町田で実践してきたサッカーは、スペクタクルとは無縁とも言えるチームスタイルだった。それもこれも、予算規模の少ないクラブがどうやって結果を残すか。相馬監督が知恵を絞り、“弱者が強者に勝つための方法論”を突き詰めた結果に過ぎない。その意味では、勝つためには手段を選ばない“鹿島イズム”の塊のような監督と言えるだろう。川崎が鬼木達監督の下、クラブ初のタイトルを手にした時のこと。「言ってもオレと鬼木は鹿島(出身)だから」という言葉を周囲に漏らしていたエピソードがその象徴だ。
町田時代に標榜してきたチームスタイルは、良い意味で“狂気のサッカー”と形容されることもあった。そんなチームスタイルで結果を残すこともあった相馬新監督は、クラブの予算規模も、抱える選手のクオリティも異なる“常勝軍団”では、どんな最適解を見つけ出すのだろうか。
取材・文●郡司 聡(フリーライター)
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