日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年7月30日土曜日

◆「首位に食らいついていく力強さを見てほしい」。鹿島・土居聖真、横浜FM戦に向けての思い(GOAL)






Jリーグで30年続いている伝統の一戦がある。横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ。J発足時のオリジナル10である両クラブは30年もの間、日本を代表する強豪として、トップリーグに君臨し続けている。


リーグ戦中断明けとなる30日、『The CLASSIC 』と銘打たれた公式戦84回目となる試合が日産スタジアムで行われる。

アウェイに乗り込む鹿島は今季からスイス人のレネ・ヴァイラー監督が就任。クラブとして初めて欧州出身の監督を招聘し、スタイルの変更を行いながらもチームは現在2位につける。首位・横浜FMとの対戦について、アカデミー出身でありキャプテンを務める土居聖真に話を聞いた。





■勝つために何をしなきゃいけないか


――シーズン当初は監督が来日できず難しいスタートだったと思います。今は2位につけており、タイトルを狙える状況です。これをどう捉えていますか?

ここからが本当の勝負だと思います。頂上対決でお互いに落とせない一戦ということは、誰もが思っているところです。ここから上にどれだけ食らいついていけるか、それともズルズル順位を落としていくのかが、タイトルを獲れるか獲れないかに関わってくると思います。

――監督交代の初年度ということは意識しますか?

選手たちはまずは監督がやろうとしていること、求めていることを忠実にやろうとしています。いきなり臨機応変にあれもこれもというより、求められるプレーを再現、しっかり体現し、その結果がこの順位につながっているのだと思います。

――キャプテンであり、日本人最年長選手としてチームをまとめる立場にもなってきていると思います。レネ監督が来て出場機会が少なくなっている現状もあります。スタートから今までどんなことを意識してプレーされてきましたか?

チームとして「ちょっとズレてるな」と感じる時は、チームとしてブレている時だと思います。それがいいか悪いかじゃなくて、まとまるという意味では目標に向かって同じベクトルを向かなきゃいけない。だからそこをチームとしても、僕自身としても正す、同じ方向を向こうとしています。ちょっと引いた位置で見てみて「あの選手もがいているな」といったことを感じたときは、さりげなく声を掛けたりするようにはしています。

でも、ある程度はみんなが同じ方向を向けていると思います。アントラーズというクラブの伝統でもありますが、全員が意識高く、勝つために何をしなきゃいけないかを考える選手が多いので。僕はサポートするぐらいです。

岩政(大樹)コーチが代行監督をしていた時、「優勝への舵が切って取られた」と表現してくれました。「全員が船に乗ってスタートして、全員ゴールで降りなきゃいけない」と。「途中で降りようとしている人がいれば手を引っ張って一緒に乗っていこうぜ」と。その言葉が心に響きました。一人も欠けちゃいけないですし、(1年経ったあとに)そういうことだったんだなと感じることも、プロ生活をやっていて感じています。誰かがいなくなればなるほど厳しくなっていくので、そこは一人でも、けが人も含めて全員が必要になってくるのだと思います。





■レアル・マドリーをよく見る


――先程からお話いただいているように、チームは今季から欧州路線に舵を切りました。「海外目線」という部分で少しお話をお聞かせください。海外のサッカーをご覧になりますか?

僕は、2018年にクラブワールドカップ(CWC)でレアル・マドリーと対戦しました。その2年後にもまたCWCでレアルと対戦したんですが、それまではバルサ(バルセロナ)派、ファンとかまではいかないですけどバルサのサッカーに触発されていました。でも対戦してからは、レアルの試合を見ることが自然と多くなっています。あとはマンチェスター・シティをよく見ています。

――参考にする選手はいらっしゃいますか?

ポジションが違うんですけど、モドリッチ選手は見ますね。ポジションも違いますし求められていることも違うんですが。あとはグリーリッシュ選手。左サイドからの仕掛けですね。ベンゼマ選手もタイプが違うのですが、駆け引きの部分がすごくうまいので参考にさせてもらっています。

――欧州のフットボール文化の流れでお話をお聞かせください。横浜FM戦はJで唯一30年続くカードです。その国を代表するチーム同士のダービーでは、レアル・マドリーとバルセロナの「エル・クラシコ」、バイエルンとドルトムントの「デア・クラシカー」などが有名です。こういったナショナル・ダービーをご覧になったことはありますか?

はい、現地ではないですがあります。

――どういったことを感じられますか?

(選手目線で見ると)意外と冷静にプレーをしているなと思います。気持ちは熱いんですけど、やみくもにファウルしまくるといったプレーはなくて。選手たちはプレーに、グラウンドに集中しているという印象を受けます。

――負けられないゆえに、冷静になることもあるのかもしれませんね。30年続く横浜FMとの対戦は日本の「エル・クラシコ」になれるのではと思うのですが、そういった観点で考えられたことはありますか?

僕自身、正直ありませんでした。そう言われて「30年間やっていたんだ」という印象です。こういうふうにメディアさんたちがどんどん取り上げてくれることで、定着したり、根付いてくのかなと思います。Jリーグが始まって時間が経ち、歴史といえるような年数を重ねてきたということでもありますね。もちろんヨーロッパに比べればまだまだなのかもしれないですけど、Jリーグを楽しむ一つのトピックでもあると思います。たくさんの新しい新規ファンを取り入れるためにもいいのではないでしょうか。





■クラブのアイデンティティ

――歴史という意味でいうと、土居選手はワンクラブマンとしてジュニアユースから17年間ずっと鹿島です。ご自身の歴史の中で、レジェンドといえる鹿島の先輩はいらっしゃいますか?

もう、たくさんい過ぎて分からないですね。曽ケ端(準)GKアシスタントコーチもそうですし、小笠原(満男)さん、柳沢(敦)さん、内田(篤人)さんもそうです。名前を言わなかった人に怒られそうなので、みんな言っておこうかな(笑)。優勝を経験している人たちが本当に多いので。個人的には「レジェンド」の重みが強い、一人挙げるとすれば…下部組織の大先輩なので曽ケ端さん。あえて一人選ぶなら、曽ケ端さんです。

――選べないほどレジェンドがいることがクラブの歴史、文化なのかなと思いました。鹿島にはジーコさん、レオナルドさん、ジョルジーニョさんの頃からブラジルという国との関わりがあって、Jの中でも明確に「海外との接点」をずっと持ってきたクラブだと思います。そういったクラブのアイデンティティを意識されたことはありますか?

ありますね。僕は中学生、ジュニアユースから鹿島でプレーしていますが、ジュニアユースの時もジーコさん主催の「ジーコカップ」という日本とブラジルの交流カップに参加しました。ブラジル色を要所要所で感じてプレーすることができました。ジーコさんも「(土居が)その大会出身者だ」という発信をしてくれています。同い年で言えばコウチーニョ(バルセロナ→アストンヴィラ)と試合をしたんですよ。そういうのも含めて、自慢というか思い出です。ブラジルとは切れない縁で繋がっているんじゃないかと自然と感じています。

――ありがとうございます。再び横浜FM戦についてお聞かせください。今季第3節はホームで敗れています。

(横浜FMは)攻撃サッカーを続けてきて、変わろうとしたタイミングで順位を落とした年もありましたが、辛抱強く続けていった結果がここ数年の実績に繋がっていると思います。それが今年やった時は完全に熟成されたというか、完成形に近いんじゃないかと思わされた試合でした。

――今回は鹿島のどこを見てほしいですか?

現状で言えばマリノスさんが首位で僕らが2位。追いかける立場です。チャレンジャー精神を持って戦いたいです。首位に食らいついていく力強さだったり、アグレッシブさをぜひ見てほしい、というか見せなきゃいけないと思います。また、日産スタジアムのウチの試合では、いつも多くのファン・サポーターの方々がスタジアムに足を運んでくれる印象があります。アウェイではありますが、今回も応援してくれる方々の力をパワーに変え、必ず勝ち点3を持ち帰りたいです。

■プロフィール
MF 8 土居 聖真 Shoma DOI
1992年5月21日生まれ、30歳。172cm/63kg。山形県山形市出身。OSAフォルトナ山形FC→鹿島JY→鹿島Yを経て2011年トップ昇格。J1リーグ戦291試合出場50得点。(7月22日時点)

【試合情報】
明治安田 J1 リーグ 第 23 節 リミックスでんき DAY
横浜 F・マリノス vs 鹿島アントラーズ
2022 年 7 月 30 日(土)19 時キックオフ/日産スタジアム DAZN 独占配信

【イベント情報】

◎「横浜 F・マリノス 30 周年記念 OB マッチ supported by #命つなぐアクション」開催
◎Presented by Owltech レジェンドトークショー
「横浜 FM:波戸康広アンバサダー・栗原勇蔵クラブシップ・キャプテン/鹿島:中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサー」
※その他詳細は横浜 F・マリノス公式サイト をご覧ください。





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