日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2023年1月15日日曜日

◆新設か改修か 揺れる新スタ構想 静岡、活性化の起爆剤に期待(産経新聞)






静岡市が検討しているサッカーJリーグ清水エスパルスの本拠地となる新サッカースタジアム構想が揺れている。今季J2に降格するエスパルスだが、地元は市民レベルでサッカーを楽しみ、かつてはワールドカップの代表選手を数多く輩出してきた〝サッカー王国〟。新スタジアム建設を地域経済活性化の起爆剤に、との地域は少なくないだけに、静岡市の行方が注目されそうだ。


清水港エリアに


エスパルスの本拠地「IAIスタジアム日本平」。JR清水駅からバスで30分かかることもあるなど、アクセスの悪さがたびたび取り沙汰されてきた。

平成26年、観客席の屋根の仕様がJリーグの基準を満たしていないという問題が持ち上がり、エスパルス側がスタジアム所有者の市に新スタ建設を要望。しかし、こうした問題があっても市の反応はにぶかった。

今年度に入り、市は有識者らによる検討委員会を設置。昨年10月の会合で、新スタの建設候補地をJR清水駅の南側、清水港エリアにあるエネオス製油所の跡地に絞り込んだ。

候補地は清水駅から100メートル程度とアクセスは抜群。とはいえ建設には土壌汚染や津波、液状化対策なども必要となり、莫大(ばくだい)な費用を要する可能性が高い。委員会は、今後の検討で実現が難しいと判断した場合は現在のスタジアムを改修するという方針も示した。

新設か改修か。どうにも極端な二択となった。


巨額の新設費用


候補地として検討されている製油所跡地が立地する清水港は、日本三大美港のひとつ。明治32年に国際貿易港となり、国内有数の水揚げを誇る漁港、国内外との旅客や貨物の一大ターミナルとしても発展し、地域経済を牽引(けんいん)してきた。

そんな清水も近年は元気がない。静岡経済研究所の玉置実主席研究員は「重厚長大産業の工場移転などにより周辺の労働者が減り、商店街の利用者も減って活気が失われた」とみる。

昨年11月には、清水商店街連盟と市民団体「新サッカースタジアムを考える会」の代表者らが市役所に田辺信宏市長を訪ね、新設推進を要望した。

村上信也代表は「清水を昔のような元気のある街にしたい」と話し、地元の期待の大きさを示した。

田辺市長は「要望をしっかり受け止め議論を前に進める」と応じたが、市の予算投入には消極的で、「民間の主導で建設をしてほしい」との考えを示してきた。建設費は数百億円規模ともいわれ、地元企業による巨額投資には無理があるとの見方も出ている。

地域経済の活性化への起爆剤と期待されながら、牽引役が定まらないのだ。


各地で建設構想


サッカーや野球の新スタ建設をめぐっては、北海道北広島市で3月、プロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」が開業。球場周辺にはホテルや娯楽施設なども建設され、こうした大規模開発が追い風となって令和4年の基準地価では、同市が全国の上昇率上位3位を独占した。

東日本のJリーグでは、茨城・鹿島アントラーズが3年、クラブ創設30年で新スタ建設を発表。モンテディオ山形や水戸ホーリーホック、ブラウブリッツ秋田の地元も新スタ建設を模索する。昨年10月の天皇杯で優勝したヴァンフォーレ甲府の地元、甲府市にも年来の新スタ構想がくすぶる。


静岡市の場合、箱ものだけに、建設費の工面やその後の維持管理も含めた費用面が最大の焦点。来月に検討委の答申が予定されるが、今春の統一地方選で行われる市長選に田辺市長が不出馬を表明。市長選の行方も相まって、先行きは不透明だ。(青山博美)




◆新設か改修か 揺れる新スタ構想 静岡、活性化の起爆剤に期待(産経新聞)





Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事