日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年11月1日水曜日

◆豪雨の中での“ウォーターマッチ”。退場者出すも、まとまり、耐えた鹿島ユースが浦和ユース撃破!(ゲキサカ)




[10.29 Jユースカップ3回戦 鹿島ユース 1-0 浦和ユース 裾野]

 Jユースカップは10月29日、3回戦2日目を時之栖スポーツセンター(裾野グラウンド)で行い、鹿島アントラーズユースが浦和レッズユースを1-0で撃破。11月3日にベストアメニティスタジアムで行われる準々決勝ではサンフレッチェ広島ユースと対戦する。

 この日の各試合は台風接近に伴う豪雨の中での“ウォーターマッチ”となった。当初の予定を変更して人工芝グラウンドでの開催となったが、ピッチのあちこちに水が溜まり、ボールを転がしてゲームを進めるのは実質的に不可能な状態に。自然と「できないことについては割り切って、この雨の中でやるべきことをやれるかどうか」(鹿島・熊谷浩二監督)が問われる試合になった。

 浦和と鹿島はJユース勢の中でタフネスに定評のあるチーム同士だけに、序盤から自然とロングボールを蹴り合いながら激しい肉弾戦が続くフィジカル勝負の展開になった。ピッチ上のあちこちで激しい接触が生まれるが、どちらも譲らぬまま時間だけが過ぎていく。鹿島のMF前田泰良(2年)のシュートがゴールバーを叩いたシーンもあったが、全体的な流れはどっち付かずのまま進んでいった。前半のシュート数は「1対1」である。

 ただ、こうした流れを大きく動かす出来事が前半42分に起きていた。鹿島の9番を背負うFW金澤蓮(3年)がFKに対する距離不足で2度目の警告を受け、退場を余儀なくされてしまったのだ。ただでさえ豪雨の中で消耗を余儀なくされるシチュエーションで、まだ試合の半分を消化する前に一人減って戦わざるを得ない。鹿島にとっては絶体絶命の流れだった。

 とはいえ、この退場で鹿島のやることが明確化された一面もあった。「10人全員でまとまって戦うしかない」(前田)という意思をハーフタイムに統一。時間帯によっては一方的な劣勢になることも甘受しながら、ゴール前だけは“やらせない”ことを徹底。前線からのプレスは“単騎駆け”になりがちだったが、それでも前線の選手たちが懸命に継続。雨の中で浦和の選手の選択肢からドリブルでの持ち出しが削られている中で、根性勝負の単騎プレスも十分に効果的だった。

 そして迎えた後半27分だった。前田が奪ったPKをMF出津真哉(3年)が冷静に決めて待望の先制点を奪い取ると、チームのベクトルはより明確に。浦和は終盤にかけて長身DF大桃伶音(2年)を前線に上げるなど圧力を強めてきたが、鹿島はCBの山本瑞樹(3年)と荒川弘大朗(3年)を中心に敢闘を見せたこの攻勢を耐え抜く。終盤に昇格内定のGK沖悠哉(3年)が負傷退場してしまうアクシデントもあったものの、1-0のスコアを死守。「今年のチームは劣勢の試合でなかなか脆さを見せることが多かったけれど、成長したところを見せてくれた」(熊谷監督)鹿島が見事、準々決勝進出を決めた。

(取材・文 川端暁彦)

豪雨の中での“ウォーターマッチ”。退場者出すも、まとまり、耐えた鹿島ユースが浦和ユース撃破!

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