日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年8月20日月曜日

◆2018明治安田生命J1リーグ 第23節(オフィシャル)



遠藤康 Yasushi.Endo

明治安田J1 第23節

遠藤、得意の左足で2戦連発!鹿島、ホームで横浜FMを撃破!

3試合ぶりに帰還した聖地で、鹿島が連勝街道を走り始めた。J1第23節、横浜F・マリノス戦。カシマスタジアムでトリコロールを迎え撃つと、スコアレスで迎えた49分に遠藤が強烈なボレーシュートで均衡を破る。追加点を記録することはできなかったが、1点を守り切って完封勝利。2連勝を果たした。

4日前、鹿島は過酷な90分を戦い抜いて勝利を掴んだ。高温多湿の諫早で、長崎を相手に逆転勝利。信じられない形で先制を許したものの、レオ シルバと遠藤が鮮やかなシュートを突き刺してハーフタイムを迎える。安部と安西が負傷交代を強いられるアクシデントをも乗り越え、チーム一丸で勝ち点3へとたどり着いた。後半45分はスコアを刻めなかったが、打たれたシュートはわずかに1本。要所を締めつつ、険しき道のりを走り抜いてみせた。4ヶ月ぶりに先発復帰を遂げた山本は「守備は90分、連動してできていたと思う」と手応えを掴んだ様子だった。

息つく間もなく、次なる戦いが待ち受けている。長崎から鹿嶋へと帰還したチームは、木曜日の夕方にリカバリーのメニューを消化した。4名もの先発変更を施し、敵地で3ポイントを掴んだ価値は計り知れない。3ヶ月ぶりに先発出場を果たし、果敢なオーバーラップで2つのスコアを演出してみせた伊東は「メンバー外の時間が続いた中で、その代表というわけじゃないけど、できるということを見せたいと思っていた」と胸を張った。悔しい思いを募らせ続けてきた面々の奮起は、チーム全員に大いなる刺激をもたらしたに違いない。先発の座、試合メンバー入りを懸けた争いに終わりはないのだから。

穏やかな天候に恵まれた鹿嶋で、トレーニングは着々と進んでいった。3試合ぶりのホームゲーム、対峙する相手は横浜FMだ。1993年からトップディヴィジョンで戦い続ける難敵を破り、連勝街道を走り始めるために――。安部は離脱を強いられることとなってしまったが、安西は大事には至らず、グラウンドで元気な姿を見せた。長崎戦で初めてベンチ入りを果たしたセルジーニョも、時間を追うごとに状態を高めている。紅白戦でコンビを組んだ鈴木は「自分の特長を活かしてくれる。近いところでプレーすることが大事」とイメージを膨らませていた。



長崎戦から中3日で迎えるホームゲームへ、大岩監督は前線の2人を入れ替える決断を下した。チームトップの8得点を挙げている鈴木を復帰させ、セルジーニョを初起用。指揮官は「しっかり試合に入ってコンビネーションを高めてほしい」と、背番号18への期待を語っている。その他、GKは曽ケ端、最終ラインは伊東、チョン スンヒョン、犬飼、安西が並ぶ。ボランチは三竿健斗とレオがコンビを組み、2列目には遠藤と永木が入った。そしてベンチにはGKの川俣、西、町田、安西、土居、金森、山口が座る。横浜FMは前節で新たなシステムを導入し、複数の新戦力を加えた。予想が困難な状況ではあったが、大岩監督は「相手の分析をした中で、特長や癖をしっかり確認して臨機応変に対応していきたい」と展望していた。



戦いの時を待つ聖地は、秋の訪れを予感させる青空に恵まれた。重要な意味を持つ90分を前に、背番号12が続々と足を運んでいく。キックオフが近づくにつれ、高揚感と緊張感がスタジアムを包んでいった。リーグ戦で58回目を数える、トリコロールとの激突。意地と気迫をみなぎらせて3ポイントを掴み取るため、アントラーズレッドの情熱がスタンドを埋め尽くしていく。ウォーミングアップへと姿を現した選手たちへ、大音量のチームコールが注がれる。聖地でデビューを迎えるセルジーニョを呼ぶ声、そしてゴールを渇望する鈴木のチャントが鳴り響いた。

18時33分、戦いの火蓋が切って落とされた。選手たちが予想していた通り、立ち上がりからボールポゼッション率を高めたのは横浜FM。鹿島は集中力を保って応戦し、鈴木とセルジーニョが機を見たプレスでパス交換を封じる。最終ラインでのボールキープを許しても、効果的な縦パスを通させる場面は数えるほどだった。比較的静かな展開で、開始15分を経過した。



鹿島はなかなかチャンスを作れずにいたが、20分頃から敵陣でのプレータイムを増やしていった。高い位置でのプレスが機能し、相手のパスミスを誘発して横浜FMを押し込んでいく。26分には敵陣右サイドでボールを持ったセルジーニョが、左足アウトサイドでカーブをかけた浮き球を供給。ペナルティーエリア右側へ走り込んだ鈴木にピンポイントで通ったが、胸トラップが流れてシュートまで持ち込むことができなかった。だが、背番号18が見せた正確無比のボールコントロールは大いなる期待を抱かせるものだった。





攻勢をかける鹿島は、左サイドハーフを務める永木が敵陣のスペースでボールを持つ場面が増えていった。33分には、永木からのパスを受けたレオがペナルティーエリア手前からミドルシュート。36分には右サイドからセルジーニョがクロスを送り、ファーサイドでの攻防からセカンドボールを奪う。二次攻撃を仕掛け、健斗のパスを受けた山本が左サイド深くから低いクロス。相手DFがスライディングでカットしたボールはゴール方向へ飛んだが、枠を逸れた。オウンゴールは生まれなかったが、両サイド深くまで進出した攻撃が、得点の予感を漂わせた。









前半のうちに先制すべく、鹿島は攻撃の圧力を高めていった。40分には相手の最終ラインへプレスをかけ、最後はセルジーニョが左足ボレーで狙う。44分にも永木のFKからセルジーニョがヘディングシュート。どちらもネットを揺らすことはできなかったが、頼もしき新戦力がその片鱗を示してみせた。前半はスコアレスで終了。結果的に、相手に1本もシュートを許さなかった。









アントラーズレッドがゴールを渇望する後半、待望のスコアはホイッスルから4分後に刻まれた。49分、主役は背番号25。スンヒョンが最終ラインから繰り出したロングボールを鈴木が競り合うと、相手DFのクリアがペナルティーエリア手前へと飛ぶ。そこへ待っていた遠藤は、トラップから左足を一閃。強烈なボレーシュートがトリコロールを襲うと、相手GKの手を弾いたボールがゴールへ突き刺さった。遠藤、2試合連続ゴール。鹿島を支え続けるゲームキャプテンが、チームを導く先制弾を記録した。









リードを奪って優位に立った鹿島は、畳み掛けるべく追加点を狙いに行った。56分には中盤左サイドでのボールキープから、鈴木がスペースへ展開。敵陣中央を健斗が突破し、右前方で待っていた遠藤へパスが通る。右足でのクロスはゴール前の密集へ飛び、再び相手のクリアがゴール方向へ。枠を逸れたが、得点の可能性を存分に感じさせる攻撃だった。





リードを保ったまま、60分が経過した。横浜FMは2選手を交代して反撃を試みてきたが、鹿島はゴール前での攻防で粘り強い対応を続けた。鹿島陣内でボールキープを許す時間が長くなったものの、機を見たカウンターを繰り出してゴール前へ進出。67分からピッチに立った土居も推進力となるべくドリブル突破を仕掛け、77分に送り出された金森は出場直後に右ポスト直撃のヘディングシュートを放ってみせた。







残り10分、横浜FMはシステム変更を施し、突破口を見出そうと仕掛けてきた。終盤にはセットプレーが続き、相手GKが前線まで進出。まさに捨て身の攻撃を受けることとなったが、曽ケ端を中心とした守備陣が最後まで踏ん張った。1-0。完封勝利で2連勝を果たし、勝ち点は35となった。



次戦は5日後、24日の磐田戦だ。再び迎えるホームゲームで、永遠のライバルと対峙する。トリコロールに続いてサックスブルーを凌駕することで、鹿島の勢いがさらに加速することは間違いない。今季初の3連勝を遂げるため、チーム一丸で準備を進めていく。






【この試合のトピックス】
・J1での横浜FM戦で3試合ぶりに勝利を収めた。J1では通算58回目の対戦で、29勝目(8分21敗)を挙げた。
・遠藤が2試合連続得点を挙げた。
・セルジーニョが公式戦初先発初出場を果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・自分たちでボールを奪ったあと、サイドチェンジを効果的に使っていこう。
・ツートップにボールが入った後のフォローをもっと意識すること。
・ボックスの近くでは積極的にプレーし、後半必ず点を取ろう!

横浜F・マリノス:アンジェ ポステコグルー
・守備デュエルで負けないこと。
・攻撃は距離感を良くすること。
・後半45分もマリノスのサッカーをやりきろう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
試合を通じて、いい守備からいい攻撃ができた。狙い通り、相手のウイークポイントを突くことができて、選手がそれを忠実にやってくれたことで結果が出たと思う。非常に評価している。

Q. 攻撃の狙いはどのあたりにあったか?

A. いい守備から、いい攻撃が狙いだった。横浜FMのポゼッションから、我々が奪った瞬間のファーストプレーの部分。そこがうまくできたと思う。


横浜F・マリノス:アンジェ ポステコグルー
非常に難しい試合だった。タイトな試合だった。ある程度互角の内容だったと思うが、アントラーズはチャンスで決めて、自分たちは決めることができなかった。最後は残念な結果になってしまった。


選手コメント

[試合後]

【遠藤 康】
しっかりと守備ができていたと思う。いい時間帯で点を取れた。(得点の場面では)ボールが来た時、シュートしか考えていなかった。自分たちは勝ち続けないといけない立場なので、継続していきたい。

【曽ケ端 準】
相手のやり方はチームとしてイメージできていた。しっかりとコミュニケーションを取りながら対応できたと思う。我慢強く、しっかり走って戦えていた。何よりも勝ち点3を取れたことがよかった。

【セルジーニョ】
自分のデビューよりもチームの勝利が嬉しい。本来のパフォーマンスからは程遠いけど、できるだけボールをキープして味方とチャンスを作れればと思ってプレーしていた。一番大事なことは誰が点を取るか、ではなくチームが勝つこと。勝ててよかった。

【鈴木 優磨】
前半からいい守備ができていた。自分たち攻撃陣が点を取れればと思っていた。相手は守備の時に5バック気味になるけど、うまくスペースを使おうと思っていた。

【チョン スンヒョン】
無失点で抑えることができたけど、危ない場面もあった。映像で振り返って、次に活かしていきたい。練習を重ねることで、ロングボールでもっと多くのチャンスを演出できると思う。

【犬飼 智也】
ボールを持たれている時間が長かったけど、持たせている意識でやれていた。ラインが下がるのは仕方がないけど、アタックする選手とカバーする選手をはっきりさせて、最後もみんなが体を張ることができていたのがよかった。


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