日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年7月17日日曜日

◆「選手を代表して謝りたい」守護神クォン・スンテが伝える勝者のメンタリティ「鹿島のために1試合1試合…」(サッカーダイジェスト)






2年ぶりに家族の前でプレーした「特別な試合」だった


 鹿島アントラーズは7月16日に行なわれたJ1リーグ22節で、ヴィッセル神戸と対戦。52分に先制を許すが、87分に追いつき1-1の引き分けで終わった。

 52分に交代出場の大迫勇也に先制弾を決められ、キム・ミンテが2枚目の警告を受けて60分に退場するなど、劣勢の展開だった。そんななか、リーダーシップを発揮し、同点弾をアシストした鈴木優磨、ピッチを縦横無尽に走り、ネットを揺らした和泉竜司とともに、諦めない鹿島を体現したのが守護神のクォン・スンテだ。

 まずは後方からコーチングし、退場者が出た守備を整備。ピトゥカを真ん中でプレーさせ、ワンツーなどで敵が中央を崩してくるのを防いだ。ミドルシュートは自身が防ぐとチームメイトたちに伝えつつ、20分には汰木康也の至近距離からのショットを、後半のアディショナルタイムには大迫の強烈なシュートを見事にセーブするなど、少なくないピンチをことごとく防いだ。

 そんな守護神は、試合後にファンに向けてこう切り出した。

「(シュートを)止めたことより、これだけたくさんの方々が足を運んでくれたなかで、勝利を届けられなかったということの方が大きい。勝利出来なかったことを選手を代表して謝りたい」

 この日の試合は自身にとっても特別な一戦だった。試合前に19節の柏戦で達成したJ1通算100試合出場達成のセレモニーが行われ、来日した家族が登場した。

 現在は単身赴任中の元韓国代表GKは、「家族と会ったのは7か月ぶり。実際にこうして試合を見てくれたのは2年ぶりくらい。そういう特別な日に勝利出来なかったのは少し残念ですが、ホームで負けていない。パパとしての仕事を見せられたのは、今日は良いお父さんになれたかなと思います」とはにかんだ。

 全北現代モータース時代に2度のACL制覇を経験し、韓国代表GKとしても不動の地位を築いていたなかでのJリーグ挑戦。鹿島でも来日2年目の2018年にACL制覇に貢献するなど多くの功績を残した。その一方で、20年には沖悠哉にスタメンの座を明け渡すなど、20年、21年の2年間でリーグ戦12試合出場に留まった。それでも後輩GKたちに自身の経験を伝えるなど、常に模範としてあり続け、今季は再び正守護神の座に返り咲き、ここまで全試合に出場している。

「100試合出場という数字は僕としても少し特別に思っています。実際苦労した時期もあります。それでもチームから必要とされ、100試合を達成できたのは凄くうれしく思っています。もちろん(今日も)勝てればもっと良かったですが」

 そして、通算出場記録を103に伸ばしたクォン・スンテは、今後についてはこう語った。

「数字は関係ないと思っています。150、200試合という数字よりも、鹿島のために1試合1試合できることの幸せを感じながら、チームの勝利の為に頑張っていきたい」

 6年ぶりのタイトル奪還のためにも、勝者のメンタリティを備える守護神のこの言葉を忘れてはいけない。

 2位につける鹿島は、E-1選手権の中断明け後の次節、勝点5差で首位を走る横浜との敵地での大一番を迎える。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)




◆「選手を代表して謝りたい」守護神クォン・スンテが伝える勝者のメンタリティ「鹿島のために1試合1試合…」(サッカーダイジェスト)





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