日刊鹿島アントラーズニュース

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2014年5月11日日曜日

◆2014Jリーグ ディビジョン1 第13節(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51158

J1 第13節 川崎フロンターレ戦

今季初の4失点。鹿島、川崎Fに敗れてリーグ戦3連敗。

6日に行われた名古屋戦を1-2で落とし、今季2回目の2連敗で3位に転落した鹿島が、中3日でのアウェイゲームに臨んだ。5連戦を締めくくるJ1第13節、川崎フロンターレとの一戦は、前半に柴崎が同点ゴールを決めたが、1-1で迎えた後半に3失点。1-4で敗れ、今季初の3連敗を喫した。

鹿島は名古屋戦から先発メンバーを3人入れ替え、右サイドバックに伊東、右サイドハーフに遠藤が入り、トップ下は土居が務めた。連敗ストップを懸ける鹿島だが、開始早々に先制点を奪われてしまう。3分、ペナルティーエリア手前でパス交換を許すと、最後は小林にミドルシュートを決められた。3試合連続で先制を許してしまった鹿島は、その後も川崎Fの連動した攻撃を受けて守備に回る時間が長くなったものの、ゴール前での集中力を保って追加点を与えない。次第に敵陣へ進出し、12分には右サイドをオーバーラップした伊東のクロスを土居が頭で合わせるなど、少しずつ攻撃のリズムを掴んでいった。

そして、同点弾は16分に生まれた。左サイドでボールを持った山本が、ドリブルで中央へカットイン。右側で待っていた遠藤へ横パスを出すと、遠藤はヒールで後方へ落とす。反応したのは柴崎だった。ペナルティーエリア内でパスに追いつくと、狙いすましたループシュートをゴール左隅に沈めた。芸術的な柴崎のゴールで、鹿島が1-1の同点に追いついた。

30分には、山本が途中交代を強いられるアクシデントもあったが、途中出場の青木がセンターバックを務め、昌子が左サイドに回って対応。前半を1-1で終え、後半での勝ち越しを目指すこととなった。

後半開始早々の47分、ダヴィからのパスを受けた土居が最終ラインの背後へ抜け出し、ドリブルでペナルティーエリア内へ進入。対面する相手DFの前で鋭い切り返しを見せ、最後は左足シュートでゴールを狙ったが、惜しくもGK正面へ飛んだ。51分にも、昌子からの縦パスに反応したカイオが持ち前のスピードで裏を取り、ゴールライン際まで攻め込む。ドリブルで左サイドからペナルティーエリアに入り、中央のダヴィへ折り返したが、チャンスを活かすことはできなかった。

2点目を奪えずにいた鹿島は、57分に勝ち越しゴールを許してしまう。ペナルティーエリア手前、右サイドで大久保にボールを持たれると、後方の中村を経由したボールが中央の小林へ。振り向きざまに右足シュートを決められた。再びビハインドとなり、トニーニョ セレーゾ監督は交代策で打開を図る。67分に豊川、75分には本山を投入し、攻撃陣の活性化で反撃を開始した。76分に柴崎が強烈なミドルシュート。79分には、左サイドへ流れた遠藤が左足でクロスを上げ、中央のダヴィがボールを収めてシュートを決めた。しかし、トラップの際にハンドがあったとして、得点は認められなかった。

前掛かりになった鹿島は終盤、83分と89分に大久保にゴールを決められ、リードを3点に広げられた。いずれもミスによるボールロストが発端となった失点で、痛い形で突き放されてしまった。

試合は1-4で終了。鹿島は川崎Fに敗れ、今季初のリーグ戦3連敗を喫してしまった。4月末から始まった5連戦は、これで終了となる。2連勝の後3連敗という厳しい結果に終わったが、戦いはまだ続く。次節は1週間後、17日にホーム・カシマスタジアムで行われる第14節の徳島ヴォルティス戦だ。リーグ戦中断前のラストゲームを勝利で飾り、連敗を止めたい。



【この試合のトピックス】
・柴崎は16分にループシュートを決め、リーグ戦では第5節の横浜FM戦以来の得点を記録した。今季2得点目。
・伊東と土居、遠藤が2試合ぶりに先発に復帰した。
・本山が第8節の神戸戦以来、5試合ぶりとなる途中出場を果たした。
・豊川が2試合連続の途中出場を果たした。
・リーグ戦での3連敗は、2012年の開幕3試合以来となった。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・一瞬の気持ちの緩みが失点に繋がる。スパイクを脱ぐまで集中力のスイッチを切るな。
・少ないタッチでシンプルなサッカーを展開しよう。
・お互いに積極的に声をかけあい、ポジショニングを明確に。

川崎フロンターレ:風間 八宏
・守備の時、背後のスペースをケアを意識して。
・出して動く、出して動くを繰り返して。
・考え方のペースを落とさないように。45分、しっかり戦おう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(川崎Fの攻撃への対策は)1失点目はミドルシュートという形だったが、最も警戒しなければいけない形というのは、大久保選手が前線からボランチの背後、セカンドストライカーの位置へ下りてきた時にボールを受けて、そこから前を向いて仕掛けられると厳しい状況になるということ。何度かそのような状況を与えてしまったというところでは、非常に未熟な部分が、チームとしてまだ多く残っている。その他にも注意をしなければいけない選手はいるが、バイタルエリアの使い方や対応といったところで、ボランチ2枚に前のスペースやバイタルのスペースを消すという要求をしている。ただ、状況によっては、センターバック1枚がターゲットのケアをして、勇敢にスペースに出ていかないといけない。うちの場合は若いセンターバック、守備陣なので、全ての要求を90分間できるかといえば、できないわけで、やむを得ない不注意や集中力が切れることによって、チームや個人の約束事、サッカーのセオリーを守れなくなる。それはやむを得ないもので、チームを再建するための代償や責任は、チーム全体で負う形になる。少しずつだけど、今は辛抱かなと思う。
・川崎Fが相手では、特に攻撃時のリスクマネージメントの徹底というものをしっかりしなければいけない。そこで、一瞬気が抜けてしまって、うちが攻めている時にボールを失った瞬間に、相手の攻撃になってカウンターを受けるという状況を招いてしまった。それもまだ未熟な部分であって、それを再度、指導していかなければいけないと思う。
・前半の方が、我々のパフォーマンスはより良かったと思う。特にゴールに向かう意識は前半は良かった。
・前半だけでなく、後半も慌てずにパスを3本つなぐことができた場面では、チャンスを多く作ることができたのではないかと思う。当然ながら、同点あるいは逆転を狙うためにはオープンな状況にならざるを得ない。それはあるかもしれないが、相手の能力や組織力を称えなければいけない。試合の流れや駆け引きという部分でも、十分な経験を積んでいる選手もいる。決定力やスピードを持っている選手、パス能力が非常に高く、視野が広い選手もいる。彼らはいかにして効率よく相手ゴールにたどり着くかというノウハウをわかっていた。ポジション取りや駆け引きはすばらしかったし、うちの未熟な守備陣にとっては、経験のところでは上回られたと思う。我々には個人の技術的なミスが存在したが、それはやむを得ないというか、技術的な部分や戦術的な駆け引き、ポジショニングを指導しているところなので、そのような(厳しい)状況に陥ってしまうのも、やむを得ないとは思う。そう考えるしかないと思う。
・勝負の世界では3日後、4日後に試合がある。泣いている時間はない。やるかやらないかという選択肢しかない。下を向いていても誰も助けてくれない。自分がやらなければ、自分が出場する時間は減ってしまう。植田だけでなく、他にも若い選手がいるが、伊東は非常に高いパフォーマンスを見せたし、昌子も良いプレーを見せた。計算外だったのは山本がけがをしたこと。そういった起きてしまったのは残念。柴崎は立ち上がりはリズムに乗れていなかったが、次第に試合に入ることができた。小笠原は今日も「サッカーはこうやってプレーするんだ」ということを若い選手に対して教える、お手本になったと思う。自分が示せるパフォーマンスをしっかり出したと思う。遠藤は前節休んでもらって、今日に向けた準備を進めてもらった中で良いパフォーマンスを示してくれた。カイオは高校から来た選手。プロは守備ができないといけない。戦術的な規律を守れなければいけない。まだ教え込んでいる段階で、体力的な部分でも、必要とされる運動量や上下動の量は高校とプロでは違う。体力的な部分の強化もしなければいけない。土居については、自分のポテンシャルをわかっていない。もっとすごい選手、能力の高い選手。今日はだいぶ改善するようになってきた。ダヴィは疲れてくると繊細な動きやコントロールがおろそかになってしまう。苦しい部分にはなってくる。
・サッカーは、もう次の試合がある。クラブもフロントもサポーターも、ミスをしたからといって、その選手にレッテルを貼るのではなく、自信を与えなければいけない。だから次も使っていくし、そこで克服をしていかなければいけない。植田の場合は、ミスを恐れて攻撃参加をしないというのは、自分の未来の妨げになってしまう。やってみてミスになるのであればいいが、やらないでいると成長はない。ミスを恐れすぎて成長性が欠けると、私自身が何もできなくなってしまう。そこの意識の改善は、彼が最もやらなければいけない部分ではないかと思う。

川崎フロンターレ:風間 八宏
この2日で選手が、ACLで良かったことと、やるべきこと、進むべきことをすごくうまく理解して試合に臨んでくれた。最後までしたたかに試合運びができて、しっかりと勝ちを収めるたくましいチームになったと思う。得点の後は必ず相手が攻めてくる。そこをどうするかをテーマに臨んだが、1つは自分たちがしっかりボールを持って、相手の足を止めてしまうということ。もう1つは、前に来る相手の背後を突くということ。そして、引かずにボールを奪いに行くということ。前半は少し、向こうの勢いを感じてしまって、やり方に慣れていない部分もあって1点を失った。そこは仕方がないと思う。それに対して今はガタガタしないので、後半に落ち着いて、うまく相手の隙を突こうと。みんながうまく狙ってくれた。守備でも、相手が狙ってくる場所をよく抑えてくれたと思う。


選手コメント

[試合後]

【柴崎 岳】
失点の時間帯が早かったが、同点までは良かった。スコアが1-1になった後、攻撃が単調になったことで、その後の疲労につながった。全体的にボールを持つ時間が少ない印象がある。2失点目の後は、リスクマネージメントしながら得点したかったが、ミスから失点してしまった。総じて戦う姿勢が足りなかったと思う。得点シーンは良い形だったと思う。今シーズンに入って前線に飛び出すシーンが何回かあるが、その時はチャンスやゴールシーンに繋がっているので、その部分に関して個人的には満足している。今後は今以上にゴールに向う回数を増やしていきたい。

【青木 剛】
大久保選手や小林選手が裏を狙ってくるので、しっかり対応しようとうゲームプランだった。前半は風下だったが後半は風上だったので、やりやすくなると思った。脩斗が負傷で昌子が左SBに入ったが、自分への指示はポジショニングの部分と相手の前線の選手が、あいだあいだでポジショニングを取るのでしっかり見ろという指示だった。2点目を許してからカウンターへの対応が悪かった。

【本山 雅志】
ボランチとCBの間が空いているので、そこで受ける事とシュートの意識を強く持ってプレーした。追い越すようなシーンがあまりなかったので、ミドルシュートも狙った。相手が出てきた所でスルーパスも狙ったが、崩す事は難しかった。途中からコンパクトなサッカーが出来ていなかったので、相手はやりやすかったと思う。バランスを崩さずにやれれば良かった。3点目を取られてから難しくなったが、それでも諦めずにやった。連敗中だが、今までやって来た事をブレずにやるのが大事。

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