日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年5月14日日曜日
◆鹿島、首位堅守なるか…難敵・神戸戦の勝負のポイントとは?(サンスポ)
公式戦4連勝でようやく戦いぶりが安定してきた鹿島アントラーズは、前節、浦和との直接対決を制して今季初めて首位に躍り出た。鹿島が年間勝点で1位になるのは昨季の1stステージ最終節アビスパ福岡戦以来のこと。2016年、15年が2シーズン制だったため、1シーズン制ということでいうと14年第10節以来の首位。この座を守っていけるかが前年王者に問われている。
戦いぶりが安定してきたのは守備が安定してきたからだ。明治安田生命J1リーグ第8節のジュビロ磐田戦では気合いに満ちた名波浩監督と中村俊輔の前に屈服。15分に中村俊の組み立てから右サイドを完全に崩されると川又堅碁にヘディングでのゴールを許し、21分には中村俊に強烈なミドルシュートを食らいペースを掴めないまま一気に2点差を付けられてしまう。後半、猛攻を仕掛けたが79分に3失点目を許してしまった。
■失点パターンに見え隠れする共通項
しかし、その後に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)蔚山現代戦を4-0と無失点で終えると、続く第9節サガン鳥栖戦ではPKによる1失点にとどめて2-1で勝利。第10節浦和レッズ戦も1-0の無失点勝利を遂げ、ACLムアントン・ユナイテッド戦も2-1で勝利するなど、相手の攻撃を1失点でとどめることができている。
もともと良い守備から良い攻撃に繋げていくのが鹿島の戦い方であるだけに、本来の調子が出てきたと言えるだろう。
ただ、失点の仕方には共通項が見え隠れする。磐田戦の先制点を許した場面では、鹿島の左サイドを破られたことで左CBの昌子源がゴール前から釣り出され、さらにクロスの送り先はもう1人のCBである植田直通ではなく逆サイドから絞ってきた西大伍だった。
ムアントン戦での失点場面も鹿島のDFラインの背後にパスを落とされ、そのカバーに昌子が出たところで10番のティーラシル・ダンダにミドルシュートを決められている。つまり、CBの片方がサイドに釣り出されたあと、もっと言えば昌子がサイドのカバーリングに出たあとの対応に問題を抱えていると言っていいだろう。
ヴィッセル神戸を率いるのは知将ネルシーニョ。相手の弱点を突くことに長けているだけに、どういう策を講じてくるのか楽しみではある。
■難敵・神戸は与しやすい相手ではない
神戸との過去の対戦成績は鹿島の22勝6分け8敗と圧倒的に勝ち越している。得点も36試合で68得点33失点とほぼ2-1で勝利してきたような数字が残されている。30試合以上の対戦があるチームのなかではジェフユナイテッド千葉、FC東京に次ぐ得点を奪ってきた。
しかし、近年の対戦では五分以下と神戸の方が優勢だ。14年1分1敗、15年1勝1敗、16年1勝1敗となっており、特にカシマスタジアムでは対神戸3連敗中である。昨年は、現在鹿島の7番を背負っているペドロ・ジュニオールにゴールを決められ0-1で敗れている。そう考えると決して与しやすい相手ではないだろう。
今季、カシマスタジアムでのリーグ戦の成績は2勝3敗と負け越している。ようやく鳥栖戦、ムアントン戦とホームスタジアムで連勝することができたため、試合後には石井正忠監督も「ホームゲームで勝つということ、勝ち続けることを目標にやってきたので、それが達成できてよかったと思います」とホッとしたような表情を見せていた。しかし、ホームでは圧倒的な強さを見せてきたクラブなだけに、この程度ではまだまだ足りない。
だからこそ、神戸は難敵と言える。勝ちたい一心で攻撃に重心を置き、自らバランスを崩してしまえば、神戸はそこを見逃さないはずだ。しかし、ホームでは勝たなければならない。そのためには勝負を分ける瞬間を見逃さない集中力と、その瞬間が訪れるまでじっと耐えられる持続力が必要だろう。(Goal.com)
文=田中滋
http://www.sanspo.com/soccer/news/20170513/jle17051320360014-n1.html
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