日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年4月12日木曜日

◆2018明治安田生命J1リーグ 第7節(オフィシャル)




明治安田J1 第7節

鹿島、リーグ2連敗。金崎が先制弾も、FC東京に逆転負け。

5月20日まで続く怒涛の連戦、4試合目。今夜も暗闇の出口を見出すことはできなかった。J1第7節、FC東京とのアウェイゲームに臨むと、29分に金崎のミドルシュートで先制したものの、オウンゴールで同点に。そして後半に逆転弾を許し、1-2と敗れた。アウェイで2連敗、公式戦4試合勝ちなしとなった。

3月31日、0-0。4月3日、2-2。そして4月7日、平塚の夜に喫した屈辱の敗戦。後半アディショナルタイム、ペナルティーエリアを豪快に突破されて突き刺された一撃。ゴールネットが揺れた後、鹿島に反撃の時間は残されていなかった。即座に響き渡った試合終了のホイッスル。ラストプレーで谷底へと叩き付けられ、緑と青の歓喜をただ見届けるしかなかった。失意の選手たちに、アントラーズレッドのビジタースタンドは強烈なブーイングを送り届けた。

ホームチームを凌駕する熱量を発し続けた背番号12、そのメッセージに込められた意味。公式戦3試合未勝利という現実を受け止め、這い上がらなければならない。奮起しなければならない。古巣との対峙で屈辱を胸に刻んだ永木は「重く受け止めないといけない。敗戦はいけないこと。繰り返してはいけない」と強い口調で言葉を刻み、そして慣れ親しんだスタジアムを後にした。

失意の帰還翌日から、次なる戦いへの準備が始まる。指揮官はまず、選手たちを集めてミーティングを実施した。平塚での90分、映像から抽出された課題と修正点。それと同時に、光明を見出せたプレーにも焦点が当てられる。「日頃から言っているような、ボールホルダーを追い越す動きもあった。守備でも意図した形を作れた場面があった」と大岩監督は言う。そして再開されたトレーニング。各々がコンディション調整に努め、3日後に照準を合わせていく。内田や昌子も全体練習に合流し、精力的に汗を流していた。





試合前日には、セットプレーの確認に加えて実戦形式のメニューも消化した。限られた準備期間で、少しでも多くのプレーイメージを共有することは必要不可欠だ。植田は「湘南戦について、チーム全員で反省した。この教訓を活かさないといけない」と静かに決意を述べていた。

指揮官が施した先発変更は2名のみだった。ボランチの一角に永木が指名され、右サイドバックには伊東が復帰。残りの顔ぶれは湘南戦と同じで、GKはクォン スンテ、最終ラインには伊東のほか、植田、犬飼、山本が並ぶ。永木とボランチを務める2列目は土居とレアンドロ、そして金崎と鈴木が2トップを組んだ。またベンチにはGKの曽ケ端、伊東、昌子、小笠原、中村、金森、山口が座る。





前節同様、朝から強風が吹き荒れる一日となった。平日夜のアウェイゲームだが、アントラーズレッドの背番号12は続々とスタジアムへ足を運び、そして待機列を成した。キックオフ2時間前にゲートが開き、スタンドを埋めていく。そして発せられた、大きなチームコール。4試合ぶりの勝利へ、熱い思いが調布の空に響き渡った。時間を追うごとにして増えていく仲間たち、そして高まっていくボルテージ。19時3分、勝ち点3を奪うための90分が始まった。

試合への入り方に課題を残していた鹿島だが、今節は突然のアクシデントに見舞われることとなった。開始わずか1分、敵陣左サイドで競り合った山本が膝を押さえて倒れ込む。どんな時もチームを支え続ける背番号16は、一時は起き上がってプレーを再開。だが4分後、再びピッチへ座り込んでしまった。担架で運び出され、早くも1人目の選手交代。西が送り出され、左サイドバックを務めることとなった。





思いがけない形で始まったアウェイゲーム。鹿島の選手たちは動揺することなく、高い集中力とともにプレーを進めていった。8分には永木の右CKから植田が合わせ、ゴールを脅かす。ハイパフォーマンスを続ける健斗も持ち前のボール奪取から正確な長短のパスを繰り出し、攻守の起点として躍動していた。12分には鈴木が敵陣右サイドから対角線上のサイドチェンジを通し、西がボールを収める。背番号22が繰り出したクロス、そこに飛び込んだのは金崎。流れるような攻撃から放たれたヘディングシュートが枠を捉えることはなかったが、少しずつゴールの予感が漂い始めた。



20分を経過し、鹿島がボールポゼッション率を高めて敵陣へ押し込んでいく。鈴木と金崎が縦横無尽にピッチを駆け、パスを引き出して攻撃の基準点となった。急遽、左サイドバックに入った西も、冷静かつ的確なゲームコントロールでパス交換の中核を担った。レアンドロも迫力満点のドリブルで推進力となっていた。



そして、29分。ビジタースタンドに待望の瞬間が訪れる。レアンドロの突破から敵陣中央へ進出すると、ペナルティーエリア手前から金崎が右足を振り抜く。エースが狙い済ました一撃が青赤のゴールネットに突き刺さった。1-0。背番号10の今季3得点目で、鹿島がリードを奪った。















勢いに乗った鹿島は32分にも鈴木がミドルシュートを放つなど、追加点への意欲を示してみせた。だが、次のスコアはホームチームのものだった。39分、左サイドを突破されてペナルティーエリア左側からクロスを入れられると、ファーサイドに戻っていた植田に当たってネットが揺れる。2試合連続のオウンゴール。スコアは1-1となり、同点でハーフタイムを迎えることとなった。



アントラーズレッドが待つゴールへ、そして今季のリーグ戦で初となる複数得点へ。鹿島は後半立ち上がりから攻勢をかけた。伊東が高い位置を取ってパスを引き出し、起点となる。50分には敵陣右サイドからの攻撃でセカンドボールを拾い、最後は金崎がミドルシュート。ゴール前に人数を割いて圧力をかけていたが、エースのチャレンジは枠を越え、結実することはなかった。





しかし、以後は青赤の攻撃に襲われる時間が続いた。51分、左サイド深くからのクロスに反応されてヘディングシュートを打たれる。至近距離から狙われてピンチを迎えたが、ここはスンテが起死回生のビッグセーブを見せた。だが4分後、スコアを動かされてしまった。55分、再び左サイドのスペースを突かれ、スピードを上げて後方から攻撃参加してきた室屋に突破される。ペナルティーエリア左側からのシュートがニアサイドを破り、ゴールネットを揺らした。1-2。鹿島が敵地で逆転を許し、1点を追う展開となった。



失点直後、鈴木がペナルティーエリア右側から強烈な左足ボレー。枠を捉えたが、相手GKに阻まれた。そして結果的に、このシュートが今夜最後の決定機となってしまった。

守備ブロックを固め、機を見たカウンターを狙ってきたFC東京に対し、鹿島はなかなか効果的な縦パスを繰り出すことができない。大岩監督は60分、レアンドロに代えて小笠原を投入。攻略されていた左サイドの安定を図り、永木をサイドバックへ配して西を中盤にスライドさせ、局面の打開を目指した。





70分を過ぎても、ボールポゼッション率こそ高くても、ペナルティーエリア内で相手を脅かすには至らない。74分には左サイドからのクロスをゴール前で合わせられ、決定的なピンチを迎えたものの、スンテが弾いたボールは右ポストに当たり、そして守護神の手中へ。首の皮一枚でピンチを脱し、1点差のまま終盤へ突入した。







大岩監督は79分、金森を投入。右サイドの打開を背番号14に託した。だが、最後まで流れは変わらない。ペナルティーエリアの周囲でパスを回す時間は長かったが、守備ブロックを打開することはできなかった。1-2。情熱を降り注ぎ続けたビジタースタンドからは、またもブーイングが鳴り響いた。



次戦は中2日で迎えるJ1第8節、名古屋戦。4試合ぶりに帰還する聖地での90分だ。戦う姿勢を、勝利への意地を、示さなければならない。

【この試合のトピックス】
・金崎がJ1通算50得点目を挙げた。
・伊東と永木がJ1で2試合ぶりの先発復帰を果たした。
・昌子が公式戦3試合ぶりに試合メンバーに復帰した。J1の試合でベンチスタートとなったのは、2013年4月27


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・もっと守備はタイトに、ボール際をきびしく、気持ちを見せて戦うこと。
・ビルドアップの時はサイドを起点に、シンプルにボールを動かそう。
・自分たちでギアを上げ、後半の45分を戦おう。

FC東京:長谷川 健太
・奪ったあとの切り替えを早くすること。
・自信をもって、自分たちのサッカーを続けること。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
先制をして自分たちの試合にしようと努力をしたが、負傷者も出てチームとしての勢いがなくなってしまった。ハーフタイムには後半はギ アを上げるように伝えたが、FC東京の勢いに負けてしまった。そういう試合だったと思う。

Q.アントラーズは勝負を投げるようなチームではないと思うが、疲労が感じられる。ACLを含めて、コンディションはどうなのか?

A.他のチームも同じような状況なので、コンディションの面では言い訳はできない。日頃から選手にも伝えているし、ACLと並行して数多くの選手を起用している中で、どの大会でも勝ちにこだわる姿勢でやっている。敗戦をするとこのような質問を受けるが、すぐに次の試合が来るので、そこへ向けてコンディションを整えるということしか言えない。



FC東京:長谷川 健太
中2日というタイトな日程の中で選手たちが最後までよく頑張ってくれた。サポーターの熱い応援も後押しになっていたので感謝している。アントラーズに先制されたが、その後でやっと体が動いたというか、それまではアントラーズをリスペクトし過ぎた部分があった。長いボールが多かったが、少しずつパスをつなげるようになってテンポが出てきたと思う。その中でよく、室屋が右サイドを何回か破ってオウンゴールを演出してゴールも決めた。非常に良い活躍をしてくれた。3連戦で体力的に厳しい中で、無尽蔵の体力を持っている選手だと感じた。


選手コメント

[試合後]

【西 大伍】
準備はしていないといけないし、難しいということはなかった。相手の勢いというか、個人や1対1のところだと思う。自分のところからだった。今日は自分の責任です。

【三竿 健斗】
局面で全員が負けていたし、戦術以前の問題だと思う。言えることはない。一人の選手として、試合を戦ううえで大事なものを発揮できなかった。

【土居 聖真】
みんながバラバラになってはいけないので、この状況を何とかしようともがき苦しんでいるので、苦しいことや嫌なことから目を背けずに、自分から積極的にやっていかないといけない。

【犬飼 智也】
失点をしてから、相手の勢いが上回っていたと思う。失点をする前にもっとプレッシャーをかけないといけなかった。失点の部分でも防げたところもあったと思うし、まだまだ。もっとやらないといけない。


2018明治安田生命J1リーグ 第7節

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