日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年9月2日月曜日

◆2019明治安田生命J1リーグ 第25節(オフィシャル)






2019年09月01日(日) 18:03キックオフ IAIスタジアム日本平
【入場者数】15,480人 【天候】晴、弱風、 気温27.5度、 湿度68.0% 【ピッチ】全面良芝、乾燥
【主審】西村 雄一 【副審】川崎 秋仁 【副審】清野 裕介 【第4の審判員】馬場 規


明治安田J1 第25節

9月初戦は圧巻のゴールショー!アウェイで清水に4ゴール完封勝利!

明治安田J1第25節、アントラーズはアウェイで清水エスパルスと対戦した。ACL準々決勝・第1戦から先発を7人入れ替えて臨んだ一戦は、前半15分に遠藤の今季公式戦初ゴールで幸先よく先制すると、34分には上田がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得。これをセルジーニョが決めてリードを2点に広げる。後半に入ってもアントラーズの勢いは止まらず、73分に上田がヘディングで追加点。後半アディショナルタイムにも、上田が再びヘディングでゴールを決め、4-0で勝利を収めた。


▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼




4日前、アントラーズは中国・広州へ乗り込み、ACL準々決勝・第1戦に臨んだ。立ち上がりから両チームともにリスク回避を強く意識した展開となったが、アントラーズはカウンターから数多くのチャンスをつくる。しかし、アウェイゴールを奪うまでには至らず、第1戦はスコアレスのまま、試合終了を迎えた。

アウェイゴールこそ奪えなかったが、アウェイで価値ある無失点試合の達成。指揮官は「0-0というスコアは悪くないと思う。第2戦では、ホームで我々のアドバンテージを活かして、しっかりと勝ち切りたい」と結果を前向きに捉えていた。



試合翌日、チームは日本へ帰国した。ただ、休む時間は残されていない。ここから複数の大会を跨いだ過酷な連戦に突入する。ACL準々決勝・第1戦から中3日で明治安田J1第25節・清水戦、清水戦から中2日でYBCルヴァンカップ準々決勝・第1戦、そこからまた中3日でYBCルヴァンカップ準々決勝・第2戦と厳しい日程が待ち受けている。全試合同じメンバーが出場し続けることは不可能だ。チームの総力を結集して、1試合、1試合を懸命に戦わなくてはいけない。



迎えた試合当日。キックオフ約2時間前に注目の先発メンバーが発表された。ACL準々決勝・第1戦からは、クォン スンテ、犬飼、三竿、セルジーニョを除く、7選手を入れ替えて清水戦に臨んだ。



GKは守護神スンテ、センターバックは、リーグ戦2試合ぶりにブエノと犬飼のコンビ。右サイドバックには今季リーグ戦初先発となる伊東、左は小池が入った。ボランチはリーグ戦7試合連続で三竿と名古が組む。サイドハーフは右にセルジーニョ、左はレアンドロ。前線は遠藤と上田が務めた。ベンチには、曽ケ端、内田、町田、レオ シルバ、永木、伊藤、山口が座る。



右サイドバックの伊東は、怪我からの復帰戦となった天皇杯3回戦・栃木SC戦以来、今季公式戦2試合目の出場。2018年8月19日の明治安田J1第23節・横浜FM戦以来となるリーグ戦出場となった。そして、前線に入った上田は、プロ入り後、初の公式戦先発出場だ。

18時03分、キックオフを告げるホイッスルが鳴った。



前半2分、アントラーズはいきなりコーナーキックを獲得するも、こぼれ球から清水にカウンターを許す。清水陣内の深い位置でルーズボールを拾った河合が、右サイドからドリブルで運ぶと、中央の中村を経由して左サイドへ展開。ボールを受けた西澤に、カットインからシュートを打たれたが、これは枠を外れてゴールには至らなかった。



立ち上がりは、ホームの清水が勢いよくカウンターアタックを発動し、チャンスをつくった。だが、次第にアントラーズが相手にボールを握らせて、カウンターを狙う展開に持ち込んでいく。









すると、前半15分。この試合初めて、アントラーズにチャンスが訪れる。清水に右サイド深くまで進入されたが、伊東が見事な対応でクリア。このクリアボールを拾ったセルジーニョが、最終ラインの裏へ絶妙なロングパスを送る。抜け出した遠藤は胸トラップでコントロールすると、寄せてきた相手DFからボールを隠しながら反転。相手GKが前に出ていたところを見逃さず、遠藤が得意とするペナルティエリア右外のゾーンから巻いたシュートを放った。美しい軌道を描いたボールは、見事にゴールネットへ吸い込まれ、アントラーズは1-0とリードする。









先制に成功したアントラーズは、18分にもチャンスをつくる。ペナルティエリア手前でレアンドロからのスルーパスを受けた上田が、相手DFを交わしながら右に流れてシュート。相手GKに弾かれたボールをレアンドロがゴールに流し込んだ。しかし、これはレアンドロがオフサイドとなり、得点は認められなかった。



試合の主導権を握っていたアントラーズだが、20分にピンチを迎える。ハーフウェーラインでボールを奪われると、清水にカウンターを許す。右サイドの西澤にクロスを入れられ、ドウグラスにゴールネットを揺らされた。だが、これはドウグラスがオフサイドとなり、失点には至らなかった。



33分、再びアントラーズにチャンスが訪れる。相手のセンターバックの間を斜めにランニングした上田に、セルジーニョからの見事なスルーパスが通る。相手GKが前に出てきたところ、先に上田がボールに触り、上田は相手GKに倒された。これがファウルの判定となり、主審はペナルティスポットを指さす。キッカーのセルジーニョは、ゆっくりとした助走から冷静にゴール右隅に流し込み、ゴールネットを揺らした。







リードを広げたアントラーズは、攻守両面で清水を圧倒し、メンバー変更の影響を全く感じさせない連係で試合の主導権を掌握した。

前半はこのまま終了。2点のリードを奪ってハーフタイムを迎えたが、指揮官は、「すぐに倒れたり、スライディングしたりせず、粘り強くプレーをすること」、「上手くできているプレーは、全員で継続していこう。集中を切らさないこと」、「勝っているからこそ、細部のクオリティにこだわっていこう」と、選手たちを鼓舞し、再びピッチへと送り出した。



すると後半立ち上がり、アントラーズがいきなりチャンスをつくる。47分、カウンターから右サイドを駆け上がった伊東が、DFとGKの間に低く速いクロスを入れた。ファーサイドの遠藤がゴール前へ飛び込むも、惜しくもクロスに合わせることは出来なかった。



その後も、試合を優位に進めていたアントラーズだったが、62分に一瞬の隙を突かれてピンチを迎える。途中出場のドゥトラに最終ラインの裏へ浮き球のスルーパスを出されると、ドウグラスに抜け出されて、ニアゾーンからシュートを打たれた。だが、これはゴールポストに救われた。







68分にもピンチが訪れる。左サイドから竹内にクロスを入れられると、ファーサイドでドウグラスに合わせられる。シュートは枠内に飛んだが、クォンスンテが冷静にセーブし、ゴールを許さなかった。



清水に押し込まれていたアントラーズは、70分に一人目の選手交代を行う。右サイドの伊東に代わって永木を投入。永木はそのまま伊東が務めていた右サイドバックのポジションに入った。



すると、途中交代で入った永木がいきなり見せ場をつくった。73分、中央の三竿からフリーでパスを受けた右サイドの永木はゴール前にクロスを入れる。ニアサイドでセルジーニョが潰れ、ファーサイドまでボールが流れると、頭から飛び込んだ上田がヘディングシュート。これで3-0となった。









リードを3点差に広げたアントラーズは、完封勝利に向けて万全を期す。78分、セルジーニョとの交代でレオ シルバを投入。レオがボランチに入り、名古が右サイドハーフへポジションを移した。

試合終盤、清水の猛攻に遭ったが、アントラーズはチーム一丸となってゴール前に壁を築く。85分には最後の選手交代で、名古に代えて内田を投入する。内田は右サイドバックに入り、永木が一列前の右サイドハーフへポジションを移した。





すると、試合終了間際の後半アディショナルタイム3分、アントラーズはカウンターで清水ゴールに迫る。レアンドロが左サイドに展開すると、ボールを受けた遠藤は、ファーサイドへ絶好のクロスを入れる。このボールを上田がヘディングで合わせてゴールを奪った。









そして、試合終了を告げるホイッスルが鳴った。スコアは4-0。リーグ戦で久々の出場となった伊東、遠藤が存在感を示し、リーグ戦初先発となった上田がPK獲得と2ゴールを決める活躍を見せた。過密日程のなか、チームの底力を示す大勝となった。





次のリーグ戦は、首位FC東京との天王山だ。だが、その前に重要な試合が控えている。YBCルヴァンカップ準々決勝 第1戦、浦和戦だ。清水戦から中2日と非常に厳しい日程だが、全冠達成を果たすためには、勝利が必要だ。先の試合は考えず、1試合、1試合、目の前の試合の勝利だけを目指して、戦い続ける。





【この試合のトピックス】
・上田がプロ入り後、初先発、初の1試合2ゴールのマルチゴール
・伊東が今季リーグ戦初先発
・内田が明治安田J1第5節・磐田戦以来のリーグ戦出場
・遠藤が今季公式戦初ゴール
・遠藤がリーグ戦10年連続ゴール
・セルジーニョが今季リーグ戦9ゴール目



監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・すぐに倒れたり、スライディングしたりせず、粘り強くプレーをすること。
・上手くできているプレーは、全員で継続していこう。集中を切らすな!
・勝っているからこそ、細部のクオリティにこだわっていこう!

清水エスパルス:篠田 善之
・相手の長いボールに対して、しっかりチャージに行くこと。
・前からプレスに行くこと。
・このままでは終われない。全てを出し切って、意地を見せよう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
今日出た選手たちが、非常にいいパフォーマンスをしてくれた。今日の試合を踏まえたうえで、次の試合にしっかり向かっていこうという話をした。

Q.遠藤選手をあのポジションで起用した理由は?

A.天皇杯で遠藤をFWで起用して、手ごたえを得た。非常にいいパフォーマンスをしていた。今日は彼を信頼して送り出した。

Q.今日のメンバーで勝ち切れたことは、今後、チームにどのような影響をもたらしていくか?

A.昨シーズンから、「チーム全員で、目の前の試合を120%で準備していく」、「戦う姿勢を見せる」という形でやってきた。そのスタンスは変わらない。中国から帰ってきて、今いる選手たちが、良い準備をしてくれた。なので、自信をもってゲームに送り出すことが出来た。結果的に4-0で勝ったが、得点よりも、チームが一体感のあるゲーム運びができたところを評価している。これを継続して、次のルヴァンカップに向けて、もう一度準備をしていきたい。

Q.今日の勝利をどのようにとらえているか?

A.今日のゲームを、しっかり戦えたこと。清水の試合を分析して、侮ることのできない相手だということも伝えていた。今日の試合で、90分間しっかり戦ったというところは、非常に評価できる。それをしっかりチーム全員で継続してやっていきたい。

清水エスパルス:篠田 善之
また非常に悔しい敗戦をしてしまった。ミスもたくさんあった。後半はギアを上げて、少しリスクを冒して前からプレスをかけに行った。ただ、チャンスはいくつか作ったが、ゴールを奪うことが出来なかった。そこで、カウンターから失点してしまった。リスクを冒して前からプレスをかけに行ったので、スペースが出来てくるのは分かっていた。まだまだ詰めが甘かったと感じている。


選手コメント

[試合後]

【上田 綺世】
要所要所で、周りが自分のことを使ってくれた。それがあって、2点が取れたと思う。僕を活かすようなパスが多くでてきた。自分でも手応えを感じた。

【小池 裕太】
早い段階で先制点が取れたことが1番大きかったと思う。レアンドロと初めて縦関係を組んで、難しい部分もあったが、しっかりと自分が声をかけてやることが出来た。守備の場面で完全にやられたというシーンはなかった。そこは収穫だと思う。ただ、攻撃面でもっと2人で崩していきたかった。

【名古 新太郎】
チームとして、勝利というものが重要だった。勝てたことに関しては良かったと思う。個人的には、ミスが多かった。もっとやらないといけないし、もっと出来ると思っている。次に向けて、しっかり準備していきたい。

【犬飼 智也】
連戦を戦ったメンバーも、今日試合に出てくれたメンバーも、しっかりハードワークが出来ていた。みんなで戦った結果、無失点で終えることが出来たと思う。結果には満足している。

【遠藤 康】
勝てたことは良かった。メンバーを変えた中でも、結果を出すということは大事にっなってくる。こういう試合があると、チームもどんどん成長していくことが出来る。

【三竿 健斗】
この試合は、チームの一体感が大事になってくると話していた。なかなか試合に出れていない選手たちが、チームを引っ張ってくれた。そういった所が、このチームがこれからさらに強くなっていく1つの要因だと思う。

【伊東 幸敏】
今日は、勝利という結果が出たということがよかった。個人的には、前線まで顔を出しに行ったが、結果を残すことが出来なかったというところは悔いが残った。もう1、2本、自分のクロスの精度が高ければ、ゴールになっていたかもしれないシーンもあった。結果につなげるというところは、もっとやっていかないといけない。


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