[6.12 国際親善試合 日本4-2パラグアイ インスブルック]
日本代表では初の“鹿島コンビ”が西野ジャパン初勝利に貢献した。8日のスイス戦(0-2)から先発10人を入れ替えたこの日、センターバックを組んだのはDF昌子源(鹿島)とDF植田直通(鹿島)。パラグアイの1トップを務めた190cmのFWフェデリコ・サンタンデールには植田が激しく競り、そのカバーを昌子がするという「鹿島っぽい守り」(昌子)で対抗した。
背番号3の昌子と背番号2の植田はロッカールームで隣ということもあり、ハーフタイムに昌子が「気持ち良さそうにヘディングしてたな」と声をかけると、植田は「大好物です」とギラギラした目で答えてきたという。国際Aマッチ4試合の出場となる植田だが、うち2試合は右サイドバックでの出場で、残り1試合はセンターバックだったが、コンビを組んだのはDF槙野智章。代表では初の鹿島コンビが“阿吽の守備”を見せた。
それでも前半32分、相手のロングスローを昌子が競ったセカンドボールから先制点を決められ、3-1で迎えた後半45分にはミドルシュートで2失点目。昌子は「自信が付く勝利だと思うけど、2失点はいただけない。セットプレーのセカンドからやられているし、そこの精度、意識を変えて集中してやらないと」と気を引き締める。
「勝ったけど、2失点している。僕はDFなので。勝ったからこそ、チームでも個人でも細かいところを反省しないといけない」。“ターンオーバー”して臨んだ一戦で勝利をもぎ取り、先発争いも激しくなった。「監督にいい悩みを与えられた試合なんじゃないかなと思う」と昌子が言えば、この日出番のなかったDF吉田麻也も「だれが出るか分からない状態が続いているし、これからの練習も意識が変わってくると思う」とチーム内の競争を歓迎した。
いずれにせよ、チームとして選択肢が増えたことは間違いなくプラスだ。昌子は「監督の使い方も広がる。センターバックは経験が大事という意味でも、2人のコンビネーションでいうと、いいコンビであることは見せられたと思う」と胸を張った。
(取材・文 西山紘平)
鹿島コンビが“阿吽の守備”昌子「気持ち良さそうだな」植田「大好物です」