日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年12月29日土曜日

◆小笠原「若いやつを…」最後に出た人情味/こんな人(ニッカン)






<こんな人>

鹿島アントラーズの元日本代表MF小笠原満男(39)が今季限りで現役を引退することが27日、クラブから発表された。

      ◇       ◇

16年末、担当を離れることを満男さんに告げると「裏切り者」と言われた。真顔に驚かされたが、すぐ頬を緩めて握手。彼なりの惜別だった。東日本大震災の復興支援に燃え、仙台や地元のJ3盛岡から興味を示された時期もあったが、国内は鹿島一筋でユニホームを脱ぐ。20冠のうち17冠を経験。誰よりもアントラーズを裏切れない男だった。

寡黙と評判も、情に厚かった。11年の震災後、初めて被災者を招いた試合に敗れた時は土下座した。同期の中田浩二が引退した14年は最終節で優勝を逃し「浩二に『安心して』と言えねえよ」と泣いた。現役最終戦となったクラブワールドカップ(W杯)3位決定戦。3枚目の交代カードで呼ばれた時に「俺じゃなく若いやつを」と後輩に譲ろうとしたという。結局は出場も、かつてなら、そんな行動は取らなかったはず。最後は人情味が出た。

優勝した15年ナビスコ杯で最年長36歳のMVPに輝いた時、本紙に寄せた独占手記に「辞めたいとは思わない。(J元年に)40歳でハットトリックしたジーコを追い越したい」とつづったが、膝痛は深刻だった。「肉を食えば治る」の口癖はもう聞けないが、近い将来、同じ物言いで常勝軍団を鍛え上げる姿を見たい。【元鹿島担当=木下淳】







◆小笠原「若いやつを…」最後に出た人情味/こんな人(ニッカン)


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