日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年2月5日金曜日

◆内田篤人と“鹿島黄金期”をマルキーニョスが回想 「幸せな日々の記憶は語り尽くせない」(FOOTBALLZONE)






【あのブラジル人元Jリーガーは今?】マルキーニョス(元横浜FM、鹿島ほか):特別編――3連覇の喜びを分かち合った内田との絆


 日本で通算15年間を過ごし、計7クラブでサポーターに喜びを与えた通算ゴール数は、外国籍選手最多の「152」。そんなブラジル人FWマルキーニョスの経歴のなかでも、多くのサポーターの記憶に強く残るのが、2007年からの鹿島アントラーズでのJ1リーグ3連覇だろう。その時代をともに生き、ともに戦い、昨年8月に現役を引退した元日本代表DF内田篤人について、当時の記憶や、現在の彼への思いを語った。

「引退を知った時は、少し寂しくなったよね。ウチダはポテンシャルの高い選手だったし、キャリアを終えるのは、もっと先の話だと思っていたから。残念ながら、怪我が予想より早めの引退につながってしまった」

 内田は昨年の引退会見で「現役時代に衝撃を受けた選手」として、鹿島のJリーグ3連覇の原動力となった、いわば黄金期の選手たちについて語っている。その中にはもちろん、マルキーニョスの名前もあった。

「そういうふうに僕を思い出してくれるなんて、嬉しいよね。ウチダとプレーし始めたのは、彼が選手としてのキャリアを始めて間もない頃。だから、若い彼をできるだけ手助けしようとしていたんだ。彼は偉大な選手になって、海外でも長く活躍した。そして僕も、彼がドイツに行く前までに、彼のクロスで多くのゴールを決めることができた」

 “マルキーニョスと一緒にプレーすれば、若い選手が伸びる”というのは当時の定評で、内田はもちろん、FW興梠慎三(現・浦和レッズ)やFW田代有三、FW大迫勇也(現ブレーメン)ら、多くの若手が才能を開花させた。

「若い選手に対しては、練習でのやる気を引き出すことだ。そのためにはまず、自分がすべてにベストを尽くすこと。僕のプレーなり、姿勢なり、なんらかを真似したくなるような刺激を受ければ、若手は学び取ってくれる。例えば、僕は至近距離からのシュートが得意だったんだけど、ロングシュートは苦手だった。だから、その練習にすごく献身したんだ。そういう僕やほかの経験豊富な選手たちのハードな練習を見ることが、ウチダ自身の練習の濃さにもつながった。それに僕らはいつでも、若手かベテランかに限らず、お互いに良いところを真似したりすることで、みんなで一緒に成長できたんだ」


「ウチダなら指導者としても、成功への道を歩んでいける」


 マルキーニョス自身も若い時には同じように先輩たちと過ごし、成長できた経験によるものだという。彼のこの姿勢は鹿島時代に限らず、例えば清水エスパルスでも、日本代表FW岡崎慎司(現ウエスカ)に頼まれて、チームの練習後に居残り練習を一緒にやった。

「もう一つ大事なのが、会話だった。ウチダやほかの若手には、まずは彼自身にポテンシャルがあるんだということを伝え、それを生かすためには練習しなければならない、とね。試合では『自分の得意なプレーをすればいいんだ。自分のやり方でプレーすればいい。心配するな、怖がらずに、落ち着いて、自分のポテンシャルを見せれば、それでいい』と伝えて、伸び伸びとプレーできる雰囲気を作ろうとしていた」

 懐かしいチームメートたちの話をし始めると、1人、2人では終われない。

「オガサワラ(小笠原満男)、ソガハタ(曽ヶ端準)、ノザワ(野沢拓也)、モトヤマ(本山雅志/現ケランタン・ユナイテッドFC)……。僕のような外国籍選手は、助っ人としてクラブに入るんだけど、トップレベルのプレーをする実力のある日本人選手たちがいれば、より大きな違いを生み出せる。鹿島の場合は、そういうレベルの高い選手がたくさんいた。それが結果につながった。そして何より僕は、みんな、本当にみんな、大好きだ。遠征中にふざけあったり、ロッカールームで一緒に大笑いしたり。厳しい戦いも、ハードな練習も……あの幸せな日々の記憶を、語り尽くすのは難しいよ」

 内田は引退後、日本サッカー協会の新役職「ロールモデルコーチ」としてU-19日本代表合宿に参加したり、メディアへの登場も増えるなど、幅広い活動を始めている。

「素晴らしいよね。ウチダは選手として多くの成功を収め、今、新たな幸せを掴もうとしている。彼なら指導者としても、成功への道を歩んでいけるよ。メディアの仕事も、すべてが肥やしになるはずだ。僕はこれからも、彼の活躍を追っていくよ。頑張ってほしい。また、必ず会いに行くから」

 切磋琢磨し、栄光を分かち合った仲間たちとの思い出と絆は、いつまでもマルキーニョスの記憶に刻まれ続けていくに違いない。(文中敬称略)

(藤原清美 / Kiyomi Fujiwara)




◆内田篤人と“鹿島黄金期”をマルキーニョスが回想 「幸せな日々の記憶は語り尽くせない」(FOOTBALLZONE)





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