
日刊鹿島アントラーズニュース
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2024年11月19日火曜日
◆念願だった鹿島戦。特別な古巣相手に平戸太貴が示した成長。指揮官は「よく努力をして、今の領域までたどり着いた」と評価(サッカーダイジェスト)

攻守に奮闘した平戸は試合後、0-0で勝ち切れなかった悔しさを募らせながら、鹿島サポーターが陣取るアウェーのゴール裏まで挨拶に向かった。
「鹿島サポーターのみなさんがいる景色は久しぶりのことです。温かく迎えてくださったみなさんに感謝していますし、また頑張ろうと思いました」
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◆念願だった鹿島戦。特別な古巣相手に平戸太貴が示した成長。指揮官は「よく努力をして、今の領域までたどり着いた」と評価(サッカーダイジェスト)

絶好機を決め切れずピッチに拳を叩きつける
[J1第29節(延期分)]京都 0-0 鹿島/11月17日/サンガスタジアム by KYOCERA
果敢なフリーランが実を結んだ。京都が終盤にビッグチャンスを迎える。
89分、佐藤響からのダイレクトパスを相手最終ラインの背後で引き出した平戸太貴は、GK早川友基よりも先にボールに触れるシュートで鹿島ゴールを脅かした。ところが、渾身のシュートは枠外へ。チャンスを決め切れなかった平戸は、悔しさのあまりピッチに拳を叩きつけた。
「タイミングを見計らってゴールキーパーが出てきたところで浮かせるという狙いはありましたが、もう少し厚くボールにミートできていれば良かったかもしれません。決めたかったので、とても悔しかったです」
一度や二度ではない。何度もピッチを叩いて悔しさを募らせた表情は、鹿島戦に懸けていた平戸の気持ちの強さを物語る。
対戦相手は「育成年代からお世話になってきた」クラブのトップチーム。鹿島アカデミー出身の平戸にとって、鹿島はプロキャリアをスタートさせた特別なクラブだ。J2の町田でプレーしていた2018年にも鹿島と対戦しているが、その時の舞台は天皇杯だった。
2023年に京都へ移籍して以降、J1の舞台でようやく実現した鹿島との古巣戦。これまでは負傷などが原因で出場が叶わなかった分だけ、普段以上に気持ちが入るのも無理はない。
アウェーのゴール裏には、深紅のユニホームを身にまとったいっぱいのサポーター。キャプテンマークを巻いた相手の10番は、トップチーム昇格1年目にも在籍していた柴崎岳だ。
「プレッシャーを掛けに行っても簡単にボールを下げなかったですし、常に相手にとって怖いところを見ているのは、自分も見習うべきポイントでした」。平戸はそう言って目を細めた。
台風の影響による延期も含めれば、“5度目の正直”でようやく実現した鹿島との古巣戦。冒頭の絶好機を筆頭に、公式戦で初めて対戦した18年とは違う平戸を見せられたという感触は手にした。それでも、チャンスを仕留め切れなかった現実について、平戸はこう言って前を向く。
「鹿島相手に得点できそうなチャンスもありましたし、自分が決め切るチャンスも作れていました。チャンスを確実にモノにしていく選手になれば、もっと上のレベルの選手になれると思うので、もっともっと成長したいと感じました」
念願だった鹿島戦でヒーローになり損ねたものの、平戸がJ1残留の立役者の1人であることは決して色褪せない。
チームが残留争いで苦闘するなか、シーズン中盤以降の平戸は正確無比なキックを武器に数多くのゴールを演出。28節・FC東京戦では1ゴール・2アシストの活躍でチームを勝利に導き、35節・広島戦では残留を決定づける決勝点も奪っている。
「鹿島からどういう成長をしてきたか。関わってきた指導者に話を聞いてきた」という曺貴裁監督は、背番号39の“成長曲線”についてこう語る。
「もともとボール扱いの技術やパスセンスは非常に良いものを持っていますが、それプラス、我々のインテンシティの高いサッカーの新しい景色に出会い、その景色を自分のものにできたことで自信を掴み、チームメイトからの信頼を得ることができました。昨季は苦しんでいましたが、よく努力をして、今の領域までたどり着いたと思います」
「温かく迎えてくださったみなさんに感謝」
2022年までプレーした町田でも、平戸は守備の強度に優れた選手として、当時のランコ・ポポヴィッチ監督から評価されてきた。それでも、曺監督が求める水準はまた、性質が異なるという。
「極論を言えば、抜かれても良いから全部行き切るように言われてきましたし、相手の懐に入っていくことは口酸っぱく言われてきました。自分のプレースタイル的にボールを奪うプレーは今までなかなかできていなかったですが、トライし続けた結果、試合で使ってもらえるようになりました。チームで求められる強度を発揮したうえで自分の特長を出せるようになってきたのも、サンガタウンでの日々の取り組みや、腐らずにやり続けた結果が今に繋がっています」
象徴的なシーンは21分。果敢にボールホルダーへアプローチした結果、後方の味方がインターセプトできる状況を創出し、カウンターの発動に繋げた。最終的にオフサイドを取られたため、結果には繋がらなかったが、身体に染み付いていることを忠実に実践できた場面だ。平戸は言う。
「たとえ自分がボールを奪えなくても、ファーストディフェンダーとしてボールを奪いに行くつもりで行っています。その後のプレーの制限に繋がることで、チームとしてボールを奪いやすくなりますから」
攻守に奮闘した平戸は試合後、0-0で勝ち切れなかった悔しさを募らせながら、鹿島サポーターが陣取るアウェーのゴール裏まで挨拶に向かった。
「鹿島サポーターのみなさんがいる景色は久しぶりのことです。温かく迎えてくださったみなさんに感謝していますし、また頑張ろうと思いました」
本人が「J1でやれる自信がついた」と語る24年シーズンもあと2試合。2週間後の次節は、「前半戦(0-3)の借りを返す」町田との古巣戦だ。
取材・文●郡司聡(スポーツライター)
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