日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年12月29日火曜日

◆コロナ禍でW杯失ったU-19日本代表候補、唐山&荒木のゴールで3連勝! 課題残る内容も影山監督「よく踏ん張った」(ゲキサカ)






 U-19日本代表候補は27日、千葉市の高円宮記念JFA夢フィールドで関東大学選抜との練習試合を行った。前半に決まったFW唐山翔自(G大阪)、MF荒木遼太郎(鹿島)のゴールをなんとか守り切り、2-1で勝利。最大の目標だったU-20ワールドカップの中止が決まり、モチベーション低下も懸念されていた中、合宿期間のトレーニングマッチ3試合を全勝で終えた。

 この日は21日から行われていたトレーニングキャンプの最終日。23日の慶應義塾大戦(○2-0)、25日の関東大学選抜戦(○3-2)に続く3試合目のトレーニングマッチでは、再び関東大学選抜に挑んだ。試合は45分ハーフで実施。U-19日本代表候補はGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)が90分間プレーした一方、フィールドプレーヤーは前後半で総入れ替えした。

 前半は4-4-2の布陣。最終ラインは右からDF柴田壮介(湘南)、DF鈴木海音(磐田U-18)、DF馬場晴也(東京V)、DF田中聡(湘南U-18)が並び、ダブルボランチはMF藤田譲瑠チマ(東京V)とMF成岡輝瑠(清水ユース)。サイドハーフは左にMF小田裕太郎(神戸)、右に荒木が入り、2トップはFW西川潤(C大阪)と唐山が務めた。

 立ち上がりは出足の鋭いプレッシングをかけてくる関東大学選抜に対し、なかなかボールを前進させられない時間が続いたU-19日本代表候補。選手たちが互いに声を掛け合いながらビルドアップの出口を模索するも、カウンターからピンチを招く場面が続き、前半24分には小久保のビッグセーブがなければ失点という形にまで至った。

 それでも前半飲水タイム明け、ボランチの藤田を中心に人につく意識を高めてプレッシングを整理すると、内容が大幅に好転。前半30分に荒木の右コーナーキックのこぼれ球を唐山が押し込み、先制に成功した。さらに39分、柴田の縦パスから唐山のポストプレーで局面を打開し、西川が左サイドに展開。小田のクロスに荒木が合わせ、2点リードでハーフタイムを迎えた。

 後半も4-4-2の布陣でスタート。最終ラインは右からDF成瀬竣平(名古屋)、DF半田陸(山形)(磐田U-18)、DF西尾隆矢(C大阪)、DF山崎大地(順天堂大)が並び、ダブルボランチはMF山本理仁(東京V)とMF松岡大起(鳥栖)。サイドハーフは左にMF鈴木唯人(清水)、右にMF武田英寿(浦和)が入り、2トップはFW大森真吾(順天堂大)とFW斉藤光毅(横浜FC)が務めた。

 関東大学選抜もメンバーを大きく入れ替え、仕切り直しとなった残り45分間。前半飲水タイム明けの勢いを持続したいU-19日本代表候補だったが、一転して守勢を強いられた。守備では前線と中盤のフィルターが機能せず、シュートに持ち込まれる形が増え、攻撃ではビルドアップが最終ラインで停滞。後半25分には右サイドからのクロスをクリアし切れず、FW{{古川紘平(慶應義塾大4年)にゴールを許した。

 1点差とされた直後、U-19日本代表候補は4-1-4-1にシステムを変更。山本をアンカーに配置し、2列目右から鈴木、松岡、武田、斉藤を並べる布陣でなんとか修正を試みた。だが、ボールを握る時間帯は増えたものの、攻撃の連動性は欠いたまま。終了間際にクロス攻撃からネットを揺らされた場面ではオフサイドに救われ、2-1で試合を締めたが、大いに課題の残る後半となった。

 試合後、オンラインで取材対応を行った影山雅永監督は苦戦した要因の一つに、25日に国際サッカー連盟(FIFA)から発表されたU-20ワールドカップ中止決定を挙げた。

「試合前にこうなるだろうなとコーチングスタッフと話していたんです。一昨日(25日)の試合では朝にFIFAからああいう発表があって、『えっ……』とは思うけど、それに対して『なにくそ』というパワーも出る。ただ一日経って冷静になって、俺たちにはワールドカップがないということと、それでもキャンプをやっているという立ち位置が出てくる。悪い方の予想だから外れればよかったんですけど、やはり選手たちは正直だった。今日はそんな試合になりました」。

 だからこそ、影山監督は「選手のパーソナリティもあるし、ゲームの流れもあるでしょうし、これで俺たちのキャンプが終わっちゃうんだなといういろんな気持ちも混じり合っていたと思う」と選手の心境を慮った上で、前向きに語った。

「でもよく踏ん張ったと思います。守備も連動できない。攻撃もまったく顔を出さないから連動しない。しかし、こういうことってあるんですよね、若い選手たちには。ですから、なんとか歯を食いしばって、スライディングしてでも止めて。そうしてなんとか踏ん張って勝てた。もうそれだけで十分だと思います。今日の試合に関しては」。

 指揮官はそうした考えのもと、試合後の選手たちにはさらなる成長を促すべく、励ましの言葉をかけたという。

「心が切れそうになってしまう中、踏ん張ってなんとか勝利することができた。プロになっていくとこういうのが増えるんだよ、と。代表の予選もグループステージもこういう試合はある。格好悪い試合でも(トレーニングキャンプの)3試合に勝ったのは大したものだよと。来年、必ずあるであろうU-19選手権の前にみんなで集まって元気に活動しようということを伝えました」。

 選手からも前向きな声が聞かれた。

 来季からベルギー2部のロンメルに移籍し、初の海外挑戦を控えるFW斉藤光毅(横浜FC)は「課題はたくさんあるので、一人一人がそういう課題を持って取り組んでいきたい」と述べた上で「U-20W杯が中止になって驚いたし、思う部分もあったけど、そこがゴールではない」と力強い言葉。「モチベーションを落としたらダメ。自分たちが目指すところを意識しながら全力でプレーできれば」と前を見据えていた。

 J1リーグの終盤戦で出場機会をようやく掴んだFW武田英寿(浦和)も「同世代の選手がどんどん世界で活躍しているので、すごく刺激になっているし、一緒にやっている選手が海外に行くことで応援しているし、自分自身も頑張っていかないといけない」と新たな挑戦を控える仲間に刺激を受けつつ、「クラブで結果を残すことを求めてきたし、結果を残してこそ日本代表に招集される。日々の練習から一日一日を無駄にすることなくやっていく」と来季への意気込みを述べた。

 影山監督はそうした選手たちの声にも耳を傾けつつ、今後の期待を語っていた。

「何人かの選手がインタビューでも言っていましたが、ワールドカップがなくなっただけで、彼らのサッカー人生が終わったわけではない。むしろいまの情勢で国際大会を開いて、ある意味で感染の危険がある大会に行くことを考えたら、(中止は)彼らの人生にとって賢明な判断かもしれない。彼らのサッカー選手の人生はこれからがもっともっと大事。U-20W杯がなくなっても代表活動はどんどん続けていく。そしてその先の未来のために、クラブでも代表でも、もっともっと成長していくんだと彼らが考えていって、ますますたくましい選手になってくれたらありがたいなと思っています」。

 2022年のカタールW杯、24年のパリ五輪といったさらに大きな夢舞台で飛躍を遂げるためにも、“01ジャパン”はこの難局を乗り越えていく。

(取材・文 竹内達也)


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