日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年11月7日木曜日

◆鹿島・土居聖真「試合に入ってから探す」ものとは?(JBpress)






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首位を走る鹿島アントラーズ。J1屈指の得点数を誇るチームをけん引するのが、MFの土居聖真だ。攻撃の起点としてアシスト、得点と攻撃陣を引っ張っている。「見え方が変わった」と言う土居にあったブレイクスルーの瞬間とは? そしてピッチで考える「攻撃の原則」とは――。ピッチレベルの視点をメルマガやlive配信などで紹介する『岩政大樹 PITCH LEVELラボ』の対談動画で語った。その一部を編集して紹介する。


岩政大樹が聞く「攻撃」の原則<前編>


2トップで変わったバランス


岩政大樹(以下、岩政):この『PICTHLEVELラボ』のメルマガでも紹介してきたんですが、今年のJ1リーグで鹿島アントラーズが浮上してきたポイントとして、土居聖真選手を2トップの一角として固定したのが大きかったと思っています。純粋なFWタイプを並べた2トップではなくて。土居選手が前線にスペースがないときには中盤に下りてプレーしたりと、スタートポジションはFWですが、トップ下のスペースをうまく使っているイメージがあるのですが、ご自身のなかでこのポジションにハマってきたという印象はありますか。

土居聖真(以下、土居):シーズン序盤は、左サイドMFでプレーすることが多かったんです。そこでちょっと注文じゃないですけど、(伊藤)翔くんやセルジーニョが2トップに入っていて、たとえば、右サイドにボールがあったとしたら、みんながボールサイドに寄るじゃないですか。

岩政:はい。

土居:当時は、左サイドで左SBの安西(幸輝/現・ポルティモネンセ)と組んでいたんですけど、右サイドからなかなかこっちにボールが返ってこなかったんです。もちろん要求はしていましたし、ボランチにもボールを出してくれ、とは言っていたんですけど。

でもどうしても右サイドで完結したりとか、ボールを取られたりとか、っていうのが多くて。(左SBの)安西が攻撃的な選手だったんで、僕がサイドへ流れてボールが入ったら、安西のオーバーラップを使いたいとか、もしくは、安西を囮(おとり)にして僕がそのままプレーしていく、っていう展開もやりたかったんですが、なかなか展開の中でボールが入ってこなかったんです。

岩政:なるほど。

土居:やっぱり鹿島というか、基本的に4-4-2のサイドバックがあるチームは、SBのオーバーラップを使いたいと思うんですが、すべてが停滞というか。右SBも生きない、FWも生きない、左サイドMFも生きない。手詰まりを感じていましたね。





岩政:右サイドばかりでプレーしていたのは、後ろの選手が右利きばかりだから、ということが影響していますか。

土居:それはありますね。たとえば、右利きのボランチの選手が右サイドからボールを受けたら、身体を開くことができないから、逆サイドへ展開しづらい。


2トップの関係をどう考えるか?


岩政:そうですね。

土居:反対に、右利きの選手が左サイドからボールを受けたら、右利きだからターンして、すぐにボールは右サイドに変わってしまう。

岩政:それで、右サイドでのプレーが多くなってしまうと?

土居:はい。そういうのは嫌だなっていうか、うまくバリエーションを増やせていないなぁって思っていて。

岩政:ほうほう。

土居:それで、だんだん2トップの一角で使われるようになって、さっき(岩政)大樹さんが言っていたように、それこそ右サイドで詰まっていたら、僕が入ってうまくターンして左サイドへ流したりとか。ビルドアップできてないなって思ったら、3ボランチ気味じゃないですけど、僕が下がって嫌なポジションを取って、相手の守備にハマらないようにするとか。

岩政:ボランチの位置まで落ちるとか、センターバックにハマらないとか。

土居:で、僕は相手に身体を当てながらゴリゴリ1対1で勝負するタイプではないので、相手のセンターバックを背にボールを受けないようにしていて。ボールを受けたら相手のほうが強いので、なるべくトップ下のスペースをウロウロしているんです。

岩政:2トップの関係は、基本的には“縦関係”でやっているんですか。それとも、アレンジで勝手にやっているんですか。

土居:結構自由にやらせてもらっていますね。

岩政:へえ、そうなんだ。

土居:もちろん、2トップのパートナーには、僕が基本下がるからっていうのは伝えますが自由にやらせてもらっています。

岩政:でも、これ(土居選手のFW起用)がハマってから、同じく本来FWではないヤス(遠藤康)も同じポジションでやったりしているわけですよね? チームとしての流れ(形)を崩したくない、ということ?

土居:そうですね。ヤスさんもトップ下のスペースに下がってプレーしていますが、別にこのエリアだけにこだわらないで、空いていたら裏を狙ったりもしています。だから効くのかなと思います。ここ(トップ下のスペースに下がってのプレー)だけじゃない、というのが。


まずどっちのサイドにも顔を出す


岩政:なるほど。

土居:裏を狙ったり、左サイドにわざと寄って3対1や3対2の状況を作り出したり、FWというイメージでやっていない。僕自身の鹿島での役割は、その場その場の状況でどう動いて、周りをヘルプしてあげられるか。それがうまくいっているのかなと思います。

岩政:ここ(トップ下に下がってのプレー)を起点にはするけれど、数的優位を作るために、ボランチまで行ったり、左サイドに行ったりと、いろんなところに顔を出していると?

土居:そうですね。

岩政:ポジションをズラすことで数的優位を作る?

土居:はい。しっかりと3バックや4バックでブロックを組んでくるチームが多いんで、そこをひとつ前にズラしたり、後ろにズラしたりできるよう、使ってもらえるようになるべく意識しながら自分もやっています。

岩政:90分の試合のなかで、いろいろと考えながらやっていると思うんですが、いろんなところに顔を出す“バランス感”というのは、どういう風に考えているんですか。感覚的なものですか。

土居:試合になったら、まず、ある程度、どっちのサイドにも顔を出してみます。こっちのサイドバックは調子がいいなとか、コイツは対人強いとか確認して、これは(マークを)ハガせそうにないなと思ったら、逆のサイドを使ってみます。今日コイツちょっと試合の入り方が悪くてテンパっていて、すぐに裏を取られていると。言い方は悪いかもしれませんが、「穴だな」と思ったら、サイドを変えたりしますね。

岩政:穴ばかり攻めていると、相手に対応されて、こっちの狙いがバレてくる。そうすると、ちょっと逆のサイドを狙っていると匂わせながら、スキをつきたいものではないですか。

土居:そういう時に、不意に逆を使うと、こっちの敵が集中力を欠いていたりするんですよね。どうせ、そっちしか来ないだろうと思っているところで・・・。

岩政:なるほど! 穴を突いておいて、逆を狙うということか。

土居:そうですね。そこだ!って、味方がスーッと入った時にボールを出してあげると、相手が集中力が切れている時があるんです。基本的にはあんまり片方のサイドに偏りたくないんで、そうやってバランスよく、調子のいい選手を使ったりしながら、自分も使ってもらったりしてやっています。(後編に続く




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