日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年7月26日日曜日

◆日本人が海外の1/10も食べない食材とは? 日本代表料理人・西芳照×石井正忠、食育の最前線(REALSPORTS)






サムライブルーの料理人 サッカー日本代表専属シェフの戦い [ 西芳照 ]


サッカー日本代表の海外遠征に帯同するシェフ、通称「サムライブルーの料理人」西芳照と、鹿島アントラーズや大宮アルディージャで監督を務め、最近では給食センターで1年間の実務も経験するなど食育に造詣の深いサッカー指導者・石井正忠(現在はタイ1部のサムットプラーカーン・シティFC監督)。料理人と監督という異なる立場の二人を迎え、「サッカーと食育」について語り合った。海外の選手と日本の選手の食生活の違いについてや、実際に選手たちが取るべき食事の献立について、そしてサムライカレーが日本代表選手にも子どもたちにも愛される理由とは?


(インタビュー・構成=清水英斗、トップ写真=KyodoNews、Getty Images、写真提供=西芳照)


サムライカレーは辛口?甘口?


――西さんは6月に「女子サッカーの町」をうたう佐賀県みやき町の子どもたちとその親御さんにカレーを振る舞ったそうですね。5月にも福島県南相馬市の医療従事者向けにカレーを提供していますが、素朴な疑問として、なぜカレーなんですか?

西:第一の理由は、提供が簡単だから(笑)。あとは日本代表の選手と同じものを食べていただくのもあるし、今回でいえば佐賀ですから、佐賀といえば玉ねぎ。秋冬には北海道の玉ねぎも出ますが、春夏に日本で出荷されているのは、ほとんど佐賀の玉ねぎです。だけど、今はコロナ(新型コロナウイルス感染症)の影響で玉ねぎが売れ残って、いや、売れ残るだけならいいですけど、価格の暴落を防ぐために廃棄するような状況です。それをどうにかできないか、という意味合いもありました。 

 400人分で玉ねぎ18キロ、あとはふるさと納税の返礼品に玉ねぎのソースやドレッシングはどうかとか、そんなことも含めて地域の活性化につながるようにしたいと。それで今回カレーにしました。もちろん、子どもたちが食べやすいのもありますし、複合的な意味合いでカレーでした。

――西さんのカレー、結構辛いのでは?

西:いやいや、それほど辛くないですよ。(辛いものが苦手な)吉田麻也ちゃんがね、食べられるくらい。お子さんたちも、4杯とか食べましたよ。

――確か以前、日本代表で提供するカレーは選手の食欲をかき立てるため、辛くしていると言っていましたよね? 栄養をしっかり摂取するには、まずちゃんと食べなければならないと。

西:そうですね。確かに前は辛くしていました。だけど、それは今じゃなくて以前の代表ですね。

――ザックジャパン(アルベルト・ザッケローニ日本代表監督時代)の頃ですか。

西:そう。その頃は辛いものが苦手という人はそんなにいなかった。今は半々くらい。辛いものが苦手な人が多いときは、辛口と甘口に分けて作ったこともありましたけど、今はそこまで暇がないので、中間を取って、という感じですね。今回作ったカレーはそんなに辛くないし、佐賀牛も入ってますから、おいしいですよ。

――おお、ぜいたく。ビーフカレーですか。

西:まあ栄養的に良いのは、ビーフではなく、ポークカレーなど他のものですが。豚肉はビタミンB1が疲労回復に良いので。ただ、今回は佐賀を元気にする意味で、佐賀牛を使いました。

――普段、代表のカレーはポークですか?

西:そうですね。ただ、イスラム圏に行くとポークがないので、ビーフだったり、チキンだったりもあります。


日本代表はプロのセオリーを脈々と受け継ぐ場所


――今日は料理人と監督のお二人を迎えて、「サッカーと食育」をテーマに語りたいと思いますが、石井さんはサッカー選手にとって食事とはどんなものだと思いますか?

石井:僕は鹿島(アントラーズ)にいた時間が長いですが、鹿島ではホームゲームの前日、試合に出るメンバーは寮に泊まります。そのときの食事はステーキ、パスタ、サラダと、ちょっとした日本料理のおかず、という感じです。栄養士さんからすれば、「もっと違う食事のほうがいい」と言われるかもしれないですが、僕としては、みんなで集まって試合前日にいろいろな話をしながら、おなじみのメニューを食べること、それがよかったなと思います。

 さっきの話にも出たように、おいしいもの、大好きなカレーをいつものように食べることで、子どもたちが精神的に安定したり、プロは試合に臨む準備ができたりとか、食事は栄養だけではなく、そういうことも大事かなと思いますね。

――試合前日のルーティーンがあるんですね。安定した力を発揮するためには大事に思えます。ちなみに西さんの場合、代表で提供している食事のメニューはどういう感じなのですか?

西:通常はビュッフェスタイルです。肉2種類、魚2種類、野菜はビタミン豊富な緑黄色野菜。あとは家庭料理、シュウマイとか餃子とか野菜炒めとか、そういうものを出しています。僕が帯同するのは試合の前ですから、グリコーゲンローディング(エネルギーを体内に確保する食事法)で、炭水化物をたくさん取ります。PFCバランス(タンパク質、脂質、炭水化物の比率)といいますが、日常生活では炭水化物6割、脂質2割、タンパク質2割のところを、試合日付近になれば、7.5~8割くらいが炭水化物になります。

――試合でエネルギーを使うための食事ですね。

西:そうです。トレーニング中なら筋肉をつけるためにタンパク質を増やすとか、目的によって食べ方や食べる量は変わってきますね。

 今までやってきて感じたのは、選手の皆さんもある程度の年齢になると、体が徐々に動かなくなり、息切れをしたり、疲労が残ったりします。それこそ年上の選手は、何を食べたら疲れが一番取れるのか、いつも考えながら食事をしています。若い子は右から順番に取るだけですけど、経験がある選手は、最初に後ろからメニューを一通り見て、「じゃあ今日はこれとこれを食べよう」と。そうやって計算して食べる人が日本代表では多いかなと思います。

――ビュッフェ形式だから、選手自身の自己管理になるわけですね。

西:試合前日はこういうものを食べたほうがいいとか、これを食べれば体のキレがいいとか、皆さん自分で選択していますね。体重が200グラム増えたから、唐揚げを食べたいけど鳥のむね肉にするとか。自己管理はすごく重要視していると思います。

 今いる選手だと、長友(佑都)さんなんか、「毎日青魚出してください」とリクエストがあります。若い子が来たときには、「いわしのかば焼き食べろよ」とか、「豚肉と玉ねぎを食べると疲れが取れるから」とか、食べ方をレクチャーしていますね。

――何だか想像できます(笑)。

西:まあでも、長友さんも最初に入ってきたときは、何も知らない状況で中村俊輔さんからいろいろ吸収したと思います。体幹やヨガもそうですが、食育にしても、そうやって自分が培った知識を独り占めしないで、みんなに教えていく。はたから見て、すごくいいことだなと思いますよ。


肉とチーズの差が、フィジカルの差!? 


――石井さんは監督として、選手の食育にはどうアプローチしてきましたか?

石井:私がいた鹿島の場合、ほとんど個人に任せていますね。試合前の食事は、ほとんどずっと変わっていないと思います。今季タイに来てオーナーに相談されたのは、タイの選手は食が細くて、栄養のバランスが良いものを食べていないと。だから試合前日はみんなで一緒に食事をさせて、あとは週に1回、練習が終わったあとにバーベキューをやったり、何か食べ物を提供してあげたいということで、チームでまとまって食べる機会を作るようになりました。

――石井さんが日本式というか、鹿島式を持ち込んだと。

石井:そうですね。私がそうしたいとお願いしたらオーナーも「実はそうしたかった」ということで、満足して行ってもらうことになりました。本当にタイは一般の方もそうですが、栄養価の高いものをあまり食べていなくて、特にタンパク質は少ないと思います。野菜やフルーツは安くておいしいのですが、お肉や魚がほとんど入っていない料理が多いので、アスリートにとっては少なすぎると思いましたね。「トレーニングと、食事と、しっかり休息することは大事だよ」といつも言っているので、アンケートなども行って、少しずつ意識は変わってきたかなと思います。

――この先が楽しみですね。

石井:僕、西さんに聞きたいことがあるんですよ。海外(欧米やアフリカ)の選手って体が大きいじゃないですか? 日本の選手はそれに比べると、一回りサイズが小さいかなっていつも思うんですけど、これは食べる量が違うんですか?

西:Jヴィレッジ(ナショナルトレーニングセンター/福島県)に海外の選手、特に南米のチームが来ることは多いですが、朝ご飯は10時頃にちょっと来て、クッキーを食べたりする程度ですね。昼はお肉とパスタ、サラダ。これだけです。肉を食べない人は魚です。あとは炭水化物にじゃがいも、ポテト料理ですね。お肉はよく食べます。

石井:やっぱり、お肉の量とか、タンパク質の量が違いますか?

西:違いますね。日本だと、おかずがいっぱいあるから、お肉が主体になることはないですが、海外だと、お肉が主体ですね。もう、それだけでお腹いっぱいにする。あとは日本人に足りないといわれるカルシウム。必ずパンと一緒にチーズを挟んだりして食べますから。

石井:ああ、チーズですか。そうですよね。

西:日本代表が海外に行くときも、こちらからオーダーしたメニューにチーズを入れているんですが、向こうで用意してくれるのは、もうチーズだけで5種類くらい。すごい量が最初に出てきて、「そんなにいらないよ」と言っても、「大丈夫、出せるから」って。でも日本人が実際に食べるのは、全員で(出してもらった5種中の1種の)カマンベールチーズを半分くらいです。量的にいえば。

石井:それって、海外の選手はたくさんチーズを食べるのが普通だから、ホテルやレストラン側もそれだけ提供するわけですよね。

西:そうなんです。日本人だと海外の選手の10分の1も食べないですよ。骨を丈夫にするために、カルシウムをチーズで取る。彼らの骨太さは、チーズの力なのかなと僕は思っています。

――なるほど。そこまでチーズの摂取量に大きな差があったとは……。

西:日本人だと、朝パンに挟んで食べる人が少しいる程度。ほとんど食べないですね。

――これは直視しなければいけない違いですね。

西:食べる楽しみという意味では、そんな単純なメニューを出したら、日本人からは「何やってんだ」と言われますからね。何種類か出さないといけない。家庭でもそうだと思いますが、いっぱいおかずがないと。


帯同シェフの一番の仕事は「衛生管理」


――日本人は食べることで得る幸福感が大きいといわれますよね。だからいろいろなものを食べたいし、チーズとお肉ばかり、とはいかないわけですね。

西:そうですね。アルゼンチンの代表とか、ブラジルとか、チリも1カ月くらいいましたけど、ずっとお肉とチーズは食べてました。あと、今は発芽玄米とか、雑穀米とか、健康ブームで血糖値をゆっくり上げるメニューが日本代表でも人気ですけど、海外の選手も同じですね。全粒粉のパンやパスタを食べるとか、そういう人が多いなと思います。

 あと、彼らはケーキとかパイも食べます。

――デザートですか。

西:一番人気は森永(製菓)のエンゼルパイ。

――お菓子でしょ、それ(笑)。

西:朝、食堂に来たらエンゼルパイを食べる。で、ポケットにも入れて部屋に戻る(笑)。まあ、甘いものは普通に食べている感じはありますね。コーヒーと一緒に。

 あとはフルーツ。海外の選手は、皮つきのりんごを1個丸ごと食べます。グレープフルーツ1個とか。日本人はカットしたフルーツじゃないと食べないです。逆に海外の選手は「何でカットするんだ」と言う。彼らは丸ごとのほうを好みますね。

石井:わかるなあ。

――確かに海外に行くと、ホテルの朝食でフルーツがそのまま置いてあったりするけど、日本人はあまり手をつけないですね。

西:丸ごとのほうが衛生的にいいし、食材ロスも出ないからいいんですけどね。

――衛生的にいいのは、なぜですか?

西:カットすると、包丁やまな板から菌がついたり、あとはこんなこと言うと叱られるかもしれないですけど、ホテルによっては残ったフルーツを夜に回すとか、そういうこともしますから。

 グレープフルーツやオレンジなどのフレッシュジュースも、朝のうちに機械で絞って作ってしまう。それが残るともったいないから使い回したり。

石井:古いジュースに新しく絞ったのを足す、とか?

西:そうそうそう。それもあるから、フレッシュジュースは目の前で絞って飲むのが一番です。

 そもそもですが、僕が(日本代表の帯同シェフとして)呼ばれた最初の理由は「衛生」ですからね。2004年にU-23日本代表がUAEで下痢をして、みんなフラフラで3、4人しか正常な選手がいなくて、何とかアテネ五輪出場を決めたからいいけど、最終予選でこんなことがあってはいけないと。

 それで僕が呼ばれたわけです。選手においしい料理とか、和食を出したりするのは当たり前ですけど、その前に、僕の一番の仕事は衛生管理をきちんとすること。ホテルを見て、調理場を見て、悪いところがあったら伝えて直してもらう。そっちが基本ですね。

――代表の海外遠征は、本当にそこが大事ですよね。

西:お金をちゃんと払っているんだから、そんなフルーツは出さないでくれと。他のお客さんに提供する習慣を止めるまではしないけど、ただ、僕らには出さないでくれと。本当に何があるかわからない、危険を排除するというか、目を光らせておかないと。朝昼晩、調理場でパスタ作ったり、お肉焼いたりしていますが、キッチンに目が届かなくなるとまずいので、日本代表の食事は僕がいるときに作ろうねと、そういうふうにしています。

 不衛生なホテルもありますから、これちょっとサラダが危険、というか出さないほうがベターだなと思うこともあって、そういうときは選手やスタッフの皆さんに「サラダは食べないでください」とお願いしたりもします。ホテルに「このサラダを出すな」と言うと、これまた厨房がギクシャクするので、そこは状況を見ながらです。 

――うーん、難しい(苦笑)。

西:その国の文化がありますからね。「俺たちは普通に食べているのに何が悪いんだ!」って、そういうことになりますから。だから効率良く仕事をするために、相手に気を配ることも大事です。


練習後30分以内に、おにぎりやバナナなどの糖質を取る


――西さんは日本代表以外にも、いわきFC(JFL/実質4部所属)でアカデミーの食事を作っているんですよね。

西:そうですね。本当はアカデミーで練習が終わったあと、すぐに食事を出すという話だったけど、コロナの影響で中止しているので、今は下宿している高校生18人に夕食だけ出しています。まあ、食べますね。ご飯どんぶり大盛り。600グラムぐらい食べます。

――何を出すとか、決まりはあるんですか?

西:栄養バランスの取れた食事というのが、決まりです。トップチームに出す食事と同じですが、ビュッフェではなく、お膳のセットですね。今日はこれを食べれば体ができて、疲れも取れると、栄養を考えた献立になっています。


 例えば、豆腐と鳥のむね肉のハンバーグ。正直にいうと予算は限りがあるので、コストのバランスを見ながら、いかに味の満足感、栄養の満足感、ボリュームの満足感を出すか。ネタを明かせば、豆腐は安価でタンパク質がありますよね。お肉も安価で体に良い鳥のむね肉を使う。疲労回復には豚肉のビタミンB1と玉ねぎを一緒に取れば一番良いといわれてきましたが、最近は鳥のむね肉が良いともいわれています。渡り鳥が長時間飛び続けるための抗疲労成分が、むね肉に含まれているということで。


――なるほど。しかし、豆腐と鳥むね肉のハンバーグの理由が「コスト」とは、いきなりぶっちゃけますね。

西:でもカロリーも計算しているんですよ。その意味でも、豆腐と鳥のむね肉は優れた食材ですから。

――総合的に優れたレシピですね。家庭でも参考になりそうです。

西:もう一つ大事なのは、練習が終わってシャワーを浴びれば、すぐにご飯を食べられる。鹿島もそうだと思いますが、これが一番です。

石井:そうですよね。僕がユースでコーチをしていた頃(1999〜2001年)は、練習後にバナナやおにぎり、牛乳だけ提供していました。それをすぐに食べて、帰ったあとにまた夕食をしっかり食べると。今は選手寮があるからいいですが、当時はユースの選手がいろいろな地域から集まり、通っている時代だったので、そういう形にしていましたね。

――それは先ほど西さんが言っていたグリコーゲンローディングですよね。

石井:そうですね。

西:練習後30分以内に、おにぎりやバナナなどの糖質を取り、それから1時間以内に夕食を取ると、疲れを翌日に残さず、筋肉の損傷を一番抑えられるといわれています。

――いわきFCといえば、一般的にはフィジカルにすごくこだわったクラブというイメージがありますが、そのあたりの哲学が西さんの仕事に影響を与える部分はありますか?

西:いや、僕のほうにはないです。僕も「プロテインをどう考えて摂取するんですか?」と聞きましたけど、成長期の中学生までは摂取しない、と。ある程度成長した高校生については、自分の判断で取りたければ取ってもいい。そういうふうにしているそうです。

――意外ですね(笑)。

西:何よりバランスの取れた食事を心がけています。ただ、トップチームの選手の場合、プロテインは必ず取らなければいけません。プロ選手は毎月血液検査をして、血液のタイプを3つに分けて、摂取するプロテインの中身を変えています。

――鹿島はそこまでやっているんですか?

石井:僕らの頃は個人でした。だから僕は毎月血液検査をして、寮の食事の献立を栄養士さんに提出してもらい、栄養的に足りない部分をサプリメントとして処方してもらっていました。ただ、そこまでやっている選手は当時少なかったかなと思います。

――今の選手は、もうそれが普通ですか?

石井:普通だと思います。インターネットでいろいろ情報も得られますから、よりやりやすくなったと思います。

――そのあたりについて、鹿島は今も基本的に個人任せですか?

石井:そうだと思います。この2~3年はわからないですが、私がいた2017年まではそうでした。


サッカーと食育。そこから、できること。


――子どもたちの食育に話を戻すと、石井さんは2019年に給食センターで実務も経験されていますが、子どもの食育について何か考えることがあったんですか?

石井:僕が給食センターで働くようになったのは、給食をちゃんと食べてほしいという思いと、あとは子どもたちに間接的に関われるかなと思ったからですね。それこそ給食って「味が薄い」とか、いろいろ言われるじゃないですか。でも、今日話に出たカレーって、やっぱり大人気ですよ。給食だと提供したあとに、残飯が戻ってきますよね。それがカレーの日はすごく少ないんですよ。子どもたちが好きでおいしいものを提供すれば、いっぱい食べてくれるんだなと思いました。

 でも西さんもそうですけど、作る側は大変だと思いますね。栄養バランスを考えたり、食べてもらう工夫をしたりと、すごく大変です。食事を毎日提供するご家庭でも、すごく大変なんじゃないかと思うんですよね。

西:そうですよね。僕も野球をしている子どもたちにご飯を作って、「どう?」って聞いたら、「大丈夫です」ってね。ちょっとショックですけど。

――いやいや、「大丈夫」って何だよって。危険なもの食ってるわけじゃないぞ、みたいな(笑)。

西:NGワードです(笑)。家庭でも一緒じゃないですかね。奥さんたちも一生懸命作っても、おいしいともまずいとも何にも言わないで、ただ食べててもね。「何だよ」って気持ちになりますし、少しくらい反応しろよって(笑)。

石井:僕も一時期、給食センターで作る側にいたので、バランスを考えて提供する側が本当に苦労されてるんだなと思いましたね。給食は残飯を見れば、反応がある程度わかるので、今日は魚が多く返ってきたなーとか。

 気持ち的にはおいしく食べてもらえるように、大きな鍋に材料を入れるときも、野菜は機械で切ったりするので、大きい切れ端も入っちゃうんですけど、それがなるべく入らないようにチェックして取って、できるだけおいしく食べてもらえるように、僕もそういう工夫はしましたけど、でもね、やっぱり戻ってきちゃうと残念だなと思いましたね。

――そういう心遣いが、もっと伝わればいいんですけど。

石井:私はやっぱり給食の時間が短いと思ってます。30分とかそのくらいだったら、低学年の子とか、全然間に合わないと思うんですよ。準備や片づけもあるので。そう考えると、圧倒的に食べる時間が少ないんじゃないかって。みんなかき込んで食べるだけでは話もできないし。

 あとは今日、西さんの話を聞いていて、やっぱり小さい頃からの食生活、食習慣が重要だと思いました。それこそ学校給食って、栄養士さんがよく考えて、バランスが良かったり、量もコントロールされているので、そういうことを学ぶ食育の時間があってもいいんじゃないかと思うんですよね。食べ物は大事なんだということを、小さい頃から知ってほしいなと思います。

鹿島も今、学校に行って食育をすることがありますし、私も県内の小学校を回って、一緒に給食を食べたりもしました。そうやって子どもたちが食べることに興味を持ってもらえたらいいと思うし、それについては、サッカー選手も一役買うことができるんじゃないかと僕は思っています。


<了>




◆日本人が海外の1/10も食べない食材とは? 日本代表料理人・西芳照×石井正忠、食育の最前線(REALSPORTS)


◆茨城の鹿島神宮、コロナ禍終息願い「大助人形」設置(日本経済新聞)






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茨城県鹿嶋市の鹿島神宮は全国に点在する鹿島神社の総本社で、関東最古の神社とされる。武道の神である「武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)」をまつり、防人(さきもり)が道中の無事を祈った「鹿島立ち」の場として知られる。

鹿島則良宮司は「御朱印ブームが示すように若い方の参拝が増えた。神道の作法が伝わりつつあることに新鮮な印象を受けている」と語る。

森には多様な植物があり、鹿園や奥宮、御手洗池(みたらしいけ)など見どころは多い。境内の奥の要石(かなめいし)は地震を起こすナマズの頭を押さえているといわれる。





新型コロナウイルスで4~5月はバスツアーが影を潜めたが、参拝客は徐々に戻り始めた。祈祷(きとう)の人数を制限したり、お参りする人の間隔を確保したりと感染対策を徹底している。

安全確保のため、9月の「神幸祭(じんこうさい)」はみこしを出さない居祭(いまつり)と呼ぶ祭儀に変更し、関連の「提灯(ちょうちん)まち」は中止する。鹿島宮司は「地域にも痛手。早く落ち着いた世の中になるよう願う」と語る。




そんな思いから6月、「大助(おおすけ)人形」を設置した。10体のわら人形の腰に竹刀を差し、墨で書いた顔を半紙に描いた。鹿島の神が香取の神と東北を平定した際に加勢した兵の姿とされ、疫病などを防ぐとの言い伝えがある。茨城県北部には今も大助人形を飾る風習が残るという。8月18日に取り外して焼き、灰を川に流す予定だ。

「歴史を受け継ぎながら新しいものも採り入れ次世代にバトンを渡したい」(鹿島宮司)。混雑緩和などのため、2014年に祈祷殿や社務所を竣工。20年1月にはお札やお守りを扱う授与所の運用を始めた。





6月には鹿島アントラーズとのコラボで限定1800冊の御朱印帳を販売し、2日で売り切れた。「アントラーズは平成の歴史の一ページ。手を取り合っていきたい」。歴史の重みに加え、時代の変化も感じられる場所だ。

(水戸支局長 竹蓋幸広)


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◇Jリーグ新公式球がお披露目! ボール表面には大胆「キャプテン翼」イラスト(ゲキサカ)






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 Jリーグは25日に行われたJ2第7節から、人気マンガシリーズ『キャプテン翼』の主人公・大空翼らが表面に描かれた公式ボール『TSUBASA PRO』の使用をスタートした。J1リーグでも26日の第7節からお披露目される。

 Jリーグでは今季、アディダス製の公式球『TSUBASA』を使用。当初は6枚の均一パネルがホワイト、ブラック、レッド、ブルーの4色で構成されていたが、『PRO』バージョンではブルーを除いた3色となった。さらにボールの表面には『キャプテン翼』の作者・高橋陽一氏が書き下ろした、大空翼やサッカー少女『楓』のイラストが大胆にプリントされている。

 Jリーグによると『TSUBASA PRO』も『TSUBASA』と同様、オフィシャルエクイップメントパートナーのモルテン社の提供を受けているという。


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◆鹿島ザーゴ監督「サッカーに反する心構え」持論語る(ニッカン)






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鹿島アントラーズのザーゴ監督(51)が25日、FC東京戦の前日練習後、オンライン取材に応じ、理想とするサッカーについて言及した。

リーグ戦6試合を終えて1勝5敗。攻撃的なスタイルの横浜F・マリノスに勝利したのみで、引いた相手を崩しきれない状況が続いている。

これをふまえてザーゴ監督は「ほぼ全チームが、守ってカウンターをするような状況になってくると思う」と話し、続けて「サッカーを愛する者として、それはサッカーに反する心構えだと思う。選手の能力がありながら、守ってカウンター、あるいは相手のミスを待ってゴールに迫るのは、見ていて楽しくない。選手がボールを持ったときの技や駆け引きを見るのが、サッカーを愛する者として一番の醍醐味(だいごみ)だと思う」と持論を述べた。

主導権を握るサッカーを掲げるザーゴ監督らしい言葉だ。指揮官は「他の指導者の批判ではないが、そろそろ指導者は結果だけでなく、サッカーをする、プレーをするところへ考えを変えていかないといけないと思う。カウンター1本で勝ってもうれしいが、見ていて楽しくはない」とも話した。

しかし試合では、ポゼッションで優位に立ちながらも結果が出ない苦しい状況。「チャンスは多いのに決めきれないのが問題。落ち着いて攻撃しないといけない。ファイナルサードでは相手が密集してくるので、判断やプレーのスピードを上げないといけない」とまとめた。






◆アントラーズ得でも鹿嶋市は損?ふるさと納税に迫る(ニッカン)






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鹿島アントラーズが鹿嶋市とタッグを組み、ふるさと納税型のクラウドファンディングに取り組んでいる。締め切りまであと1週間に迫った24日現在、寄付総額は9583万円。達成率95%と、目標の1億円が見えてきている。

プロジェクト達成のための資金調達に使われるクラウドファンディングだが(今回の場合プロジェクトは「経営維持」)、ふるさと納税の要素を組み込むことで、出資者の負担を減らすことに成功している。分かりやすく言えば「税金を使ってアントラーズに募金ができる」という感覚だ。

アントラーズにとっては願ってもない話だが、鹿嶋市としては本来得られたはずの税収が入らず、損をしてしまうのではないか? 詳細に迫った。

◇◇  ◇◇

そもそも、ふるさと納税を活用するアイデアはどこから来たのか。鹿嶋市とアントラーズは、昨年末ごろから「ふるさと納税を使って地域を応援できないか」と議論していたという。

実際に動きだしたのは今年2月。鹿嶋市とアントラーズ、親会社メルカリが、スマートシティ事業の推進などを通じた地域の課題解決を目的とする「地方創生事業に関する包括連携協定」を結んだ。この事業の資金調達手段として、ふるさと納税の活用を検討していたという。そこにコロナ禍が重なり、3月ごろにはアントラーズを支援する方向にかじが切られた。

実際にクラウドファンディングが始まったのは6月。わずか3カ月で目標1億円のビッグプロジェクトが動きだしたように見えるが、アントラーズで本件を担当している齊藤さんは「数カ月で完成させたわけではない。30年積み重ねてきた行政との関係値がある」と話す。

◇◇  ◇◇

海に面する鹿嶋市は、もともと半農半漁の地域。都心からも距離があり、陸の孤島と呼ばれていた。

1960年代になると、茨城県が「30万都市」を目標にこの地域の開発に着手した。アントラーズの母体となった住友金属などの重化学コンビナートを誘致し、臨海工業エリアとして発展させると、首都圏や関西圏から次々に人が移り住んできた。

しかし「新住民」と呼ばれた彼らは、娯楽のない田舎町を物足りなく思い、行政に意見をぶつけていた。一方、開発のため海沿いの土地を提供して内地に引っ越した「旧住民」は、ライフスタイルが激変。彼らもまた、新住民に対する不信感を抱いていた。

そこにJリーグ発足の話が舞い込んだ。地域を活気づけるプロスポーツクラブは、新住民と旧住民、双方が共通して熱狂できる地域の“顔”となりうる存在だった。労働力を確保したい住金にとっても、地域の魅力アップは課題のひとつ。鹿嶋エリアにとって、アントラーズは希望の星だった。

鹿嶋市役所で今回のプロジェクトを担当している茂垣さんは、「官民連携でできあがったチームというのは、鹿嶋市の職員も認識している。上の年代になるほど当時を知っている人がいる」と話す。ふるさと納税型クラウドファンディングの開始にあたり市役所内での反対意見はなく、スムーズに話が進んだという。

◇◇  ◇◇

プロジェクトが立ち上がって以降も、現在に至るまで苦情やクレームは1件もないという。「街のシンボル的な存在で、当たり前のように日常にあったアントラーズが苦しんでいるならば、自分たちの力で支えたい。コロナにも負けてほしくない気持ちがあるんだと思う」と茂垣さん。納税者である地域住民の理解も得ている。

もちろん、鹿嶋市にとっての金銭的なプラスはゼロだ。茂垣さんは「1億円のうち、(クラウドファンディング運営サイトの)Ready forに手数料と事務経費を払った残り全額がアントラーズに行く」といい、齊藤さんも「ポストコロナに向けて地域を元気づける取り組みを考えているが、それが鹿嶋市へのお礼にもなる」と話す。

地域とクラブの深い結びつきが生んだ、ふるさと納税型クラウドファンディング。アントラーズにとっては、この地域とのつながりこそが何にも替え難い財産なのだろう。【杉山理紗】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)


◆鹿島アントラーズクラウドファンディングプロジェクト https://readyfor.jp/projects/antlers_GCF2020


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◆アントラーズ得でも鹿嶋市は損?ふるさと納税に迫る(ニッカン)


◆鹿島のクラファン目標1億円達成、目的はクラブ経営(ニッカン)






【ふるさと納税】☆鹿島アントラーズ練習場で使用の芝生 50平方メートル


鹿島アントラーズが実施しているクラウドファンディングプロジェクトの寄付総額が、25日に目標金額の1億円を突破した。

新型コロナウイルスの影響を受けたクラブ経営の維持が目的で、Jクラブ初のふるさと納税型クラウドファンディング。1万円から1000万円までのコースが用意されており、寄付者は25日時点で1900人を超えている。

6月16日にプロジェクトを開始。期限の7月31日まで、1週間を残しての目標達成となった。最終日まで引き続き寄付は可能だという。

◆ふるさと納税 応援したい自治体に寄付ができる制度。寄付をすると自治体の名産品などを返礼品として受け取ることができる。寄付額のうち2000円を除く金額が、所得税および個人住民税から控除される。年収に応じた控除上限額の範囲内で寄付をすれば、自己負担2000円で地域の名産品を楽しむことができる。鹿島が行っているプロジェクトでは、名産品でなく「VIPヘリコプター観戦プラン」「監督・コーチとのサッカー交流」「スタジアムへのお名前掲載」などがリターン(御礼)に用意されている。




◆鹿島のクラファン目標1億円達成、目的はクラブ経営(ニッカン)


◆【鹿島vsFC東京プレビュー】浮上のきっかけをつかみたい鹿島…FC東京は敵地での勝ち点奪取を狙う(サッカーキング)






鹿島アントラーズ三連覇[本/雑誌] (単行本・ムック) / 茨城新聞社


■鹿島アントラーズ 上位チーム撃破で復活の狼煙を上げられるか


【プラス材料】
 第5節の横浜F・マリノス戦で4得点を奪い、リーグ戦5試合目にして今季初勝利を挙げた。

 前節の湘南ベルマーレ戦はチャンスを作りながらも決定力を欠いて敗れたが、先発したDF杉岡大暉のプレーは光るものがあった。攻撃面ではタイミングの良い前線への参加でパスコースの角度と厚みをもたらし、守備でも強さを出した。

 CKからの1失点は、杉岡が跳ね返せなかったことで生まれたもの。DFであり、勝負を決したプレーでもあったことから決して褒められることはないが、それ以外のプレーはこれまでDF永戸勝也に任せていた左サイドバックの座が安泰ではないことを示すものだった。過密日程を戦っていくうえでのプラス材料であり、今後は勝利に貢献してくれるだろう。

【マイナス材料】
 決定力不足に尽きる。チームの共通理解も進み、チャンスの質も徐々に上がってきた。だが、まだまだシュートの1~2つ手前でミスが発生することが多く、決定機の数の割には放ったシュートがゴールネットを揺らすことが少ない状況が続いている。勝てていない焦りと得点を取れない不安から悪循環を招きかねない。

 今節の相手は守備が堅いFC東京。チャンスをしっかり仕留めないと勝てない相手である。MF永木亮太は「ミスしてからカウンター攻撃を受ける」とボールの失い方に注文をつけており、安定した戦いができるようになるためには課題を残す。

 昨季2位のFC東京を相手に、浮上への自信ときっかけをつかめるか。

文:totoONE編集部


■FC東京 攻撃の軸・レアンドロの不在が響かなければいいが


【プラス材料】
 ミッドウィークに行われた前節・北海道コンサドーレ札幌戦は「なかなかテンポが上がらない展開(長谷川健太監督)」の中、先制を許したが、69分に一気に3選手を投入。これにより流れを変え、途中出場のDF室屋成が88分にゴールを挙げて、かろうじて引き分けに持ち込んだ。長谷川監督は「試合内容を考えれば、アウェイでの勝ち点1を“良し”としたい」と結果にこだわる姿勢を強調。リーグ戦再開後の5試合で勝ち点10を積み上げていることは明るい材料だ。

 また、連戦を考慮して前節はDFジョアン・オマリが加入後初先発。FW原大智もJ1初出場を果たし、それぞれが持ち味を発揮した。守備の要であるDF森重真人を休ませ、コンディションを整えさせることができたのも今節に向けたプラスと言えるだろう。

【マイナス材料】
 前節の札幌戦は中盤3枚のシステムで臨んだものの、MF髙萩洋次郎が「相手の攻撃に引っ張られて、後ろ(ディフェンス)が重くなってしまった」と省みるように、FC東京らしいボールを奪うアグレッシブさ、攻撃に転じるスピード感を出せなかった。海外移籍したMF橋本拳人の不在は簡単には埋められず、明らかなマイナス材料だ。

 また、FW田川亨介の離脱に加え、札幌戦ではMF東慶悟が足を負傷。さらに今節は、鹿島アントラーズからの期限付き移籍で加入しているMFレアンドロが契約の都合により出場できない。まさにギリギリの戦力で臨むことになる。

 先発メンバーやシステムも流動的。MF紺野和也や原をサイドに配する4-4-2の可能性も考えられるが、バックアップメンバーの突き上げという点ではまだまだ物足りなさが残る。そのため、前節のようなポジティブな交代策は望めないだろう。

文:totoONE編集部






◆【鹿島 vs FC東京】得点力不足だからこそ見せてもらいたい伊藤翔の決定力(J's GOAL)



伊藤翔 Sho.Ito


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練習のなかで最もゴールを決めるのは、いつの練習でも伊藤翔だ。見ているものの目を奪う豪快な一撃では上田綺世やエヴェラウドに、その席を譲るものの、簡単なゴールを簡単に決める回数では群を抜く。また、適確にゴールの隅を射貫くミドルシュートの精度でも、伊藤にかなう選手は少ないだろう。

ここ2試合で先発し、横浜FM戦では2得点した上田綺世が負傷によって戦線を離脱。反転シュートを放った際、ブロックしようとした相手選手のスパイクが当たってしまい、右足関節挫創で全治1ヶ月の裂傷を負った。FC東京戦から欠場することとなり、伊藤にかかる期待は大きい。
「もちろん綺世の怪我は非常に残念ですし、流れに乗ってこのままいけるんじゃないかというときの負傷だったので、本人も悔しいでしょうけど、その悔しい気持ちを汲んでやっていかないといけない」
ただ、上田はチームメイトでもあるが、同じポジションのライバルでもある。センターFWは1人しか出られないため、上田の欠場は伊藤にとってはチャンス。「自分も結果を残さないといけない」と表情を引き締めた。

とはいえ、自分のことだけ考えていればいい状況でもない。勝てないチームを好転させるため、いままでの経験をもとに冷静にチーム全体を見つめている。
「こうなったらこの一連のプレーが成功という風に、全員が共通理解できればいい。そこの着地点が各自でフワフワしてるとやっぱりうまくいかない。もう少し型に当てはめてもいいし、選手同士の話し合いも必要かもしれない」
24日で32歳となった。曽ヶ端準やクォン スンテ、レオ シルバらに次ぐベテランとしてやるべきことはわかっている。ピッチの上には、虎視眈々とゴールをうかがう伊藤の姿があるはずだ。


文:田中滋(鹿島担当)


明治安田生命J1リーグ 第7節
7月26日(日)18:30KO カシマ
鹿島アントラーズ vs FC東京


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◆開幕6戦でまさかの5敗…17位に沈む鹿島に救世主は現われるのか(サッカーダイジェスト)






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 チャンスは作っている。だが、思うようにゴールに結びついていない。

 ザーゴ新監督の下、新たな戦術に取り組む鹿島アントラーズが極端な決定力不足に悩んでいる。Jリーグの公式記録に基づくと、6節が終わった時点で、75本のシュートを放ちながら4得点。相手のオウンゴールを含めて、ここまで5得点にすぎないのだ。

 開幕のサンフレッチェ広島戦では、立ち上がり早々に新外国籍選手であるファン・アラーノのシュートが右ポストを叩いた。中断明けの川崎フロンターレ戦では、途中出場ながらJデビューとなった高卒ルーキーの染野唯月のシュートがクロスバーを直撃した。同じく川崎戦で、もうひとりの新外国籍選手であるエヴェラウドが、内田篤人からの右クロスに空振りするような形になってしまい、チャンスをふいにした。

 75本のうち、相手GKの好守に阻まれたシュートもあれば、決まってもおかしくないシュートもあった。だが、勝負の世界で“たら、れば”はご法度だ。現実に起こったことがすべて。“ないものねだり”をしても始まらない。兎にも角にもゴールという成果を上げて、この苦境から一刻も早く脱したいところだろう。

 ザーゴ監督は強気の姿勢を崩さず、こう言い続けていた。

「自分たちが目指しているサッカーに間違いはない。ゴールを決めるために必要なトレーニングも重ねている。ビッグクラブである鹿島にとって好ましい状況ではないが、自分たちの努力によって改善していくしかいない」

 継続は力なり。いや、継続こそ力なり。ボールを握って攻めきるサッカーというチームコンセプトを浸透させるべく、日々、邁進している。

 シーズン開幕当初は、どこかおぼつかなかった“ボールを握る力”も、今ではかなり改善されてきた。低い位置からパスをつなぎ、サイドチェンジを織り交ぜながら、最終局面に入っていくシーンは着実に増えている。

 ボールを握っているのか、握らされているのか。

 試合展開によって、また時間帯やスコアによって、その印象は異なるが、何はともあれ、最大の課題はポゼッションの先にあるのだろう。相手が後手に回るような崩しがあまり見られず、サイドからのクロスにしても守備組織がすでに整っているところに蹴り込む形が少なくない。アタッキングサードでの手詰まり感は否めない。





 こうした停滞ムードを一掃し、決定力アップの起爆剤となり得る存在の出現が待たれている。

 その有力候補がFWの上田綺世だった。2019年の途中、法政大3年時に1年半ほど前倒しする形で鹿島入り。同年7月31日の浦和戦でJデビューを飾り、8月10日の横浜戦ではJ初ゴールを決めている。

 年が改まって、タイで行われたU-23アジア選手権に参加。そこで負傷して、鹿島でのチーム合流が遅れてしまったが、中断明けから公式戦での出場機会を増やし、第5節の横浜戦で今季初スタメンを果たした。

 そこで2得点を挙げて、チームの勝利に貢献。公式戦での連敗を6で食い止めた。

「ゴールに絡んでいくのが僕の仕事。空中戦だったり、スペースへの動き出しだったり、もちろんシュートだったり、そういう自分のストロングポイントを濁してはいけないと思っている」

 点取り屋としての心意気を冷静に語る上田は、自身のプレースタイルについても次のように客観視する。

「僕はひとりでドリブル突破していくようなタイプじゃない。チームみんなで運んできたボールを、最後にゴール前で仕留める。味方に生かしてもらってこそのFWだと思うので、自分が(パスを)ほしいタイミングと状況、味方が(パスを)出したいタイミングと状況。ここを日ごろの練習からすり合わせるようにしている」

 横浜戦に続く6節の湘南戦もスタメン出場し、2試合連続ゴールの期待が膨らんだ。ところが、“さあ、これから”というときに負傷してしまう。60分、守備ラインの背後に抜け出し、ボールを受け、シュートに持ち込んだ際、相手選手と交錯し、右足関節挫創。治療期間が約1か月との診断を受けた。

 巻き返しのキーマンであるFWの上田の離脱は、チームにとって痛手にほかならない。Jリーグ6節を終えた時点で、17位に甘んじている鹿島。浮上のきっかけを作り、チームに活力をもたらす“救世主”は一体だれになるのか、今後の大きな関心事でもあるだろう。

取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)


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