◆ナビスコ杯 ▽予選リーグ第3節B組 山形3─3名古屋(8日・NDソフトスタジアム山形)
モンテディオ山形が名古屋相手に、執念でドローに持ち込んだ。常に先行されながらも、前半40分と後半11分にDF當間建文(26)のヘッドで2度追いつく展開。後半18分にまたも突き放されたが、ロスタイムにFW萬代宏樹(29)が同点ヘッドを決め、過去J1(リーグ戦)通算1分け5敗の“天敵”から勝ち点1をものにした。ベガルタ仙台はホームで神戸と対戦。DF二見宏志(23)とDF上本大海(32)が今季公式戦初先発したが、スコアレスドローに終わった。
J1初ゴールを妻にささげた。0―1の前半40分のCK。DF當間建文が名古屋のDFダニルソンのマークを外し、中央のスペースに走り込んだ。「いいボールが来たので、当てるだけだった」とDF石川からのクロスを頭で合わせ、ねじ込んだ。山形は、名古屋戦での得点は2010年5月1日(1●3)の1得点のみ。難敵相手に5年ぶりにゴールをこじ開けた。
直後、當間はうなだれる相手を尻目に、左手薬指に口づけ。「そんなのしてないですよ」と照れながらも、「いつもご飯とか気を使ってもらっているんで。感謝してます」。昨年10月5日に結婚した妻へのゴールだった。
勢いに乗った當間がしぶとさを見せた。1―1で折り返した後半4分に失点した後の、同11分だ。今度はMF宮阪からのFKに再び頭で合わせた。自身初の1試合2得点で、2度ゲームを振り出しに戻した。「もともとサッカーのセンスがある訳じゃない。粘りで勝負してきた」と積極的にゴールを狙い、2本のシュートで挙げた2得点だった。
しかし、勝利にはつながらなかった。後半18分に3失点目を献上。同ロスタイムにFW萬代のヘッドで同点にしたが、一度も勝ち越せぬままドロー。名古屋には、公式戦2分け5敗とした。「FWが点を取って、DFがゼロに抑えるのが理想。失点したことを反省したい。勝ちたかったのが一番の本音」と當間。次戦のリーグ・鳥栖戦(12日、ベアスタ)の勝利につなげる。(武田 泉)