日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年11月27日水曜日

◆試合前日から醸成されていた「アントラーズらしい」一体感。前橋育英と激闘を繰り広げた鹿島ユースはプレミアEAST戴冠に一歩近づく劇的勝利!(ゲキサカ)






MF大貫琉偉(1年)「自分が一番恩返ししたいと思っているのは3年生で、1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスで3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」


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◆試合前日から醸成されていた「アントラーズらしい」一体感。前橋育英と激闘を繰り広げた鹿島ユースはプレミアEAST戴冠に一歩近づく劇的勝利!(ゲキサカ)







[11.24 プレミアリーグEAST第20節 鹿島ユース 2-1 前橋育英高 鹿島アントラーズ クラブハウスグラウンド]

 勝利への飽くなき執念。諦めない気持ちが呼び込む勝負強さ。それを後押しする会場の雰囲気。終盤に挙げた決勝点には、きっとこのクラブが長い時間を掛けて積み上げてきたものが、過不足なく滲んでいたのではないだろうか。

「今日はよく『アントラーズらしい』と言われてきたような勝ち方だったと思うんですけど、これはやろうと思ってできることでもないので、ボールへの執着心とか、ゴールに向かっていく姿勢とか、最後まで諦めないところとか、最後のところはそういう1年間の積み重ねが出たのだと思いますし、こういう試合を勝ち切れたのはやっぱり彼らが素晴らしかったと思います」(鹿島アントラーズユース・柳沢敦監督)

 首位攻防戦を逞しく制して、クラハに響き渡った歓喜の歌声。24日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST第20節で、勝点35で首位の鹿島アントラーズユース(茨城)と勝点32で5位の前橋育英高(群馬)が激突した一戦は、1-1で迎えた後半41分にFW吉田湊海(1年)のゴールで勝ち越した鹿島ユースが2-1で逃げ切り、貴重な白星を手繰り寄せている。


 試合は開始早々に動く。前半2分。鹿島ユースは左サイドでFKを獲得すると、MF大貫琉偉(1年)は短く蹴り出し、MF福岡勇和(1年)のリターンを受けて中央へ。そのこぼれ球にいち早く反応したMF中川天蒼(2年)がプッシュしたボールは、ゴールネットへ到達する。電光石火の先制劇。ホームチームがいきなりリードを強奪する。

 19分も鹿島ユースにチャンス。MF小笠原聖真(3年)を起点に、中川の右クロスにDF佐藤海宏(3年)がヘディングで合わせるも、軌道は枠の左へ外れると、以降は「相手は技術の高い選手が多い中で、細かいボール回しに苦戦して、ズルズル下がってしまうシーンが多かったですね」と佐藤海宏が振り返ったように、プレミアと高校選手権予選を合わせて公式戦7連勝中と勢いに乗る前橋育英は、ドイスボランチを組むMF石井陽(3年)の配球とMF柴野快仁(2年)の持ち出す推進力を軸に、少しずつ攻撃のリズムを生み出していく。

 30分はアウェイチームにビッグチャンス。前線でよくボールを収めていたFW佐藤耕太(3年)がここも基点を作り、FWオノノジュ慶吏(3年)の関わりからこぼれたボールをMF平林尊琉(2年)が枠内シュート。ここは鹿島ユースGK岸野瑛太(3年)がファインセーブで凌いだものの、あわやというシーンを創出すると、38分にもオノノジュ、DF瀧口眞大(2年)とパスが回り、佐藤耕太のフィニッシュはわずかにゴール右へ。前橋育英が押し返した前半は、1-0のままで45分間が終了した。

 リードこそしているものの、やや守備の時間が長くなっていった鹿島ユース。「早い段階で点は入りましたけど、まだ時間も全然あるので向こうも余裕がありますし、そういう流れを考えてもハーフタイムには『1点リードしたというよりは、0-0の気持ちでもう1回前から行け』とは言いましたね」と話した柳沢監督は、後半開始からベンチスタートだった吉田を投入。もう一度全体のねじを巻き直す。

 それでも後半の攻勢も前橋育英。6分には柴野が右へ振り分け、オノノジュのシュートは岸野が丁寧にキャッチ。14分にはMF黒沢佑晟(3年)とのワンツーで右サイドを抜け出したオノノジュのクロスに、ニアで合わせた佐藤耕太のシュートはわずかに枠の左へ。「ハーフタイムにみんなで『もっとスイッチを入れよう』と話していました」とはセンターバックのDF鈴木陽(3年)。アウェイチームもアクセルを踏み込み直す。

 22分は前橋育英にセットプレーのチャンス。右サイドでCKを手にすると、石井がストレートに蹴り込んだ軌道へ、飛び込んだDF久保遥夢(2年)が高い打点のヘディングで叩いたボールは、力強くゴールネットを揺らす。公式戦8連勝を目指すタイガー軍団の咆哮。1-1。スコアは振り出しに引き戻された。

 25分。前橋育英に決定機。平林のラストパスにオノノジュがフリーで抜け出すも、枠内シュートは岸野がビッグセーブで応酬。「失点した後もチームにあまり慌てる感じはなくて、『点は獲れるな』と思っていました」(大貫)。守護神の大仕事が、鹿島ユースに再び勇気の灯をともす。

 41分。鹿島ユースは右サイドでFKを獲得する。キッカーは大貫。「(大川)佑梧が蹴る前に来てくれて、『相手は高さがないから中央に上げて』と言われたので、ピンポイントというよりは、中央のスペースを狙って、『あとは誰か来てくれ』という感じで蹴りました」。鋭い軌道の落下点に、40番のストライカーが潜り込む。

「『自分のところに来たらヘディングしてやろう』という想いはあって、ボールはマイナス気味に来たんですけど、そこからうまくひねって合わせられたので良かったです」。自らの頭で合わせたボールが右スミのゴールネットへ吸い込まれたのを見届けると、吉田はスタンドに向かって走り出す。

「自分自身が生きている中で、あの瞬間が一番楽しいし、嬉しいし、本当に生きがいという感じです」(吉田)。土壇場で叩き込んだエースの決勝点で勝負あり。「今日みたいな拮抗した試合が多い中で、多くの人が応援に来てくれたことが本当に力になっていますし、それがモチベーションにも繋がっているので、こういう雰囲気に助けられて、自分たちも勝負強さを見せられているのかなと思います」と佐藤海宏も口にした鹿島ユースが2-1でシビアなゲームを勝ち切って、勝点3を積み上げる結果となった。

 前橋育英戦の前日のこと。鹿島ユースの大半の選手たちは、IFA(茨城県)リーグ1部の試合会場に顔を揃えていた。リーグの優勝争いを演じているBチームの選手たちを応援するため、翌日にプレミアの試合を控えているAチームの選手たちも朝7時半に集合して、バス移動でアウェイのグラウンドへと詰めかけたのだ。

「やっぱり『プレミアに出ているから自分たちが上だ』というような考えではなくて、チーム全体としてプレミアもIFAも戦ってきたことを強調したいですし、みんなで進んでいくというマインドでやっていきたいですからね」とは柳沢監督。1年生の大貫も「普段から自分たちも応援されている立場でもありますし、自分は結構応援するのも好きなので、楽しく応援していますね。それがチームということだと思います」と言及している。
 
 IFAリーグの試合後は再びいつものグラウンドへと帰ってきて、Aチームは夕方の4時過ぎから練習開始。Bチームは90分間を戦ったばかりの選手を含めて、その練習のサポートをこなしていたという。

 その流れはこの日も同じだった。プレミアの大一番を応援していたBチームの選手たちは、試合後に自分たちのトレーニングへ取り組む。Aチームの選手たちは会場の撤収作業を終えた者から練習場へとやってきて、サポートに回る。3年生の小笠原と1年生の福岡が笑顔を浮かべつつ、2人で同じテントを片付けている姿も微笑ましい。

「そういう部分も含めてチームだということはヤナさん(柳沢監督)から強調して言われているので、自分もそういうことを意識していますね」とは佐藤海宏。Bチームのトレーニングが終わると、先ほどの試合で先制点を決めた中川がボールを集め、決勝点を挙げた吉田がそのボールが入ったネットを担いでいく。そんなちょっとした一コマに、このチームが1年間を掛けて築き上げてきた一体感が垣間見えた。

 勝点で並んでいた横浜FCユースが今節のゲームで敗れたため、次節でプレミアリーグEAST制覇が決まる可能性も出てきた中で、大貫は改めてタイトル獲得へのモチベーションをこう語る。

「自分が一番恩返ししたいと思っているのは3年生で、1,2年生が多く試合に出ている中でも、3年生が凄くサポートしてくれているからこそ、自分たちもこうやって思い切りやれているので、3年生には絶対に優勝して鹿島のユースから巣立ってほしいですし、残りマックスで3試合を全部勝てるように、3年生のために全力で戦います」。

 キャプテンの佐藤海宏が口にした言葉も印象深い。「3年生にとっては残り2試合になるか、3試合になるかというところで、最後に優勝にプラスしてファイナルで勝つところまで持っていきたいと思いますし、その中で3年生が後輩たちに何を残せるかが大事になってくると思うので、普段の練習でも、練習以外の姿勢のところでも、何か後輩たちの心に残るものがあればいいなと思います」。

 勝利への飽くなき執念。諦めない気持ちが呼び込む勝負強さ。それを後押しする会場の雰囲気。そして、みんながみんなを思いやる一体感。すべてを結集して掴んだこの日の1勝の意味は小さくない。いよいよ戴冠目前。2024年の鹿島ユースは、間違いなく強い。

(取材・文 土屋雅史)

◆【蹴トピ】24年森保Jで飛躍した3人 航基、彩艶、町田の活躍に迫る(スポニチ)







【町田 最終予選唯一のフル出場】
 6月から3バックの左を主戦場にしているDF町田はフィールド選手では唯一の最終予選6戦フル出場。1メートル90の長身を武器に空中戦勝利が最多の50勝、勝率も75%と高く、エアバトルを制した。


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◆【蹴トピ】24年森保Jで飛躍した3人 航基、彩艶、町田の活躍に迫る(スポニチ)







 森保ジャパンは8大会連続8度目のW杯出場に王手をかけ、一年を締めくくった。24年の日本代表で起用された選手は計43人。今回は「データスタジアム」各種個人通算スタッツで飛躍を遂げた3人に焦点を当てる。 (記録課・海鋒 宏樹)

【小川 空中戦無類の強さ誇る】
 今年は全試合アジア勢との対戦で、得点は97年以来の年間50得点に到達。没収試合を除く15試合全てで得点を挙げ、22年W杯スペイン戦から続く連続試合得点は歴代最多の27試合まで伸ばしている。得点ランク3位で6得点のFW小川は、出場時間がともに7得点の上田(808分)と南野(805分)の半分以下となる312分ながら、少ないチャンスをものにして結果を残した。6得点全てワンタッチゴールでうち5得点が頭。敵陣の空中戦勝率は上田の46%を上回る71%と強さを誇り、ゴールを量産した。上田不在の11月シリーズは2試合に先発し、年内最終戦の19日の中国戦では2得点を挙げ勝利に貢献。A代表デビューから9試合で9得点は、釜本邦茂ら4選手の8得点を塗り替える新記録となった。

【彩艶 歴代2位タイの4完封】
 GK鈴木も今年の森保ジャパンで大きく成長を遂げた一人だ。24年の最終予選全6試合にフル出場し、14年W杯同予選で川島がマークした歴代2位の4完封に並ぶなど正守護神に定着。起用された他のGK3人は短い出場時間で枠内シュートを打たれておらず、セーブは0。鈴木は最多の13試合に出場し16セーブ、セーブ率62%の成績を残した。また、ペナルティーエリア外からの被枠内シュートは7セーブで無失点。森保ジャパン通算でも同エリア5セーブ以上の歴代GKの中で唯一の失点0だ。

【町田 最終予選唯一のフル出場】
 6月から3バックの左を主戦場にしているDF町田はフィールド選手では唯一の最終予選6戦フル出場。1メートル90の長身を武器に空中戦勝利が最多の50勝、勝率も75%と高く、エアバトルを制した。足元の技術も兼ね備え、攻撃のスイッチを入れる縦パスを多く供給、アタッキングサード(ピッチを3分割した最も敵陣側)へのパスはDF最多の138本を成功させた。主要メンバーは固定化されつつあるが、3月初戦で突破を決めれば、新たなメンバーを試す機会は増えそうだ。今後は新戦力発掘とさらなるチームの底上げが期待される。

《上田は7得点で2年連続最多》
 最多7得点を挙げたのがFW上田とMF南野の2人。上田は昨季に続く7得点で2年連続最多とエースの活躍を見せた。

 6アシストでトップのMF伊東はクロスも2位以下を大きく離す40本。6アシスト中、2アシストがクロスで直近19日の中国戦でもピンポイントクロスで小川の得点をお膳立てした。

 ドリブル(仕掛け)最多は伊東とMF中村のSランスコンビで19回。中村は10月のオーストラリア戦で20分の出場時間ながらドリブル3回全て成功、後半31分には縦の突破からの折り返しで、同点オウンゴールを誘発している。

 MF久保はスルーパス38本、ラストパス24本でトップ。セットプレーのキッカーも務め、CKからのラストパスが9本、うち2本がアシストとなった。9月のバーレーン戦では自陣センターサークル内でボールをキープすると、相手のゴール前へグラウンダーのロングスルーパスを中村に通した。

 中盤の底から攻守で輝きを放ったMF守田は、こぼれ球奪取が最多の44回、守備の指標となるCBI(クリア、ブロック、インターセプトの合計)も32回で5位と安定したプレーを見せた。広い視野で周りの状況を把握し、ゲームの組み立てや攻撃にも参加。得点4、シュート16、ラストパス12と攻撃項目でも高い成績を残した。

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