日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年2月28日水曜日

◆引退した鈴木隆行が、指導者キャリアを 町クラブの子供から始めるわけ(Sportiva)




【鈴木隆行が語るW杯とこの先 前編】

 東京・清瀬VALIANT(バリアント)の練習場では、元日本代表FWの鈴木隆行が、町クラブに所属する13歳以下の子供たちと一緒に汗を流す姿が日常の光景となっている。

 鈴木は、日本代表として55キャップを経験。鹿島アントラーズをはじめ世界中のクラブを渡り歩き、ベルギーのゲンクに所属していた2002年にはチャンピオンズリーグ(CL)への出場も果たすなど、39歳まで現役生活を続けた。2018年1月13日に行なわれた引退試合には、中村俊輔、小笠原満男、藤田俊哉、中山雅史、名波浩など、往年の名手たちが駆けつけた。

 東京都・清瀬市で指導者としてのキャリアをスタートさせた鈴木は、「『人に教えるのってこんなに難しいんだ』と、毎日四苦八苦してますよ」と笑う。指導者としてどんなビジョンを描いているのか。かつての”孤高の点取り屋”に直撃した。

――まずは現役生活、お疲れさまでした。1月には引退試合も行なわれましたが、現在の率直な心境を教えてください。

「2年前に実質的に引退してから、清瀬VALIANTさんでコーチとしてお世話になり、指導者としての勉強をしたりとバタバタしてましたね。引退試合も本当はもう少し早くやりたかったんですが、スケジュールの都合などで、なかなか実現できなかったんです。ケーズデンキスタジアム(引退試合の会場)には、たくさんの選手、ファンの方が集まってくれて、非常に感慨深いものがありました。今は、指導者としての勉強をしている最中です。A級ライセンスを取得し、今年中にはS級ライセンスを取得する見込みです」

――正直、鈴木さんが指導者としてキャリアを積んでいることは少し意外でした。

「自分でも指導者を目指すなんて微塵も考えていませんでした。それが、30歳を超えていろんな国でプレーし、たくさんの方と話す機会を得られて、『自分が何をしたいか』と考える時間が増えた。その結果、『サッカーしかない。自分の経験を生かさないともったいない』と考えが変わったんです。サッカーの他に心から好きだと言えるものがなかったので、これからの人生でもサッカーに関わっていきたい、と。それで、ジェフ時代から空いた時間に子供たちに教えたりするようになったんです」

――指導者として直面した問題はありますか?

「それはもう問題だらけで。本当に人に教えるのって難しい。今はU-13までの子供たちをメインにコーチしていますが、まず説明するスキルが足りないことを痛感しています。子供たちが理解するには、どんな言葉で、どのように伝えるのがいいのか。そういった部分から日々勉強してます」

――なぜ指導者としてのキャリアを町クラブからスタートさせたんですか?

「指導者を志してから、Jリーグから海外まで、あらゆるカテゴリーでコーチとして活躍している方々と会い、話を聞いたんです。そこで先輩方に、『絶対にジュニア世代の現場から始めたほうがいい』と言われて。僕自身も現場で、イチから積み重ねていきたいと考えていたので、子供たちとじっくり向き合える環境を選びたかった。そんな中、清瀬さんからオファーをいただいたんです」


――2017年には町クラブ選抜を率いて、バルセロナ、マンチェスター・シティのユースチームと対戦していますね。

「今の子供たちって、僕の子供の頃に比べて技術がとても高いんです。『この子、センスがあるなー』と、感心する子もたくさんいる。それこそ、バルサやシティと比べても遜色ないくらい。

 差があるとすれば、気持ちの部分ですね。戦う気持ちや、覚悟の重さ。この点は、僕も海外に出て感じた差で、それは子供たちの年齢でも表れます。ちょっとした接触プレーひとつをとっても、将来的には大きな差となる。でも、気持ちの部分はすぐにでも変えられるんですよ。だから僕は、少しでも早く指導者の道に飛び込んで、そういった経験を伝えるための準備だけはしておこう、と」

――鈴木さんはW杯、CL、アメリカなど様々な舞台でプレーしてきました。指導者として、この経験がどう生かせると考えていますか?

「自分は本当に下手くそで、プロ入り後も6年間はほとんど試合に出られなかった。一線級の指導者の方って、やはり選手としてもエリートの方が多いと思うんです。個人的には、選手目線で接することができるという点から、指導者は選手経験者がいいと考えています。その中でも僕は、選手としてうまくいってない時期がほとんどで、苦しい経験を積んできたという自負がある。だからこそ、悩んでいる選手に同じような視点で接することができる。こういう考えは、実はとても大切だと思っています」

――指導者として目指すサッカー像は固まってきましたか?

「そうですね、7割くらいは。今はそれをどのように落とし込んで、どういう伝え方をしていくのがいいか、模索しています」

――具体的なイメージは?

「しっかり守って、速い攻めができるチーム。そして、確率が高い攻撃をするチームを作り上げたいと思っています。今はデータを取ったり、細かい分析をしたりといったことが簡単にできるので、選手に納得してもらうことが昔より簡単になっている。僕の現役時代は、あまりそういう概念がなくて、”なんとなく”の部分もけっこうあったんですが(笑)」

――選手として影響を受けた監督はいますか?

「ひとり挙げるなら(フィリップ・)トルシエですね。フラット3の導入や守備戦術を含め、あれだけ論理的に話せる監督はトルシエが初めてでしから。シミュレーションや、分析にも長けた監督でしたね」

――現在、監督として目標としている指導者がいれば教えてください。

「(ジュビロ磐田を指揮する)名波浩さんです。現役時代から『すごく論理的で頭がいい方だな』と尊敬していました。監督としても非常に質の高いサッカーを展開されているので、すごいなと素直に思います。今のジュビロは、ダイナミックで楽しいサッカーで結果も残している。名波さんのサッカーは、確率や効率がすごく研究されている。これは、僕が目指す監督像にも重なる部分が大きいです」

――今後、どのようなキャリアを思い描いていますか?

「まずは経験を積むこと。その後は段階的にプロチームで指導ができたらと考えています。カテゴリーや国は一切問いませんが、プロの指導者として覚悟を持ってできる環境で、自分を鍛えたいという思いがある。

 実は、アメリカのポートランド・ティンバーズに所属している際、コーチ入閣のお誘いをいただいたんです。異国の地で、外国人である自分に声をかけてもらって、すごく気持ちが揺れました。結果的には帰国することを選んだんですが、将来的に海外に出ていきたいという思いは強いですね。今年で42歳になるので、45歳までには監督にならないと遅い。まずは国内でしっかりと経験と結果を残し、海外で勝負できる監督を目指していきたいです」

(後編に続く)


引退した鈴木隆行が、指導者キャリアを町クラブの子供から始めるわけ



◆【オヤジのためのサッカー塾】鹿島FW・金崎は胸トラップの瞬間、先の先までイメージできている!(zakzak)






 今季からJ1鹿島の10番を付ける日本代表FW金崎夢生(29)。鹿島の10番といえばジーコ、レオナルド、ビスマルクらそうそうたる顔ぶれが付けてきましたが、日本人で鹿島生え抜き以外の選手が付けるのは、大分、名古屋に在籍したことのある金崎が初めてだそうです。

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)1次リーグ、アウェーの水原戦(21日)の2ゴールは、10番にふさわしいものでした。個人的には1点目が気に入っています。前半8分、左サイドのFW鈴木が起点となり、MF遠藤にわたり、その左足から放れたワンタッチの浮き球を、金崎は包み込むようなソフトな胸トラップで自分の右足に落とし、インサイドでゴールに押し込みました。

 僕も現役時代に経験がありますが、金崎は胸トラップする瞬間、次の次の動きまではっきりイメージできて、ボールはスローモーションのようにゆっくり見えただろうと思います。それほど理詰めのプレーでした。

 金崎は日本代表のハリルホジッチ監督が好む「ガツガツ系」のFW。今年の鹿島はチーム内のレギュラー争いも大変ですが、W杯でメンバー入りするためにもこれから正念場です。

 ■水沼貴史(みずぬま・たかし) サッカー解説者。1960年5月28日、埼玉県生まれ。FWとして日産の黄金時代を築く。日本代表として32試合に出場、7得点。95年横浜マリノスの前期優勝後に現役引退。2006年には横浜Fマリノスのコーチ、同監督も務めた。


【オヤジのためのサッカー塾】鹿島FW・金崎は胸トラップの瞬間、先の先までイメージできている!





◆大迫勇也、地元紙で“ケルン愛”を強調…ライバル都市に引っ越した理由を告白(GOAL)




2014年夏にケルンに加わった大迫。すっかり馴染んでいる様子をうかがわせている。

日本代表FW大迫勇也は、2部降格の危機が迫るケルンに来季も残る可能性があるようだ。地元紙の『エクスプレス』に対し、ケルンへの愛着を強調した。

2014年1月に1860ミュンヘンに加わり、その半年後にはケルンへの移籍を果たした大迫はドイツの地での生活は5年目に入ったところ。『エクスプレス』によると今回のインタビューではドイツ語の質問は通訳を介しなくても理解できている様子で、受け答えも「ドイツ語をたくさん使い、上手かった」という。

そんな大迫だが、昨年5月に家族とともにケルンと古くからライバル関係にある同じラインランド地方のデュッセルドルフの街に引っ越していたことが明かされている。ケルンのサポーターにとって、応援するクラブの選手がライバル都市に住居を置くのはなかなか受け入れ難いことだが、本人はこのように話している。

「ケルンとデュッセルドルフの間のライバル関係については知っています。日本でも東京と大阪との関係に似ているかもしれません。実際、僕はケルンに住みたいのですが、家族のことを考えると、娘が日本人幼稚園に通える事情があるので。デュッセルドルフには日本人がたくさん住んでいますし。ただ、娘が大きくなったらケルンに戻るかもしれません」

さらに記者が「デュッセルドルフの何が気に入っていますか?」と問われた大迫はこう返した。

「それはずるい質問ですね。デュッセルドルフには確かにいい街だと思いますが、正直に言わせてもらいます。個人的にはケルンの方がお気に入りです。ケルンの選手として話しかけられたりするか? それは滅多にないです。稀に日本人に話しかけられる程度かな。普通に生活しているだけで、ケルンの選手だからと言って、デュッセルドルフで嫌な目に遭うことはないですね」

では最下位に沈むケルンだが、2部降格となった場合、同クラブに残るのだろうか。逆転勝利を収めた25日のRBライプツィヒ戦(2-1)の前にインタビューに応じた大迫はこう返している。

「今のところケルンでの戦いに集中していて、来シーズン以降についてはまだ考えていません。まだ試合もたくさん残っていますし。それについて考えるのは、今季がすべて終わってからです」

1860ミュンヘンに所属していた半年間でブンデスリーガ2部を経験している大迫だが、「ケルンが2部に降格したらすぐに出ていくのでしょうか?」との質問に対し、「いいえ!僕はケルンでの4年間をとても大切に思っていますし、ここは居心地良いので」と返答し、ケルンがたとえ降格しても残留する可能性を示唆している。

大迫勇也、地元紙で“ケルン愛”を強調…ライバル都市に引っ越した理由を告白



◆ケルンの大迫勇也、W杯メンバー入りは「自分次第」…去就にも言及(サッカーキング)






 ケルンに所属する日本代表FW大迫勇也がケルンの地元紙『エクスプレス』のインタビューに応じ、自身の去就やワールドカップ本大会に臨む日本代表でのポジション争いについて言及した。25日付の同紙が伝えている。

 年明けのブンデスリーガ再開後、3勝2分け2敗という成績を収めているケルン。持ち直しつつあるものの、開幕から15戦勝ちなしと深刻な不振に陥っていた影響で、依然として最下位に沈んでいる。2部降格も十分にあり得る状況となっている。

 大迫は「まだ10試合残っているし、ケルンが来シーズンはどのリーグで戦うのかが決まってから考えます」として、現段階で自身の去就が白紙であることを強調したが、同時に「このクラブに4年間在籍していることは自分にとって大きな意味があるし、気分良くプレーできている」とクラブへの愛着を語り、仮にケルンが2部に降格した場合でも残留を決断する可能性を示唆した。

 また、「ケルンの不振が日本代表での定位置争いにも悪影響を与えているのではないか」との質問に対して大迫は「もちろん、今の状況は自分にとって簡単ではないです。ただ、代表監督からは『ケルンの順位だけではなく、君の個人的なパフォーマンスについてもしっかりと見る』と言われています。だからケルンで良いプレーを続けていれば、ワールドカップのメンバーにも選ばれると思うし、どうなるかは自分次第です」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督とのやり取りを紹介し、リーグ戦残り10試合でのプレーが2018 FIFAワールドカップ ロシアに臨む日本代表への招集に向けて非常に重要なアピールの場であることを明かした。

(記事/Footmedia)


ケルンの大迫勇也、W杯メンバー入りは「自分次第」…去就にも言及




◆内田篤人の復帰でタイトル奪還に漲る鹿島──期待と不安が入り交じる“選手の伸びしろ”とは?(週プレNEWS)



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サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第35回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、昨シーズン惜しくもリーグ優勝を逃し、今シーズンはタイトル奪還を狙う鹿島アントラーズ。内田篤人が復帰して注目が集まる中、新戦力補強や戦術などクラブの方針はどのようになっているのかを考察した。

******

鹿島アントラーズのキャンプを1月末に宮﨑で視察した時に感じたことは、覇権奪還に向けた気合いが漲(みなぎ)っているということだ。選手全員が一生懸命に声を出して練習を盛り上げ、今までにはない明るさが漂っていた。

単に明るいというだけなら、例えばセレッソ大阪は関西ノリの根っからの明るい雰囲気だけど、鹿島のそれは自分たちのこれまでの殻を破ろうとしているという感じの明るさだ。

絶対に優勝するという、今季にかける強い意気込みがそうさせているんだろう。雰囲気だけではなく、フロントや大岩剛監督からもタイトル奪還にかける思いの強さが伝わってきた。

私が取材に行った時は徳島ヴォルティスと練習試合が組まれていて、先制点を徳島が奪った。でも、鹿島は内田篤人のクロスから同点ゴールを取り返したんだ。

驚いたね。練習試合のクロス1本に過ぎないけど、その速さと正確さに観客はどよめいていた。1995年から98年まで鹿島でプレーしたブラジル代表の右サイドバック、ジョルジーニョを彷彿(ほうふつ)させるライナー性のクロスだったよ。8シーズンぶりにJリーグ復帰する内田が、どれくらいプレーできるのか心配していたけど、あのクロスを見たら安心した。

内田は練習でもバリバリ動いていて、ウォーミングアップの4対1のボール回しからスライディングタックルをやったりしていた。きっとまだ少しは痛みがあるのかもしれないけど、プレーできるのが嬉しくて仕方ないという感じだった。

「どのタイミングで出せ」とか「こういう場合はサイドに追い込め」など、他の選手とのコミュニケーションをすごく取っていたし、そのことを大岩監督と話をしたら、彼もそういう姿勢を評価していると言っていた。それを内田に伝えたら、本人は照れていたけどね(笑)。

鹿島の他の選手で目立っていたのは、やっぱり小笠原満男。相手のレベルに関わらず、彼自身のプレーは常に質が高い。ただ、周りの選手となると、やや物足りない印象が拭えなかった。

今季の補強は、内田の復帰以外ではCBに清水から犬飼智也、東京ヴェルディからDFもMFもできる安西幸輝を獲得したけれど、攻撃陣での補強はユース出身の沖悠哉と阪南大出身の山口一真だけ。これでは覇権奪還に向けての補強としては少し寂しい。

そのことを強化部長の鈴木満さんに伝えたら、今年は選手たちの伸びしろに期待している」と言っていた。確かに去年は開幕前にペドロ・ジュニオール、レオ・シルバ、金森健志など多くの選手を補強したけれど、その全員が力を出し切ったわけではなかった。だから、そういう選手たちの伸びしろも含めて補強を考え、大岩監督にも選手起用を相談したということだった。

そのためか、大岩監督も練習試合で多くの選手を積極的に使っていた。去年は途中からボランチの先発を三竿健斗が奪ったけれど、そこもキャンプではシャッフル状態だったし、永木亮太だけではなく、久保田和音も起用されていたり、きっと期待の現れだろうと感じたね。

また、鹿島が優勝するためのポイントはセンターバックだ。去年は植田直通がもうひとつブレイクしなかった。体格に恵まれているがゆえに、DFとして大切なことに気づいてないように私の眼には映ったんだ。彼が日本代表の中央に構えるようになれば、スケールも大きくなるので期待している。なんとか今シーズンはもうひと皮剥けてもらいたい。

センターバックには犬飼も獲得したけれど、彼は松本山雅時代から体格はできていたし、経験を積んで成長を遂げ、清水ではキャプテンもやった。左利きだし、チームにフィットすれば、手薄なCBで貴重な存在になるだろう。

攻撃陣はペドロ・ジュニオールも金崎夢生も、去年以上にゴールを獲らないといけないが、好調そうなのが鈴木優麿だ。元々、ラインの裏に抜け出してボールをキープするのはうまいけど、落としや流れの中での動き出しにもう少し精度がほしいところではあるね。まだ荒削りな面はあるけれど、点数をより多く取ってくれれば、使いたくなるのが監督の性(さが)。少ないチャンスでゴールという結果を見せて、出場時間を増やしていってもらいたい。

FWではゴールを獲ることを覚えれば楽しみな金森健志もいて、右サイドMFの安部裕葵はスピードがあるし、左MFにはドリブラーの安西幸輝がいるから、若手にも面白い存在が揃っている。

ただし、若手が伸びてナンボという状況は、彼らが伸びなければ戦力アップにつながらないということでもある。つまり、鹿島が普通のチームになってしまう可能性もあるということであり、地力があるとはいえ、戦力アップしている他チームと長いシーズンで渡り合うのは至難の業。

だからこそ、若手の力を伸ばしながらチーム力をどうアップさせていくのかという課題に、大岩監督がどんな手腕を発揮して今シーズンを戦っていくのかを楽しみにしている。

(構成/津金壱郎 撮影/山本雷太)

■宮澤ミシェル
1963年 7月14日生まれ 千葉県出身 身長177cm フランス人の父を持つハーフ。86年にフジタ工業サッカー部に加入し、1992年に移籍したジェフ市原で4年間プレー。93年に日本国籍を取得し、翌年には日本代表に選出。現役引退後は、サッカー解説を始め、情報番組やラジオ番組などで幅広く活躍。出演番組はWOWOW『リーガ・エスパニョーラ』『リーガダイジェスト!』NHK『Jリーグ中継』『Jリーグタイム』など。


内田篤人の復帰でタイトル奪還に漲る鹿島──期待と不安が入り交じる“選手の伸びしろ”とは?

◆サッカーW杯はもうすぐ! 今チェックしておきたい若手3選手とは?(anan)




今年はロシアW杯開催を6月に控えたサッカーイヤー。これを機に、思い切って実際の試合の迫力を体感してみるのもいいかも!

「いまは女性向けのグッズやイベントも充実していますし、J3まで合わせると日本全国にチームがあるので、地元という入り口から応援を始めやすいのもJリーグの特徴です」

そう話すのは、専門誌『Jリーグサッカーキング』編集長の安田勇斗(いさと)さん。これからJリーグを観始める人もきっと応援したくなる、期待の若手選手を紹介してもらいました。

「単に“かっこいい!”から入っても全然OK。練習グラウンドに行けばサインがもらえたりと、選手と触れ合う機会も多いので、お気に入りの選手を見つけてみてください!」

世界が注目する、新世代のワンダーキッド。
久保建英(たけふさ)選手(16) FC東京




ENTAME
サッカーW杯はもうすぐ! 今チェックしておきたい若手3選手とは?
2018.2.27
今年はロシアW杯開催を6月に控えたサッカーイヤー。これを機に、思い切って実際の試合の迫力を体感してみるのもいいかも!

「いまは女性向けのグッズやイベントも充実していますし、J3まで合わせると日本全国にチームがあるので、地元という入り口から応援を始めやすいのもJリーグの特徴です」

そう話すのは、専門誌『Jリーグサッカーキング』編集長の安田勇斗(いさと)さん。これからJリーグを観始める人もきっと応援したくなる、期待の若手選手を紹介してもらいました。

「単に“かっこいい!”から入っても全然OK。練習グラウンドに行けばサインがもらえたりと、選手と触れ合う機会も多いので、お気に入りの選手を見つけてみてください!」

世界が注目する、新世代のワンダーキッド。
久保建英(たけふさ)選手(16) FC東京
サッカー
スペインの名門FCバルセロナの下部組織を経てわずか16歳でJリーグ戦デビュー。「昨年はU-20のW杯にも“飛び級”で参加するなど、同世代でも飛びぬけた才能。ドリブルや左足のスルーパスなど、攻撃的プレーが持ち味です」
写真:松岡健三郎/アフロ

欧州トップクラブ相手に鮮烈なプレーを披露。
安部裕葵(ひろき)選手(19) 鹿島アントラーズ



今年デビュー2年目ながら、俊足を生かして勝負を仕掛ける機動力には光るものがある。「セビージャFCとの親善試合では、スピード感あふれるドリブルで相手DF2 人を見事にかわし、貴重な先制ゴールをアシストしました」
写真:アフロスポーツ

代表戦でビッグセーブ連発。日本の新たな守護神。
中村航輔選手(22) 柏レイソル



ユース時代から活躍し、将来の代表正ゴールキーパーと目される中村選手。「至近距離のシュートもはじく反射神経とアグレッシブさが魅力。代表戦デビューとなった昨年末の北朝鮮戦もビッグセーブを連発する大活躍でした」
写真:徳原隆元/アフロ



サッカーW杯はもうすぐ! 今チェックしておきたい若手3選手とは?


◆【カシマで見よう!】その先へ~安西幸輝(鹿島アントラーズ)~(J's GOAL)


各担当ライターが、期待の新戦力を紹介するJ's GOALの新企画。
選手のプレー面はもちろん、人間性にぐっと迫るような記事をお届けしています。
この記事を読んで、ぜひスタジアムに足を運んでください!



鹿島には独特のスタイルがある。言葉で伝えられるものではないため、移籍してきた選手はそれを肌で感じ取り、自分の力で消化しなければならない。チームはどんな選手にも居場所をつくってくれるおおらかさがある反面、これまで多くの選手がその見えない壁に苦労してきた。移籍してきてすぐに力を発揮する選手は決して多くない。

しかし、安西幸輝はのびのびと自分の力を発揮している。ボールを持てば憶することなく仕掛けていき、精度の高いクロスをFWに供給する。試合終盤まで高い質を保ち続ける姿は、昨季まで東京Vで見せていた姿と何ら変わるところがない。ボールを持てば、次はなにをするのかワクワクさせてくれる。
その技術の高さは内田篤人も賞賛する。
「SBの技術じゃないような一個前のポジションもできるな、と思わせるボールタッチもするし、走れる。右サイドもできるからね。良い選手が来たな、と思います」。

いまではサイドのポジションならFWからSBまでどこでもできる技術と戦術眼を身につけた安西にとって、内田はかつて憧れた自分の原点とも言える選手。カシマスタジアムでの試合も小さな時から見ていたらしく、鹿島の今季最初の公式戦だったACL上海申花戦で先発すると「入場するときも高揚感が湧いて、良い気分で試合に臨めました」と話した。

とはいえ、ルーツは東京Vにあることを安西は忘れていない。急速に鹿島に馴染み、ポジションを確立できたのも昨季の経験があるからだった。
「ロティーナ監督には感謝しています。僕自身のサッカーへの考え方とか試合に向かうメンタルの部分とか、選手としての幅が大きくなった。そこは自信を持って言えるかと思います」。
すでに鹿島には欠かせない選手となりつつある。このクラブで試合に出続ければ、いずれは…。まだ今年で23歳。どこまでたどり着くかたのしみな選手である。

文:田中滋(鹿島担当)
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人気コンテンツ“スタジアムナビ”では、鹿島アントラーズのホームスタジアム「県立カシマサッカースタジアム」の様々な情報を掲載しています。

観戦アドバイスや、スタジアムでの写真を投稿できる機能が追加されたので、どんどん投稿してくださいね!一緒にスタジアムナビを作りましょう!
・県立カシマサッカースタジアム(鹿島アントラーズ)

★鹿島アントラーズホーム開幕戦★
明治安田生命J1リーグ 第2節
3月3日(土)16:00KO カシマ
鹿島アントラーズ vs ガンバ大阪

【カシマで見よう!】その先へ~安西幸輝(鹿島アントラーズ)~

◆鹿島・安西幸輝の“三刀流”。タイトル奪還へ、東京V育ちの22歳ホープが示した可能性(フットボールチャンネル)


タイトル奪還を目指す鹿島アントラーズの新戦力、安西幸輝(前東京ヴェルディ)がJ1デビュー戦で“三刀流”を披露した。清水エスパルスのホーム、IAIスタジアム日本平に乗り込んだ25日の明治安田生命J1リーグ開幕戦で左サイドバックとして先発。後半途中から左サイドハーフ、終了間際からは右サイドバックとしてフル稼働した。スコアレスドロー発進に終わった常勝軍団のなかで、右サイドハーフやトップ下でもプレーできる22歳のホープが新たな可能性を示した。(取材・文:藤江直人)

J1デビュー戦で見せたポリバレント性





 同じピッチのうえで、視界に飛び込んでくる景色が2度も変わった。左サイドバックで先発し、67分から左サイドハーフへポジションを一列上げていた安西幸輝が、今度は右サイドへと移していく。

 IAIスタジアム日本平で清水エスパルスと対峙した、25日の明治安田生命J1リーグ開幕戦。ともに無得点で迎えた84分に、鹿島アントラーズの大岩剛監督が最後の交代カードを切る。

 右サイドバックの内田篤人に代わって、FWペドロ・ジュニオールを投入。最前線を金崎夢生、鈴木優磨を合わせた3人に増やしてゴールを目指す一方で、右サイドバックには安西が回った。

「場所によって景色が全然違うなかで、それでも質の高いプレーができるというところで、このチームに呼ばれたと思っているので。そういう点をもっとアピールしないと、生き残っていけない。今日は自分のよさが出たところもあったし、もっと精度を高くしなければいけないところもあったので」

 アカデミー時代を含めて13年間も所属した東京ヴェルディから、Jリーグ屈指の常勝軍団へ移籍した今シーズン。J1の舞台におけるデビュー戦で、いきなり“三刀流”でフル出場を果たした。

 利き足は右だが、ヴェルディ時代から左右のサイドバックを務めてきた。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督に率いられた昨シーズンは右アウトサイドとして先発し、途中から左利きの安在和樹(現サガン鳥栖)とポジションをチェンジ。ともにサイドからドリブルでカットインして、利き足からシュートを積極的に放つスタイルで攻撃を活性化させた。

 昨シーズンのヴェルディは最終節での勝利で5位に食い込んだものの、初めて進出したJ1昇格プレーオフでは準決勝でアビスパ福岡に0‐1で屈した。迎えたオフ。22歳と若い安西をめぐって、J1王者の川崎フロンターレを含めた、複数のJクラブによる争奪戦が繰り広げられた。

サイドバックが人材豊富であるからこそ鹿島へ

 いくつかのオファーのなかから最終的にはアントラーズを選んだ理由が、実はサイドバックの多士済々な顔ぶれにあったと安西は力を込める。

「日本代表のサイドバックが3人いるなかで、自分が吸収できるもの、盗めるものがたくさんあると思ったので。3人を上回れば自分にも代表が見えてくると思っていたので、正直、迷いといったものはまったくありませんでした。(3人は)ライバルですけど、自分が負けるとは思っていません」

 3人とは昨年末のEAFF E-1サッカー選手権に臨むハリルジャパンに招集された、左サイドバックの山本脩斗と右サイドバックの西大伍。さらには日本代表でも長く活躍した内田が、ブンデスリーガ2部のウニオン・ベルリンから7年半ぶりに復帰する、という情報も駆けめぐっていた。

 安西は右サイドハーフだけでなく、ボランチやトップ下でもプレーできる。究極のユーティリティープレーヤーと言えるホープは、一番勝負したいポジションとしてサイドバックをあげる。

「両方のサイドバックで勝負したい、と思っています。サイドハーフでプレーするときは自分の飛び道具でもある、ドリブルやスピードという部分を求められていると思っています」

 もともとは左右のサイドハーフを主戦場としていた。ターニングポイントが訪れたのは、ジュニアユースでの3年間を終える2010年。日本代表の左サイドバックとして一時代を築き、現役時代をすごしたヴェルディで普及育成アドバイザーを務めていた都並敏史氏からサイドバック転向を勧められた。

 未知のポジションへの不安もあり、一時は高校サッカーの道へ進むことも考えた。都並氏の説得もあってユースへ昇格することを決め、コンバートを受け入れたときから、右サイドバックとしてシャルケおよび日本代表で輝きを放っていた内田が憧れの存在になった。

内田篤人、西大伍から伝授されるプレーの秘訣




 図らずも同じチームでプレーすることになった今シーズン。1月下旬に宮崎県内で行われたキャンプで、7歳年上の内田へ勇気を振り絞って、ドイツにおける守備のやり方を聞いた。内田は「聞いてくれたほうがオレも楽だから」と、笑顔で経験を伝授してくれた。

「外国人の動かし方はすごく難しいと思うんですけど、すごく上手くやっていたので。そのときに右サイドで(内田)篤人さんが後ろにいるときには、僕の背中を篤人さんに見せながら相手のパスコースを消すディフェンスをしてほしいと言われました」

 自分がサイドバックに入ったときには、前方の味方へ同じ要求をすればいい。昨シーズンは右のサイドハーフとしても活躍した西には、複数のポジションをハイレベルでこなす秘訣を聞いた。右ひざ内側側副じん帯を断裂する大けがを負い、EAFF E-1サッカー選手権を辞退した西は快く話してくれた。

「ご飯を一緒に食べながら、(西)大伍さんはいろいろ話してくれた。大伍さんは非常に頭のいい選手だし、勉強になることがすごく多かった。ユーティリティーという意味では、大伍さんが一番だと思うので。その部分で大伍さんにもっと近づきながら、自分のよさも出していきたい」

 安西のよさとは何か。前述したドリブルとスピードだけではない。球際の攻防で後塵を拝しない、旺盛なファイティングスピリット。そして、試合の終盤になっても衰えない運動量となる。エスパルス戦における総走行距離11.658kmは、MFレオ・シルバに次いで2番目に多かった。

 右サイドバックに回った3分後の87分には攻め上がった後に切り返し、直後に左足から絶妙のクロスをゴール前へ供給。GK六反勇治の真正面に飛んでしまったものの、完璧なタイミングから放たれた鈴木のヘディングシュートを導いている。

「ああいうボールをもっと試合のなかで出せれば、得点につながることが多いと思うので。今日はもうひとつくらいしか(味方と)合っていないので、もっと質の高いクロスを自分に要求していかないと」

常勝軍団ならではの厳しさ

 エスパルス戦では常勝軍団ならではの厳しさも感じた。パスミスなど雑なプレーが目立ち、シュート数がわずか1本、それもDF昌子源がペナルティーエリアの外から放ったものだけで迎えたハーフタイム。ロッカールームに大岩監督の怒声が響きわたった。

「球際でもっと激しくいけと。リーグ優勝したいのならば、もっと気持ちが乗ったプレーを見せろと。戦術というよりは気持ちの部分をすごく言われました」

 後半開始前のピッチで円陣が組まれたときには、誰かともなく「去年の悔しさを絶対に忘れちゃいけない」という言葉が飛び交った。J1連覇に王手をかけながら、最後の2試合をスコアレスドローで終えてしまい、最終節で奇跡の逆転優勝を果たした川崎フロンターレの引き立て役になった。

 敵地でジュビロ磐田と引き分けた昨年12月2日の最終節後には、ゲームキャプテンを務めた昌子、ヴェルディのひとつ後輩で、EAFF E-1サッカー選手権で日本代表デビューを果たしたMF三竿健斗たちが人目をはばかることなく号泣した。

「その場に僕はいなかったけど、テレビでは見ていたので。そういう点をしっかり認識して、プレーしようと思っています」

 J1デビュー戦をスコアレスドローで戦い終えて、あらためて実感したこともある。昌子と植田直通の日本代表コンビが組む、センターバックを中心とする堅守。42分にはレオ・シルバのファウルで与えたPKを、守護神クォン・スンテが横っ飛びでキャッチ。九死に一生を得た。

 エスパルスのアグレッシブさに慌ててしまい、縦へ、縦へと急ぎすぎた前半には、内田が幾度となく「縦パスを入れないで」と叫び、安西に対しては「横パスを回せ」と要求してきた。相手を焦らすことで、攻め込むスペースを生じさせる狙いがそこには込められていた。

「やっぱり点を取られないですよね。守備という部分にすごくフォーカスされたチームだと思うので、だからこそ僕個人を含めて、攻撃にもっとアクセントをつけられれば。クラブのエンブレムを見たときには重みというものを感じるけど、それをもっともっと背負ってピッチで表現していきたい」

目指すはすべてのタイトル獲得



 32歳の山本が孤軍奮闘してきた左サイドバックに厚みをもたせ、右サイドバックでも内田にはない武器をもたらす。リハビリ中の西が、復帰後は右サイドハーフを主戦場に置くプランも具現化させる。

 サイドハーフとしての攻撃力を含めて、さまざまな相乗効果をもたらしつつある安西は、新天地で踏み出した第一歩にも表情を引き締めることを忘れなかった。

「クロスをあげるときに中の枚数も増えてきているし、自分のよさをだいぶわかってきてくれたとは思うけど、もっともっと自分から意思表示をしていきたい。もちろん日本代表に入りたいけど、その前にアントラーズでやることがいっぱいあるので。それらをひとつずつクリアしていきたい。

 自分はもっとできると思っているし、もっと頭を働かさなければいけない。たとえば最後のアタッキングサードのところでは、もっと落ち着いてプレーできるはずなので。数字の部分でもっと結果が表れるように、そういうところもしっかりと伸ばしていきたい」

 今月14日の上海緑地申花(中国)とのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループリーグ初戦で左サイドバックを、21に異の水原三星ブルーウィングスとの第2戦では右サイドバックを務め、エスパルスとのJ1開幕戦では“三刀流”まで披露した。

 大岩監督のさい配に幅をもたせる存在になっても、安西は満足しない。悪夢の無冠に終わった昨シーズンの捲土重来を期し、目の前にあるすべてのタイトル獲得を目指すアントラーズに攻守両面で新たな力を加えていくために、172cm、64kgの体に大きな可能性を秘めるホープは精進を積み重ねていく。

(取材・文:藤江直人)

【了】


鹿島・安西幸輝の“三刀流”。タイトル奪還へ、東京V育ちの22歳ホープが示した可能性



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