日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年9月13日金曜日

◆J1鹿島・知念慶が抱くボランチ像は稲垣祥 中村憲剛や柴崎岳の「空間を使ったパス」は出せない(Sportiva)






── ポポヴィッチ監督は、何かができるようになると、また新たな課題を提示してくれているように思います。

「それはありますね。監督は常に俺を満足させないよう、厳しく指導してくれています。今言われたように、いっぺんに多くを求めるのではなく、ひとつできるようになったら、また次、さらに次といった具合に要求してくれています。

 ボールを奪いきれるようになったら、攻撃では対角を見ろ、早く前につけろと。その節々で言われること、求められることも変わってきています」


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◆J1鹿島・知念慶が抱くボランチ像は稲垣祥 中村憲剛や柴崎岳の「空間を使ったパス」は出せない(Sportiva)




 デュエル勝利数で1位を誇るなど、ボランチに転向したばかりの知念慶が存在感を放っているのは、今季より鹿島アントラーズの指揮官に就任したランコ・ポポヴィッチ監督の影響が大きい。

 FWからボランチに抜擢しただけでなく、一つひとつ課題を提示し、それをクリアしていくことで、知念はボランチとして確かな成長を刻んでいる。また、柴崎岳や三竿健斗といった経験豊富なボランチとの切磋琢磨も、彼の成長を加速させている。

 30歳を前に、新たなポジションに挑戦している彼の変化と、目指す未来とは──。

   ※   ※   ※   ※   ※

── 新たなポジションに挑戦している今季も、試合を重ねるたびにボランチとして成長していることがうかがえます。デュエルでの勝利数だけでなく、攻撃では遠くにもパスを出せるようになってきているように感じています。

「監督から、攻撃時は『前に速く』というだけでなく、『遠くも見るように』と言われているのが大きいと思います。監督は、前線の選手たちにはDFの背後を突くことを求めているように、パスの出し手でもある自分たちには、そこを狙ってパスを出すことを求めていますから」

── ボランチとしての成長を感じたのは、3-2で勝利したJ1第17節の横浜F・マリノス戦でした。1-1で迎えた74分、鈴木優磨選手からのパスを受けて前を向くと、自らドリブルで持ち運び、得点した濃野公人選手にラストパスを出しました。

「そこも監督から『パスの出しどころがないのであれば、自分で持ち運ぶように』と言われていたので、それが出たシーンでした。前線にいる(鈴木)優磨には『早く出せ』と言われているので、なるべく早く優磨にボールを預けるように心がけているんですけどね(笑)。

 あの場面は逆に、優磨から自分がパスを受けて、自ら運びました。アシストもできたので、自分のなかでも印象に残っているプレーのひとつです」


【柴崎岳や三竿健斗から学んだボランチらしさ】


── ポポヴィッチ監督は、何かができるようになると、また新たな課題を提示してくれているように思います。

「それはありますね。監督は常に俺を満足させないよう、厳しく指導してくれています。今言われたように、いっぺんに多くを求めるのではなく、ひとつできるようになったら、また次、さらに次といった具合に要求してくれています。

 ボールを奪いきれるようになったら、攻撃では対角を見ろ、早く前につけろと。その節々で言われること、求められることも変わってきています」

── その積み重ねが、ボランチらしくなってきたと?

「まだまだ、ですけどね。それでも、監督から口を酸っぱくして言われてきたことが、少しずつクリアできるようになってきました。今ではふだんの練習でやっているプレーが試合でもできるようになってきています」

── 佐野選手がマインツに移籍して、柴崎岳選手と組む機会が増えています。組む選手が変わると、プレーも変わりますか?

「変わりますね。今はよりボランチらしいプレーを覚えていかなければいけないと思っています。自分と(佐野)海舟のような組み合わせは、正直、Jリーグ全体を見てもあまりないコンビでした。

 でも、海舟が移籍したからといって、海舟の代わりを探すのではなく、コンビを組む相手の特徴によってプレーを変えていかなければいけないと思っています。新たな形、新たなプレーを取り入れて、いい方向に進んでいかなければならない。

 そういう意味では、岳くんと(三竿)健斗から学ぶことは多いですね。自分が出場停止だったサガン鳥栖戦(第25節)は、上からふたりのプレーを見て、ボランチっぽいなって思いましたから。最近は、特に自分のプレーを何度も見返しているのですが、まだまだボランチらしくないと思う時もあるので、彼らから吸収できることはたくさんあると思っています」


【あえて動きすぎないように立つ】


── 柴崎選手のとなりでプレーして感じることは?

「やっぱり岳くんがボールを持つと、攻撃のリズムに変化が出ます。今季のアントラーズは速いリズムで攻撃し続けることが多かったのですが、そこに変化を加えられる。相手にとっても、その緩急は嫌だと思います。

 また、岳くんは前線の選手たちの動きを見逃さない。自分もFWだったからわかりますけど、パスが出てくると信じられると、FWは走れますからね」

── 柴崎選手からアドバイスをもらうこともあるのでしょうか?

「俺と海舟のふたりは動くことでボールを奪おうとしていましたが、岳くんからは立ち位置によって守ることを教わりました。あえて動きすぎないようにすることで、相手が攻撃を仕掛けられない状況を作り出す。スペースを空けない守備も意識するようになりました」

── またひとつ、新しい引き出しができたのでは?

「一方で、自分の持ち味はハードワークでもあるので、いけると思った時にはいく。それもひとつの状況判断だと思うので、何でもかんでもいくのではなく、前から奪いにいく時とポジションで守る時をうまく使い分けられるように、見極めようとしています」

── その両方にトライしようとしているところが、まさに成長なのでは?

「たしかに(笑)。言われてみたら、そうですね。試合の状況を考えながらプレーできるようになってきていました」

── 三竿選手の存在はいかがですか?

「健斗の加入は、チームにとって、かなり大きな戦力アップだと思っています。選手としての存在も大きいですし、あれだけしゃべれる選手はいなかったですからね。初めて一緒にプレーしたFC東京戦(第24節)で、『しゃべれる選手がいると、こんなにも違うのか』と感じましたから。いいライバルであり、心強いチームメイトです」

── あらためてボランチというポジションにやり甲斐を感じていますか?

「出場時間が多いので、目に見える結果だけでなく、ボールに絡んでいないところのプレーにおいても責任を感じています。自分にしかない手応えなのかもしれませんが、たとえ目立ったプレーがなくても、今日の試合はいい仕事ができたなって感じられる機会も増えてきました」


【ゴール前に入っていけたら面白い】


── 長い時間ピッチに立ち続けるというのは、自身が追い求めてきたところでもあるのでは?

「大なり小なり課題はありますが、自分が試合に出続けてチームが勝つことの充実感を、今季は実感しています。だからこそ、自分の欲を出すのではなく、今の自分にできるベストを尽くさなければいけないと思っています。

 あれもしたい、これもできるようになりたいという欲はありますけど、それによってチームに貢献できている部分が失われる可能性もある。だったら今は、チームのことに集中したいですね」

── FWとしてプレーしてきた時期には、いろいろなボランチからのパスも受けてきたと思います。ヒントになっているところもありますか?

「川崎フロンターレでは(中村)憲剛さんや(大島)僚太くん、守田(英正)といった選手とプレーして、スペースというか空間を使ったパスを、自分もボランチになった時には出してみたいなと思いました。

 だけど、いざプレーしてみたら、めちゃくちゃ高い技術だなと思って。岳くんも含めて、あんなアイデアを試合で出せるのは、相当難しいことだなと思い知らされました。自分はどちらかというと、技術を生かすタイプではないので、参考にはできないですけどね(笑)」

── 自分のプレースタイルを加味したうえで、参考になる選手はいるのでしょうか?

「名古屋グランパスの稲垣祥選手です。これは褒め言葉ですけど、稲垣選手もどちらかというと技術を生かすというよりも、相手に強く当たりにいってボールを奪い、攻撃に転じたら自らゴール前に入っていく迫力がある。押し込めるし、ミドルからもシュートを狙えて、展開もできる選手。タイプ的には親近感を感じるので、自分が目指すならば、そこだなと」

── 知念選手がさらに進化していくとしたら、そのゴール前に入っていく迫力でしょうか?

「そこを出していきたいと思っています。今のチームでは、優磨が中盤に落ちてくる機会も多い。そのタイミングで、サイドの選手たちがゴール前に入っていくことでチャンスを作り出しています。その時に、1列後ろにいるボランチがゴール前に入っていくことができたら、さらに面白いし、迫力も増すのかなと」


【優勝するために必要なアレンジ力】


── それはある種、現代サッカーに求められているボランチの理想像でもあるように思います。

「今のサッカーにおける中盤は、特にバトルの多い戦場みたいになっています。その分、創造性あるプレーは1列前か、それこそサイドバックが担っています。

 ゲームメイクにしても、センターバックがやることが主流になっているので、中盤はプレーする時間や余裕がどんどんなくなってきています。トランジションが激しい分、中盤の選手はよりフィジカルを求められ、より戦えることが条件になっています。そういう意味でボランチは、自分に合っていると思います」

── 今シーズンも残すところ、10試合を切りました。第29節を終えて4位と、まだまだ優勝の可能性を残しています。

「今季は相手に合わせるのではなく、自分たちが積み重ねてきたことを前面に押し出して戦っています。それがハマった時は強い一方で、噛み合わない時には苦戦する傾向があります。監督は、そこで僕らに自己解決力を求めているというか、むしろ自分たちがやってきたことを上回る力を見せてほしいと、期待をかけてくれています。

 だからこそ、ピッチのなかにいる自分たちがどれだけこのサッカーをアレンジできるか。優勝するためには、やってきたことだけでは上回れない相手もいるので、そこで勝ちきるためにも、アレンジ力が求められていると思っています」

── そこでチームに方向性を示し、力を発揮するのが、やはりボランチなのではないでしょうか?

「試合の展開にもよりますけど、そこで自分がゴール前に入っていきたい。開幕時と比べると、自分ができることも増えていますし、だんだんと考え方もFWからボランチらしくなってきました。そこに楽しさも感じているので、ここからチームのために、さらに成長していけたらと思います」

<了>


【profile】
知念慶(ちねん・けい)
1995年3月17日生まれ、沖縄県島尻郡出身。兄の影響で小学1年生からサッカーを始める。地元の知念高校を卒業後、沖縄を離れて愛知学院大学に進学。東海学生リーグで得点王になる活躍もあり、2017年に川崎フロンターレに加入する。川崎在籍5シーズンで(2020年は大分トリニータに期限付き移籍)3度のJ1優勝に貢献。2023年、鹿島アントラーズに完全移籍。ポジション=FW。身長177cm、体重73kg。



◆J1鹿島・知念慶がボランチで才能開花! FWからの「ガチのコンバート」でデュエル王を独走中(Sportiva)






吉岡さんが監督と話をすると、『俺は本気で考えている』と言われたらしくて(苦笑)。吉岡さんからも『監督は本気だから、ボランチでがんばってくれ』と伝えられ、自分も『監督、ガチなんだぁ』と思いました。それだけ期待されているなら、と決意も固まりました」


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◆J1鹿島・知念慶がボランチで才能開花! FWからの「ガチのコンバート」でデュエル王を独走中(Sportiva)





知念慶(鹿島アントラーズ)インタビュー前編


 2024シーズン、Jリーグのデュエル勝利数で2位を大きく引き離す1位に立っているのが、鹿島アントラーズの知念慶(29歳)だ。

 今季途中からJリーグ公式サイトのデータページがリニューアルされ、詳細な『PLAYER STATS』(選手スタッツ)が公開されるようになった。走行距離やスプリント回数などともに目がいくのが、デュエル勝利数である。

 第29節を終えて、ダントツともいえる104回の勝利数(2位は岡村大八の85回)を誇る知念は、今季より鹿島を率いるランコ・ポポヴィッチ監督によって、FWからボランチへとコンバートされた。ボランチ転向の経緯に加えて、ボランチとしてどのような成長曲線を描いているのだろうか。Jリーグデュエル王の現在地に迫る。

   ※   ※   ※   ※   ※

── 知念選手にとってアントラーズに加入して2年目の今季、ポポヴィッチ監督が就任しました。どのような心境でシーズンを迎えたのでしょうか?

「新しい監督のもとでスタートするということで、自分もどこでチャンスをもらえるかはわからない。それが楽しみでもありました。

 ただ、シーズン開幕前のキャンプではFWではなくトップ下でプレーしていたんです。紅白戦ではいわゆるサブ組で、当時はカキ(垣田裕暉/現:柏レイソル)と組むことが多かった。その状況から、FWとしてはおそらく4番手。チーム内での序列は低く、厳しいスタートになったなと思っていました」

── そうした状況で、ボランチにコンバートされる転機があった。

「キャンプ中に岳くん(柴崎岳)が負傷して、練習試合でFWとして出場する予定だったのが、急遽、ボランチでプレーすることになりました。最初はチームメイトも笑っていたくらいなので、自分自身も『さすがに俺のボランチはないでしょ』って思っていました。

 ただ、その後の練習でも、ほかにボランチができそうな選手はいるのに、監督はその選手たちをボランチで起用するのではなく、自分を起用しました」


【チームに迷惑をかけないように必死】


── 戸惑いながらも、与えられたポジションで全力を尽くそうと?

「そうですね。ただ当初は、リーグ開幕直後くらいには岳くんが復帰できるのではないかと聞いていました。そのため、自分がボランチで出場するにしても1、2試合くらいだろうと。

 そこまではチームのために乗りきろう、がんばろうと思っていたんですけど、開幕が近づき、岳くんが復帰に時間を要するかもしれないと聞いて、自分のなかでも腹をくくりました。チームのためにも、自分のためにも、ボランチで勝負しようって」

── ポポヴィッチ監督は大分トリニータを指揮した時代に、川崎フロンターレではチームメイトだった家長昭博選手をボランチで起用した実績があります。そうした事実を、知念選手も知識として持っていたのでしょうか?

「そのことはポポさん(ポポヴィッチ監督)が直接、自分にも話してくれました。当初、吉岡(宗重)さん(フットボールダイレクター)は僕がFWでプレーしたいという気持ちを考慮して、『ボランチの補強も考えているから』と言ってくれたようです。

 ですが、そのあと吉岡さんが監督と話をすると、『俺は本気で考えている』と言われたらしくて(苦笑)。吉岡さんからも『監督は本気だから、ボランチでがんばってくれ』と伝えられ、自分も『監督、ガチなんだぁ』と思いました。それだけ期待されているなら、と決意も固まりました」

── とはいえ、FWとボランチでは求められるプレーや役割は大きく異なります。

「開幕戦からボランチで先発出場しましたけど、当時はとにかく必死で、チームに迷惑をかけないようにしよう、としか考えられなかったですね。ただ、昨季も含めてアントラーズは、ボールが落ち着く時間が少なかったので、最初はボールをキープして落ち着かせることを意識していました。

 でも監督は、そうしたプレーを求めていなかった。はっきりと、いつかは覚えていないですけど、プレーしていくなかでそこに気づき、自分のプレーを変えました」


【知らない間にデュエル王になっていた】


── 不慣れなポジションを務めながらも、監督が求めるプレーを理解して、アジャストさせていったんですね。

「その繰り返しなので、ここまでシーズンを戦ってきたなかでも、細かいプレーは変わってきています。ポポさんは、いいプレーの時は『ブラボー!』と言い、ダメなプレーに対してははっきりと『違う』と指摘してくれる。

 落ち着かせようとしたプレーに対して、『ブラボー!』と言われる機会はなかったので、そこは求められていないなと思って、がっつり守備に切り替えました。ボールを奪ったら素早く前につける、セカンドボールを拾った時も前線の(鈴木)優磨を見つけて展開する。攻撃では、速くて、直線的にといったプレーを選択するようになりました」

── なるほど。

「俺と(佐野)海舟(現マインツ)のダブルボランチは、お互いに相手からボールを奪いきれる強みがありました。だから、ボールを奪ったら前に速い攻撃を仕掛けることができていました。ここ最近は、試合に出ているメンバーも代わり、ボールを握ってからどう相手を崩していくかというフェーズに変わってきているので、そこで自分のよさをどう発揮していくかを考えています」

── その結果が、J1リーグにおけるデュエル勝利数で1位という数字にもつながっているんですね。

「でもそれは、Jリーグがスタッツを発表するようになってから自分も知りました。それまではただただ、がむしゃらに守備をがんばっていただけでした。

 自分なりにチームに迷惑をかけないために、貢献できるプレーを選択していたら、Jリーグがスタッツを発表して自分がデュエル勝利ランキングで1位だと知り、自分が守備に特徴があることに気づきました。それからは、守備の強さを武器にしていこうと思ったくらいです」

── FWでプレーしていた時から、守備に定評がありました。

「途中出場する機会が多かったことが、守備力に磨きをかけてくれたと思います。途中から試合に出る選手は、攻撃以上に守備を求められることが多い傾向にあります。

 みんなが疲れてきた時間帯に、どれだけ守備でがんばれるか。間延びしている状況や時間帯に、守備で貢献することを求められていたので、自然と守備が得意になっていったところもあったのかもしれません」


【相手からボールを奪う秘訣は...】


── ボランチでプレーするようになった時にも、今までの経験が生きていたわけですね。

「それは間違いないと思います」

── 学生時代には複数のポジションでプレーした経験があるように、適応能力が高いように思います。

「個人的に、ユーティリティーというと賢い選手というイメージがあるのですが、自分の場合はある程度、基礎身体能力があるので、そこで補えてしまうところがあるんですよね。どのポジションにも順応できる技術や頭脳、戦術理解があるわけではなく、フィジカルの強さでどこでも戦えて、一定のプレーが計算できる。

 だから、自分のなかではユーティリティープレーヤーとは違う認識を持っています。適材がいなければ、あいつががんばってくれるだろう、くらいな(笑)」

── でも......と否定するようで申し訳ないのですが、前線で求められる守備と、中盤で求められる守備は違います。そこに適応できることは、ひとつの能力では?

「たしかに求められる守備は、ポジションによって違いますね。最初は、プロとして求められるボランチの守備がわからなかったので、監督からは『常にポジショニングを意識しろ』と、言われていました。そのうえで、『球際に強くいけ』と言われていたので、そこを意識しました。

 ボランチでコンビを組む相方が前に出たら、自分は下がる。自分が前に出たら、相方が絞る。疲れてくると、どうしてもボールばかりを見てしまい、横並びになってしまうので、そうならないように注意しろとアドバイスを受けました。

 それを意識するようになると、相方が前に出ていったスペースに相手がボールを入れてきた時、自分がボールを奪えたんですよね。その成功体験が、より守備とポジショニングに目を向けるきっかけになりました」

── 自分なりに相手からボールを奪う秘訣みたいなものはあるのでしょうか?

「正直、自分の感覚なので、言葉で説明できないところがあります。ただ、あまり相手を見て下がらないようにというか、構えないようにはしています。

 相手に突っ込んでいって、身体をぶつけて奪いきる。身体をぶつけられなくても、相手に触れて、相手の自由にさせないようにしているというくらいです」


【佐野海舟との間に約束事はなかった】


── シーズン前半戦でコンビを組んでいた佐野選手とは、どういった関係性を築いていたのでしょうか?

「海舟とはお互いを補って助け合うというよりも、お互いにボールを奪うのが得意だったので、ふたりとも積極的にアタックしていました。それでボールを奪いきれなかった時には、もう一方がフォローする。

 お互いにプレーエリアが広かったので、前に出ていける範囲も、カバーできる範囲も広かったんですよね。それこそ、ふたりとも前に出ていった先でボールを奪いきれる場面も多かったですから」

── それこそインターセプト総数でも、ふたりは上位にランクインしていました。

「あいつもいっちゃうし、自分もいっちゃうみたいな(笑)。お互いにあまり相手のことを気にしていなかったかもしれません。だから、『ボランチふたりの関係性や約束事は?』と聞かれても、これといった決まりはなかったというか。

 お互いに好きなようにプレーしていたら、ボールを奪えるので、自分がいけるタイミングで出ていこうと思っていました。仮にカウンターを仕掛けられても、スペースを埋めるのではなく、それでも取りにいく。自分が奪いきれなかったとしても、『海舟がいるしな』って思っていました」

── それを信頼関係と言うのかもしれないですね。

「ただただ、監督が求めていることを忠実に体現しようと取り組んでききたら、どんどん、できることや強みが増えていったように思います」

(後編につづく)



◆【鹿島】鈴木優磨、無敗のホームに首位・広島を迎えての大一番「どんなことも可能にできるスタジアム。ファンとともに勝点3を必ず取りたい」(サカノワ)






「今シーズン僕たちもホームで負けていないですし、いい成績を残せています。相手もいま乗っていると思いますが、ここのスタジアムでは、どんなことも可能にできます。今年のこの強さを持って、いい状態の広島を迎えられるのは非常に嬉しいこと。お互いこの試合、優勝を狙っていくうえで負けられませんし、必ずファンとともに勝点3を取りたいです」


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◆【鹿島】鈴木優磨、無敗のホームに首位・広島を迎えての大一番「どんなことも可能にできるスタジアム。ファンとともに勝点3を必ず取りたい」(サカノワ)





「今年のこの強さを持って、いい状態の広島を迎えられるのは非常に嬉しいこと」


[J1 30節] 鹿島 – 広島/2024年9月14日18:00/県立カシマサッカースタジアム

 インターナショナルマッチウィークの中断明けJ1リーグ30節、鹿島アントラーズが9月14日にホームで首位のサンフレッチェ広島を迎えての大一番に挑む。エースの鈴木優磨が12日、オンラインによる取材に応じて、今季無敗の続くカシマスタジアムでの決戦に向けて「どんなことも可能にできるスタジアム。ファンとともに勝点3を必ず取りたい」と抱負を語った。

 鹿島は中断前の京都サンガF.C.戦が台風10号の影響で中止・延期になり、3週間ぶりのリーグ戦となる。鈴木はこのインターバルについて「激しいトレーニングをやってきたので、コンディションはだいぶ良くなっていると感じます。もう一回自分たちがやりたいサッカーに対し、基礎的な部分やフィジカル的な要素について重点的に取り組んできました。前半戦に積み上げてきたものを、終盤戦にかけて生かしていく、いいトレーニングができました」と感触を口にする。

 消化が1試合多い首位の広島と鹿島は7ポイント差。ここで勝利できると、逆転優勝に向けて弾みがつく。鈴木は広島について「どこからでも点を取れて、守備においても、攻撃においても優れたチーム」と警戒するが、だからこそ、この一戦をホームでできることを楽しみにしていた。

「今シーズン僕たちもホームで負けていないですし、いい成績を残せています。相手もいま乗っていると思いますが、ここのスタジアムでは、どんなことも可能にできます。今年のこの強さを持って、いい状態の広島を迎えられるのは非常に嬉しいこと。お互いこの試合、優勝を狙っていくうえで負けられませんし、必ずファンとともに勝点3を取りたいです」

 そのように鹿島一丸となって勝利を掴みたいと気持ちを引き締めていた。現在得点ランキング4位タイの12ゴールを決めている鈴木だが、久々のゴールにも期待がかかる!  鹿島対広島の一戦は9月14日18時から、カシマスタジアムで開催される。



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