日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年9月19日水曜日

◆【鹿島】カシマを止めるな!突然の会場変更、台風…タイトルへの執念で逆境乗り越えクラブ初4強(報知)






 ◆ACL準々決勝 ▽第2戦 天津権健0―3鹿島(18日・マカオ)

 【マカオ(中国)18日=岡島 智哉】鹿島が敵地で天津権健を3―0で下し、2戦合計5―0で準決勝進出を決めた。

 DF内田が右サイドを全速力で駆け上がった。相手DF2人を置き去りにしつつ、ニアに走り込むMF安部を両目でしっかりと捉えた。安部はクロスを難なくダイレクトで流し込み、1―0の前半27分、相手を絶望の淵に追い込む2点目が決まった。鹿島にとって悲願のアジア4強。内田は「次のラウンドに進めるというのは素晴らしいこと」と表情を緩めた。

◆2週間前の会場変更通達

 鹿島のタイトルへの執念が逆境を打ち破った。2週間前の4日、アジア・サッカー連盟から試合会場が天津からマカオに変更されることが通達された。日程が差し迫っていたこともあり、チームは2グループに別れてマカオ入り。A組は湘南戦(14日)終了の11時間後の15日早朝に羽田空港から出発。B組はその2時間後に広州(中国)へ飛び、広州から陸路で約3時間150キロを走りマカオ入りした。

◆スタッフの尽力

 これらは全て、1日でも早く現地に入り、選手のコンディションを整えるための最善策だった。関係者によると、航空券の発券は出発2日前の13日。ギリギリまで試合3日前の15日に現地入りすることを模索した結果だった。猛威を振るった台風22号の影響で16日のマカオは陸の孤島に。スタッフの尽力がなければ試合前日や当日の現地入りとなっていた。第1戦で渋滞のため予定便に乗れず、試合前日の来日となった天津権健とは、タイトルへの思いに歴然とした差があった。

◆「我々は優勝に目標を置いている」

 アジアの頂点まで残り2つ。ACL優勝クラブが出場する12月のクラブW杯(UAE)では初戦の準々決勝で勝てば、16年大会決勝で対決したRマドリードと準決勝で再戦できる。大岩剛監督(46)は「ベスト4はクラブにとって悲願です。しかし我々は優勝に目標を置いている。準決勝に向けてしっかり準備をすることしか頭にない」と力強く語った。J最多19冠の鹿島が手にしていない悲願のタイトルが射程圏内に入ってきた。









◆【鹿島】カシマを止めるな!突然の会場変更、台風…タイトルへの執念で逆境乗り越えクラブ初4強(報知)

◆ACL初の4強進出!鹿島が示したハンパない底力の強さ(サカノワ)



内田篤人 Atsuto.Uchida


セルジ、安部、土居が決める。試合巧者ぶりを発揮し、台風猛襲のマカオの地で3ゴール圧勝。

[ACL 準々決勝②] 天津権健 0-3 鹿島/2018年9月18日/澳門 (マカオ)
※2試合トータル5-0で鹿島が準決勝進出

 鹿島アントラーズが中立地のマカオ開催となった天津権健(中国)とのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝第2戦で3-0の勝利を収め、2試合トータルスコア5-0で準決勝進出を果たした。

 試合開始から天津のシュートが鹿島ゴールに襲い掛かったが、そこをしっかり凌いでいく。すると13分、右サイドバックの内田篤人の縦パスから遠藤康が仕掛けてCKのチャンスを獲得。遠藤が鋭いキックを放つと、GKの前でセルジーニョがヘディングで合わせて天津のゴールネットを揺らし、鹿島が先制に成功した。

 貴重なアウェーゴール。相手に与えたダメージは大きかった。その気落ちしたところを見逃さず、27分、右サイドを駆け上がった内田のマイナスのクロスに安部裕葵が合わせて追加点を奪取。この時点でアウェーゴールルールにより、鹿島は5失点しなければベスト4に進めるというアドバンテージを得る。

 後半は選手を投入しながら、試合をコントロール。すると66分、直前に鈴木優磨と交代出場した土井聖真が相手のミスを見逃さず、左足でシュートを突き刺してリードを3点に広げた。

 試合直前の会場変更でまさかのマカオ開催に。しかも入国直後に大型台風の猛威に遭った。それでも誰もが冷静にこの試合に向けて調整し、初めてACLに出場した相手チームとの経験の差も見せつけるなど、ハンパない底力の強さを示した。

 東エリアの準々決勝のもう1カード、 水原三星と全北現代の第1戦は、水原三星が3-0で勝利を収めている。水原三星のホームゲームとなる第2戦は、明日開催される。

 準決勝の第1戦は、10月2、3日、第2戦は10月23、24日に行われる。決勝の第1戦は、11月3日、第2戦は11月10日だ。

鹿島の天津権健戦のメンバーは次の通り。

□先発□
GK 
1 クォン・スンテ 
DF 
2 内田 篤人 
16 山本 脩斗 (▼79分)
35 チョン・スンヒョン 
39 犬飼 智也 
MF 
4 レオ・シルバ (▼69分)
20 三竿 健斗 
25 遠藤 康 
30 安部 裕葵 
FW 
9 鈴木 優磨 (▼61分)
18 セルジーニョ

□控え□
GK 
21 曽ヶ端 準 
DF 
22 西 大伍 
28 町田 浩樹 
32 安西 幸輝 
MF 
40 小笠原 満男(△79分) 
6 永木 亮太 (△69分)
FW 
8 土居 聖真(△61分)

文:サカノワ編集グループ


◆ACL初の4強進出!鹿島が示したハンパない底力の強さ(サカノワ)


◆鹿島がACL初4強!2戦合計5-0、天津権健を圧倒(サンスポ)



土居聖真 Shoma.Doi


 アジア・チャンピオンズリーグ準々決勝第2戦(18日、マカオ)ホームアンドアウェー方式で行われ、J1鹿島が天津権健(中国)を3-0で下し、2戦合計5-0で初の4強入りを決めた。鹿島は前半にFWセルジーニョ(23)のゴールで先制し、DF内田篤人(30)ら守備陣が反撃を許さなかった。10月3、24日に行われる準決勝では水原-全北(ともに韓国)の勝者と顔を合わせる。鹿島によると天津で国際会議が開かれた影響で、試合会場が当地に変更された。

 クラブ初の4強入りを懸けた一戦は、前半で勝負がついた。想定と違う布陣で挑んできた天津権健に立ち上がりは押し込まれたが、最初の好機を生かしてあっさり大勢を決めた。

 「選手が状況を把握し、それにしっかりと対応した」。4強入りを果たした大岩監督は、満足げにうなずいた。

 緊張感を漂わせていた立ち上がり、前半13分の右CK。MF遠藤が左足で曲げた絶妙なボールを、ニアサイドで待ち構えたFWセルジーニョが頭で決めて幸先よく先制した。守備でも同25分、元ブラジル代表FWアレシャンドレ・パトの決定機をDF内田がゴールラインぎりぎりでクリアして、失点を阻止した。

 ピンチを切り抜けた2分後、今度はMF安部が追加点を奪い一気に突き放す。勢いに乗ったチームは後半21分、FW土居が引導を渡す駄目押し弾。3-0で快勝し、初の準決勝に駒を進めた。

 「ベスト4は非常にうれしいが、われわれの目標は優勝。そのための準備をしっかりやる」と胸を張った指揮官。国内主要タイトル19冠を誇る強豪が、悲願のアジア王者へまた一歩近づいた。

鹿島DF内田
「我慢しながら、落ち着いていこうとピッチで話していた。セットプレーでさくっと先制点を取れたのが良かった」




◆鹿島がACL初4強!2戦合計5-0、天津権健を圧倒(サンスポ)





◆鹿島MF遠藤、インタビューで“得点者”と勘違いの珍事に笑顔 「僕、決めてないっすよ」(FootballZone)



遠藤康 Yasushi.Endo


ACL天津権健戦で遠藤は先制アシスト インタビュアーが「素晴らしいゴール」と振り…

 鹿島アントラーズのMF遠藤康は、18日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の第2戦のアウェー(中立地のマカオ開催)天津権健戦で先制ゴールをアシストする活躍を見せ、3-0勝利に貢献。チームは2戦合計5-0でクラブ初のACL4強進出を果たしたなか、試合後のインタビューで“珍事”が待っていた。

 ホームでの第1戦を2-0と勝利して臨み、遠藤は「ホームで2-0と勝ち、アウェーで非常に難しくなると思っていた」と話した。その言葉どおり、試合開始直後に猛攻を受けた鹿島だったが、遠藤の正確な左足が流れを変えた。前半13分、右コーナーキックを得ると遠藤は相手GKの前に立ったFWセルジーニョに正確なボールを供給し、先制点を導いた。

 その後は安定感のある試合運びで「みんなが勝つため、上に行くために走り続けた結果がこうなったと思う」と、遠藤も納得の表情を見せている。

 ところが、インタビュアーから「素晴らしいゴールも決めました」と得点者に勘違いされてしまい、「僕、決めてないっすよ」と笑った。その後に「誰が決めてもチームが勝てば良いと思っているので」とフォローしている。得点者に比肩する存在感を放ったのは事実だが、まさかの珍事に鹿島の攻撃を操ったレフティーの笑いは止まらないままインタビューは終了した。

 鹿島はこれでクラブ史上初のACLベスト4入りを決めた。一昨年には開催国枠で出場したFIFAクラブワールドカップ(W杯)で準優勝に輝いた日本の“常勝軍団”は、クラブに欠けているアジア王者の称号に一歩前進した。




◆鹿島MF遠藤、インタビューで“得点者”と勘違いの珍事に笑顔 「僕、決めてないっすよ」(FootballZone)




◆鹿島、クラブ史上初のACLベスト4! セルジーニョ2戦連発などで天津に快勝(サッカーキング)






 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝セカンドレグが18日に行われ、天津権健(中国)と鹿島アントラーズが対戦した。

 ファーストレグはレオ・シルバとセルジーニョの得点で鹿島が2-0で先勝。ベスト4進出へ、一歩前進している。中立地・マカオで行われるセカンドレグ、鹿島は鈴木優磨とセルジーニョの2トップで臨んだ。

 13分、鹿島は遠藤康のCKをセルジーニョが頭で合わせ、先制に成功する。続く27分、内田篤人が右サイドを突破し、折り返しを安部裕葵が決めて追加点。後半に入り66分、土居聖真がセルジーニョとの連係から決定的な3点目を決めた。

 試合は0-3で終了。2試合合計0-5で、鹿島がクラブ史上初のベスト4入りを果たした。準決勝では全北現代(韓国)と水原三星(韓国)の勝者と対戦する。

【スコア】
天津権健 0-3(2試合合計 0-5)鹿島アントラーズ

【得点者】
0-1 13分 セルジーニョ(鹿島)
0-2 27分 安部裕葵(鹿島)
0-3 66分 土居聖真(鹿島)

【スターティングメンバー】
クォン・スンテ:内田篤人、チョン・スンヒョン、犬飼智也、山本脩斗(79分 小笠原満男):レオ・シルバ(69分 永木亮太)、三竿健斗、遠藤康、安部裕葵:鈴木優磨(61分 土居聖真)、セルジーニョ




◆鹿島、クラブ史上初のACLベスト4! セルジーニョ2戦連発などで天津に快勝(サッカーキング)




◆「マジで汚い」「本当に最低」鹿島サポーターが天津権健のラフプレーに怒り心頭!(サッカーダイジェスト)






「負けが決まった途端に」ひどくなったという指摘も

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は9月18日、鹿島アントラーズ対天津権健(中国)の準々決勝第2戦がマカオの澳門奧林匹克体育中心運動場(エスタディオ・ド・マカオ)で行なわれ、鹿島が3対0で勝利し2戦合計5対0として、準決勝に駒を進めた。

 鹿島が念願のベスト4に進んだことにファンは喜んでいるが、一方で、後半になるにつれて荒くなる天津権健のプレーには非難が集中している。

 65分、鹿島の土居聖真の膝に天津権健ワンジエのスパイクがめり込んだプレーは、警告のみで済まされた。土居は立ち上がるも、試合終了まで、何度も膝の痛みに立ち止まり、まともにプレーすることができなかった。

 また、後半アディショナルタイムには安部裕葵が激しい接触で倒され、しばらく立ち上がれなくなった。

 こうした天津権健のプレーに、鹿島サポーター、そして試合を見ていたサッカーファンから非難の声が上がっている。

「本当に最低のプレーでした!ラフプレーにはしっかりレッド出して欲しい」
「天津ラフプレー多すぎ。土居選手、安部選手大丈夫かな?」
「そして、中国のチームはマジで汚い。ラフプレーが多すぎる。見てて嫌な気分になるよね」
「相手の天津のラフプレーは大問題 レオ・シルバのイエロー取り消しも含めてAFC(アジア・サッカー連盟)に抗議していいレベル」
「こんなラフプレー続けるなら試合終了してよいますぐ」
「勝ったのはいいけどラフプレーあるから、アジアの試合は嫌なんだよ。カンフーサッカーあからさまじゃねーか」
「なんなんだ、こいつら。 これでもイエロー。 なんでもアリだな」

 レオ・シルバへの不可解な警告など、審判の公平性に疑問を呈する声もあった。土居や安部の怪我について、鹿島からの公式発表はまだない。




◆「マジで汚い」「本当に最低」鹿島サポーターが天津権健のラフプレーに怒り心頭!(サッカーダイジェスト)




◆鹿島、6度目の決勝Tで扉開いた!敵地豪快3発でACL初4強(スポニチ)



土居聖真 Shoma.Doi セルジーニョ Serginho


ACL準々決勝第2戦   鹿島3―0天津権健 ( 2018年9月18日    マカオ )

 鹿島は代替地のマカオで天津権健(中国)との準々決勝第2戦に臨み、3―0で勝利を収めて2戦合計5―0とし、クラブ史上初のベスト4入りを決めた。前半のうちにFWセルジーニョ(23)、MF安部裕葵(19)がアウェーゴールを決め、早々に勝負を決めた。準決勝は19日に行われる水原―全北(ともに韓国)の勝者と、来月3日にホームで第1戦、同24日に敵地で第2戦を戦う。 

 きらびやかな高層建築物に囲まれたマカオの街で、鹿島が新しい歴史を鮮やかに築いた。立ち上がりは劣勢。「我慢しよう」という声が飛び交った。しぶとく耐え続け、迎えた13分。DF内田とMF遠藤の連係から右CKを奪うと、FWセルジーニョの頭によるファーストシュートがゴールラッシュの口火となった。前半だけで2得点。あっさりと決着をつけた。

 世界経済フォーラム「ダボス会議」の開催に伴い、警備が困難という理由で会場が2週間前に天津からマカオに変更された。一見さほど悪く見えないピッチの芝は「中に入ってみるとガタガタ」(クラブ関係者)だったが、悪条件を感じさせなかった。ジーコTDも予定を前倒ししてブラジルから駆けつける中、6度目の決勝トーナメントにしてついに準決勝進出を決めた。

 19個の国内主要タイトルを獲りながら、唯一ないタイトルが、ACL。2点目のアシストとともに前半の2点に絡んだ内田は4強入りを受けて言う。「昔のチームと比べたら、今の11人のレベルが高いわけでもない。でも俺とか満男さん(小笠原)とかソガさん(曽ケ端)とかね、昔からやっている人もいるし、そこには剛さん(大岩監督)含め、ハネさん(羽田コーチ)とかいろんな思いがある」。脈々と受け継がれた常勝軍団のDNAが敵地で流れを引き寄せた。

 もちろん満足する選手はいない。「難しい試合になると思っていたが、皆が勝つために、上に行くために走り続けた結果」と胸を張った遠藤は、試合が始まる前から言っていた。「ベスト4になったから何かを得られるわけではない。僕らは優勝を目指している」。鹿島にとっては、4強も通過点にすぎない。

 ≪日本勢5チーム目の4強≫鹿島がクラブ史上初の準決勝進出を果たした。日本勢では浦和(07、08、17年)、G大阪(08、15年)名古屋(09年)、柏(13年)に次いで5チーム目。鹿島はホームでの1戦目も○2―0で勝利。準々決勝を連勝で通過したのは07年浦和、08年G大阪に次ぐ3チーム目で、過去2チームはいずれも優勝しているだけに鹿島もACL初制覇に期待が懸かる。




◆鹿島、6度目の決勝Tで扉開いた!敵地豪快3発でACL初4強(スポニチ)




◆鹿島対応力で4強、布陣変更気付き「我慢」で耐えた(ニッカン)






<ACL:天津権健0-3鹿島>◇準々決勝第2戦◇18日◇マカオ五輪スポーツセンター

勝負は、キックオフ前についていたのかもしれない。

ピッチに散らばった瞬間、鹿島アントラーズの選手たちは天津権健のフォーメーションの変化に気づいた。第1戦や直近で採用していて予想した4バックではなく、3バック。中盤では横に5枚、並んでいた。

即座に声を掛け合った。「DFラインの両脇が空く。そこを突いていこう」。サイドハーフの守備位置や、センターバックがカバーに出た際のボランチのケア-。選手自らが判断し、対応した。得点が必要な相手が前がかりになることは分かっていた。何よりも「我慢」を言い聞かせて試合に臨んだ。だから、序盤に元ブラジル代表FWパトを中心に攻め込まれても、辛抱強く耐えられた。

「立ち上がりのピンチでみんなで体を張って失点をせず、先制点を取れたことが非常に大きかった。2点目を取れたが、2-0はサッカーで1番危ない点数なので後半もう1点取り…試合は荒れたが、その中でみんなで戦った」。MF三竿健斗が胸を張った。

前半13分のFWセルジーニョの先制点で勢いに乗り、同27分にMF安部裕葵が追加点を挙げる理想的な展開。後半21分にはFW土居聖真がとどめを刺した。そして、第1戦に続いて完封した守備陣の踏ん張り。クラブ史上初の4強は、全員の力でもぎ取った。

大岩剛監督は「ベスト4進出は非常にうれしい。クラブとしても悲願ですし。ただ、我々の目標は優勝に置いている。そのためにしっかりと準決勝の準備をすることしか頭にない。その先に、結果がついてくればいい」と気を緩めることなく、前を見据えた。




◆鹿島対応力で4強、布陣変更気付き「我慢」で耐えた(ニッカン)




◆AFCチャンピオンズリーグ2018 準々決勝 第2戦(オフィシャル)


三竿健斗 Kento.Misao


AFCチャンピオンズリーグ 準々決勝 第2戦

セルジーニョと安部、土居が決めた!鹿島が天津権健を圧倒、クラブ史上初のACLベスト4!

会場変更、そして台風直撃。幾多もの困難を乗り越えて、鹿島がクラブ史上初のベスト4進出を成し遂げた。AFCチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦。マカオの澳門奧林匹克体育中心運動場にて中国の天津権健と激突すると、13分にセルジーニョ、27分に安部がゴールネットを揺らす。2試合合計4-0と圧倒的優位に立って迎えた後半には、途中出場の土居が豪快な一撃で追加点。3-0で勝利を収め、2試合合計5-0と圧倒して準々決勝を突破した。

鈴木が劇的なヘディングシュートを突き刺し、金曜日の聖地は歓喜に包まれた。9月14日のJ1第26節、湘南を相手に2-1。「課題はたくさんある」と町田が振り返ったように、会心の出来とは言い難い90分だった。それでも、ラストプレーで奈落の底へ突き落とされたアウェイでの雪辱を果たす、後半アディショナルタイムの決勝弾が持つ意味は計り知れない。殊勲の背番号9は「勢いがつくと思う。難しい試合で勝ち切れたことはチームとしてプラスになるので、ACLにつなげていきたい」と引き締まった表情で言葉を紡ぐ。視線は既に、次なる戦いへと向けられていた。

ACL準々決勝、第2戦。9月18日のアウェイゲームは、天津権健の本拠地で開催される予定となっていた。スタッフは会場や設備を視察し、入念な準備を進めてチームの行程を固めていた。しかし、試合開催のわずか15日前に会場変更が決定。予想外の事態となり、現地での視察を急遽実施してスケジュールを組み直した。「国際大会は何が起きるかわからない」。その言葉通り、クラブ全体の対応力が問われる事態となった。

緊急事態に対応すべく準備を進めていく中で、新たな敵が浮上した。台風22号による悪天候だ。フライト欠航の恐れを回避するため、チームはマカオへの移動を一日早めることを決断した。湘南戦を終えたばかりの選手たちは、翌日の早朝に鹿嶋を発って敵地へと向かう。新たなルートは、中国経由でのマカオ行き。長時間移動を経て、無事に到着することができた。

しかし、暴風雨に見舞われる中、到着後2日間は屋外での練習が不可能となった。選手たちはジムでのトレーニングでコンディション調整に努め、集中力を研ぎ澄ましていく。試合前日の公式練習も会場が変更となったが、チームに動揺はない。「このタイトルを獲るために帰ってきた」。不退転の決意を刻んだ内田は「いろいろなことが起きるのが国際大会。こういうことには慣れている」と事も無げに語っている。前日会見では、大岩監督が「チームの士気も上がった状態で来ることができた」と勝利への誓いを言葉に刻んだ。



過酷な状況、湘南戦から中4日で臨む勝負のアウェイゲーム。指揮官は5名の先発変更を断行した。右サイドバックに内田、センターバックに犬飼、左には山本を復帰させ、ボランチの一角にレオ シルバ、前線に鈴木を起用した。その他、ゴールマウスはクォン スンテに託し、センターバックは犬飼とともにチョン スンヒョンが務める。レオとともに三竿健斗がボランチを務め、2列目には安部と遠藤。そして前線では、鈴木とともにセルジーニョがゴールを狙う。そしてベンチにはGKの曽ケ端、西、町田、安西、永木、小笠原、土居が座る。



台風22号の通過から2日、マカオは青空に恵まれた。周辺では台風の爪痕が残っていたスタジアムも、急ピッチの準備で決戦の舞台を整えた。はるばる敵地まで駆け付けたアントラーズレッドの背番号12が声を張り上げ、ボルテージを高めていく。「みんなの想いとともに俺達も戦う」。思いは一つ、準決勝へ――。



現地時間19時30分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。凹凸が目立つピッチで、立ち上がりに圧力を高めたのは天津権健。少なくとも2得点が必要なホームチームは、両サイド深くへボールを入れて攻勢をかけてきた。開始4分、右サイドからのクロスをニアサイドで逸らされ、アレシャンドレ パトに強烈なボレーを打たれる。枠を捉えた一撃で肝を冷やしたが、スンテがシュートコースに入っていた。正面でボールを処理し、しっかりとキャッチ。いきなり迎えたピンチだったが、守護神が抜群の安定感で無力化してみせた。

立ち上がり10分、鹿島は前線で起点を作れずにリズムを掴めなかった。それでも12分には安部が中盤左サイドで相手のボールを奪う。若武者の粘りから攻撃に転じると、右サイドへの展開から内田、遠藤を経由して右CKを獲得した。この夜最初のチャンス、是が非でもほしい先制点――。願いを叶えたのは、レフティーコンビだった。

13分、遠藤が蹴った右CK。ゴール方向へカーブがかかりながら、鋭いボールがニアサイドへ飛んだ。相手GKの動きをブロックし、落下点を確保したのはセルジーニョ。ヘディングシュートがゴールネットを揺らすと、マカオまで駆け付けたアントラーズレッドが沸騰した。1-0。極めて大きな意味を持つアウェイゴールを刻み、鹿島が2試合合計3-0と圧倒的優位に立った。





願ってもない展開で先制に成功した鹿島は、チーム全員が冷静沈着に時計の針を進めていく。焦りの色を隠せない天津権健の激しいプレスを遭うこととなったが、正確なパス交換と連動した動き出しで守備網をかいくぐった。16分、そして21分に鈴木が鋭いシュートでゴールを脅かすなど、追加点への意欲を体現していった。









主導権を握って攻勢を強めていた鹿島だったが、25分に2度目の大ピンチ。自陣ペナルティーエリア内での混戦から、スンテが弾き出したボールをダイレクトボレーで狙われる。守護神不在のコースへシュートが飛び、枠を捉える絶体絶命の瞬間。しかし、立ちはだかったのは背番号2だった。百戦錬磨の内田が起死回生のシュートブロックを見せ、鹿島を救った。

渾身の守備からわずか2分後、内田は次のスコアを演出してみせる。27分、敵陣右サイドで倒されながらも粘った遠藤からボールを引き取ると、ドリブルで縦へ。冷静に繰り出したグラウンダーのクロス、そこへ待っていたのが安部だった。若武者のシュートは相手DFに当たってコースが変わり、ゴール左隅へ。2-0。2つ目のアウェイゴールを刻み、鹿島が2試合合計4-0とリードを広げた。たたみ掛ける鹿島は直後にも鮮やかなパス交換から遠藤が決定機。ペナルティーエリア右側から左足で狙ったが、相手GKに阻まれてしまった。











突破のためには5得点が必要となった天津権健は激しいタックルを連発し、ファウルの笛が鳴る場面も増えていった。それでも鹿島は集中力を切らすことなく、力強い対人戦で応戦。2-0とリードを保ち、ハーフタイムを迎えた。

残りは45分、鹿島としては4失点さえ喫しなければ突破が決まる状況だった。とはいえ、目指すものはクリーンシート、そしてさらなる得点だ。前半同様に立ち上がりは天津権健がボールポゼッション率を高めたが、連動したプレスと鋭いカバーリングで攻撃の芽を摘んでいく。決定的な縦パスを出させることなく、時計の針を進めていった。2-0のまま、残り30分を切った。















次第にスペースが空き始める中、大岩監督は61分に土居を投入。鈴木に代えて前線へ送り出し、活性化を図る。すると5分後、3度目の歓喜が訪れた。66分、土居がペナルティーエリア右手前からセルジーニョとのワンツーで守備網を突破。迷うことなく左足を振り抜くと、強烈な一撃がゴール左隅へ突き刺さった。3-0。準決勝進出を揺るぎないものとする、決定的なスコアが刻まれた。







ラスト20分は相手のラフプレーも増え、肉弾戦の様相がより色濃いものとなった。鹿島は途中出場の永木や小笠原がミドルゾーンで献身し、攻撃陣は機を見たカウンターで4点目を狙っていく。86分には土居が激しいタックルで削られたが、背番号8は勝利への執念を燃やしてプレーを続行。終盤にはポスト直撃のシュートを打たれた場面もあったものの、チーム一丸でゴールを守り抜き、そしてついにホイッスルを聞いた。3-0、2試合合計5-0。天津権健を圧倒し、クラブ史上初のベスト4進出を成し遂げた。



準決勝は10月3日にホームでの第1戦、そして24日に敵地での第2戦が予定されている。鹿島はまた一つ、壁を打ち砕いてみせた。アジアの頂へと続く道を、一丸で駆け上がる日々は終わらない。

そして次戦は5日後、23日のJ1第27節だ。ACLベスト4を成し遂げた自信と勢いを胸に、チームは明日、鹿嶋へ帰還する。飛行機移動でのアウェイ連戦、今度は札幌での90分。日常と化した過酷なスケジュールは、各大会を勝ち進んでいるからこそでもある。ならば、勝利とともに進むのみ。総力戦で、勝ち点3だけを目指して準備を進めていく。




【この試合のトピックス】
・ACLで初めて準決勝進出を果たした。
・中国のクラブとACLで対戦するのは通算17試合で、10勝3分4敗となった。
・セルジーニョが準々決勝第1戦に続いて、ACLでの2得点目を挙げた。
・安部が加入2年目でACL初得点を挙げた。
・土居が今大会3得点目を挙げた。全てがアウェイでの得点。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


天津権健:パウロ ソウザ


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
前半、天津権健が非常にアグレッシブに戦ってきた中で少し受け身になってしまったが、先制点、追加点と前半のうちに2得点を取れたことが大きかった。しっかりと準備してきたことを90分に渡って出してくれた。選手を非常に評価している。そして、 マカオまで来てくれたサポーターの力があってこその勝利だと思う。非常に感謝している。

Q.クラブ史上初のACLベスト4進出となったが、次のラウンドへ進んだことの意味は?決勝進出、そしてタイトル獲得のチャンスがあるが?

A.ベスト4進出を非常に嬉しく思っている。ただ、我々の目標は優勝。次の準決勝に向けた準備をしていき、その先で結果が付いてくると思う。

Q.ここまで中国の3クラブに勝ってきているが、弱点はどこなのか?そして中国のクラブにアドバイスはあるか?

A.中国のクラブは外国籍選手を中心に、力のあるチームが多い。タイトな試合が多く、非常にリスペクトしている。100%、120%の力で戦わなければ勝てない相手で、ホームでもアウェイでも非常にパワーを使うので、難しい相手になっている。

Q.試合の入り方を重視していたが、先制点を取るまでの戦い方についてどのように考えているか?CK獲得のプレーや2点目に内田選手が絡んでいたが、評価は?

A.試合の入りを非常に重視していたことは事実。ホイッスルが鳴って、天津権健がシステムを変えて臨んできた中、選手が状況を把握して冷静に対応してくれた。少し押し込まれたが、冷静に対応してくれた。内田は経験があるので、相手との駆け引きの中で「出ていくところ、出ていかないところ」の判断をして、チャンスがあれば出ていく。実際にチャンスを得たので評価したい。周りの選手のサポートも忘れてはいけないし、チーム全体で連動していた結果がチャンスにつながり、得点につながり、勝利につながったと感じている。

天津権健:パウロ ソウザ



選手コメント

[試合後]

【三竿 健斗】
立ち上がりのピンチでみんなで体を張って失点をせず、先制点を取れたことが大きかった。アウェイゴールなので非常に大きかった。追加点を前半のうちに取れて、2-0は危険なスコアという中で3点目を取れて、みんなで最後まで戦えた。アウェイまでサポーターの方が来てくれた中で非常にいい試合ができたと思う。

【安部 裕葵】
練習通りの形だった。優磨くんがファーに流れて、相手DFを釣り出してくれてフリーになれたし、いいボールも来た。味方に感謝したい。ピッチ状態はいいとは言えなかったけど、それは相手も同じ。その中でイージーミスもなかったし、集中して戦うことができた。最初は嫌な雰囲気だったけど、セットプレーからセルジーニョが決めてくれて、チームとしてすごく楽になった。

【内田 篤人】
簡単な相手ではないし、第1戦での2-0では全然差がない。先制点を取れて、2点目も取れたから、あのような展開になった。セットプレーで点が取れたのは大きかった。ライン上のクリアは、GKが出た時に空いているコースに入れば、ボールは飛んでくる。パトだから絶対に枠に飛んでくると思った。アシストのパスは久々にマイナスに出した。裕葵がうまく入ってきてくれた。

【遠藤 康】
ベスト4云々というよりも、目の前の試合にまず勝つということを考えていた。相手は3バックだったので、その脇を突いていこうと思っていた。それがいい時間帯での先制点につながったと思う。セットプレーは常にチャンスで、点が入れば楽になる。1点を取ってからだいぶ落ち着いたところもある。セルジーニョがよく入れてくれたと思う。

【犬飼 智也】
引く時やボールに行く時の(意思の)共有がうまくいっていたと思う。一人ひとりがサボることなく、自分の仕事をまっとうした結果。思ったより相手がボールを動かしてきたけど、慌てることなくどこから守備を始めるのかがうまくいっていた。それはよかったと思う。

◆AFCチャンピオンズリーグ2018 準々決勝 第2戦(オフィシャル)

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